転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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クリスマス②

ルーミアSide

 

「トレイニーさんは誰かにプレゼントあげるの?」

 

クリスマスパーティーの準備が無事に終わった後、スナック『樹羅(ジュラ)』にて、私は蜂蜜入り林檎ジュースを飲みながらそう尋ねる。

 

因みにリムルは隣でお酒を飲んでいる。

 

「そうですね……やはり、リムル様とルーミア様、妹達に……」

 

「妹?」

 

「妹なんていたんだ……」

 

「えぇ。樹妖精(ドライアド)としてはまだまだ未熟者ですが、いつも管理者である私の補佐(サポート)をしてくれる自慢の妹達です。彼女達がいるから、私も安心してこうしてリムル様とルーミア様のご相談に」

 

カランカラーン♪

 

「あら。いらっしゃ……っ!?」

 

そんななか、新たな来客にトレイニーさんが目を向けた瞬間に固まる。

 

「?トレイニーさん……っ!?」

 

「どうかし……っ!?」

 

そんなトレイニーさんの様子に首を傾げながら、私とリムルも来客の方に目を向ける。

 

そして、同じように固まる。

 

「「………」」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…ッ!!

 

そこにはトレイニーさんによく似た二人の樹妖精(ドライアド)がいた。

 

各々、物凄い青と赤の妖気(オーラ)を発しながら。

 

「増えたっ!?」

 

「何時まで油を売ってるんですか!?お姉様!!」

 

「お姉様だけズルいですっ!!」

 

私達と同じようにこの場に居合わせたハルナがそう言うなか、赤い妖気(オーラ)を発する緑のウェーブのかかった長髪の女性と青い妖気(オーラ)を発する緑のショートカットの女性はそうトレイニーさんに苦言を呈する。

 

あぁ~、彼女達が妹さん達……っていうかトレイニーさん!?もしかして、二人には内緒で『樹羅(ここ)』で働いてたの!!?

 

「あ、あらあら、いけませんわよ、二人とも。盟主様達の御前です。もっと樹妖精(ドライアド)らしく(おしと)やかに……おっほっほっほほ……」

 

「管理者の仕事放ったらかしでよく言えますね!!」

 

「いつも、私達ばかり貧乏くじでぇ~!!」

 

「ふ、二人とも、落ち着いて……!」

 

「……リムル……」

 

激しい姉妹喧嘩が勃発しそうな雰囲気に私はリムルの方に顔を向ける。

 

が、そこには既にリムルの姿がなく、ハルナにでも出してもらったのだろう勘定だけが残されていた。

 

って一人だけで逃げた!?

 

……仕方ない……

 

「あぁ~、え~と、トレイニーさんの妹さん達……で良いんだよね?」

 

「あ、はい。ルーミア様。ウェーブのかかった長髪の子が『ドリス』、ショートカットの子が『トライア』。先程もお話したように自慢の妹達です。」

 

姉妹喧嘩が勃発する前に三人の間に割って入りながらそう尋ねる私に対し、トレイニーさんは平静を装いながらそう紹介する。

 

いや、今更装っても遅いんだけど……

 

「ドリスさん、トライアさん。今日は楽しいクリスマスだし、私に免じて許してくれないかな?できれば、二人にも楽しんでもらいたいんだけど……」

 

「……まぁ……ルーミア様がそう(おっしゃ)るのでしたら……」

 

「わかりました……」

 

「トレイニーさんも、せめて理由くらいはちゃんと説明しないとダメだよ。」

 

「はい……申し訳ありません……」

 

「ふぅ……ドリスさんとトライアさんも息抜きはしたいだろうし、パーティーの後にでも話し合って、『樹羅(ここ)』で働くのは交代制にでもすれば良いよ。そうすれば、三人とも平等に不平不満は溜まらないでしょ?」

 

「「「はい……」」」

 

仲裁した後、そう提案する私に対し、三人はそう言いながら頭を下げた。

 

それから少し時間が過ぎて、パーティーが始まる時間になる。

 

「「「「3!2!1!0!!」」」」

 

皆のカウントダウンに合わせて、クリスマスツリーがライトアップされ、飾りが夜の町を照らし輝く。

 

「「メリークリスマス!」」

 

「「「「「メリークリスマス!!」」」」」

 

私とリムルに合わせて、皆が声を上げる。

 

わいわい……がやがや……

 

「ん?おーい!ヨウム、ロンメル!!」

 

皆がパーティーを楽しむなか、ヨウムさんとロンメルの存在に気付いたリムルがそう声を掛けながら歩み寄り、私も同じように歩み寄る。

 

「お、おう……」

 

「どうも。」

 

「?どうかしましたか?ヨウムさん。」

 

「あ。いや、ここは本当に魔物の町なのかと改めて思ってよ……こんな祭り、王都でなきゃやらないぜ?」

 

「確かに……化かされているみたいですね。」

 

「悪い魔物じゃないっての。」

 

「「ハッハッハッハハ!!」」

 

「ほっほっほっほっ。」

 

リムルとロンメルが笑い合うなか、白老も笑いながらこっちに歩み寄ってくる。

 

「し、師匠!!」

 

白老の姿を見た途端、ヨウムさんの背筋がピィーンとなる。

 

「ほっほっほっ。宴の席ではただ楽しめば良い。浮世の全ては、杯の酒と同じじゃ。ただ飲んで笑いに変えれば良い。」

 

白老はそう言いながら杯の酒を飲む。

 

「ただでさえ、明日の修行でうっかり逝ってしまうかもしれんしのぅ………のほっほっほっほっ。」

 

直後、去り際に不吉な言葉を残しながら、白老は去っていく。

 

「……化かされたままでいたいなぁ……」

 

「あはは……」

 

「も、もう一回乾杯しよっか!!」

 

「「いえーいっ!!」」

 

遠い目をしながらそう言うヨウムに私が苦笑いしているなか、リムルはそう言いながらロンメルと一緒に再度乾杯する。

 

「………ん?」

 

「………」

 

そんななか、クリスマスツリーを眺めているシズさんを見つける。

 

「シズさん?」

 

「どうしたんだ?」

 

「ルーミアちゃん、リムルさん……ちょっと懐かしいなぁって思って………私も前にあの子達と楽しんだなぁって………」

 

「『あの子達』って前に話していた?」

 

「うん。『イングラシア王国』って国で私が先生として面倒をみていた子達なんだけど……」

 

シズさんはそう言いながらその子達はシズさんと同じように色々な国で私達と同じ世界から召喚されたこと、その召喚が不完全だったせいで大量の魔力によって数年しか生きられないことを話してくれた。

 

「一度は冒険者として引退した私だけど、あの子達を救うためにもう一度旅を始めた……」

 

「!もしかして……魔王レオンに会いに……?」

 

「……うん……」

 

「どういうことだ?ルーミア。」

 

「魔王レオンは子ども達を救う方法を知っていたってことだよ。」

 

「!?そうなのか!?」

 

「というよりシズさん自身がなによりの証明だよ。シズさんも戦争中の子どもだった頃にこの世界に召喚されたんだから……」

 

そして、その方法は恐らく……

 

「!……イフリートのような上位精霊と同化させることか……」

 

「そう……元は闇の精霊でもある私もだけど、精霊は魔力の制御に長けているからね……」

 

私達三人はそう話しながら改めてクリスマスツリーを見上げる。

 

「……シズさん……子ども達も絶対に助けてみせるから……」

 

「今は少しだけ待っててくれ……」

 

「……うん……」

 

魔国連邦(テンペスト)の夜を彩るクリスマスツリーを見上げながら、私とリムルはそうシズさんに誓うのだった。

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