爽快なのに鬱ゲー世界の敵役に憑依したからには、悲劇フラグを折って爽快無双ゲーにしなければ(使命感)   作:火星で1,000往復

12 / 32
設定の説明を兼ね、転生者の隣で戦う保護者(というより俯瞰の)視点になります。
次話からまた転生者視点に戻ります。


別視点:保護者 1

 

 Foreignersにおいて、無双アクションで敵の群れを薙ぎ払うプレイアブルキャラやボスキャラたちは、その強さの源としてパラディソスという武器を保有している。

 

 パラディソスとは、フォーリナーから作られた生体兵器。

 生きたフォーリナーの個体に特別な措置を施し人間に融合させると、適合した場合に限り融合させた人間と一つとなり人智を超えた能力を発揮する。

 適合に失敗した場合はフォーリナー側に食い殺され、肉体を媒介に人間と融合したフォーリナーが誕生する。

 フォーリナーとお互いの肉体の支配権をめぐって争い勝つこと、それが適合だと考えられている。

 

 大陸議会が得たこの新しい人類の力は、何百万とを埋め尽くしてゲートの先から現れるフォーリナーを蹂躙し、人類側の軍隊も容易に殲滅する、一騎当千の力を持つ。

 パラディソスの保有者と呼ばれる彼らは、まさに無双の力を駆使する者たちである。

 

 彼らの有するパラディソスは、フォーリナーを兵器として用いており、保有者の呼びかけに応じていつでも展開可能。

 パラディソスは通常、近接戦闘用・突撃装備である“バスター”、遠距離戦闘用・迎撃装備である“アーツ”、防御装備である“シールド”、拡張支援用・媒介装備である“アーマー”、特殊機能用・固有装備である“エクストラ”の五つのパーツから構成されている。

 それらを保有者は自在に展開し、異界の機械生命体を駆使して敵を殲滅する。

 

 人が十人十色であるように、パラディソスにも個性がある。

 その力は当然人に対しても行使可能であり、強大ながら危険なこの力は人類の新たな兵器として運用され、対立する二大勢力間の戦争にも用いられた。

 

 そして単騎で戦場に影響を与えるパラディソスを欲する二大勢力は何十年もの間、何百、何千、何万という犠牲を出しながらもパラディソスの材料となるフォーリナーの侵略を止めず、パラディソスを得るために適合を繰り返し、多くの犠牲を積み上げてきた。

 フォーリナーに対抗する人類の存亡をかけた争いは、パラディソスの誕生とともに一つの終わりを迎え、人はフォーリナーに対抗可能となった代わりに再び人類同士の血で血を洗う時代が戻ってくることとなった。

 

 そして、フォーリナーもまた異界の存在とはいえ、群れをなす生命だった。

 人に利用され、二つの意味で同胞殺しを強要する人類という種族に対して積み重なった憎悪は、大陸議会が更なる力を欲して行った愚かな実験によって形となり、フォーリナーたちの怨念が集約した特別なパラディソスを誕生させることとなった。

 

 それがオーバードーズと名付けられた、怨念によって暴走し、人類であろうとフォーリナーであろうと今を生きながら命を消費する愚かな争いをいつまでも繰り広げる者たちを敵視する4つの滅ぶことがないパラディソス。

 星の敵対者ウラノメトリア、命の敵対者タルタロス、善の敵対者アジダハーク、戦の敵対者バールバラである。

 

 オーバードーズの特徴は、他のパラディソスと異なる特性を有すること。

 保有者が死してもその骸はフォーリナーとなることはなく、どこかへ消え時間が経てば前触れなく再び別の適合者の中に発生すること。

 制御に成功したハクノという例外を除き、保有者の魂を壊して自我を乗っとり、怨念に突き動かされる破壊者に変えること。

 そして、総じて全てのオーバードーズの強さは他のパラディソスを圧倒すること。

 

 ココもまた、本来はアジダハークに飲み込まれるはずであった。

 しかし彼女は転生者というイレギュラーの存在によって魂を飲まれることなく存続し、ハクノに続き2人目のオーバードーズを制御下に置くことに成功した保有者となった。

 

「バスター展開!」

 

 ココの魂は眠りについたとはいえ、アジダハークの扱い方は身体が覚えている。

 起きたばかりで身体に馴染んでいなかったアリサの魂もアジダハークを展開したことでココの肉体に馴染み、ベースはもちろんアリサのものだが2人が一つとなった形の新しい“ココ”としての人格となった。

 

 平和な世界だった前世の暮らしだけしか知らない転生者だけではない。

 闘争本能の赴くまま、溢れる怨念を力に変えてパラディソスとして扱う戦士の姿があった。

 

「テメエこそ道迷うんじゃねえぞ、ハクノ!」

 

「シールド展開。了解、一時の戦友」

 

 初めての戦闘。

 それに対する恐怖はなく、むしろ高揚に身を任せ突撃する。

 

 その足に置いていかれるつもりはない。

 ハクノもまた、ウラノメトリアの防御装備であるシールド──迫る攻撃を防ぐのではなく彼方へ送る形の装備である宇宙が広がる暗いゲートを展開。

 新たな群れに突撃し、大鎌を振るい議会の軍勢を蹴散らしながら進むココの隣に追いつき、その身に迫る銃撃などを鎌を振るう動作の邪魔にならないように器用に立ち回りながら防いでサポートしていく。

 

「そんな豆鉄砲で何ができんだザコが! 散々ココのこと弄りやがって、この憂さ絶対ェ晴らす!」

 

 ハクノがサポートする横で、ココは彼のことなど気にせず大鎌を振り回し、大陸議会の兵士たちを圧倒していった。





登場人物

霧前 ハクノ
Foreignersシリーズに登場するキャラの1人。1及び2でラスボスを務め、ストーリーでは(中ボスに憑依した方ではなくゲームにおける方の)主人公にとって深く関わりのある存在であることや活躍からシリーズのもう1人の主人公とも呼ばれている。保有するパラディソスと1のストーリーにおいて犯した罪から国際指名手配犯とされており、二大勢力から身柄を狙われている。保有するパラディソスはウラノメトリア。今でこそ落ち着いているが、兄の仇討ちに燃え暴走していた時期がある。アリサの保護者。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。