第三者Side
「折角色々とお膳立てしたのに、新しい魔王が産まれへんかったんは痛いんちゃうか?」
リムルの名付けで
「そうだな……しかし、おかげで面白いものが観れたよ。あのスライムと魔人の娘……どうしたものかな……」
「僕も気になるネェ~。
特にあの少女は興味深い……」
そんなラプラスに対し、クレイマンとエルミルはリムルとルーミアに興味を示したようで楽しそうな笑みを浮かべながらそう言う。
「まぁ、二人とも、精々頑張ってな。
もし、協力が必要な時は格安で請け負うたるわ。
魔王クレイマンはんにエルミルはん。」
ボンッ!!
対するラプラスはそう言いながら、煙に包まれながらその場から消える。
「それでは、僕も失礼させてもらうヨ。クレイマン。何かあれば、何時でも声を掛けてくれ。」
シュウウウ……
続いてエルミルもそう言いながら、赤黒い粒子となってその場から消える。
「……フフ……」
その場に一人残されたクレイマンは静かに笑みを浮かべるのだった。
ルーミアSide
「おぉ……っ!!」
「立派なお家が出来てきたね。」
「乙事主とゲルド達のおかげだな。」
「あの後、他のゴブリン達が移住してきて住人が増えたけど、無事に全員分の家を建てることができた……」
「服も道具も揃ってきたな……」
「水道も通したんだよね。上下水道って言ってたっけ?」
「水洗のトイレも完備できたし、お風呂ももうじき完成予定……っ!!」
「フフ……嬉しそうだね。ルーミアちゃん。」
「まぁ、水道関係……特にトイレと風呂はカイジン達をスカウトしてきた辺りから熱心に計画を立てていたからな……」
お風呂が楽しみで仕方ない私を見て、笑顔でそう言うシズさんにリムルはそう言って説明する。
私だって女の子なのだから、トイレもお風呂も清潔なものを使いたいのは当たり前。
「はぁ~、乙事主とゲルド達が来てくれて良かったぁ……カイジンさん達に計画を持ち掛けた当初は実現はまだまだ先になりそうだって言われてたから凄く助かる……」
「おかげで道路の整備にも着手し始めることもできたしな。」
「道路が出来たら、各地との流通もしやすくなるね。」
「いやぁ~、前世のゼネコン時代の経験が活きて良かった良かった……」
「リムル、シズさん。」
出来上がった町を背景に私は改めて二人に向き直る。
「これからもここをもっともっと良い町にするから!これからもよろしくね!!」
「当たり前だろ。そんなこと。」
「これからもよろしくね。ルーミアちゃん。」
シュン
「リムル様、ルーミア様、シズ殿。」
「緊急でご報告したいことが……」
そんななか、蒼影と鬼鮫がそう言いながら『影移動』で現れる。
「蒼影、鬼鮫。」
「何かあったの?」
「北の空からペガサスに騎乗した騎士団がこちらに向かってきています。」
「それも数百の騎士がね。」
は?ペガサスに乗った数百の騎士が?なんで?
「……リムルさん、ルーミアちゃん。」
「「シズさん?」」
「多分それ、ドワルゴンの極秘部隊『
「ドワルゴン……」
「カイジンさん達の件からは結構経ってるよね?」
「だよな……」
なんで今更……
「蒼影、鬼鮫。確か町の北側にまだ手を付けてない空き地があったよな?」
「はい。恐らくそこが着陸地点かと。」
「数百のペガサスが降りるには十分な広さですからねぇ……」
私がそう思いながら首を傾げるなか、そう尋ねるリムルに対し、蒼影と鬼鮫がそう答える。
「なら、俺とルーミア、シズさんが先行して向かう。蒼影は紅丸達にこのことを伝えてくれ。」
「鬼鮫はリグルドに避難命令を出すように伝えてきて。」
「「御意。」」
シュン
リムルと私がそう指示すると、二人はそう言いながら『影移動』で消える。
「俺達も急ごう。ルーミア、シズさん。」
「うん。」
「えぇ。」
そうして私達三人もすぐさま着陸地点へと向かった。
第三者Side
「………」
時を少し遡り、武装国家ドワルゴンの重役会議の場にて、三代目国王にして『英雄王』ガゼル=ドワルゴは神妙な面持ちで一通の報告書に目を通す。
「……ふむ……」
「王よ。暗部は何と?」
内容を理解し、蝋燭の火で報告書を焼却処分するなか、『
「……
「「!?」」
「!?なんとっ!?」
「生き残った13万の
「「「!?」」」
「………」
ガゼルの言葉にドルフと軍部の
(あの『爆炎の支配者』を始め、複数の魔人達の介入により戦争は終結。そして、それら全てが例のスライムと魔人の娘の配下と思われる。か……)
そんななか、ガゼルは先程焼却処分した報告書の内容を
(英雄である『爆炎の支配者』を始め、複数の魔人達を従え、魔物に進化をもたらす存在……此度の件、対応を誤れば国が滅ぶやもしれん……っ!!)
「「「………」」」
「……それで、どうなさるおつもりで?」
バーンとジェーン、アンリエッタの三人が静かに見守るなか、ドルフがそう尋ねる。
「……あのスライムと娘の“正体”、余自らの眼で見極めようではないか。」
次の瞬間、ガゼルは真剣な表情でそう言った。