騙されたユメ先パイがホシノと一緒に出演した透き通る系裏ブルーアーカイブが鬼バズりした世界線   作:M92A&J941

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最新話投稿に伴い、既存投稿各話を微加筆修正しました


サブタイトルがアニメと同じであるのは、どうなのでしょうか?


2話私は認めない(前)

何処からか掘り出して来たのか、或いは引き摺って来たのか――ビジネススーツに身を包んだ砂塗れの人物を、シロコはアビドス高校まで持ち込んだ。

碌でもない目的で拉致してきたのかと勘繰るノノミと、遂に()()()()()のかと青くなるアヤネ。そして件の人物を()()()()事を考える程度には、先輩(シロコ)に毒されているセリカであったが、よく事情を聞くと、砂漠で行き倒れていた所を救助したらしい。

 

ホシノの厳命によって、ライディング等ではエナジードリンクを禁止され、計1リットル以上のノンカフェイン飲料やスポーツドリンクを携行する事を常としているシロコが、発見者となったのは間違いなく幸いであった。

現地にてシロコが差し出した600mlペットボトルを、奪い取るようにひと息で空にした行き倒れは、アビドス高校対策委員会室にて、更に薬缶から水道水を注いでは飲み、注いでは飲む。

 

そうして累計コップ4杯もの水を干すと、漸くひと心地付いたようで、そこで初めて連邦生徒会から派遣された『先生』という身分を明かした。

 

「にしても、酷い格好ね」

 

砂漠地帯の横断には有るまじき軽装――アビドスの面々は例外なく、ホシノから砂漠の危険性を口酸っぱく言い含められている――とその結果にセリカは呆れた目を向けた。砂上で派手に転びでもしたのか、白かった筈のワイシャツは所々黄土色に変色し、ジャケットやスラックスも砂で草臥れている。

 

「いつまでもシュガークッキー状態では忍びないですし……シロコちゃん、先生をシャワールームにお連れして。アヤネちゃんは着替えを探して来てくれる?」

「ん、こっち」

「分かりました、私たちが使わないサイズなら備品庫に新品があった筈です」

 

シャワールームを頻繁に利用するシロコに案内を頼む。備品管理を引き受けているアヤネならば、何処かで埃を被っているジャージでも引っ張り出してくれるだろう。

 

「私はホシノ先輩を呼んでくるわ」

「なら屋上を見に行ってくれますか。保健室ならシロコちゃんが洗濯物を持って行く時に見れますし」

 

保健室のリフォーム前なら、ホシノは屋上に持ち込んだエアマットで昼寝をしている事が多かった。だが、託児室として改装した現在は、連日の様に妻子と共に登校し、保健室で一緒に過ごす事が格段に増えている。

また、乳幼児が居る以上突発的に発生する洗い物に対応する為、静音型のドラム式洗濯乾燥機の導入と、専用の給排水設備を通す工事も行われている。水回りを強化するついでに簡易シャワー室も据え付けられた。

 

 

砂塗れの『先生』を案内したシロコは、人の気配がシャワールームに移動すると、ロッカーが並んだ更衣室に入り、簡素な長椅子に畳んで置かれた汚れたビジネススーツ一式を取り上げた。下着に関してはさほど汚れた様子が無い事と、何よりも乙女としては触る気になれないので、滑らせて椅子に落として放置する。

着替えが到着するまでシャワールームから出ないよう声をかけると、シロコは保健室へと足を向けた。

 

保健室への道中でシロコは、ビニール包装されたジャージを持ったアヤネにすれ違い、つまらないハプニングの防止策を打った事を伝える。あとは『先生』が間抜けな行動を取らないよう祈るのみだ。

シロコの大きな耳――狼耳に、細長く尖ったエルフ耳を持つアヤネの悲鳴が聞こえてこなかった事から、『先生』はそれなりに軽挙へと奔らないタイプらしい。

 

保健室の中には人の気配がある。ホシノ夫妻の娘――赤子を勘定外にすれば、何となくシロコには1人分の気配に思えた。

 

「ホシノ先輩、屋上かな?」

 

当てが外れたが瑣末事、自分の着替えの他に『先生』の上下一式も抱えている為、扉の引手は少々窮屈だった。シロコが軽い鼻息を漏らして引き戸を開けると、ピョコンと跳ねている髪が2房、いや2人分あった。

ロッカールームにある安っぽい骨組みとプラ板の椅子と違い、ソファに近い作りの長椅子には梔子ユメが腰掛けていた。同じ長椅子に寝転んだホシノは、嫁の膝の上で猫のように微睡んでいる。

膝枕した旦那様の髪を緩く撫でるユメの、左手薬指で銀色の輝きが、桜色(ホシノ)の髪と翡翠色(ユメ)の髪の跳ねた房を共に映している。

 

敬愛する先輩達はくっ付いていたから、1人分の様に思えたのかとシロコは納得する。そのワンテンポの遅れで、来客に気付いたユメは顔を上げた。

 

「あら、シロコちゃんおはよう」

「ん、おはよう()()先輩、じゃなかったユメ先輩、ホシノ先輩」

「うみゃ、シロコちゃんおはよぅ……」

 

嫁の膝枕を堪能しながらホシノは、モゾモゾと後輩に視線を向けると、明らかにシロコの物では無い汚れた上下一式を指摘した。

汚れ物を洗濯機に放り込みながら、シロコは連邦生徒会から派遣された『先生』を砂漠で拾ってきた一部始終を説明。

 

「つまり、アヤネちゃんの支援要請がやっと通ったんだ」

「ん……それで、体育館の方は『先生』が使ってるから、こっちのシャワー使うね」

 

奥にあるベビーベッドで静かに寝息を立てる先輩達の愛娘を覗き込んでから、シロコはスルスルと長椅子へ近きつつ、上着の袖から腕を抜いた。そしてジャケットを椅子の背もたれに放ると、躊躇無くブラウスのボタンを外し始める。

 

「へ? うみゃっ?」

 

後輩が肌を曝していく事をボンヤリと眺めていたホシノの様子に、ユメは思わず恋人の頭を豊満な胸に抱え込んだ。予想外の頸椎捻挫の危機に、ホシノは咄嗟に体を捻る。一体何なのかと思いながらも、甘い香りと柔らかさに挟まれる幸福に、ホシノはフガフガと息を整える。

そうこうしている間にシロコは、ブラウスをジャケットの上に放り、スカートとブラジャーのホックを外し、手袋と靴下を脱ぐと、ショーツに手を掛けた。

惜しげも無く曝されていく染み1つ無い白い肌。

 

「シロコちゃ? もご……」

 

衣擦れに反応したのか後輩の名を呼ぼうとするホシノの顔を、左手で一層強く胸の谷間に押しつけたユメは、右手で恋人のスカートの裾を捲り、ギュッとその急所を確保した。ビクンとホシノの体が跳ねて、両足がピンと伸びる。

 

「もう、シロコちゃんたら――」

「ん……♪」

 

何処か楽しげに一糸纏わない姿になったシロコは、困り眉になったユメに秋波を送ると、保健室に設置された簡易シャワー室へ足を向けた。

 

 

 

数十年前に発生した大規模砂嵐を発端として、その災害復旧などの為、当時のアビドス学園連合筆頭であったアビドス高校は、やむなくある悪徳金融に融資を請う事になった。更に悪い事に砂嵐はその後も何度も発生し、傘下の学園や街をどんどんと呑み込み、復興も返済も砂塵へと埋もれ、借金ばかりが山のように積み上がる。

それは額面だけなら約10億キャッシュだが、利子を含めれば支払い累計額は100億を優に超える事だろう。その金額に『先生』も呻きかける。

 

「まあ、借金だけなら解決してるんだよ。1年位前に……エ~なんと言うか()()()()()()()があってね」

 

アヤネの説明に補足する形で、10億を用意した立役者であるホシノが、()()をぼかして『先生』に告げた。若気の至りで出演した裏ビデオが売れに売れた(チン)談やら、撮影した裏スタジオの事務所を襲撃して実質的に乗っ取った蛮行などを、わざわざ告げる必要も無い。

 

それ以降は、借金による廃校対策から、砂漠化に対する復旧・復興による廃校対策委員会にシフトしたのである。

ネフティスグループの都市開発部門へ、同グループへの再誘致案件も兼ねた復興プロジェクトを依頼。その為の事前調査や測量を行う中で、とんでもない事実が発覚した。なんと本来なら学園が権利を有している筈の、自治区内の不動産の殆どが、融資を受けていた悪徳金融=カイザーコーポレーションに奪われていたのだ。

このままでは復興事業を進められない為、ネフティスグループを通じて土地の買い戻しを進めているが、奇妙な売り渋りをされて進捗は非常に悪い。

 

「砂漠化と過疎化が進んでいる今、はっきり言ってアビドスの土地は不良資産も良い所なんだよ。石油とかの資源があるわけでも無いし」

「ふん! カイザーの奴ら足下見てんのよ!」

 

当時の生徒会が利子の返済をする為とはいえ、学区内の不動産を法外な安値で買い叩かれた事実も、土地権利関係の調査をする中で分かっている。また、自治区内におけるヘルメット団の急速な勢力拡大など、最近の治安悪化も考えれば、アビドスの地価は下がる一方でさっさと損切りして売り払った方が良いはずなのだ。

 

どういう訳か破落戸たちは、復興事業の障害になるような場所で暴れたり、関係者を狙う事が多い。

これも最近になっての事だ。

復興事業が進まず、カイザーグループの目的も不明。学区内の治安も悪化の一途を辿りつつあって、警邏を増やした結果、とうとう弾薬が枯渇しかけている上に、金策も侭ならなくなっている。

 

この手詰まりの状況に風穴を開ける妙手を、アビドス高校廃校対策委員会は欲しているのだ。




ちょこちょこと、バレバレの伏線を散りばめつつ、
借金問題が、土地・復興問題に入れ替わった事を、概ね記述したつもりです

後半の現状説明の部分だけ、文体がやや浮いた感じとなって、纏まりが悪いのが気になります


多分本文中で述べる機会が無さそうな話
シロコは名前を誤解して覚えていた時期があり、「梔子()()」先輩だと思っていた。これはホシノが「私の嫁」などと言う事がよくある為

ホシノは()()()()()し、スカートを穿いている事。ユメ先輩と髪型が似ている事を記述できたのは、筆者的にはマルです


執筆している内に、いつの間にかユメホシ+シロコでの、軽いラブコメディに仕上がっていました。割と嬉しい誤算です
筆者的に、その辺りはよく読んで頂きたいと思っています

この辺りは原案での『つよつよ夜ホルスと、爆乳お嬢様後輩+ワンコ系後輩』のネタを膨らませた感じです
ただ、シロコがこの様な小悪魔的振る舞いをするのか、筆者としては自信がありません


後編の投稿時期は未定です


保健室の内装や、アビドスの現状について、拙作の設定を固める手助けとなった「morikado」様の感想に、この場を借りてお礼申し上げます
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