転生したけど隣のやつが何か大きなものを抱えている。(抱えてない) 作:得時
シドの典型的なミスにより罰ゲームを免れた俺はヒョロ、ジャガと共に木陰に潜み、シドの罰ゲームを見守っていた。正直、悪趣味だし修行に戻りたいとは思うが偶然とは言え身代わりになってくれたし友人の雄姿を見届けようと思う。派手に散れシド・カゲノー。
しばらくするとシドの前に白い髪の女が現れた。ってゆうか模擬戦で俺をあっさり倒した奴じゃねーか。この国の王女強すぎだろ……。そう考えているとシドが動いた。
「ア、ア、ア……アレクシアおうにょ」
ん?
「好きです……!ぼ、ぼ、僕と付き合ってくぁさぃ……?」
いや、キャラ変わりすぎだろ。どうしたシド。めっちゃ緊張してんのか?
それにしても……いや、相手はこの国の王女だ。何か無礼を働けば打ち首かもしれん。
あれぐらい緊張するのが当たり前か?
などと考えていた俺だったがさらに信じられない言葉によって思考を中断した。
「よろしくお願いします」
そこにはシドの差し出した手を取り告白を承諾している王女がいた。
どうゆうこと?訳が分からん。
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「おかしいだろ!?」
「おかしいな」
「おかしいですね」
「おめでとう」
翌日の昼、俺たちは食堂でいつものように食事をしていた。話題はもちろん昨日の告白だ。
とりあえず祝ってみたらシドから抗議の視線が飛んできた。
「そんなに嫌がるなよ。逆玉てやつだろ」
「いーや、正直言ってシドに王女と付き合うスペックはない。俺でも怪しいくらいだぜ」
どこから来るんだよその自信。
「シド君が付き合えたなら僕も付き合えたかもしれませんね」
どこから来るんだよその自信。
「いや実際いいもんじゃないよ、なんか裏がありそうだし、そもそも住む世界が違うわけだし」
うんざりといった様子のシドだが不幸なことにすでに学園では王女の交際相手の話題で持ちきりだ。中には「王女の弱みを握って脅した」などという根も葉もない噂まである。今のうちにご冥福を祈っておこう。
俺が祈りをささげていると食堂が騒がしくなっていた。ふと入口の方を見ると渦中の人物がやってきた。アレクシア王女だ。
「席、譲ってもらってもいいかしら?」
王女が俺たちのテーブルの前で訪ねてきた。このテーブルは4人用、王女が座るとなると誰かがどかなければならない。ヒョロとジャガは完全に固まっているし、王女は明らかに俺を見ていた。俺がシドの隣に座っていたからだろう。「どいてくれる?」という視線を受けた俺は空気を読んで立ち上がった。面倒ごとは御免だしな。
「この間はどうも」
「?」
少し意趣返しのつもりで睨んでみたが、どうやら相手は俺のことなど眼中にはなかったらしい。
そんなわけで食堂をでた俺は久々に燃えている心を原動力に剣を振り続けた。
あ、一人で逃げたしシド達には悪いことしたかもな。