転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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怪人と鬼人

ルーミアSide

 

「へぇ……良いじゃん。リムル。」

 

「うん。似合ってるよ。リムルさん。」

 

蜥蜴人族(リザードマン)の首領さんとの交渉から帰還した後、私とシズさんは朱菜が作った蒼い衣服に身を包んだリムルを見ながらそう言う。

 

「ありがとうな。二人とも……じゃあ、行こうか。」

 

そうして私達は湿地帯へと向かって移動を開始する。

 

出陣メンバーは私とリムル、シズさんに加え、紅丸、白老、紫苑、萃香、蒼影、鬼鮫、嵐牙、絶狼、影狼、リーニエ、そして、ゴブタ率いる狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)100組。

 

ブラッドレイとピッコロには防衛のため、街に残ってもらった。

 

実力もさることながら指揮能力もある二人がいれば大丈夫だろうし、いざとなればリグルドと上手く協力して樹人族(トレント)の集落に住民達を避難させられるだろう。

 

 

 

 

「よしっ。今日はここで野営しよう。」

 

町から出立して三日後、そう言うリムルの言葉に従い、皆は野営の準備を始める。

 

「蒼影は周辺の偵察に行ってくれ。」

 

「御意。」

 

「鬼鮫もお願い。」

 

「わかりました。」 

 

「(カチカチッ‼)着かないッスねぇ……」

 

リムルと私が蒼影と鬼鮫に指示を出すなか、ゴブタはそう言いながら何度も火打ち石で火を起こそうとする。

 

が、薪が湿気(しけ)っているからか、一向に着く気配がない。

 

「ゴブタ。乾いた薪、集めてきた。」

 

「おぉっ!ナイスッス!リーニエ!!」

 

そんななか、薪を両手で抱えてきたリーニエに対し、ゴブタは笑顔でそう言う。

 

「あの二人、妙に仲良いよな。」

 

「フフ……そうだね……」

 

「そういえばリムル、ゴブタの武器の件、黒兵衛にちゃんと話通しといた?」

 

「……あ……」

 

「リムル?」

 

「リムルさん?」

 

「いや!忘れていた訳じゃないぞ!!色々バタついてたから、帰った後でちゃんと頼むつもりでいたんだ!!」

 

……これは忘れてたな……

 

【ルーミアさん。ちょっと良いですか?】

 

完全に目が泳いでいるリムルの様子にそう思いながら呆れるなか、鬼鮫から『思念伝達』で連絡が入ってくる。

 

【どうしたの?鬼鮫。】

 

【交戦中の一団を発見しました。片方は(メス)のリザードマン二人……首領の側近達ですね。】

 

【もう片方は?】

 

【上位個体と(おぼ)しきオーク一体と、取り巻きのオーク兵士五十体ですね。】

 

雌のリザードマン二人に対し、上位個体率いる五十体のオーク……どうみてもヤバい……

 

【幸か不幸か上位個体は自分の力量を見せびらかしたいのか、一人で二人を相手していますね。】

 

【そのオーク達……蒼影と協力してイケそう?】

 

【クク……問題ないですね。鮫肌もそろそろ豚肉が食べたくてウズウズしているみたいですしね。】

 

【そう……じゃあ、側近達を助けてあげて。彼女達から話を聞きたいし。後、オークも喰べ尽くさないで(・・・・・・・・)、何体か生け捕りして。】

 

【わかりました。】

 

「リムル。」

 

「あぁ、わかってる……野営は中止だ!!」

 

「皆、戦闘体制を整えて!!今から蒼影と鬼鮫の元へ向かうよ!!」

 

鬼鮫との『思念伝達』でのやりとりを終えた後、私はリムルと共にそう指示を出した。

 

第三者Side

 

ギィンッ!!ガキィンッ!!

 

五十体のオーク兵士達が(よだれ)を垂らしながら見守っているなか、一回り体格が大きく袖無しの鎧を着たオークの振るう二本の剣と、蜥蜴人族(リザードマン)の親衛隊長の槍と副隊長の剣が何度もぶつかり合う。

 

ガキィンッ!!

 

「あ……っ!?」

 

ドシャアアアアッ!!

 

が、副隊長が剣を叩き折られながら、五十体のオーク兵士達の側まで吹き飛ばされる。

 

「うぅ……」

 

「副隊長!!」

 

「つまらねぇな……おい。もうそいつ、喰っていいぞ。」

 

上位個体がそう言った瞬間、周りにいた数体のオーク兵士が副隊長を喰らおうと向かっていく。

 

「くっ……」

 

(ここまでか……)

 

副隊長がそう思いながら目を閉じる。

 

「勝手に死なれるのは困りますねぇ……」

 

ズバアアアァァァンッ!!

 

「「「「「グオオオォォォーーーッ!?」」」」」

 

「!?」

 

が、そう言う声と共に自分を襲おうとしていたオーク兵士達の断末魔が副隊長の耳に届く。

 

目を開けると、自分を襲おうとしていたオーク兵士達は鎧ごと腹部が抉られた(・・・・)かのような状態になって絶命し、そんなオーク達と副隊長の間には青白い肌の男、鬼鮫が立っていた。

 

「私の大刀『鮫肌(サメハダ)』は斬るのではなく(・・・・・・・)削る(・・)……っ!!」

 

「ギギギィィッ!!」

 

鬼鮫が不敵な笑みを浮かべながらそう言った瞬間、彼の手にある、雲丹(ウニ)若しくは海鼠(ナマコ)のような巨大な寸胴(すんどう)な刀身を持つ妖刀『鮫肌』がそう奇声を上げる。

 

「な、なんだ!?あの剣は!!?」

 

「剣なのか!?あれ!!」

 

「さて、そこにいるリザードマンのお嬢さんは動かないで下さいね。すぐに済ませますので。」

 

鮫肌を見て他のオーク兵士達がそう言いながら狼狽(ろうばい)しているなか、鬼鮫はそう言いながら残りのオーク兵士達へと向かっていく。

 

「リムル様とルーミア様がおまえ達二人から話を聞きたいそうだ。」

 

一方親衛隊長の前にはいつの間にか蒼影がいて、上位個体と対峙している。

 

「蒼影殿……」

 

「なんだてめぇっ!!獲物を横取りしようってのかっ!!」

 

親衛隊長がそう言うなか、上位個体はそう言いながら剣を振り下ろそうとする。

 

ズバババババババババババババババァァァンッ!!

 

「「!?」」

 

が、それより先に蒼影の素早い斬撃が上位個体に深傷(ふかで)を負わせる。

 

「グオオオォォォーーーッ!?」

 

「………」

 

「流石ですね。蒼影さん。」

 

「鬼鮫。そっちは終わったのか?」

 

「えぇ。あまり削りがいはありませんでしたが……」

 

上位個体が苦痛の声を上げ、親衛隊長が唖然とするなか、そう尋ねる蒼影に対し、鬼鮫は肩を(すく)めながらそう答える。

 

「生け捕りはその上位個体で十分だと思ったのでこちらは全部、鮫肌の餌にさせて頂きました。」

 

そう言う彼の周りには最初の数体のオークと同様に腹部を抉られたかのような状態で絶命したオーク兵士達の死体が転がっていた。

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