転生したらルーミアだった!?   作:デスゴッド

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緊急事態

第三者Side

 

「ここに暴風大妖渦(カリュブディス)が……」

 

「そうだよぉー♪」

 

「まだ復活はしていませんが、破壊への渇望が漏れ出ています。」

 

洞窟の前でそう言うフォビオにティアがそう言うなか、フットマンがそう説明する。

 

「もっとも、そういった感情が大好物な我々だからこそ、発見できたのですけどね。」

 

「確かに……異様な妖気(オーラ)を感じるぜ……」

 

「暴風大妖渦を復活させるには、本来なら大量の死体が必要です。」

 

「?死体?」

 

「暴風大妖渦とは所謂(いわゆる)精神生命体の一種です。この世界で“力”を振るうには先ず肉体を与えねばなりません。」

 

「なるほど……それで?」

 

「貴方の役割は……」

 

続きを促すフォビオに対し、それ以上の言葉を紡がないフットマン。

 

「!?」

 

が、そこから先の言葉をフォビオは察する。

 

「まさか……おまえ……っ!?」

 

「『従わせる』とは即ち『暴風大妖渦をその身に宿し、ご自身と同一化する』ということなのですよっ!!」

 

「俺の身体に暴風大妖渦を……っ!?」

 

「辞めるんなら、今だよ?」

 

「ッ……」

 

「けどぉ……」

 

「けど?」

 

「この封印はもう長くは保たないかも……」

 

「保たなかったら、どうなる……?」

 

(いず)れ自動的に復活しちゃう……かな……」

 

「死体が必要なんだろ?」

 

「でもでも、封印されてる状態でも自分の依代にするだけの死体くらい用意できちゃうんじゃないかな……そうなったら、あたい達はくたびれ損になっちゃう!!」

 

「そうですねぇ……」

 

二人の道化はガックシと首を落としながらそう言う。

 

「自動復活しちゃったら、制御は無理だろうし。純粋な破壊の意思だから、誰の命令も聞かないし……」

 

「つまり、自動復活する前に封印を解き、その“力”を奪わないとダメってことか。」

 

「え?あ、うん……そういうこと。」

 

「良いぜ……暴風大妖渦のその“力”、我が物にしてやろう……っ!!」

 

「流石はフォビオ様!!でしたら、こちらを……」

 

「?薔薇(バラ)なんか趣味じゃないぜ?」

 

「ただの薔薇ではございません。これはエフィメラ。フォビオ様のお“力”を一時的に増幅させる特殊な薔薇でございます。」

 

「ほぅ……」

 

「きっと暴風大妖渦を従わせるのに役に立つでしょう。その身に宿すと同時にお使い下さい。」

 

「そうか……感謝するぜ……」

 

フットマンはそう言いながら、フォビオにエフィメラを手渡す。

 

「やってやるぜ……暴風大妖渦を我が身に宿して、あの小生意気なガキ共を……っ!!」

 

その後、フォビオはそう言いながら、魔法で灯した灯りを頼りに洞窟の奥……暴風大妖渦の元へと突き進んでいく。

 

「………行きましたね。」

 

「行ったね。」

 

「流石は脳ミソまで筋肉で出来ているカリオンの部下ですねぇ……」

 

「単純だったね。」

 

「おーっほっほっほぉっ!!」

「あーっはっはっはぁっ!!」

 

そんなフォビオを見えなくなるまで見届けた後、二人の道化はそう高笑いを上げる。

 

「これで終わりですか?」

 

「うん。クレイマンからは『暴風大妖渦を復活させたら、ミリムに向かわせろ。』としか言われてないよ。あ!」

 

「ん?」

 

「用意してた下位龍族(レッサードラゴン)の死骸、要らなくなっちゃったね。」

 

「……でもまぁ、『備えあれば憂いなし』って言いますし……」

 

「だね!!」

 

「おーっほっほっほぉっ!!」

「あーっはっはっはぁっ!!」

 

二人の道化がそう高笑いを上げながら見つめる茂みの奥には大量の下位龍族の死骸が積み重なっていた。

 

クレイマンの企みにより、豚頭帝(オークロード)以上の新たな脅威が魔国連邦(テンペスト)に迫ってきていた。

 

ルーミアSide

 

「はぁー……疲れたぁー……」

 

「お疲れ様。ギド。」

 

数日後、魔獣狩りから魔国連邦(テンペスト)に帰った後、そう言いながら座り込むギドに私がそう労いの声をかける。

 

「わっはははははっ!!見ろ!リムル!!大漁なのだっ!!」

 

ギドとカバルが運んでいた荷車の上に置かれた、袋詰めにされた大量の魔獣を指差しながらミリムが笑顔でそう言う。

 

「おぉっ!!」

 

「ミリムちゃんとルーミアちゃんが凄いんですよぉ。ミリムちゃんが魔獣をすぐに発見してくれて、ルーミアちゃんが殆んど狩ってくれるから助かりましたぁ~。」

 

「魔獣を見つけるなど朝飯前なのだ!!」

 

「私も役に立てたなら良かった……」

 

紫苑に抱き抱えられているリムルにエレンが笑顔でそう説明するなか、ミリムと私は笑顔でそう言う。

 

「本当にルーミアの姉御の戦いは凄かったなぁ……」

 

「そうでやんすねぇ……あっしらだけじゃ逆にやられてたでやんすよ……」

 

「まぁ、ルーミアだしな……皆、お疲れ様。」

 

「本当に疲れやした……」

 

「風呂入って一杯やるか。」

 

「一杯やるのだ。そして、今夜はご馳走なのだ!わーはっはっはっ!!ッ!?」

 

「!?ミリム様!!」

 

「うむっ!!」

 

「何者ですっ!?」

 

そんななか、ミリムにリムルを投げ渡した紫苑が虚空に向かってそう言いながら、剛力丸を引き抜いて構える。

 

同時に紅丸、蒼影、白老、翠香、ブラッドレイ、鬼鮫、絶狼、影狼、藍の九人もその場に駆けつける。

 

「………」

 

すると次の瞬間、以前見かけた時とは違う意味でヤバそうな妖気(オーラ)と殺気を放つ、半透明なトライアさんがその場に現れる。

 

「!?まさか、樹妖精(ドライアド)!?」

 

「初めて見た……」

 

「ルーミア。あの人って確か……」

 

「トレイニーさんの妹のトライアさんだよ。」

 

「お久しぶりです。ルーミア様。リムル様もその節はご迷惑をお掛けしました……」

 

「お、おう。それは良いんだけど……」

 

「その妖気(オーラ)と殺気……何があったんですか?」

 

「ッ……緊急事態です………

 

 

 

 

 

 

 

 

災厄級魔物(カラミティモンスター)である暴風大妖渦(カリュブディス)が復活致しました。」

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