助けて補習授業部!!!   作: 俺は人間をやめるぞぉ!

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助けて補習授業部!!!
この手の話をするとみんななぁ.....


「何の真似だこれは」

 

 

「隙を狙って噛みついてくるかもしれない...だから縛った」

 

 

「俺はゾンビか何かなのか?」

 

 

おかしいな、俺は補習授業部に来たはずなのに、どうやらここはゾンビパンデミック対策部だったようだ。

そうじゃなきゃこの流れるような拘束劇(?)の説明がつかない。

手慣れすぎだろ、常日頃から誰かを縛ってきたとしか思えないんだよ!!

 

 

でも、拘束されて、面の良い女の子に囲まれるこの状況はちょっと役得かもしれない。

ただ決して俺がMってことではない。

 

 

「や、やっぱりアズサちゃん。この人は普通ですよ。ただちょっとゾンビっぽいだけの」

 

 

「いやゾンビっぽいってなんだよ」

 

 

「だがこの血色の悪さは生きている者のそれじゃないぞ」

 

 

「生きている者のそれなんだが?」

 

 

「ねぇコハルちゃん、この縛り方、なんだか少し卑猥じゃありません?」

 

 

「急に何を言い出すのよ!!!」

 

 

「あまり俺をそういう目で見ないでくれ、興奮しちゃう」

 

 

「へ、変態!!!!」

 

 

おいコラ、あんまり萌属性の子が変態なんて言うもんじゃないぞ。その道を進んでる奴からしたらご褒美でしかないんだぜ?

いや、重ねて言うが俺はMなんかじゃないぞ。断じてな。

 

 

「なんにせよ俺はゾンビでもなければ拘束に喜びを感じるようなMでもない。ってことで解放してくれないか?俺はこれから補習授業部ってとこに用事があるんだ。ゾンビパンデミック対策部のお前らには悪いけど、あまり時間を割いてる余裕がない」

 

 

「補習授業部はここだぞ。なんだゾンビパンデミック対策部って」

 

 

「はぁ!?」

 

 

いや嘘つけ!んな訳あるか!!

日頃から訓練してる動きだったぞ間違いなく!!

 

 

「まったく信じられないって顔ですねぇ。私達が何をしたというのでしょうか」

 

 

「アンタ...この光景の前でよくそんな台詞が吐けたわね」

 

 

「と、取り合えず縄を解きましょう」

 

 

「だが、縄を解いた瞬間私達に襲い掛かるかも....」

 

 

「掛からねぇよ!」

 

 

いつまでも俺をゾンビ扱いするそいつはぶつくさとありもしない被害を危惧しながら、縄を解いた。

よく考えてみると、こいつ以外はまともな気がする。

関節を極めて身動きを封じ、縄で縛り上げるまでは全部こいつだったからな。

きっとこいつだけ傭兵上がりなのだろう。

それは冗談としても、実は正義実現委員会だったりするのかもしれない。

ん?正実ってみんな同じ格好してたっけ?じゃあ違うか。

 

 

「にしてもマジか、本当にここが補習授業部なんだな...ゾンビパンデミック対策部じゃないのか」

 

 

「だから一体なんなんだそれは」

 

 

「いやほら、なんかちょっと前に、ハイグレゾンビが徘徊してやばかった事件あったろ?エデン条約の時。だからそれがまた起きたときの為に対策をしてる部活みたいな」

 

 

「なかなか限定的な部活ですねぇ」

 

 

「とにかく、ここが補習授業部ってんなら、お前らも俺と同じように退学の危機ってことだな!!」

 

 

「「「「...は?」」」」

 

 

え?なに?

俺なんかおかしなこと言った?

 

 

「退学って何!?また私達そんな崖っぷちにいるの!?」

 

 

「い、いえそんなはずはないですよ?でも仮に、学校から更生不可と判断される量の赤点を取ったとしたら、ありえるかもしれませんが...もはや全教科赤点レベルのことですし、流石にないと思いますよ、あはは...」

 

 

「え?俺これまで受けたテスト全部赤点だったぞ?」

 

 

「「「「えぇ...(困惑)」」」」

 

 

これは分かる、俺はおかしなことを言ったよ。

勉強は一応やったんだ。学校にいる間は常に学業に励んでた。だから、合格点を取れるぐらいの学力はちゃんとあった。

 

 

実際に、これまでのテストはそうやって乗り越えてきた。

今回に限っては...タイミングが悪かったとしか言いようがない。

 

 

夜勤続きで死に体だったわけだからっさぁ!!!勘弁してほしいよねマジで!!

 

 

はぁ、思いだしたら睡魔がぶり返してきた。

多少テスト中に仮眠を取ったとはいえ、気を抜いた瞬間にごーとぅーどりーむしてしまいそうだ。

なんならここまでの寸劇の疲労感が合流してきたのせいでごーとぅーへぶんすらしてしまうかもね、でへへ。

え?へぶんじゃなくてへるだって?黙れ殴るぞ。

 

 

「とにかく、これからは共に特別学力試験へ向けて勉強をしていくのですし、仲良くしていきたいところですね。と言う訳で、どうでしょう。自己紹介でもしませんか?」

 

 

「そうですね!短い間かもしれませんが、効率よく助け合っていくためにも仲良くしましょう!!」

 

 

「あ、うん」

 

 

勝手に勘違いして拘束してきた連中と仲良くしたいかと言われれば正直NOと答えたいところだけど、それをすると俺はテストだけじゃなく協調性の面でも赤点を取ってしまうことは目に見えているので、ここは素直に従っておこう。

 

 

表面上はな。

心の中では憂さ晴らしも兼ねて変なあだ名で呼んでやるよ!!!!

 

 

「では発案者の私から行きましょうか。二年生の浦和ハナコです。制服の下には水着を着ています」

 

 

「気のせいかな、今死ぬほど不必要な情報が流れてきたような気がしたんだけど」

 

 

「何を言っているのですか?当然これは必要な情報に決まっています」

 

 

「何がだよ....」

 

 

「制服の下に水着を着ている...それすなわち、私は今下着を身に着けていない状態にあるということ。仮に私が、今下着を身に着けていません...などと言ったとしましょう、それを聞き貴方はどう思いますか?」

 

 

「ドン引きするくらいかな....」

 

 

「その通りです、ですから私は、水着を着ている。下着代わりに着ているものがあると主張しなければならないのです!」

 

 

「すみません、よく分かりません」

 

 

「そうですか、では仕方ないですね」

 

 

浦和ハナコは、しょうがないなぁと言わんばかりに溜め息を吐くと、何故かするすると服を脱ぎ始めた。

 

 

「ハナコアンタなにしてんの!?!?!?」

 

 

「ちょちょ、ハナコちゃん!?」

 

 

「暑かったのか?」

 

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!!痴女!!!痴女がここにいる!!!」

 

 

「みなさんどうされたのですか?私はただちゃんと下に水着を着ていることを示しているだけですけど?」

 

 

その通りだった。奴が脱ぎ去った制服のその下には、学校指定のスク水が存在していた。

意味が分からない。狂ってる。俺が見ているこれは現実なのか?

もしかして俺は、まだ夢の中にいるんじゃないのか??

 

 

それはそれとして、女子の水着姿を見る機会なんてそうそうないので、しっかりと目に焼き付けておく。

 

 

「あらあら、そんなにマジマジと見つめられると照れてしまいますよ」

 

 

「え?別に俺はこれがほんとに水着なのかを吟味してただけだが?水着にも定義があるだろう?それを満たしていないのなら、それは水着とは言えない訳だ」

 

 

「なるほど、ではその定義とはどのような?」

 

 

「そうだな、まずは伸縮性だと思う。水中で自由に体を動かすために重要な要素の一つだし、それがなければ当然水着とは言えない!!」

 

 

「同感ですね、では、触ってみますか?」

 

 

「確かめるためには仕方ないことだね!!!」

 

 

「なにやってんだ変態馬鹿コンビぃッ!!!!」

 

 

閑話休題。

 

 

・・・

 

 

「私は阿慈谷ヒフミです。好きなものはペロロ様です!」

 

 

「ペロロ?ってもしかして、あのモモフレンズのマスコットの?」

 

 

「そうですそうです!!ご存じなんですか??」

 

 

「う、うん」

 

 

ヒフミが目を輝かせ、一瞬で肉薄してきた。

初見時は特徴のない子だなと思ってたが、好きな物の話となると性格が変わるタイプらしい。

 

 

「ペロロは俺も好きだよ。賛否は分かれるらしいけど、俺はあの容姿に可愛さを感じたな」

 

 

「ですよねですよね分かります!!ペロロ様は可愛いですよね!!ライブへは行かれるんですか!?」

 

 

「行ったことあるよ?ちょっと特殊な方法でだけど」

 

 

「ほ、ほんとですか!?」

 

 

近い近い、距離が近い。さっきのあの破廉恥ピンクのせいで多少変な気分になっちゃってるんだから離れて欲しいところだ。

健全な男子学生を舐めないでくれ。

 

 

「嬉しいです!ペロロ様について語れる友達は少ないので!やっぱりライブ会場で見る生ペロロ様は最高ですよね!」

 

 

「どうだろ、俺ちゃんと外から見なかったからなぁ....」

 

 

「...え?」

 

 

「俺、ペロロライブで、着ぐるみの中の人のバイトしてたんd」

 

バァン

 

「ヒエッ!?」

 

なにか勘違いしているようなので言っておきますね

 

「ひ、ヒフミさん....???」

 

 

な、なんだ突然雰囲気が変わっただと!?

このどこまでも冷たい眼光は、形容できない威圧感と狂気。

これが、さっきまでぽわぽわオーラを放っていた奴と同一人物だと言うのか!?

 

 

「な、な...なん、だよ??」

 

 

「ペロロ様に...中の人なんていないんです」

 

 

「...え?でもあれきぐるm」

 

いないんです

 

「は、はい....」

 

 

・・・

 

 

「白洲アズサだ。さっきは拘束してしまってすまなかった」

 

 

「ほんとだよ」

 

 

「ちなみに私もモモフレンズが好きだ」

 

 

「ッ!!!!!?」

 

 

「いやそこまで警戒しなくても....」

 

 

俺はモモフレンズに対してトラウマを植え付けられてしまったようだ。

 

 

・・・

 

 

「わ、私は...って、なんで私までこんなゾンビみたいな変態と仲良くしなきゃいけないわけ!?」

 

 

「ゾンビに加えて変態属性がついてしまったか」

 

 

「変態はハナコだけですでに飽和してるのよ!!」

 

 

「確かに躊躇なく服を脱ぎ捨てる奴がいたらもう十二分に満腹だろうな、まだ水着姿継続中だし」

 

 

「うふふ♡」

 

 

「ちょっとコハルちゃん、これから苦楽を共にするんですから、仲良くするべきですよ」

 

 

「ヒフミの言う通りだ。人見知りは良くないぞコハル」

 

 

「嫌よ!エッチなのは駄目!死刑なんだから!」

 

 

「じゃあハナコも死刑ってことでおけ?」

 

 

「いえいえ、私とコハルちゃんの仲ですから。もはや水着程度でこの友情は崩れまs」

 

 

「当然死刑よ!!」

 

 

「え?あれ?コハルちゃん?」

 

 

結局自己紹介はして貰えなかった。

まぁ、コハルって名前が分かっただけでもいいか。

 

 

・・・

 

 

「んで、最後に俺だな。名前は藤巻(ふじまき)シンタロウ。趣味はない。特技もない。学校以外の全ての時間はバイトに充ててる。座右の銘は「三度の飯より寝かせてくれ」だ。よろしく」

 

 

「...へ、へぇ」

 

 

「...はぁ」

 

 

「ふむ」

 

 

「.....」

 

 

 

おいなんだこの微妙な空気は?まるで俺が滑ったみたいじゃんか。

 

 

 

「言っとくが全部事実だかんな!?ウケ狙いとかじゃねぇからな!?」

 

 

「あ、あはは...えっと、シンタロウ君でいいですよね。シンタロウ君はどうしてそんなにバイトを?欲しいものでもあるんですか?」

 

 

「いや、学費を払うためだが?」

 

 

「...学費?」

 

 

俺の回答はそんなに歪だったか?また違う意味で微妙な空気が生まれてしまった。

 

 

「アンタ貧乏なの?」

 

 

「コハルちゃん、そういう言い方は.....」

 

 

「いいよ別に。うん、うち貧乏でさ、それに加えて俺には年の離れた妹がいるんだ。だから、俺の分の学費と妹を養うのとで、起きてる間は働いてないと金が足りねぇんだよな」

 

 

つっても、ここ五日は連続で夜勤だったからまったく寝れてないんだけどなw、と俺はカラカラ笑う。

四人は笑ってくれなかった。ひぃん...

 

 

「もしかして、テストで全教科赤点だったってのも、そんなに血色の悪い顔をしてるのも...ずっと働き詰めで寝れてないからなの?」

 

 

「そだよ、それを誰かさん方はゾンビだゾンビだ言うてきましたけどもねぇ」

 

 

俺はジトーっと四人をわざとらしく見回す。

ほんと失礼しちゃうわよね、これは死んだからこうなったのではなくて、必死に生きたからなったってのによ、ぷんぷん。

 

 

「ッ...ご、ごめんなさい」

 

 

するとヒフミからガチ謝罪を貰ってしまった。

俺は超ビビった。

 

 

「い、いやいや冗談だからな!?全然気にしてないからね!?」

 

 

「すまない、そうとも知らず私は....」

 

 

「アズサも気にすんなって!俺だってあの時は変なテンションだったから仕方ねぇよ??もはや不審者と同義だったしな??」

 

 

「ごめん...アンタのこと何も知らないのにゾンビみたいなんて言って...」

 

 

「こ、コハルも...って変態の方は撤回してくれないんかぁい!」

 

 

俺は思わずツッコんでしまった。

しかし一向に空気は良くならない。コハルは俯いて、黙ったままだ。

頼むから変態を撤回してくれよ。この際もうゾンビは撤回しなくていいから変態の方を撤回してくれ!!!

 

 

「若いのに苦労されてるんですね。もしかしてこの後もバイトですか?」

 

 

「あ、あぁ。この時間帯から自給も良くなってくからな。働き時だぜ?い、いえぇーい」

 

 

...駄目だ、誰かなんとかしてくれこの空気。

緊張でゲロ吐きそうなんだけど。

 

 

いやこれ五徹で体が限界なだけだわ。

良かったぁこの空気と無関係で。

なにも良かねぇよ!!(キレ気味)

 

 

...ま、正直なところ。こいつらがこんな反応をしちまうのも無理ないよな。

このトリニティは、言ってしまえばお嬢様学校みたいなもんだ。経済的にある程度余裕のある生徒が大半。

俺みたいな生徒はほんの一握り...いや、俺くらいなもんかもしれない。

 

 

だから、信じられないんだ。俺みたいな、ズタボロになるくらい働かなきゃ生きていけないような奴がいるってこと。

想像できないんだ。

 

 

俺と関わった奴は、大体同じ反応になる。

...そして、

 

 

「し、シンタロウ君!もし私達に出来ることがあれば言ってくださいね!きっと力になって見せますから!!」

 

 

「...おん、ありがとな。ヒフミ」

 

 

こうやって、手を差し伸べてくれるんだ。

 

 

 

 

 

 

何もできないくせに

無責任に

期待させるだけさせて

救えない癖に救おうとするな

助けられない癖に助けようとするな

奇跡なんて起こらない

どうせ俺の気持ちの1%も分からないんだろ?

どうせ同情しか出来ねぇんだろ?

この偽善者が

 

 

 

 

 

 

「...シンタロウ君?」

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

「え、いや...今少し、怖い顔をしていたような....」

 

 

「すみませんねぇ!!怖い顔でねぇ!!血色悪いもんでねぇ!!ゾンビ顔なんですわぁ!!ははははは!!!」

 

 

「ごごごごめんなさいぃ!!そういうつもりじゃなかったんですぅ!!!」

 

 

「...なんかここまで元気だと、逆に呆れちゃうわね...心配損っていうか....」

 

 

「私は尊敬するぞ。全てが虚しくても今日を精一杯頑張れる奴だ」

 

 

「......」

 

 

「ん?どうしたんだハナコ。俺の顔をジロジロ見て。お前まで怖いって言うのかよ」

 

 

「...いえ、なんでもないですよ?うふふ」

 

 

 

そうして俺は、補習授業部の一員となったのだった!!!




シンタロウが考えた四人の変なあだ名

ハナコ・破廉恥ピンク

アズサ・傭兵上がり

ヒフミ・ペロロ狂(教)

コハル・エッチ警察
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