転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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ガゼルVSリムル

ルーミアSide

 

リムルとシズさんと共に北側の空き地に到着した頃、蒼影達の予測通り、『天翔騎士団(ペガサスナイツ)』は下降を始める。

 

「無駄のない精練された動き……流石は騎士団だね……」

 

「あの『英雄王』の直轄の極秘部隊だからね……敵に回すとしたら、数十万のオークより厄介だよ……」

 

「ハッ……ハッ……」

 

私とシズさんがそう言うなか、リグルドから話を聞いたのだろうカイジンさんが息を切らしながら駆けてくる。

 

そんななか、他のよりも装飾が施されたペガサスが私達の前に降り立つ。

 

「!」

 

そのペガサスを見たカイジンさんは更にスピードを上げ、近くまで駆け寄るや否や跪く。

 

「お久しぶりです。王よ……」

 

「……久しいな。カイジン。それにスライムと魔人の娘……余、いや、俺を覚えているか?」

 

ゆったりとした動きでペガサスから降りながら、そう尋ねてくる『英雄王』ガゼル=ドワルゴ……

 

忘れる訳もない。貴方の公明正大な裁決のおかげでリムルやカイジンさん達は助けられたようなものなんだから。

 

「リムル様!ルーミア様!!」

 

私がそう思っているなか、紅丸やブラッドレイ達といった戦える面子(めんつ)が駆けつけてくる。

 

「それで……どのようなご用件でこのような地へ?」

 

「なに。そこにいるスライムと小娘の本性を見極めにな……今日は王ではなく、一私人として来た。物々しいのは許せ。こうでもせぬと出歩けぬのでな。」

 

まぁ、一国の王様ですもんね。っとヤバい。リムルや私が(けな)されたと思ったのか、鬼人達が爆発寸前。ブラッドレイやピッコロ達は冷静に状況を見守っているけど、何時でも動けるようにしてくれてるね。

 

「あー……今は裁判でもないし、こちらから話しかけても問題ないよな?」

 

「当然だ。」

 

リムルに対するガゼル王の言葉に紅丸と紫苑、萃香と蒼影辺りが動き出す素振りを見せる。

 

が、私が右手を出して制止する。

 

「ルーミア様……」

 

「少なくとも今は私とリムル、ガゼル王の話し合いの場。無粋な手出しは不要。それはそちら(・・・)も同じですよね?」

 

リムルの態度が気に障ったのか、背中に差した得物を抜こうとしている黒い鎧を着こんだ大柄な体格の黒髪のドワーフの方を見ながら、軽く魔素を解放しながらそう言う。

 

「ッ……」

 

「下がっておれ。」

 

ガゼル王の言葉に黒髪のドワーフは頭を下げながら他の配下のドワーフと共に下がり、紅丸達も頭を下げながらブラッドレイ達と共に下がる。

 

「シズさんも紅丸達と一緒に下がってて。」

 

「わかった。気を付けてね。

リムルさん、ルーミアちゃん。」

 

「最初に言っておく。俺の名はリムル。」

 

「私の名はルーミア。」

 

「俺がスライムなのは間違いないが、見下すのはやめて貰おう。」

 

「………」

 

「これでも一応『ジュラの森大同盟』の盟主の片割れなんでね。」

 

リムルはそう言いながら人化する。

 

「人間に化けたっ!?」

 

「こっちが本性って訳じゃないが、この方が話しやすいだろ?」

 

「ほぅ……剣を使うのか……」

 

ガゼル王はリムルが人化したことよりも腰に差している、豚頭魔王(オークディザスター)戦でも活躍した黒兵衛作の刀の方が気になるみたいだね。

 

「そんなに警戒しないでほしいんだけどなぁ……」

 

「それを決めるのは俺だ……」

 

ガゼル王はそう言いながら自身の剣を抜き、切っ先をリムルに向ける。

 

「俺の剣で貴様らの本性を見抜いてくれるわ!!」

 

「!?王よ……っ!」

 

「なに、本気で戦った方が手っ取り早い。それに、この森の盟主などと法螺を吹く此奴(こやつ)らには分というものを教えてやらねばなるまい……」

 

うーん……言い分はわかるけど、煽らないでほしいなぁ……

 

「その剣が飾りでないなら、俺の申し出を受けるが良い!!」

 

「リムル……」

 

「リムルさん……」

 

「わかった。その申し出を受けよう。法螺吹き呼ばわりしたことを後悔させてやる!!」

 

リムルはそう言いながら、刀を引き抜き構える。

 

「俺の一連の攻撃を防ぎきったら貴様の勝ちで良い。」

 

「?」

 

「但し!この剣聖ガゼル=ドワルゴの剣技を甘くみないことだ。」

 

「……わかった……」

 

ヒュウウウ

 

「では、立会人は私が行いましょう。」

 

そんななか、風と共にトレイニーさんがその場に現れる。

 

「!?まさか……樹妖精(ドライアド)!?」

 

「ふはっ、ふはははははははっ!!そういうことかっ!法螺吹き呼ばわりしたことは謝罪するぞ!リムル、ルーミアよ!!それに朧気ながら事情は読めたわ!!」

 

口元にマスクをした女性の後ろにいる魔法使いみたいな格好をしたお婆ちゃんがそう困惑の声を上げるなか、ガゼル王は高笑いしながらそう謝罪と訂正をする。

 

「じゃあ……っ!!」

 

「だが、貴様らの人となりを知ることとは別の話だ。」

 

「えぇ……?」

 

あ。この人、もうただ単にリムルや私と戦いたいだけだ。目が物語ってる。

 

「立会人も決まった以上、後はただ剣を交えるのみ!!」

 

「……あぁ、サクッと勝ってこの状況、キッチリ説明してもらうからな……っ!!」

 

「ふんっ、俺に勝てたらなら答えてやるさ。」

 

「それでは!始めっ!!」

 

トレイニーさんの開始の合図と共にリムルが最初に踏み込み、ガゼル王に斬りかかる。

 

ガキィィィンッ!!

 

が、ガゼル王は落ち着いた様子でリムルの刀を受け止める。

 

ガキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキィィィンッ!!

 

その後、リムルはスピードを上げ、色々な角度から斬り込むも、ガゼル王はその場から動くことなく受け流していく。

 

「どうした?貴様の力はその程度なのか?リムルよ。」

 

「うっさいっ!まだ本気を出してないだけだし!!慌てるなっ!!」

 

途中、そう言って挑発してくるガゼル王に対し、リムルはそう言いながら刀を構え直す。

 

「フッ……」

 

「「!?」」

 

そんななか、ガゼル王が小さく笑った瞬間、彼の威圧感が増してリムルの動きが止まる。っていうか私も!?

 

『あぁ、これ、ガゼル王のエクストラスキル『英雄覇気』だね。対象を萎縮させて屈服させるスキルだよ。』

 

その対象ってもしかして私も入ってる?

 

『Yes. 因みに対処法は気合いだね。』

 

え?何て?

 

『気合い。』

 

気合いって……

 

私がそう思っているなか、ガゼル王は私の方を見て、ニヤリと笑っている。

 

……なんかムカつく。

 

「………ふんっ。」

 

ので、『人造全智存在(マザー)』に言われた通りに気合いでガゼル王の『英雄覇気』を押し返す。

 

「!ほぅ……」

 

「うおおおおおおおおおっ!!」

 

私が自身の『英雄覇気』を押し返したのを見て、ガゼル王がそう言うなか、私と同じように『大賢者』さんから対処法を聞いたのだろうリムルも声を上げながら気合いでガゼル王の『英雄覇気』を押し返す。

 

「……解けたぞ。」

 

「……そうこなくてはな……」

 

リムルも自分の『英雄覇気』を破ったのを見て、ガゼル王は楽しげにそう言う。

 

「では、今度はこちらからいくぞ……」

 

次の瞬間、ガゼル王はそう言いながら構える。

 

?あの構え……なんか見覚えがあるような……

 

「行くぞっ!リムル!!『朧・地天轟雷』!!」

 

……フッ……

 

私がそう思いながら首を傾げるなか、ガゼル王がそう言った瞬間、ガゼル王の姿がその場から消える。

 

「ッ!!」

 

次の瞬間、下から迫ってくる剣をリムルは後ろに下がることでかわし、

 

ガキィィィンッ!!

 

上から振り下ろされた剣をリムルは横に構えた刀の腹で受け止める。

 

「ハハ……黒兵衛作の刀じゃなかったら、真っ二つだったな……」

 

「……フッ……ふはははははははっ!!

此奴め、俺の剣を受け止めよったわ!!」

 

「そこまで!勝者、リムル=テンペスト!!」

 

ワァァァーッ!!

 

自身の剣が受け止められたことにガゼル王が高笑いを上げ、トレイニーさんが勝利宣言をした瞬間、シズさんや紅丸達の方から歓声が上がる。

 

「剣を交えてよくわかった。

おまえは邪悪な存在ではない。」

 

納刀した後、ガゼル王はそう言いながら先程の『英雄覇気』で軽く吹き飛ばしてしまった『抗魔の仮面』を拾い上げ、リムルに手渡す。

 

「それにしても、よく俺の『朧・地天轟雷』を見切ったものだ……見事だったぞ。リムル。」

 

「偶然だよ。その技、師匠が使っていた技で、訓練でよく打ちのめされてたんだ。」

 

「なんだと?もしや、その師匠というのは……」

 

「ホッホッホッ……お見事でしたな。リムル様……」

 

ガゼル王とリムルがそう話しているなか、白老が笑顔でそうリムルに話しかける。

 

「!?『剣鬼』殿……失礼ながら剣鬼殿ではないですか?」

 

そんな白老に対し、ガゼル王が目を見開きながらそう尋ねる。ってえ?

 

「いやはや森に迷い込んでいたあの時の小僧が見違えましたぞ。っとこれは失敬。ドワーフ王。儂以上の剣士になられたようで重畳(ちょうじょう)ですじゃ。」

 

「剣鬼殿にそう言って頂けるとは……」

 

【え?どゆこと?】

 

【どうやらガゼル王は私達の兄弟子だったってことだね。】

 

どうりで構えや動きが似ていると思ったよ。

 

「ですが、ルーミア様もなかなかの剣士へと成長なさっておる……一つ手合わせしてみると良いですぞ。」

 

ファッ!?

 

「む……剣鬼殿がそう言うなら、貴様とも手合わせ願おうか。ルーミア。」

 

私が軽くびっくりしているなか、ガゼル王が挑むような目でこちらを見ながらそう言ってくる。

 

さっき『英雄覇気』を破ったし、これ、断れないやつだよね……

 

「……お手柔らかにお願いします……」

 

「頑張れよぉ~。」

 

私はそう言いながら、リムルと入れ替わるようにガゼル王と対峙する。

 

「剣鬼殿の弟子ならば、貴様も剣を扱えるのであろう?」

 

「えぇ。そうですね……」

 

私はそう言いながら両腕を変身(トランス)させ、ブレードに変える。

 

「!?両腕が剣に……っ!?」

 

「ほぅ……もしかしなくとも、ドワルゴン(わがくに)に現れた光鏡魔甲殻トカゲ(ライトミラーサウルス)を仕留めたのもその剣だな……それに二刀流か……」

 

「お望みでしたら、片腕を元に戻しますが?」

 

「いや。結構だ。寧ろその方が丁度良さそうだ。」

 

配下の金髪のナイスミドルな感じのドワーフがそう困惑の声を上げるなか、ガゼル王と私はそう言葉を交わしながら構えた。

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