爽快なのに鬱ゲー世界の敵役に憑依したからには、悲劇フラグを折って爽快無双ゲーにしなければ(使命感) 作:火星で1,000往復
Foreigners。
それが俺が憑依、あるいは転生することとなった、この世界を舞台としたゲームのタイトルである。
そして我が姉貴が第一作となる無印版からシリーズ皆勤となるキャラクターの声優として出演しているゲームでもある。やはりシスコン。
……ここは2の世界みたいだけど。
ジャンルは無双系アクションゲーム。
プレイアブルキャラを操作してフィールドを駆け回り、多数出てくる雑魚敵を切った張ったで薙ぎ払い吹き飛ばし、一騎当千で蹴散らしまくる、爽快なアクションゲームである。
シリーズ化されており、無印とリマスター版、2、3、そして最新作にして完結編となる4まで全4作。
ただし4は客船事故に遭った時はまだ未発売であり、俺はストーリーの内容とか一切知らない。姉貴なら知っているかもだけど。
そしてこのForeignersというゲームだが、無双系アクションゲームであるとともにもう一つ“鬱ゲー”という顔がある。
このForeignersというゲーム。
製作陣は人の心がないんか! と突っ込みたくなるほど、爽快感抜群のバトルに対してストーリーが重くて暗いのである。
そう、ストーリーは重くて暗いのである(大事なことなので2回言った)。
具体的にどう暗くて重いのかを簡単に説明すると、主人公はじめ登場するキャラクターたちに不幸が降り注ぐ、酷い時には主要キャラでも容赦なく仏になるのである。
主人公なんか一作目となる無印版では初っ端家族を殺され復讐のために軍人になるという重い設定背負っているし、そこから立ち直るきっかけをくれた恋人と敵味方に分かれて殺し合いする羽目になるし、生き残ったらその恋人の弟に仇として恨まれ命を狙われたりするしで、ストーリー完結後には身近な信頼できる人間失いすぎたせいでPTSDを発症するくらいに不幸が降り注ぐのである。特に据置機のみから携帯ゲーム機にも対応ハードを拡大したリマスター版に入っている特典の追加ストーリーにてその様子が詳しく見られるので必見だ。そんなもの勧めるな。
他の主要キャラ、特に味方陣営のキャラなんかは大体なんかしらの不幸な過去背負っていて、ストーリーではそれを追い打ちかけるようなもっと悲惨で理不尽な不幸に見舞われる鬱展開が満載なのである。
製作陣はマジで人の心無いんか?
主人公サイドのキャラクター達が悲劇に見舞われるのだから、敵として立ち塞がるキャラクターたちはさらに悲惨。
敵陣営の主要キャラは高確率で死ぬ。形はいろいろあるが、即死するなら御の字で、普通に死なせてやれよレベルの地獄を見る羽目になるキャラがほとんどである。
特にその傾向が強い無印版はむしろ敵陣営のキャラクターたちの方がまともで善良な面が強いので、いい奴ほど悲惨な死に方する憂鬱展開が多い。
……まあ、俺が憑依することになったこのダンデライオンというキャラは2に登場する中ボスキャラだけど。
無印が悲惨すぎるからか、2は多少鬱展開が少なくなったストーリーになっておるけど、あくまでも悪魔な製作陣が作った無印版に比べてである。やかましい。
2も2で鬱展開多いし、エンディングも虚しさが勝る内容だし、鬱少なめといっても主人公サイドの話であり敵陣営キャラに対する扱いは相変わらず容赦のかけらもないし。
このダンデライオンもゲームでは普通に殺してやれよと言いたくなる最期を遂げることになったからな。ネタバレやめろ。
バトルは爽快無双アクション、ストーリーは鬱展開なゲームと紹介した(相手がいない)このサイコパスがシナリオ書いただろと言いたくなるForeignersというゲーム。
世界観をざっくり説明すると、タイトルにもなっているフォーリナーという侵略者が地球に襲来して、それに人類が生き残りをかけて抵抗しているという世界が舞台となっている。
西暦2082年──
アフリカ大陸上空に突如として出現した、異界と現世をつなぐ巨大な門──ゲート。
その先に広がる異世界から突如として飛来してきた謎の生命体──フォーリナーの侵略を受け、人類は存亡の危機を迎える。
既存の国際秩序は崩壊し、人類はフォーリナーの侵略に対抗する為、環太平洋諸国からなる“環太平洋条約機構”と、ユーラシア大陸諸国からなる“ユーラシア大陸議会”の二大勢力にまとまり、フォーリナーの侵略に抵抗していた。
そんな中、ユーラシア大陸議会にて捕獲されたフォーリナーを生体兵器に改造することに成功。人類の叡智が及ばない異界の機械生命体であるフォーリナー、それに適合した人間はフォーリナーを生体兵器に変え自らの武装とし、フォーリナーと対等以上に渡り合う力を獲得する。フォーリナーを人類の武器として用いたこの兵器は“パラディソス”と呼ばれ、以後人類がフォーリナーに対抗する最も有効な兵器として運用されていくこととなる。
しかしフォーリナーと生きたまま一つとなるパラディソスは大きな力であると同時に、適合しなければ持ち主を内側から喰らい、適合しようとも制御し続けなければいつ自我を奪われるかわからない危険な存在。
人智を越える力を獲得したパラディソスの保有者たちは、人類を守る矛であり盾であると共に、いつフォーリナーに堕ちて人類にその牙を向けるか分からない危険因子でもあった。
大陸議会のパラディソス保有者に対する非人道的な待遇に耐えかねた彼らの一部は、もう一つの人類の勢力である太平洋条約に亡命。この亡命を受け入れたことにより太平洋条約もパラディソスという力を獲得し、二大勢力の関係は急速に悪化。ついには人類同士の武力衝突にまで発展することとなった。
環太平洋条約機構、ユーラシア大陸議会、フォーリナー。
3つの勢力が世界の支配者の座をめぐり鎬を削り合う時代。
血で血を洗う惨劇が繰り広げられるこの世界で、極東の島国にて故郷をフォーリナーに滅ぼされた憎しみから環太平洋条約機構軍に志願し、憎き仇であるフォーリナーを用いた兵器であるパラディソスを手にするべく適合試験に臨む1人の少女がいた──
これがForeignersの無印版のプロローグ。
要するにフォーリナーとかいう異世界生命体が地球を侵略して、それに人類が二つの勢力にまとまって生き残りをかけて戦っていたけど、いざこざがあって結局人類同士も争い始めて今や三つ巴の戦争が繰り広げられている世界なのである。
慈悲など知らんと言わんばかりの残虐な破壊と侵略を仕掛けるフォーリナーとの戦いも凄惨だが、この二大勢力というのも表にできない闇の面をバンバン持っていて、お互いフォーリナーを下した後の世界の覇権を握るためにありとあらゆる陰謀をめぐらし人類同士で足引っ張りあっている酷い組織なんだよ。
ここら辺も鬱要素だな。人間が愚かで怖い生き物だってことを思い知らされる鬱シーンが目白押しだぞ。だからそんなもの勧めるな。
そして一騎当千で敵を薙ぎ倒しまくる無双アクションの強さとなっているのが、本来敵であるフォーリナーの生きた個体を生体兵器として人間に融合させた“パラディソス”という代物だ。
このパラディソスの保有者、人間の兵隊やフォーリナーの数ばかり多い雑魚個体なら、数百くらいを相手にしても一方的に蹴散らせるほど強い。
まあ、適合に失敗したり制御に失敗したら兵器として従えているパラディソス、もといフォーリナーに食べられるという爆弾を抱えている欠陥兵器だけど。
……お察しの通り、このパラディソスに食べられるという凄惨な最後を迎えるキャラが結構いる。超強い代わりに鬱展開の元凶の一つになっているものである。
ついでに言うと俺が今憑依しているキャラの死因になっている設定でもある。
そしてダンデライオンというキャラクター。
当然中ボスというだけあり、こいつももれなくパラディソスの保有者である。
つまり雑魚相手なら無双できる強キャラだ。
ただし、主人公と戦ったら1回戦で敗北して、パラディソスに食われて暴走してフォーリナーとなり2回戦でぶっ殺されるという最期を迎えるかませ犬だけどな!
わはは! わかってたけど、改めて思い出すと俺劇中で死ぬキャラだわ。しかも融合している生物兵器に食べられて肉体を奪われてからの勝てるわけない主人公に特攻かましてぶっ殺されてお陀仏になるキャラだわ。
笑えるわけねえだろコンチクショーが!
鬱フラグだけでなく死亡フラグまで思いっきり立ってるキャラに憑依してしまったわけだが、どうしたもんかね。
ねぐらにしている寒々しい石造りの部屋の中で、胡座をかき、腕を組んでうーんとうなり、この爽快だけど鬱ゲーよばわりされるゲーム世界と己の憑依したキャラに関する情報を思い出したわけだが。
ふと思った。
……そもそも、今ってForeignersシリーズのいつ頃なんだろうか。
それによって俺、というかダンデライオンの寿命がわかるんだけど。
そして時間がもしわかったら、この鬱ゲーの悲劇フラグをポキポキ折ることできたりするんだよ。
そうすれば俺、もといダンデライオンが死なずに済むかもしれなくなるじゃないか。
「つーか、姉貴も転生とかしたんじゃね!?」
今更急にそんなことが思い浮かんで、また大声を響かせた。
耳痛え。自業自得である。