転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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集う者達

第三者Side

 

「魔物の町と、そこに棲む豚頭帝(オークロード)を凌ぐスライムと魔人の少女の存在………」

 

「………」

 

「……この話は本当なのか?いや、本当であるのはわかってはいるが……」

 

ルーミア達がフォビオから話を聞いていた頃、ブルムンド王国では大臣であるベルヤードが自由組合支部長(ギルドマスター)であるフューズと話し合っていた。

 

「だが、信じるしかないな。我らは彼らに救われたのだと……」

 

「……あぁ……今回の件だけでなく自由組合(ギルド)の『英雄』、シズ殿も命の危機に瀕していたところを救われたという報告も受けている………そんな彼らを今後善良な存在とみなし接するか、脅威とみなして排除を試みるか……」

 

「『排除』と簡単に言うが、そもそも可能なのか?」

 

「……正直に言っていいか?」

 

「……聞くまでもないな。」

 

「はぁ……俺が行くしかないか……」

 

フューズはため息混じりにそう言いながら立ち上がる。

 

「俺がこの目で直接見極めてやるさ……その『リムル』というスライムと『ルーミア』という魔人の少女をな……」

 

「……よろしく頼む……」

 

 

 

 

 

「よし。行くぞ……おまえ達が会ったというスライムと魔人の少女に会いにな……」

 

「「「はぁ……」」」

 

翌日、そう言うフューズの言葉に思わずため息を溢すカバル、エレン、ギドの三人なのだった。

 

 

 

 

 

「む?おまえ、豚頭魔王(オークディザスター)だった者だな?隣にいるのは息子か?おまえも豚頭帝(オークロード)に近いものを感じるのだ……」

 

その頃、『魔国連邦国(テンペスト)』では仲間のハイオーク達と共に街道整備に従事していた乙事主とゲルドにミリムが話しかけていた。

 

「二人とも、それだけの“力”を持っていながら武功を上げようとは思わないのか?石塊を運ぶのが楽しいのか?」

 

二人の近くにある、カイジン作のリヤカーに積まれた資材を見ながら、ミリムは首を傾げながらそう尋ねる。

 

「……我らが望んだものはルーミア様とリムル様が叶えてくれた……」

 

「それに今は何かを造り、遺すことにやり甲斐を感じている……」

 

対する乙事主とゲルドはそう言いながら、楽しそうに遊ぶハイオークやゴブリンの子ども達を見つめる。

 

「……これが今の我らの仕事です。」

 

「ふぅーん……よくわからないが……見ていても良いか?」

 

「どうぞ。」

 

その後、街道整備に従事する二人の様子を、ミリムは近くにある資材に腰を下ろして眺めていた。

 

 

 

 

 

翌日、『ジュラの大森林』に隣接する、『西側諸国の玄関口』と呼ばれる大国『ファルムス王国』からヨウムという男をリーダーとした、金で雇われた荒くれ者達で構成された豚頭帝(オークロード)の調査団が派遣された。

 

ドドドドド……

 

「!?」

 

「「「!?」」」

 

森の中を歩くなか、突然、感じた地響きにヨウム達は足を止める。

 

「カシラ。」

 

「シッ……」

 

足を止めた後、そう話しかけてくるスキンヘッドの男、カジルにそう言いながら、ヨウムは抜刀しながら自身のスキル『遠視』で森の奥を見つめる。

 

その間に他の者達も武器を構え、辺りを警戒する。

 

「ちょっ、ヤバいでやんすっ!」

 

「でも、でも………っ!」

 

「おい、おまえら………うおっ!危ねぇっ!!」

 

「くっ!こんな出鱈目で、よく生き延びてきたな!貴様ら!!」

 

そんななか、ヨウムはフューズ達を見つける。

 

「…………どうやら魔物と遭遇した人間達がいるらしい。」

 

「どうしやす?カシラ。」

 

「見捨てるのは気分が悪い………あっ……」

 

ガサッ!!

 

「お邪魔しまぁ~す……」

 

「お世話になるでやんす……」

 

カジルとそう話しているなか、茂みの中からそう言うエレンとギドがそう言いながらこちらに飛び出してきて、後からカバルとフューズも飛び出してくる。

 

「ッ……来るぞ……っ!!」

 

ドカァァァンッ!!

 

「キシャアアアァァァーーーッ!!」

 

ヨウムがそう言った直後、森の奥から巨大な蜘蛛が現れる。

 

「ヒッ!?」

 

「!?槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)……っ!!?」

 

巨大な蜘蛛、槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)を見て眼鏡の魔法使いの少年、ロンメルが思わず悲鳴を上げ、カジルがそう困惑の声を上げる。

 

「よぉーし。おまえら、陣形を組め。負傷者はすぐに下がらせて回復。」

 

そんななか、ヨウムは冷静に指示を出し、部下達は護衛の魔法使い達を囲むように陣形を組む。

 

「命令だ………全員、生き残れっ!!」

 

「「「おうっ!!」」」

 

「カジル。指揮を取ってくれ。」

 

「わかった。」

 

「ロンメル。俺に強化魔法を。」

 

「フッ!!」

 

パァァァ……ッ!!

 

ロンメルによってヨウムに強化魔法が掛けられる。

 

「おい。おまえら、巻き込んだ落とし前……後できっちり着けてもらうからな……っ!!」

 

「「「「ッ!!」」」」

 

ヨウムはそう言いながら剣を構え、フューズや調査団員達も各々の得物を構える。

 

「あれ?カバルさんじゃないッスか?」

 

「!?ゴブタ君!?」

 

そんななか、嵐牙が黒嵐星狼(テンペストスターウルフ)に進化するのに合わせて進化した星狼族(スターウルフ)に乗ったゴブタとリーニエがその場に現れる。

 

「ゴブタ。知り合い?」

 

「前に仲良くなった冒険者の人達ッス。結構良い人達なんスよ。」

 

「ふぅーん……」

 

「それにしても、前もそうでしたけど、また魔獣に襲われてるんスね……冒険者って戦うのが好きなんスか?」

 

「い、いやぁ……」

 

「「………」」

 

首を傾げながらそう尋ねるゴブタにカバルが苦笑いしながらそう答えるなか、エレンとギドはジト目でカバルを見る。

 

まぁ、実際は彼が槍脚鎧蜘蛛の巣をつついたのが原因でこうなっているのだが……

 

「だけど、ここはオイラが……っ!!」

 

ゴブタは得意げにそう言いながら、黒兵衛作の小太刀を引き抜き構える。

 

「今日の晩御飯ッスゥゥゥゥゥッ!!」

 

次の瞬間、ゴブタはそう言いながら槍脚鎧蜘蛛に向かっていき、あっという間に片付ける。

 

「「「「「「………」」」」」」

 

「信じられん……ゴブリンが槍脚鎧蜘蛛を……」

 

「こいつ、茹でると結構美味いんスよ♪」

 

「食える……のか?これ……」

 

その光景にフューズがそう困惑の声を上げるなか、笑顔でそう言うゴブタにヨウムが若干引きながらそう言う。

 

「!ゴブタ……まだ終わってない……」

 

「へ?」

 

ガサッ!!

 

「ッ……」

 

「くっ……」

 

そんななか、リーニエがそう言った瞬間、茂みの中から目元に布を巻いた兎耳と尻尾を持つ紫のロングヘアーの少女と金髪のショートボブに狐耳と九本の尻尾を持つ女性が飛び出してくる。

 

ドカァァァンッ!!

 

「「「「「「「「キシャアアアァァァーーーッ!!」」」」」」」」

 

直後、今度は八体の槍脚鎧蜘蛛が現れ、新たに合流してきた少女と女性を含めた、ゴブタやフューズ、ヨウム達を取り囲む。

 

「なっ!?新たな槍脚鎧蜘蛛が八体も……っ!!?」

 

「ちょっ!?これは流石にヤバいッス!!」

 

一難去ってまた一難な状況にフューズやゴブタはそう困惑の声を上げる。

 

その間に槍脚鎧蜘蛛達はジリジリと迫ってくる。

 

シュルルルルルルルルルッ!!ズバァァァンッ!!

 

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」

 

そんななか、上空から毛先をブレードに変身(トランス)した無数の髪の毛が伸びてきて、一体の槍脚鎧蜘蛛の間接という間接を両断する。

 

「ゴブタ。一狩りして今日の晩御飯にするんじゃないの?」

 

直後、『魄翼』で飛んで様子を見ていたルーミアがそう言いながら舞い降りてきた。

 

ルーミアSide

 

「後から更に八体も来るなんて思わないじゃないッスか!!」

 

「うーん……でも、『敵は常に一人とは限らない』って師匠達がよく言ってたよ?」

 

「うぐっ!?」

 

リーニエの何気ない言葉にゴブタは思わず言葉に詰まる。

 

「とりあえず私とリーニエで二体ずつ狩るから、残り三体はゴブタがお願い。」

 

「了解。」

 

「え!?なんか自分だけ多くないッスか!!?」

 

ゴブタ……

 

【良いの?ゴブタ。リーニエにアピールするチャンスだよ?】

 

【!?】

 

【さっき、ちょっと情けない姿を見せちゃったから挽回のチャンスだよぉ~?】

 

「……殺ってやるッスゥゥゥゥゥッ!!」

 

「うおっ!?ゴブタ君がなんか燃えてやがるっ!!?」

 

「熱いっ!?熱い……っ!?」

 

「こいつ……本当にゴブリンか……?」

 

よしっ。暗示掛け完了。

 

「それじゃあ、行こうか。」

 

「はい。」

 

ゴブタの殺る気スィッチを押した後、私はそう言いながら両腕をブレードに変身(トランス)させ、リーニエはそう返事しながら黒兵衛作の刀を抜いて構えた。

 

第三者Side

 

「うっそだろ……」

 

【鬼鮫。今、良い?】

 

【ルーミアさん?どうしました?】

 

【今、今日の晩御飯の食材狩ったから運搬班をこっちに寄越して。】

 

【わかりました。因みに何を狩ったんです?】

 

【槍脚鎧蜘蛛九体。三体は私が、二体はリーニエが、四体はゴブタが狩ったよ。】

 

【頑張りましたねぇ……ゴブタさん……すぐに運搬班を向かわせますね。】

 

【お願いね。】

 

その後、仕留められた七体の槍脚鎧蜘蛛を見てヨウムがそう困惑の声を上げるなか、ルーミアは『思念伝達』でそう鬼鮫と連絡を取り合う。

 

「……ルーミアさんにリーニエさん、ゴブタ君……だったね。」

 

「「「ん?」」」

 

そんななか、フューズがそう三人に話しかける。

 

「えーと……誰スか?」

 

「うちの上司。」

 

「へぇー、おっかない顔ッスねぇ。」

 

「シィッ!!」

 

「ゴブタ。」

 

「……君達に頼みがあるんだが……」

 

「……伺いましょう。」

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