転生したけど隣のやつが何か大きなものを抱えている。(抱えてない)   作:得時

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9.プレリュード

あぶねぇ。勢い余って壁に激突するところだったわ。とんでもなく体が軽い。

おっと、そんなこと考えている場合じゃない。まだ片腕を切っただけだ。

そう思って怪物を見ると腕が生えてきやがった。マジかよ。

 

「そこの少年、何してるの!早くここから離れなさい!」

 

声の方向を見ると赤髪のお姉さんが剣を構えていた。騎士団の人か?

離れろとは言われたが怪物はすごい勢いで此方に突っ込んできた。

腕を切ったから怒ってるのか?これは逃げるのは無理そうだ。

 

「この怪物は俺を狙ってる、俺が囮になるんで騎士の姉さんは住民の避難を!」

 

俺は怪物の腕を避けながらなんとか声を上げた。

 

「いいえ。それには及びません。私が此処で倒します」

 

そういうと騎士の姉さんの剣にバカでかい魔力が込められた。可視化するほどの魔力だ。

そうして怪物の背後から騎士の姉さんの剣が振るわれた。

すると怪物の巨大な体は簡単に真っ二つに切られた。あの姉さん、やべぇ。

だが、怪物はまだ再生するようだ。

 

「ならば、再生出来なくなるまで切るのみ」

 

そう言ってもう一度剣に魔力を込める騎士の姉さん。

だが今度は何かに剣が弾かれた。

 

「それが苦しめるだけだと、なぜわからない」

 

そこには漆黒のボディースーツを身に纏った女がいた。

顔は仮面をつけていて分からないが、長い金の髪がやけに美しかった。

何かを話している騎士の姉さんと漆黒の女。俺は完全に蚊帳の外だ。

その後、話し終えた漆黒の女がさらにとんでもない魔力で怪物を消し飛ばして事態は収まった。

漆黒の女は自分のことを『アルファ』と名乗り去っていった。

この国の女強すぎでは?

 

それから俺は瓦礫に巻き込まれた人の救助を手伝ったりしていたわけなんだが、途中とんでもない光の柱が昇ったと思いそちらを見に行けばこれまたとんでもない大きさのクレーターが出来ていた。

中心を見たら王女と騎士の姉さんが抱き合っていた。まさか王女がこれをやったのか?

俺は王女様には逆らわないことを心に決めた。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

あれから数日が経った。あの大事件も収束し、王都には平穏が戻っていた。

誘拐された王女も見つかり万々歳……とは行かない。いろいろと不可解なことが多すぎる。

切られたように崩壊した建物。現れた謎の怪物。アルファという女。謎の光にクレーター。

謎が多すぎる。しまいにはゼノン先生の消息不明。王都で一体何が起きてやがるんだ。

 

まあ、今はいったん忘れよう。俺にはもっと大事な用がある。アイツに謝らないとな。

 

アイツが学園に復帰した日、授業後に話そうと思ったんだが、速足でどこかに行ってしまった。

学園中を必死で探して、俺がアイツを見つけたのは屋上だった。

そこには血まみれで立っているアイツがいた。

 

「シド!?お前どうしたんだそれ!?」

 

「やあドライ。気にしなくていいよ。大丈夫だから」

 

全然大丈夫そうじゃないが!?以前までの俺が見たら泡吹いて倒れたぞ。

 

「で、何か僕に用?」

 

平然と用を訪ねるシド。え?この状況で俺は謝るのか?

でもここしかないよな!?

 

「えっと、……シド。今まですまなかった」

 

「?」

 

「俺はお前を利用してたんだ。自分の罪から逃げるために」

 

「はあ?」

 

「俺はもう逃げるつもりはない。罪も背負っていくつもりだ。だから……これからも友人でいさせてほしい」

 

「うん?どういうこと?」

 

「詳しいことは気にしなくていい。俺の自己満足だ」

 

前世がどうのなんて急に言われたらさらに混乱するだろうからな。

 

「だから、これからもよろしく」

 

「よろしく?」

 

いつかお前の抱えているものをどうにか出来たら。俺の罪も話すことにするよ。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

まて、本当にどうゆうこと?

僕はドライの話を聞きながら頭に『?』を浮かべていた。

ドライがきたから謎のモブ友達ムーブをしていたら、急に主人公みたいなことを言い始めた。

罪がどうとか言っている。僕はもしかしたら人選を間違えたのかもしれない。

 

 

~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

((隣のやつが何か大きなものを抱えている。))

 

 

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