転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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お正月④

書き初めを終え、リムルがシズさん達と共に子ども達の羽根つきやコマ回し、凧上げ等の様子を見に行っている間、私は乙事主達と共に餅つきをすることにした。

 

「なんつうか……お嬢以外花のない面子だな。」

 

リグルド、ゴブイチ、黒兵衛、ブラッドレイ、鬼鮫、ピッコロ、乙事主、ゲルドといった魔国連邦(テンペスト)屈指の力自慢の面々を見ながら、参加者であるヨウムさんがそう呟く。

 

「まぁまぁ、こういうのは力自慢の体力馬鹿の出番だよ。」

 

「ほっほっほっ。日頃からの修行の成果を見せる良い機会じゃろうて。」

 

「乙事主とゲルドの二人もすっかり張りきってますよ。」

 

私がそう言いながら指差す先には木槌を手に力強く餅をついている乙事主とゲルドの姿が。

 

ブラッドレイとゴブイチが絶妙なタイミングで餅を返している。

 

「はぁ……むさいオッサンばっかで餅が不味くならないっすかね?」

 

ヨウムさんがそう言っている間に乙事主とゲルドの餅が出来上がる。

 

「ってもうできたのかよ!?……しかもなんか可愛くなってる……」

 

ゲルドの餅は小さくデフォルメされた豚の顔に切り分けられ、蜂蜜がトッピングされている。

 

乙事主はきな粉を振りかけている。

 

「そんでもって美味ぇっ!!あのオッサン達がついたとは思えねぇぜ……」

 

「それがあの二人の良いところなんですよ。」

 

「参考になるじゃろう?」

 

私と白老もそう言いながら二人のついた餅を食べるなか、乙事主とゲルドは小さく切り分けた餅を子ども達に配っていく。

 

美味しそうに食べる子ども達の笑顔を見て、乙事主とゲルドは嬉しそうに微笑んでいる。

 

その後、白老に薦められたヨウムさんが餅をついているなか、私はお汁粉を作って子ども達に振る舞ったりした。

 

「折角だからルーミア様もどうだべ?」

 

「あ。そうだね。じゃあ……」

 

そんななか、黒兵衛から木槌を受け取った私は思いきり振りかぶって―――

 

 

 

 

「「ふぅ……」」

 

「お雑煮、できたよ。」

 

「熱いのでお気をつけ下さい。」

 

各々で思い思いに正月を満喫した後、リムルの家の炬燵で寛いでいた私とリムルにシズさんとトレイニーさんがそう言いながらお盆に乗せたお雑煮を持ってきてくれる。

 

「おぉ……ありがとう。シズさん。」

 

「トレイニーさんも手伝ってくれたんだ……」

 

「えぇ。シズさんから相談を受けたついでに……」

 

リムルがそう言いながらお雑煮を受け取るなか、トレイニーさんはそう言いながらシズさんと共に炬燵に入る。

 

「相談?」

 

「もしかして、精霊のこと?」

 

「うん。樹妖精(ドライアド)ならもっと詳しいことを教えてくれるんじゃないかと思って……」

 

「事情はお雑煮を作る片手間でシズさんから聞きました……シズさんと同じ異世界から召喚された子ども達に精霊を宿らせることで魔力を安定させる……とても良い案だと思います。」

 

トレイニーさんはそう言いながら、自分の分のお雑煮の餅を一口食べる。

 

「まぁ美味しい!お雑煮というのは初めて食べましたが、美味しいですね。」

 

「美味っ!!出汁が効いてるだけでなく、餅自体も美味ぇっ!!」

 

「お餅はルーミアちゃんがついた餅だよ。」

 

「うまくできたみたいで良かった……」

 

うん。美味しい……

 

「っと話が反れてしまうところでしたね……先程の精霊のお話、とても良い案だと思います。が、それでも幾つか問題が……」

 

「問題?」

 

「まず、下位の精霊はそこまで膨大な魔力を制御できません。かといって上位精霊はそんなに数もおらず……」

 

トレイニーさんがそう言いながら手を翳すと、精霊の羽を持つ綺麗な女性が隣に現れる。

 

ってこの感じ……

 

「精霊ですか……」

 

「流石はルーミア様。この子は風の乙女(シルフィード)。私の契約精霊でその名の通り、風を司る“力”を持っております。」

 

やっぱりか……

 

「上位精霊は気紛れな子が多く、まず気に入られなければ助力は望めません。」

 

「なるほど……イフリートは元々魔王レオンの精霊だったから、それも相まってシズさんとは相性が悪かったってことだね。」

 

私がそう言いながらシルフィードを見ていると、彼女は微笑みながら私の頭を撫でてくる。

 

「えぇと……」

 

「フフ……気に入られたみたいですね。ルーミア様。」

 

『あ。今、シルフィードの技術(アーツ)、『大気圧縮断裂(エアリアルブレード)』を取得したよ。』

 

……どうやら本当に気に入られたみたいだね……まぁいいか……

 

「まぁとにかく子ども達と相性の良い精霊に出会うなら、『精霊の棲家』に行くしかありませんね。」

 

「精霊の棲家?」

 

「『精霊女王』の統べる別次元にある場所です。入り口は女王の意思一つで引っ越ししてしまうので、特定するのは困難でしょうが……」

 

「トレイニーさんも知らないのか?」

 

「はい。現女王とは接点がないもので……お役に立てず申し訳ありません……」

 

「いや、俺達の考えが間違ってなかったとわかっただけでも収穫だよ。」

 

「ありがとうございます。トレイニーさん。」

 

申し訳なさそうにそう言うトレイニーさんに対し、リムルと私はそう言う。

 

とにかくこれで今年のやるべきことが決まった。

 

「リムル。ヨウムさんとフューズさんの件が落ち着いたら、私は『精霊の棲家』についての情報を集めようと思う。」

 

「じゃあ、俺はイングラシアに行って、子ども達の様子を見てくるよ。」

 

「リムルさん……ルーミアちゃん……」

 

「シズさん……俺達は必ず『精霊の棲家』を見つけてみせる……」

 

「一緒に……子ども達を助けよう……」

 

「……ありがとう……」

 

「リムル様、ルーミア様……」

 

そんななか、トレイニーさんがそう言いながら私達二人に真剣な眼差しを向ける。

 

「今年は何か嫌な予感がします……森の木々を薙ぎ倒すようなとてつもない嫌な風が巻き起こる予感が……」

 

「「「………」」」

 

「どうか心の隅にでも留めておいて下さい。」

 

「……わかった……」

 

「……気を付けるよ……」

 

真剣な表情でそう忠告してくるトレイニーさんに対し、リムルと私も真剣な表情でそう言う。

 

が、この時の私達は気付けていなかった……ミリムとは別の謀略の暴風(かぜ)が既に迫っていることに……

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