転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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黒雷嵐(デスストーム)

「だから、退()けと言っただろう。」

 

「き、貴様ら、何者だっ!?」

 

その頃、そう言う紅丸を筆頭に歩を進める白老、紫苑、萃香の四人に対し、オーク達は戸惑いながらそう尋ねる。

 

「覚えてないのか?酷いなぁ……里をあれだけ喰い散らかしてくれたじゃないか……」

 

「!?その角……まさか、大鬼族(オーガ)か!?」

 

「どうだかなぁ……今は少し違うかもな(・・・・・・・・・)……」

 

紅丸はそう言いながら右掌に黒い炎を生み出す。

 

「もう一度言う……道を開けろ、豚共。灰すら遺さずに消えたくなければな……っ!!」

 

紅丸はそう言いながら、生み出した黒炎を投げつける。

 

ボオオオォォォーーーッ!!

 

黒炎はオーク達の間をすり抜けるや否やドーム状に巨大化し、周りのオーク達を焼き尽くす。

 

「始まったみたいだね。」 

 

「あぁ、シズ殿……」

 

オーク達を焼き尽くす黒炎のドームを遠目で見ながら、絶狼はシズとそう話しながら両手で握っている二刀流の小太刀『銀狼剣』で頭上に『光の円』を描く。

 

パキィィィンッ!!

 

すると、その円から銀の狼を模した鎧…『魔鎧(マガイ)』が召喚され、絶狼はそれを身に纏う。

 

「行こう。シズ殿……っ!!」

 

「えぇっ!!」

 

絶狼とシズはそう話しながら、互いの得物に蒼い炎を纏わせながらオーク達へと向かっていく。

 

「皆、凄いな……」

 

「あれだけいたオーク達が次から次へと減っていくね。」

 

「ふんっ。蜥蜴共を助けにきたようだが無駄なことを……」

 

上空から様子を見ながらリムルとルーミアがそう話しているなか、豚頭将軍(オークジェネラル)はそう言いながらバトルアックスと盾を構える。

 

「ゴブリンに犬畜生。何処ぞの木っ端魔物の配下が加わったところで我らの優勢は揺るがんわ……っ!!」

 

「!木っ端って……っ!!」

 

「………」

 

「……嵐牙。」

 

【あぁ……では、見せてやろう。】

 

豚頭将軍(オークジェネラル)の言葉にゴブタとリーニエが青筋を浮かべるなか、そう言う影狼にそう言いながら、嵐牙は唸り声を上げながら赤い妖気(オーラ)を纏い始める。

 

ルーミアSide

 

ゴゴゴ……ッ!!

 

「あれ?」

 

「空が暗くなっていく?」

 

突如として夜空を覆っていく暗雲を見上げながら、リムルと私がそう言うなか、

 

ビシャアアアアンッ!!

 

「うおっ!?」

 

「危なっ!?」

 

ゴオオオォォォーーーッ!!

 

黒雷と共に幾つもの竜巻が地上へと降り注ぐ。

 

「えぇぇ……」

 

「なにコレ?」

 

『あぁ……どうやら嵐牙の仕業みたいだね。これ……』

 

〈是。個体名『嵐牙』の広範囲攻撃技『黒雷嵐(デスストーム)』です。〉

 

竜巻を見ながらリムルが引いているなか、思わずそう口に出す私に対し、『人造全智存在(マザー)』と『大賢者』がそう説明してくれる。

 

あっそう……(汗)

 

第三者Side

 

ゴオオオォォォーーーッ!!

 

「ぐぅぅぅ……っ!?お、おのれぇ……っ!!」

 

嵐牙の『黒雷嵐(デスストーム)』で仲間達が吹き飛ばされていくなか、バトルアックスと盾を吹き飛ばされた豚頭将軍(オークジェネラル)はそう言いながらなんとか耐えきろうとする。

 

が、その抵抗も虚しく豚頭将軍(オークジェネラル)は他のオーク達と同じように巻き上げられ、

 

ビシャアアアアンッ!!

 

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!!?」

 

竜巻の中で黒稲妻が直撃し、消し炭すら遺さずに消滅させられる。

 

ウォォォォォンッ!!

 

そんななか、嵐牙は溢れんばかりの妖気(オーラ)を撒き散らしながら遠吠えを上げる。

 

「!?角が二本に……っ!?」

 

「おぉっ!黒嵐星狼(テンペストスターウルフ)ッス!!」

 

その際、身体が更に一回り程大きくなり、角が二本になった嵐牙を見て、ガビルとゴブタはそう言う。

 

【見たか。オーク共……これが貴様らが木っ端と(あなど)った御方達の“力”の一端だ……っ!!】

 

「目の前のオーク、全部吹っ飛んじゃったッスけど……」

 

「見違えたわね。嵐牙……私も負けられないわ……っ!!」

 

「………」

 

オーク達を吹き飛ばした後、そう言う嵐牙にゴブタがそう言うなか、影狼はそう言いながら紫の妖気(オーラ)を纏わせた爪を構え、リーニエも刀を構える。

 

ドンッ!!

 

ズバババババババババババババババババババババァァァンッ!!

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」」」

 

次の瞬間、リーニエが素早く刀でオーク達を斬り捨てていくなか、影狼は紫の…毒の妖気(オーラ)を纏わせた爪で斬りつけていき、斬りつけられたオークは鎧が溶解する程の猛毒によって命を落としていく。

 

ズバババババババババババババババババババババァァァンッ!!

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」」」

 

パシィッ!!

 

「嵐牙も影狼も立派になったな……」

 

ズバァァァンッ!!

 

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」

 

「やっぱり親として嬉しいですか?絶狼さん。」

 

柄同士を合体させた大型の剣『銀牙銀狼剣』をブーメランのように投擲(とうてき)して多くのオークを撃破した後、嵐牙(むすこ)影狼(むすめ)の成長した姿を見てそう呟く絶狼に対し、シズは蒼い炎を纏わせた剣でオークを斬り倒しながらそう尋ねる。

 

「えぇ。我も含め親子三人にこれ程の“力”を与えて下さったルーミア様とリムル様には感謝してもしきれない……っ!!」

 

「私も、リムルさんとルーミアちゃんに命を救われた……二人に恩を返すためにも……っ!!」

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!!」」」

 

二人がそう話をするなか、周りのオーク達が向かってくる。

 

「「はあああぁぁぁーーーっ!!」」

 

対する二人は互いに背中合わせになりながらその場で回転。蒼い炎を纏わせた銀牙銀狼剣と剣を横凪ぎに振るう。

 

ボオオオォォォーーーッ!!

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」」」

 

次の瞬間、二人の蒼い炎が周りのオーク達を焼き尽くす。

 

ドォォォンッ!!ドォォォンッ!!

 

「これが俺達の新たなる門出……」

 

紅丸は黒炎のドームでオーク達を焼き尽くし、

 

ズバババババババババババババババババババババァァァンッ!!

 

「リムル様とルーミア様の華々しい勝ち戦の……」

 

白老は弟子(リーニエ)以上に素早い動きでオーク達の間を駆け抜けながら斬り倒し、

 

「最初の一戦目。」

 

「だね!!」

 

紫苑と萃香は上空にいるリムルとルーミアを見上げながら背中合わせになる。

 

ルーミアSide

 

「ぐっ……調子に乗るなぁっ!!」

 

リムルと私が見守るなか、紫苑と萃香の周りにいたオーク達が一斉に二人に向かっていく。

 

対する紫苑は剛力丸を振りかぶるように構え、萃香は右手首を左手で押し出すように構える。

 

「んっ!えいっ!!」

 

「『爆力魔破(バクリキマハ)』!!」

 

ズドオオオォォォーーーンッ!!!

 

ズガアアアァァァーーーンッ!!!

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」」」

 

紫苑が振り下ろした剛力丸から放たれる巨大な斬撃にオーク達が凪ぎ払われていくなか、萃香の右掌から放たれたオレンジの極光は眼前のオーク達を呑み込み消滅させていく。って……

 

「うわぁ……今後、紫苑を怒らせないようにしよ……っていうかルーミア。今の萃香の技って……」

 

「……十中八九ピッコロが仕込んだものだと思う……」

 

リムルからの指摘に思わず目を反らしながらそう言う。

 

そういえば、悟飯も割りとピッコロの技を習得させられてたもんね……

 

複製体とはいえほぼオリジナルだし、同じように萃香に自分の技を叩き込んでいてもおかしくないか……

 

「リムル様ぁーっ!!」

 

「ルーミア様ぁーっ!!」

 

私がそう思っているなか、紫苑と萃香は笑顔でそう言いながら手を振ってくる。

 

対するリムルと私は苦笑いしながらも手を振り返す。

 

首領さん達を助けに行った蒼影と鬼鮫は上手くやってるかな……

 

第三者Side

 

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

 

ズシャアアアアアンッ!!

 

「「「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」」」

 

蒼影と親衛隊長、副隊長の三人と共に蜥蜴人族(リザードマン)の本拠地である地下大洞窟内に潜入した鬼鮫は先に侵入していたオーク達を鮫肌で斬り裂き、撃破する。

 

「………」

 

「ほら。副隊長さん、呆けてないでこれでお仲間を治してやったらどうです?」

 

改めてその光景を見て唖然としている副隊長に対し、鬼鮫はそう言いながら幾つかの完全回復薬(フルポーション)が入った小瓶を手渡す。

 

「は、はいっ!ありがとうございますっ!!鬼鮫様!!」

 

対する副隊長はそう言いながら受け取った完全回復薬(フルポーション)で傷付いた仲間のリザードマン達を回復させる。

 

その後、四人は首領が囚われている牢獄へと向かう。

 

「父上!!」

 

「!おぉ……来てくれたのか。蒼影殿、鬼鮫殿。」

 

首領(ちち)の無事がわかって安堵したのか、親衛隊長が涙を流しながら抱きつくなか、首領は二人を見ながらそう言う。

 

「しかし、何故……」

 

「同盟は締結された。」

 

「それはどういう……?」

 

「先方の主であるリムル様とルーミア様が隊長を首領の代理として認めて頂いたのです。」

 

「援軍が来ます。まだ諦める時ではありません。父上……」

 

「ッ……蜥蜴人族(いちぞく)は……助かるのか……っ!!」

 

「グフフ……」

 

「「「!?」」」

 

副隊長と親衛隊長の言葉に首領が涙を流すなか、一体の豚頭将軍(オークジェネラル)がその場に現れる。

 

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!!」

 

「蒼影殿!!」

 

雄叫びを上げながら蒼影に向かって、豚頭将軍(オークジェネラル)が剣を振りかぶってくるなか、首領がそう声を上げる。

 

「心配ない。」

 

ピタッ……

 

「既に動けなくしてある。」

 

「グゥ……っ!?」

 

が、蒼影がそう言った瞬間、豚頭将軍(オークジェネラル)は『鋼糸』によって身動きを封じられる。

 

「………」

 

「……まぁ……」

 

「そうなりますよね……」

 

「蒼影さん、このオーク………」

 

「あぁ……わかってる……」

 

唖然としている首領に親衛隊長と副隊長がそう言うなか、そう言う鬼鮫にそう言いながら、蒼影は豚頭将軍(オークジェネラル)に歩み寄る。

 

「聞こえてるか?豚頭族(オーク)を操る者よ……」

 

「グゥ……」

 

大鬼族(オーガ)の里を滅ぼし、鬼人(キジン)を敵に回したこと……後悔するがいい……」

 

「ぐっ!?……グゥ……っ!!?」

 

蒼影はそう言いながら『鋼糸』に指を掛けた瞬間、豚頭将軍(オークジェネラル)を縛りつけていた『鋼糸』が締まり、血が噴き出てくる。

 

ズシャアアアアアンッ!!

 

次の瞬間、豚頭将軍(オークジェネラル)はバラバラな肉塊と化した。

 

 

 

 

 

ガッシャーンッ!!

 

「クソがっ!!役立たず共めっ!!」

 

水晶越しに蒼影の姿と言葉を見聞きしていたゲルミュッドはそう言いながら、水晶を地面に叩きつける。

 

「鬼人だと!?……豚頭帝(ゲルド)には確かに俺の名付けを断りやがったオーガ共の里を襲わせたが、生き残りが進化したのか……?それにあの獣はなんだ!?『ジュラの大森林』にあんな化け物がいたなんて聞いてないぞっ!!俺の知らない所で一体何が起こってんだっ!?」

 

水晶を地面に叩きつけた後、ゲルミュッドは紅丸達や嵐牙のことについて、そう困惑の声を上げる。

 

「マズい……なんとかしなければ……エフィメラまで与えられたのに計画が頓挫するなんてことになれば……俺は……俺は……っ!!」

 

ドンッ!!

 

ゲルミュッドはそう言いながら飛行し、湿地帯へと向かう。

 

(このままだと俺が“あの方”に殺されてしまう……っ!!)

 

 

 

 

 

「………」

 

その頃、とある城では白いタキシードを着た男性が窓から夜空を眺めながらワインを(たしな)んでいた。

 

「いやぁー、まいったまいった……いきなり人の腕斬り飛ばすとか非常識な姉ちゃんやで……」

 

「笑わせるな……その程度、君には大したこともないだろう?ラプラス(・・・・)……」

 

が、いつの間にか背後にいた、五体満足の(・・・・・)ラプラスにそう言いながら振り返る。

 

「まぁな……せやけど、懐の水晶が割れたらどないしよかとヒヤヒヤしたわ……」

 

対するラプラスはそう言いながら近くのソファーに腰を下ろし、水晶を取り出す。

 

「それは困るな……私もそれを楽しみにしていたからね。しかし、君が不覚を取るのはあり得ないだろ?」

 

「買い被りやってぇ……ワイかて失敗することはあるし、あの人がくれはった魔獣も皆、駄目にしてもうたしな……」

 

「気にすることはないヨ。ラプラス……あれはエフィメラ同様物は試しに作ってみた『試作品』だからネ……」

 

男とラプラスがそう話をするなか、今度は左目を前髪で隠し、右目の下には涙のようなメイク、紫髪にシルクハットを被った、奇術師のような出で立ちの青年がそう言いながら何処からともなく現れる。

 

「おや?貴方も来ていましたか。『エルミル』。」

 

「やぁ。お邪魔してるヨ。『クレイマン』。それとラプラス、ゲルミュッドを通じてエフィメラを使ってくれてありがとう。お陰でなかなかイイ情報(データ)が録れてるヨ。」

 

『エルミル』と呼ばれた奇術師は気さくな感じでそう言いながら、ラプラスから見て左斜め前で対面するように客人用の椅子に腰掛ける。

 

「ええってええって。あんさんの依頼であるエフィメラを使った“実験”はクレイマンからの依頼でもあったしな……」

 

「エフィメラ……貴方が生み出したあの花はなかなか素晴らしいですね。量産化の目処が立てば、是非私の()達にも使わせて頂いても?」

 

対するラプラスがそう言うなか、『クレイマン』と呼ばれた男はそう言いながらエルミルの左隣にある椅子に腰掛ける。

 

「勿論だとも、クレイマン。より多くの者に使ってもらった方が僕にとっても都合がイイ(・・・・・)しネ。」

 

「あぁ~、お二人さん、盛り上がるのはええけど、水晶(こっち)を忘れてもらっちゃ困るで。」

 

楽しげに話すクレイマンとエルミルに対し、ラプラスはそう言いながら水晶を掲げる。

 

「視点の主はゲルミュッド……いよいよクライマックスやで。」

 

そう言うラプラスの言葉に二人は水晶を注目する。

 

次の瞬間、水晶に豚頭将軍(オークジェネラル)よりも一回りも二回りも大きな体躯のオークが映し出される。

 

「これは……豚頭帝(オークロード)か?」

 

「せや。湿地帯のど真ん中や。」

 

「おぉ……イイ感じに仕上がっている(・・・・・・・・・・・・)みたいだネェ……」

 

「……豚頭帝(オークロード)が映るということはゲルミュッド自らが戦場に降り立ったということか……手出しは厳禁だというのに使えぬ奴だ……」

 

「まぁまぁ、おっ!もう二人出てきたで。」

 

ラプラスの言葉に再び水晶を注目した瞬間、二人は目を見開く。

 

「……前言を撤回しよう。ゲルミュッドのおかげで面白いもの(・・・・・)が観れそうだ……」

 

「僕も。彼女の中にいるもの(・・・・・・)が僕の思っているものなら、面白いことになりそうだ……」

 

「……へーぇ……あんさんや『十大魔王』が一柱(ひとばしら)である『人形傀儡師(マリオネットマスター)』クレイマンにそこまで言わせるとはね……」

 

クレイマンとエルミルがそう言いながら見つめる水晶には、リムルとルーミアが映し出されていた。

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