第三者Side
「あらら……ゲルミュッド、死んでもうた。」
「残念。これから面白くなるのに……」
「心配いりませんよ。
念のため、手頃な駒に監視をさせていますので。」
ゲルドが『
「この場で直接観れないのは残念ですが、私は報告が来るのを確信していますよ……『新たな魔王が誕生した』とね……」
次の瞬間、クレイマンは不敵な笑みを浮かべながらそう言った。
ルーミアSide
「………!我らが父王よ。」
「王よ。」
「魔王ゲルド様。」
『
「これが魔王………」
「覚醒はしてないけど、間違いなく魔王種に進化しているよ。」
「『闇』の侵食による暴走は回避したとはいえ、ここで殺さないと本当の災禍になりそうだ……っ!!」
「紫苑!!」
「承知しています!!」
魔王ゲルドを見ながら私とシズさん、リムルがそう言うなか、紅丸からの指示を受けた紫苑がゲルドに向かっていく。
「紅丸?」
「リムル様、ルーミア様。ここは俺達にお任せを。嘗めてかかれる相手じゃなさそうだ。」
「薄汚い豚風情が魔王だと?
思い上がるなぁっ!!」
紫苑はそう言いながら、剛力丸で斬りかかる。
ガキィィィンッ!!
対する魔王ゲルドは進化前から持っていた巨大な出刃包丁で紫苑の剛力丸を受け止める。
ガキキキ……ッ!!
二人は一瞬だけ鍔迫り合いをする。
「むんっ!!」
「っ!?」
ガキィィィンッ!!
が、魔王ゲルドの方が力が上なのか、紫苑はゴリ押されて軽く払い除けられる。
「ッ……」
払い除けられた紫苑は華麗な身のこなしでバランスを整えながら距離を取る。
そんな紫苑に対し、魔王ゲルドは出刃包丁を振り上げ、追撃しようとする。
「『
「!?」
ズガガガガガガガァァァンッ!!
が、いつの間にか飛び上がっていた萃香がそう言いながら、魔王ゲルドに向けて額の前で重ねた掌から複数のオレンジの魔力弾を放ち、魔王ゲルドに食らわせる。
ザンッ!!
そうして魔王ゲルドの足を止めてる隙に背後を取っていた白老が一閃。魔王ゲルドの首を斬り落とす。
ズズズ……ッ!!
「「「!?」」」
が、胴体の切断面から黄色い触手のようなものが現れ、首の切断面にくっつくや否や胴体の方へと引き寄せる。
シュウウウ……ッ!!
次の瞬間、魔王ゲルドの首と胴体は完全にくっつく形で再生する。
「……美味そうな餌だ……」
「ぬぅ……なんていう凄まじい再生能力じゃ……」
「あぁ……腹が減った……」
シュルルルルルルルルルルルルルッ!!
そんななか、魔王ゲルドの足元から無数の糸が絡みつき、繭状になって魔王ゲルドを閉じ込める。
「『
魔王ゲルドを閉じ込めた後、糸を操る蒼影がそう言う。
「やれっ!!紅丸!!」
「腹ァ空かしてんなら、こいつでも食らってなっ!!『
紅丸はそう言いながら黒炎を蒼影の『操糸妖縛陣』に囚われた魔王ゲルドに向けて、投げつける。
ボオオオオオオオオォッ!!
次の瞬間、先程までオーク達を焼いてきた黒炎が球体状に更に圧縮され、その球体内に閉じ込められた魔王ゲルドを焼き尽くさんとする。
「父上!!」
そんななか、リーニエやゴブタ達と共にオーク達を
「影狼。
「!はい。父上。」
「「『
パァァァ……
絶狼と影狼がそう言った瞬間、二人が光に包まれながら姿が変化していく。
パキィィィンッ×2!!
次の瞬間、絶狼は銀のメタリックな感じの狼に、影狼は赤紫の毛並みに額に紅い満月の模様と嵐牙と同じ二本角のある狼へと姿を変える。
因みに大きさは二人とも、
……君達、いつの間にそんなことできるようになったの?
【親父殿、姉上。】
【嵐牙、影狼。紅丸殿の『
【【ハッ!!】】
三人がそう話しているなか、魔王ゲルドを包み込んでいた『
「ウオオオオオオオンッ!!」
「「ガアアアアアアアアアッ!!」」
ビッシャアアアアアアアアアンッ!!
ゴオオオオオオオオオッ!!
ボオオオオオオオオォッ!!
次の瞬間、嵐牙が黒稲妻を落とすと同時に影狼は紫の毒の
待って。嵐牙はまだわかるとして、なんで影狼と絶狼の二人はそんな感じなの!?
「俺が言えた義理じゃねぇが、おまえの配下もブッ飛んでるよな……」
「あはは……」
【【くっ……」」
リムルが軽く引きながらそう言い、シズさんも苦笑いを浮かべるなか、絶狼と影狼は元の獣人形態へと戻る。
同時に絶狼は鎧が解け、嵐牙も小さくなる。
「魔素切れか?おまえら。」
【はい……】
「大技は消耗が激しくて……」
「面目ありません……」
「気にするな。嵐牙は俺の影に。絶狼と影狼は……」
「私の影に入って。ゆっくり休んでて。」
【「「ハッ。」」】
そうして嵐牙はリムルの影に、絶狼と影狼は私の影に入る。
【鬼人達と絶狼達による連続攻撃……私なら受けきれる自信ないけど、リムルは?】
【俺もないな……これで致命傷を負ってないなら、笑うしかないな……】
【それってフラグじゃない?】
リムルと『思念伝達』でそう話しながら、魔王ゲルドを包み込む煙を見つめる。
サァァァ……
「……これが……『痛み』か……」
[確認しました。
「……うそーん……」
「リムル……」
次の瞬間、煙の中から全身に火傷を負っていたり、影狼の毒で変色していたりしているものの平然とした様子の魔王ゲルドが現れる。
『どうやらボク達が吸収しきれなかったエフィメラの『闇』の
「ッ……」
厄介な……
「王よ。どうかこの身を
『
「……うむ。」
グシャアアッ!!バリッ!!ゴリッ!!ムシャムシャ……ッ!!
対する魔王ゲルドはその
シュウウウ……ッ!!
そのおぞましい光景にゴブタ達が顔を青ざめるなか、魔王ゲルドの傷が癒えていく。
「……『自己再生』と回復魔法か……」
「一撃で確実に仕留めないと、皆の
リムルと私がそう言うなか、
「足らぬ……もっとだ……もっと喰わせろっ!!」
ドォンッ!!
傷が完全に癒えた後、魔王ゲルドはそう言いながら魔力弾を放つ。
次の瞬間、魔力弾は無数に分裂し、紅丸達を取り囲む。
これはゲルミュッドの『
私がそう思っているなか、魔王ゲルドの魔力弾の雨が紅丸達の命を奪うべく降り注ぐ。
が、リムルがスライム化させた右手で全ての魔力弾を喰い尽くす。
「!?リムル様……」
「大丈夫。任せろ。シズさんもルーミアのことを頼む……」
喰い尽くした後、リムルはそう言いながら魔王ゲルドに向かって歩み寄る。
「リムルさん……」
「大丈夫だよ。シズさん……リムルには『奥の手』があるから……」
そんなリムルの後ろ姿を見ながら心配そうな表情でそう言うシズさんに対し、私は冷静にそう言う。
「奥の手?」
ズズズ……
対するシズさんが首を傾げながらそう言うなか、魔王ゲルドはガビルさんとの一騎討ちの時に
「出番だぞ。『大賢者』………おまえに全てを委ねる!眼前の敵を討ち倒せっ!!」
次の瞬間、リムルは自信ありげな表情でそう言う。
「了。『大賢者』へ主導権の一任を確認。