TCGのアニメみたいな世界でカードとして転生したけど思ってたのと違う 作:よわよわドラゴン
まぁ良くある話だ。
ひょんな事で死んで、そこから異世界に転生してセカンドライフを楽しむ。どうだ?親の顔より見た展開だろ?だけど、そこは普通の世界じゃなくて何でもカードゲームで結果を決める。所謂TCGのホビーアニメみたいな世界だった。そんな世界で俺はカードとして転生した。
最初は人として、デュエリストとして生まれたかったなと思ったけれどすぐに慣れた。案外このカード人生も悪く無い。人にはモテモテで引っ張りだこだし、最高だ。
勿論良い事だらけじゃなくて悪い事もある。例えば、この世界では異世界ファンタジーで言う魔法がカードの能力に置き換えられている。つまり、それが悪事に使われる事もあると言う事。
そして、もう一つ悪い事は創造神のネームセンスだな。まあまあと大ハズレの二人しかいないせいで運頼みだ。詳しく話すとアレなので、ざっくり言うと。この世界では神様が全てのカードを作っている。天界のカード工場で大量生産をしていて、最後に俺達に名がつく。
これは聞いた話だが、ソイツによると未来が見えるドラゴンだったらしい。そう言って自己アピールした所、彼の名前は"お目目パチパチドラゴン"になった。
もう一つ行こう。荒れ果てた地にも一つの種から一日で大森林を作る事が出来るドラゴンがいた。そのドラゴンの偉業が評価され、付けられた時の名前が"アタマノナカ・オハナバタケドラゴン"だ。全く悪意が無いからこそ恐ろしい。
可哀想だろう?折角イカした見た目や強い能力を持っていてもこうなってしまう。恐ろしいもんだな。
俺の名前か?紹介が遅れたな。俺は──。
ハイパー家事力つよつよドラゴンだ。誰か俺を殺してくれ。
味方のカードを犠牲にEXに進化する事も出来るらしいが、そうすると洗濯物を干している時限定で咄嗟のゲリラ雨が分かる特殊能力が開花するらしい。違うだろ、此処はTCGのアニメ世界じゃないのか?俺はバトルに出て、強大なエースモンスターと闘ったりとかしたかったんだ。
くそ、俺がハイパー家事力つよつよドラゴンだからか?クソッ羨ましい。俺だって……。俺だって。
こんな世界でカードバトルに全く興味が無い主人にコキを使われながら、今日も一日を過ごしている。
『なぁ、主人よ。本当にカードバトルしないのか?案外やってみたら楽しいかもしれないぞ?』
「やらないって言ってるじゃん!しつこい」
別に、主人が珍しい訳じゃない。コレクターとしてカードを集めるだけの人種もいる。だけど、折角だから闘ってみたかった。多分勝てないだろうけど、闘ってみたかった。