爽快なのに鬱ゲー世界の敵役に憑依したからには、悲劇フラグを折って爽快無双ゲーにしなければ(使命感)   作:火星で1,000往復

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新キャラが登場します。


邪魔するぜ→あいよー

 

 バトルは爽快だがストーリーは憂鬱なことから、爽快だけど鬱ゲーと呼ばれている無双系アクションゲーム“Foreigners”シリーズ。

 豪華客船の海外旅行の途中で客船の沈没事故に見舞われ、気がつくとその第二作であるForeigners2の世界に、主人公と敵対するテロ組織“クリスタルスカル”の幹部という名の中ボスであるダンデライオンに憑依していた。

 

 なったものは仕方ねえと納得してないが、第一及び第二目標とした鬱ゲーの原因であるストーリーに散りばめられた悲劇フラグを折り、俺同様に転生しているかもしれない姉貴を不幸にさせないため(ついでに俺の死亡フラグも折るため)に、第三目標としてあたおかテロ組織クリスタルスカルの首領であるユグドラシルを名乗るクソ野郎を早期退場させることを決意。

 

 ユグドラシルの野郎を退場させるために、まずはクリスタルスカルの幹部の中でこのあたおかテロ組織の壊滅を内部から目論んでいる正義の裏切り者さんこと、のちの主人公の協力者となり続編の3にも登場するプレイアブルキャラの1人、コードネーム“ヘリアンサス”に接触を試みることにした。

 

 俺の目的はユグドラシルの野郎の退場。

 ヘリアンサスさんの目的はユグドラシルの野郎の裏の目的の阻止、あわよくばユグドラシルの野郎の撃破。

 利害は一致しているから、仲間になれるだろうと目論んだわけである。

 

 さらにヘリアンサスさんは後に主人公の仲間になるキャラだ。

 この人と繋がりを持って協力関係を構築すれば、ユグドラシルの野郎に爆弾埋め込まれているから逆らえない俺の事情も伝わるだろうし、主人公たちに繋ぎをお願いして和解できるかもしれないのだ。

 主人公とは戦いたくない。むしろ協力関係を構築したい。ユグドラシルの野郎を追い落とす上で、主人公はこの上ない戦力になるからな。

 

 ちなみに俺は生殺与奪の権を握られているから逆らえません。

 

 ──というわけで思い立ったら吉日だと、ダンデライオンがねぐらにしている石造りの部屋がある遺跡を出て、ヘリアンサスさんが住む教会にやってきました。

 

 ちなみに、クリスタルスカルはボスのユグドラシルがトップに立ち、その下にコードネームで呼び合うお互い本名すら知らない横並びの幹部が7人、そして直属の幹部補佐、その下に雑兵多数で構成されている。

 幹部連中は全員パラディソスの保有者。昇進祝いと銘打ってユグドラシルが爆弾付きのパラディソスを与え、適合に成功して幹部に昇格するのだ。

 幹部はユグドラシルのつけたコードネームを名乗り、表の素性は基本的に同じ幹部相手にも明かさない。表の素性を知るのはユグドラシルだけだ。俺も知ってるけどな。

 

 ダンデライオンはヘリアンサスの素性を知らない。

 しかし俺にはゲームの知識がある。ヘリアンサスさんの素性も、普段の姿も、テロリストの仮面をかぶっていない時にはどこで何をしているかも知っているのだ。字面は完全にストーカーのそれ。

 

 コードネーム、ひまわり或いはサンフラワーことヘリアンサス。

 本名はパメラ・ロイン。

 裏の顔はあたおかテロ組織クリスタルスカルの幹部、そのさらに裏の顔はユグドラシルの野望を阻止するべく暗躍する正義の裏切り者という彼女の表の顔は、ニュージーランドの田舎に立つ教会のシスターである。

 

 フォーリナーの侵略で親を失った孤児たち。

 ヘリアンサスさんの表の素性は、本来なら多くがパラディソスの適合試験を受けてフォーリナーに食われるか、適合しても環太平洋条約機構の生きた兵器として死ぬまでフォーリナーや同族であるはずの人間と殺し合いをして使い潰されるという悲惨な運命に生きるために進むしかないこの孤児たちを保護し、パラディソスの保有者という兵器ではなく戦場から離れた人間として人生を歩めるように育てる活動をしている慈悲深いシスターなのだ。

 

 穏やかで慈悲深く、本来は虫も殺さなそうな優しいシスター。

 そしてフォーリナーの侵略とそれを許容している二大勢力の犠牲にされている罪なき人々を救いたいという動機でパラディソスの保有者となり、クリスタルスカルの表のプロパガンダに賛同して参加した、必要とあれば戦うことも厭わない強い正義の心を持つ。

 そんな彼女は、ファンからは“聖母様”の愛称で親しまれている人気キャラである。

 

 ゲームでは最後まで本名すら明らかにならなかった(扱いパッとしねえ中ボスの)ダンデライオンとはえらい境遇の差である。

 しかもプレイアブルキャラということもあり、序盤で退場する弱っこちい中ボスのダンデライオンよりも強い。パラディソスの性能も聖母様の方が圧倒的に上である。

 ……改めて見るとマジで弱いしパッとしねえよなこの中ボス。印象的なのフォーリナーに生きたまま食われて乗っ取られた状態で主人公にリベンジマッチしてあえなく返り討ちにあった最期だけじゃないのか? 鬱要素は他にもあるのでそんなことはない。

 

 ダンデライオンに憑依してから、初めてのゲームの画面越しにしか見れなかったキャラとの接触になる。見るどころか会話ができるかもしれない。

 憑依してまだ初日だから実感湧かないけど、ユグドラシルの立てる数々のフラグから解放されるには、彼女の協力は必要だ。

 

 というわけで、教会の扉を開いた。

 

 ──バタン

 

「邪魔するぜ」

 

「邪魔するならお帰りください」

 

「あいよー」

 

 ──バタン

 

 ……なんか知らんけど追い返された。





登場人物

ヘリアンサス
テロ組織クリスタルスカルの幹部の1人。ボスであるユグドラシルの裏の目的を知っており、その阻止を目指す正義の裏切り者。保有するパラディソスは“エルキドゥ”。普段はニュージーランドの田舎にある教会に勤めるシスターであり、多くの孤児を保護しており、慈悲深く穏やかな性格の人物のため、ファンからは聖母様という愛称で親しまれている。シリーズでは2が初登場であり、ストーリー途中までは敵だが、中盤にて主人公陣営に鞍替えして味方となる。プレイアブルキャラの1人。続編の3にも登場する。
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