第三者Side
「随分とぼろぼろだね……」
「だな……まるで『三匹の子ブタ』だ……」
ゴブリン達に案内されながら先にあった、木の枝や藁でできた家が点在する村を見渡しながら、ルーミアとリムルは赤バンダナゴブリンの案内で歩いていく。
「……さっきの三十匹は比較的戦える子達だったんだね……」
「だな……後は本当に子どもと戦いが苦手な奴……」
『雌の子もちらほら見えるね。』
『
「ど、どうぞ……」
「あ。どうも……」
その後、リムルとルーミアは藁でできた敷物の上に座らされ、緊張した面もちの雌ゴブリンが水の入った木のコップを用意してくれる。
「お待たせ致しました。お客人。」
そんななか、赤バンダナゴブリンが杖を着いた、ヨボヨボのお爺ちゃんのようなゴブリンを連れて戻ってくる。
「はじめまして。私はこの村の村長です。大したおもてなしができず、申し訳ない。」
お爺ちゃんゴブリン改めゴブリン村村長はそう言いながら、リムルとルーミアと向き合うように地べたで正座する。
赤バンダナゴブリンも村長から一歩下がった位置で同じように正座する。
「いやいや。お気遣いなく……」
「お招き頂きありがとうございます。」
「それで?俺達に何の用件ですか?」ゴクゴク
ルーミアが若干緊張した様子でそう言うなか、前世の経験からか、リムルは物怖じせずに出された水をスライムボディに半分ほど取り込んで飲み干しながらそう尋ねる。
「「………」」
「「ん?」」
次の瞬間、赤バンダナゴブリンは片膝を、村長は両手両膝を着き、
「貴方様方の秘めたる“お力”は息子から聞き及んでおります。どうか我らの願いを、聞き届けてはくれないでしょうか。」
村長の言葉にリムルは一旦ルーミアに視線を向け、ルーミアは小さく頷きながら瞳を閉じる。
「内容次第だな……言ってみろ。」
「ははっ!
【一月程前……竜の神が消えた……】
【それ……十中八九、リムルがヴェルドラを『喰べた』件じゃん……】
【だよな……】
「それにより、新たな縄張りを求めた近隣の魔物達がこの地に目を付けてきました。」
【ふぅーん……俺達が洞窟を出てから今までは全くの平和だったんだけどな……】
【リムル……ついさっきまでの私達を思い出して。】
「なかでも
「そいつらの数は?」
「……群れで100匹程……」
「対して、我々で戦える者は雌を含めて60匹程度です。」
村を狙っている狼…牙狼族の数について、そう尋ねるリムルに対し、村長と赤バンダナゴブリンは暗い表情でそう答える。
「ッ……」
【戦力差が絶望的過ぎる……】
【だよな……牙狼族の数は正確なのかな……】
『う~ん……この村に
「……なぁ。牙狼族の200匹程ってのは確かなのか?」
「はい……『リグル』が死闘の末に掴んできてくれた情報です……」
「リグル?」
「私の兄です。とある魔人様から名を授かりました。」
首を傾げながらそう尋ねるルーミアに赤バンダナゴブリンがそう答える。
「そのリグルは今は?」
「………自慢の息子でした……」
「……そうか……」
「………」
「今、我らが生きているのはリグルのおかげと言ってもいい……だからこそ、我らは生き延びねば……っ!!」
「……リムル。」
「……村長、一つ確認したい。俺達がおまえ達を助けるとして、その見返りは何だ?」
「見返り……ですか……?」
「あぁ、おまえ達は何を差し出せる?」
戸惑う村長にリムルは再度尋ねる。
【……リムル?】
【安心しろ、ルーミア。本当に見返りが欲しい訳じゃない……
【……そっか……】
ルーミアとリムルが“念話”でそう話をするなか、村長は息子である赤バンダナゴブリンと顔を見合わせ、意を決したように二人を見る。
「我らは貴方様方に忠誠を捧げます!!」
「どうか我らをお助け下さい!!」
次の瞬間、村長と赤バンダナゴブリンは再度頭を下げながらそう懇願する。
【……懐かしいな……】
【リムル?】
ウオォォーーーン
そんななか、狼の…牙狼族の遠吠えが聞こえてくる。
それにより、村長と赤バンダナゴブリン以外のゴブリン達がパニックを起こす。
「お、おまえ達、落ち着きなさい」
「
「
「!?そ、それでは!!」
次の瞬間、リムルはゴブリン達を見据えながら、ルーミアはそう言いながら立ち上がる。
「おまえ達の『願い』、暴風竜ヴェルドラに代わり、このリムル=テンペストと……」
「ルーミア=テンペストが聞き届けるよ。」
「「「「ッ!!」」」」
ザッ!!
「「「「我らをどうか守護して下されっ!さすれば今日より我らは貴方様方の忠実な
迫りくる牙狼族の脅威を前にゴブリン達はリムルとルーミアに忠誠を誓うのだった。