「あれ程の数を一人で……」
「………」
「あれ?もう終わったのか?」
「流石は蒼影と鬼鮫だね。」
オーク兵士達の死体を見て、副隊長と親衛隊長がまたしても唖然とするなか、リムルとルーミアがそう言いながら紅丸達を引き連れて現れる。
「リムルは蒼影が助けた方をお願い。私は鬼鮫が助けた方を。」
「おう。」
そうしてリムルは親衛隊長の方へ、ルーミアは副隊長の方へと向かう。
「どうぞ。回復薬です。」
「あ、あぁ……」
パァァァ……
「!?傷が完全に治った!?致命傷だったのに!!?」
「貴女達、首領さんの側近だよね?どうしてたった二人でこんな所」
ズドォォォンッ!!
「に……」
ルーミアの言葉の途中、大きな音が響き渡る。
発生源を見ると、蒼影が生かしておいた上位個体のオークを、紫苑が自身の大太刀『剛力丸』で一刀両断しているのが目に入る。
「リムル様!!ルーミア様!!愚か者を罰してやりました!!」
(愚か者はおまえだ!!)
「……紫苑。」
笑顔でそう言う紫苑にリムルが内心でそうツッコミを入れるなか、ルーミアは静かに話しかける。
「はい!ルーミア様!!」
「……私さぁ。蒼影と鬼鮫には『
「え?」
ルーミアの言葉に紫苑は思わず呆けた声を上げる。
対するルーミアは鋭い眼光を紫苑に向けている。
心なしか背後には鬼、否、閻魔の
「兵士の方は全滅しているから、そのオークから聞き出すしかなかったんだけど……
「え、えっと……」
「なに?反論があれば聞くけど?」
「も、申し訳ございません!!」
「ま、まぁまぁ、そんなに怒らなくても……」
「なに?リムル。」ギロリ
「うっ……!?」
「凄い圧と眼光……まるでヒナタみたい……」
「ッ……」
シズの口から出た『ヒナタ』の単語にルーミアは軽く頭を押さえながら
「!?ルーミア様!?」
「大丈夫か!?」
そんなルーミアに対し、紫苑とリムルはすぐさま声を掛ける。
「大丈夫……とにかく紫苑。次からは気を付けるようにね……」
「は、はい……」
「……隊長……」
「………」
(……この方達ならば……)
「お願いがございます!!」
「「「「ん?」」」」
「どうか我が父たる首領と我が兄たるガビルをお救い下さいませっ!!」
「お願いします!!」
そんななか、親衛隊長と副隊長が土下座しながらそう懇願してくる。
「君は首領の娘でガビルの妹なのか?」
「ひょっとして貴女も?」
「い、いえ。私は首領とガビル様とは血縁関係はございません。」
「そう……それで一体何が起きたの?」
「……兄が
「ガビル様は自らの手で
「ですが、兄は
「『先走るな』という協約を守れず、虫が良い話なのは重々承知しております。」
「ですが、強力な魔人様達を従える貴方様達なら、その御力で
父と兄を、そして、仲間達を救いたい一心で親衛隊長と副隊長の二人は必死に懇願する。
「よくぞ申しました!!リムル様とルーミア様の偉大さがわかる貴女達は見る目があります!!
そんな二人に対し、紫苑が肩に手を置きながら嬉々としてそう言う。
「あ、ありがとうございます!!」
「ありがとうございます!!」
【勝手に仕事を取ってくるこの感じ……】
【まさに秘書って感じだね。でも……やるでしょ?】
【まぁ、
「え~と、君は首領の娘さんなんだよね?」
ルーミアと『思念伝達』でそう話した後、リムルはそう親衛隊長に話しかける。
「は、はい!!」
「じゃあ、俺達は君を首領の代理として認める。」
「ここで同盟を締結させるけど、異論はある?」
「い、いえ!異論など!!」
「蒼影。首領の元まで『影移動』できるか?」
「可能です。」
「鬼鮫も同行して、
「わかりました。行きましょう。蒼影さん。」
「あぁ。」
そうして蒼影と鬼鮫の二人はその場から消える。
「さてと……」
二人を向かわせた後、ルーミアはそう言いながら、オーク達の死体に両手を
「ユニークスキル『
ズズズ……ッ!!
ルーミアがそう言った瞬間、オーク達の死体は『闇』となって吸収される。
「とりあえずオーク達の死体を取り込んで、彼らを強化していたエフィメラの
「わかった……首領の娘さんとその部下さんの二人も首領の元へ行くと良いよ。先に向かわせた二人がいれば大丈夫だ。」
「は、はい!!」
「ありがとうございます!!」
そうして親衛隊長と副隊長の二人も首領の元へと向かう。
「それじゃあ、進軍を続けるぞ!!」