人理修復者のヒーローアカデミア   作:うなぎの生姜焼き

5 / 5
めーっちゃ遅れました
すんませんm(_ _)m

謎丸君イメージして書きました。
もう今作の藤丸像がブレブレなんですが、しゃーねーなーって目で見てやってください(т-т)


5話

 冬が深まり息を吐けば白くなるころ。

 

 雄英高校受験当日、個性豊かな受験生たちは揃って防寒具をつけ雄英高校の中へと進んでいく。

 

 全員が「受験に受かるぞ」という気迫の元ただならない雰囲気を作り出している中、あっちをキョロキョロこっちをジロジロと忙しなく首を動かしながらお上りさんみたいな人物がいる。

 

 そう我らが藤丸立花だ。

 

 なにぶん小さい頃からこの雄英高校に合格するために勉強やら習い事やらをしてきたせいで同年代がこんなに集まるのを見るのは初めてなのに加え、少しのことでは動じない精神を持ってしまったせいでこの受験をどこか楽しいイベントかなんかだと勘違いしている節がある。

 

 もちろん受験は全力で取り組む訳だが合格ラインを超えていることと運動に関して並ならない自信があるせいだ。

 

 「わぁ凄い!色んな個性の人がいるなぁ!」などと呑気に考えているこの男こそが我らが主人公藤丸だ。

 

 ガチガチに緊張してコケたり、あまつさえ受験ライバルに助けてもらうなどといつも通りの事も出来なくなるよりはマシである。

 

 周りの受験生をひとしきり見終わり校門が空いてきた頃になって藤丸は雄英の中へと足を進める。

 

 「母さん父さん今までありがとう。行ってくる」

 

 少しの感傷を呟いて藤丸は受験会場へと向かっていった。

 

________________________________________________________________

 

 

 筆記試験が終わり実技試験の説明を受けた藤丸はグループごとに分けられたバスに乗り込み試験会場へと向かっている。

 

 バスの中は静かで各々が手足首を回したり伸びたりと邪魔にならない程度の準備運動をしている。

 

 そんな中筆記試験の疲れで背もたれに全力で寄りかかっているのが我らが藤丸だ。それはもう背中で座ってるんじゃないかと思うくらいに全力だ。

 

 先程の実技試験の内容説明の時は流石にシャキッとしていたが試験官の目もここまでは及ぶまいと慢心の休憩体勢をとっている。

 

 このバスの中、いや受験生の中でただ1人ぐで〜と背もたれに寄りかかる藤丸は異物混入どころの騒ぎではない。しかしそんな藤丸を注意するほど余裕がないのかこんな奴に関わって時間を無駄にしたくないのかは定かでは無いが全員が無視している。

 

 先ほどの説明会の時に他の受験生の独り言を注意した生真面目なメガネ君は幸か不幸かこのバスには乗っておらず、やりたい放題である。

 

 そんな藤丸はダラけきった体勢をとりながらも脳内で実技試験のシミュレーションをしている。

 

 (実技試験では用意されているロボットを倒して多くのポイントを集めることが目的だ。

 

 今回俺は武器を持ち込んでないから素手でロボットを壊さなくちゃいけない。

 

 まぁ、鉄を殴るくらいなら怪我はしないけど壊すのに手間取ると思うんだよな〜。いくら個性で力を強化できるとはいえそれだと燃費が悪いからなぁ。

 

 外側から壊すより内側から壊した方がいいかな。うん、そっちの方が体力キープできるし。そうしよ)

 

 殺気だった受験生+αを乗せたバスは静かに試験会場へと向かって行った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 背を伸ばしあくびをしながらバスを眠たげに降りてきた藤丸は移動中のバスと同じく念入りに準備運動を始めた集団に混じって身体を慣らし始める。

 

 足を滑らすように運び円を描く手と連動させる。足と腕だけでなく重心ごと移動して腹や腰の筋肉も同時に使いしばらくするとピタッと全身を止め再び動かす。

 

 なんらかの武術のような激しくはないが周りよりも大きく流れるように動かす手足が注目を集める。見る人が見れば中国の太極拳だとわかるだろう。そんな視線に気づいていないのか気にしないのかは分からないが動く、止まる、動く、止まるを繰り返しやめた。

 

 そのまま目を瞑り動かなくなった藤丸を目尻に収めつつ受験生たちは念入りに身体をほぐす。

 

 5分程だろうか全員が試験の開始をまだかまだかと待ち会場に焦りと浮ついた気持ちが沸き始めた頃。

 

 『スタート』

 

 試験の開始合図が流れた瞬間藤丸は受験生集団を飛び越し走り出した。

 

 藤丸は呆気に取られた受験生たちがスピーカーから聞こえる試験官の煽りを背に走り出す頃には試験用のロボットと交戦を始めている。

 

 公道の車と同じスピードで駆け出した藤丸は後ろに体重を乗せてかかとで地面に線を残しながらロボット前まで減速する。

 

 「ニンゲンハッケン!」

 

 と鳴るロボットが攻撃体制に移る前に滑り込んできた藤丸がロボット前で瞬時に体勢を直し拳を振りかぶる。その瞬間に拳が薄く光り腕を覆った。

 

 「ッフ!」と鋭く吐いた息と共に振り抜いた拳はロボットを貫き「ビッー」とエラー音を鳴らす。

 

 ロボットの中程まで埋まった腕を引き抜いて怪我をしてないから一通り見まわした藤丸は後続が追いついてくるのを確認した。

 

 「ここからが本番だぞ」と気合いを入れるように両頬をパン!と叩いた。

 

 藤丸が2体目を倒す頃には後続がロボットと戦い始めており、叫び声やロボットが壊れるカン高い音がそこらで上がり、風が強く吹く音や炎が燃え上がる音など騒々しく鳴りだす。

 

 騒がしくなった試験会場の中空いてるロボットを粗方倒し終わった藤丸は次の標的を探しに駆け出す。

 

 2体目から個性を使わずに技で倒している藤丸に疲れは見えず、それまで戦っていた場所を後にする。

 

 走りながら瓦礫を割り、危なげな生徒を見かけては投げつけサポートする。なんなら鉄パイプを折って「ゲイ・ボルグ!」などと投げながら叫んでいる始末だ。

 

 一体倒してはキョロキョロと辺りを見回してサポートと他の受験者より多く動いているにも関わらずまだ息すら平常だ。

 

 そうやってロボットの数が減りポイントの取り合いが起こり始めた試験終盤地面がズシン!と揺れる。

 

 異変に気づいた受験生達の頭上に大きな影が登る。

 

 ビルほど大きな0ポイントが建物を掻き分け受験生がいる方へ進行し始める。

 

 その大きな一歩は逃げ出した彼らより少し遅いくらいだが揺れが、音が、影が大きくなるほど彼らを混乱させていく。

 

 さっきまで威勢よくロボットを取り合っていた彼らだが、今度は我先にとロボットから逃げていく。

 

 そんな中を逆行して進んで行く者がいる。何故か上半身の服を脱ぎ逞しくもしなやかな身体を晒している。

 

 そう、我らが藤丸だ。何してんだこいつ。

 

 「カルデアのみんななら相手から無闇に逃げることはしない。みんなに恥ずかしい姿を見せるわけにはいかない!」

 

 当然である。一騎当千の英霊たちはどんな困難にも立ち向かいその勇姿を世界に刻み込んだのだ。その薫陶を受け、背中を見て、認められた藤丸がこんなところで背を向けて逃げるわけにはいかない。

 

 「それにみんなが逃げた相手に立ち向かうってのは、なんかカッコいいと思う!」グッ(拳を握る音)

 

 グッ、じゃない。全部台無しだ。




カズラドロップ呼符で来ちゃ(^-^)v
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