転生対魔忍は平穏に生きたい   作:エドアルド

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始まる大捕物

 

 東京キングダムは今、凄まじい喧騒の音を響かせていた。

 

「探せ探せ!」

「見つけたヤツには褒美が出るって話だ!」

「おめぇら気合い入れろ!」

 

 喧騒の主だったもの達は東京キングダムの五強の1つであり中華連合の組織である龍門。彼らは本国である中華連合によるクローン大人ゆきかぜとクローン若い八津紫の捕縛の為に武器を持ち東京キングダム中を探し回っている。

 

「うっわぁ……」

「厄介」

 

 そんな様子を覗き見るのしのぶと蛍であった。

 2人は龍門勢力の偵察の為に来ていたのだがかなりの数の龍門勢力と士気の高さ、武装の数々を見て辟易した顔になっていた。

 

「とりあえず、ちょっかいだけかけてすぐに撤退する」

「わかりました」

「これを使って」

「わっ、これってグレネードランチャー?」

 

 方針を決めた蛍は封印の巻物から六連式のグレネードランチャーを取り出すとしのぶに手渡し自分も二丁持ちをして構える。

 

「特性の非致死性毒ガススモークグレネード」

「うわぁ」

 

 非致死性とは言っているが雑賀衆が扱う非致死性は麻痺や幻覚、酩酊、痒みなどを初めとした多数のえげつない症状を誘発させるブレンドものなのだ。

 ちなみに単品の状態異常のものは対策されやすい為複数の症状が出るものに変わったという経緯がある。

 

 しのぶはつい声を出しつつも訓練で叩き込まれた動作でグレネードランチャーにグレネードを詰めて構える。

 

 そして2人同時にポンポンという独特の発射音と共に龍門勢力が集まっている場所にぶち込む。

 着弾と同時に非致死性毒ガスが解き放たれ龍門勢力の姿を見えなくするがその煙の中から声が聞こえてくる。

 

「なんだこれぇ!?」

「がっ、痛ってぇ!?」

「ぐ、苦しぃ……」

「がががががが!?」

「コヒュッ───!?」

 

 阿鼻叫喚の地獄絵図と言うべき凄まじい惨状が広がる。もはや死んだ方が楽になれていいのでは無いかとは思うような有様だ。

 

「うへぇ……」

「良い具合」

 

 そんな光景を見てしのぶは顔を顰め、蛍は逆に非致死性毒ガスの効き目に喜んでいた。

 そんな中でふとしのぶは疑問に思った。

 

「そういえば、なんで非致死性毒ガスなんですか?邪魔なら殺した方が対魔忍らしいと思うんですけど」

 

 対魔忍と言えば基本的に敵とは殺し合いだ。というか戦わないことの方が少ない。

 それに基本的にこういう明確な敵は潰せる時に潰しておくのがセオリーでもある。

 

「確かに龍門を潰す事はできる。でも、そうすれば東京キングダムの勢力図が崩れて治安が悪化する。そのうちそれも落ち着くだろうけど面倒ごとは少ない方がいい」

 

 東方キングダムにおける勢力図は5強と呼ばれる5つの組織によって形作られている。その勢力図を崩す事になれば必然的に生まれる空白の場所の取り合いが起きる。それが穏便にすめば良いが過激になればその影響は計り知れない。

 

「それに負傷兵は足でまといになるから殺すより足止めには良い」

「絶対そっちの方が理由ですよね」

 

 負傷兵は集団におけて凄まじい足手まといである。しかし、その足手まといを見捨てるという行為は捨てた方への精神の傷や周りからの印象の低下、信用の低下、戦力低下などの様々な弊害を生むこととなる。

 故に必然的に負傷兵は余程の事がなければ助けられる運命にありその分人手は減るという事だ。

 

「ひとまずはこれでいい。後は適宜邪魔すれば良い。じゃ、撤退」

「了解です」

 

 2人は苦しむ龍門の人間たちを尻目にその場を去る。

 

 

 

 

****

 

 

 

 東京キングダムのとある無人ビルの上で俺は自分の手足をもいで並べていた。別に自傷癖とかそういうのではなく必要に駆られただけだ。

 

 今回の任務に置いて障害になるのはクローンゆきかぜの能力により全身の水分を抜き取られての即死とクローン紫の能力による呪殺である。どっちも即死級のクソ技で基本生命体が相手して良い奴らじゃない。あまりにも殺意が高すぎるッピ!

 

 そこで困った時の悪魔のダフネさん。ダフネは対価さえ払えば大抵の事は叶えてくれる、それで今回の即死級の技を防ごうという訳だ。

 で今はその対価作りに俺の色んな部位、心臓とか眼球、舌とかとにかく色んな部位を削ぎ落としいる。変異・変貌の能力が無ければ今頃お陀仏だ。

 

「何度見ても慣れんな」

「慣れたらダメだからな」

 

 現在俺のそばにいるのは護衛役の四ツ腕夜冥だ。こんなスプラッタな光景見せてごめんね。

 というかこんな光景慣れたらあかんから。俺は自分の体の事だから麻痺してるけどこんな光景に慣れるのはマジで心が終わってる合図だから。

 

「そう、だな。慣れたらいかんな。なら、お前が傷付く度に心を痛めるとしよう」

「ノーダメとかいう無理難題を要求された件について」

「やれ」

「アッ、ハイ」

 

 有無を言わせぬこの気迫、流石は井河長老衆の上忍(雑賀衆のスパイ)なだけある。

 

 

 

 

****

 

 

 

 

 目の前で自分の体を何でも無いようにパーツごとに切り分ける孫一の見て眉を顰める。対魔忍として怪我というのは切り離す事は出来ない事ではあるが幾ら治るとはいえ自分から体を傷付ける行為をあっけらかんとしているのはいただけない。

 

 お前はどれだけの人間を救った?お前はどれだけの献身をした?お前はあとどれだけ苦しむ?

 

 ああ、出来るなら今すぐにでもお前を連れて逃げてしまいたい。だがお前はそれを望まないだろう。だからせめてそばに寄り添って守る……のは私より強いから無理だな。……なら支えてやろう。お前の命尽きるまで。

 

 混血の異形である私はあの日お前に救われたんだ、お前の為に命を使うのが私にとっての恩返しだ。それに、お前のそばにいるのは心地良い。




今回はヒロインからの主人公への激重矢印を書いてみました。そのうち色んなキャラ出したいなぁ。
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