「……これでよしっ!」
「終わったか」
現在俺は五車学園にある整備室にてふうま天音のサイボーグアームの修理を行っていた。
転生特典の中にデモンズドライバーがあるのだがこれを整備する為の知識をインストールされた事によりそっち方面でも活躍出来るようになったのだ。そして任務先で手に入れたサイボーグの腕だったりを持ち帰りいじり倒していたのを見つかりそれ以来整備を手伝う事となった。
ただこういうサイボーグ系の整備は少ない。サイボーグや機械系の技術は対魔忍には少なくサイボーグ化してるのは元は米連にいた天音さんやそのうち五車に来るであろうライブラリー程度だ。対魔忍にとってサイボーグはあまり近い存在では無いのだ。
技術力の向上が見込めるのでそこまでこの仕事は嫌いでは無い。問題があるとしたらここを使う同僚というか同年代にやべぇ奴がいる事ぐらいか。
そいつの名前はリ・ウータオ。機械工学に精通している中華連合出身の技術者のエリート少女であり研究と実験を好むマッドサイエンティスト気味な自信家。
ただ対魔忍RPGには本来いないはずなのだ。同じ世界観を共有する対魔忍GOGOという対魔忍シリーズの中でも珍しい全年齢対象の作品に出てくる人物で18禁版の対魔忍RPGにはいない。
ただ対魔忍シリーズというか制作元のLiLiTHのシリーズでは世界観を共有していたり異世界とか平行世界が普通に存在する世界観なので深く考えても意味は無いと思う。
まあ、こいつの事はいいんだ別に。この世界でマッドサイエンティストなんて珍しくもない。お近付きにはなりたくないけどな。
でだ、対魔忍GOGOの主人公は転生者なのだ。つまるところ俺の同類がいるかもしれないという訳だ。まあ、おそらくは俺の前世とはまた別の世界なのだろけど。ただ対魔忍という存在をゲーム方面で認識している人間と言うのが大切なのだ。
というわけで俺はココ最近、五車学園で対魔忍GOGOの主人公、大真しのぶ を探している。
整備も終わったので一刻も早く深い所まで愚痴れる相手を見つけるのだ。
「それじゃあお大事に」
「ああ、いつもすまないな」
そう言って出ていく天音さんを見届けてウータオが帰ってくる前にとっとと整備室を後にしようとしたが扉か開く。
もう帰って来たのかと開いた扉の方を向くとそこにはウータオではなく探し人である。
「失礼しま〜す」
恐る恐ると言った感じで部屋に入ってきたのは学生服に身を包んだ少女、間違いなく大真しのぶ だった。
「あ、あの〜。ここで武器を見繕ってもらえって言われたんですけど……」
ゲームでは道路標識を武器にしていたが流石に対魔忍RPG世界になると無いよな。
しかし、向こうから来てくれたのは僥倖だ。
「いらっしゃい」
「あ、どうも」
声をかければこちらに気づいたのかに目を向けて近付いてくる。
「初めまして、私は大真しのぶって言います 」
「初めまして、俺は雑賀孫一だ。よろしくな」
ちなみにだが俺の出身は雑賀衆と呼ばれる鉄砲傭兵の忍者集団だ。孫一の名前は当主への襲名制で今代は孫一が2人いる。前代の孫一が病気で死んだので俺ともう1人におはちが回ってきたわけだ。
ただ当主がなぜ2人なのかというと雑賀で重要視されているのは技術の方で忍法があろうとなかろうと当主に相応しい技量を持ってれば当主なのだ。で、今代は俺ともう1人の孫一が同格であった為にそうなった。雑賀衆はそこら辺ルーズなんだよなぁ。
閑話休題。
さてと出会えた事は嬉しいがどう接するか。…………良い事思いついた。
ちょうど手元にあった扉のリモコンで扉を閉めてロックをかける。
「…………うぇ?」
突然締まりロックされた事に驚いたのかしのぶは驚いて振り向く。
「さて、ここ整備室は危険物を扱ったり騒音がでる事もあり壁や扉が特別製でできている。ダイナマイトでも傷がつかないし遮音性も高い」
「…………へ、へぇ〜。そうなんですね」
その言葉にしのぶは返答しながらもゆっくりと後ずさり始める。
「そしてこの整備室は先程の理由で五車学園のはずれの方にたっている。人の出入りは殆どなくいつもいる人たちも地下の訓練場の点検だったりで出払ってしばらく……そうだなぁ2時間ほどは帰って来ない」
「…………あ、あのぉ〜武器を見せてもらっても」
何とか流れを変えようとしてるのだろうが無駄無駄無駄ァ!!
「男女が2人、密室、なにも起きないはずがなく」
「誰か──!?なにこれ!?」
反転し逃げようとするしのぶにオオミノガの糸を巻き付け宙吊りにする。
「逃げるなんて酷いじゃないか。ずっと待っていたというのに」
「そんなの知りません!!来ないで!!」
何とか振りほどこうとしているようだけどそうやすやすと切れる糸では無いだよなぁ。
「感度3000倍は嫌ァ!!だから対魔忍になんかなりたく無かったんだァ!!」
「……ふひっ」
予想どうりの反応すぎてちょっと笑い声出ちゃった。とてつもなく反応が良くて弄りがいがあるな。俺だったらこれやられたら即座にキレ散らかしてるけど。
「冗談、冗談だから。あっははは!!腹痛てぇ!!」
「……うえ?」
冗談である事を伝えれば呆けた顔でしのぶは動きを止めてこちらを見る。
「か、感度3000倍は…………?」
「ん?感度3000倍になりたいのか?」
「いえ!別にいいですぅ!!あと下ろしてぇ!!」
「ぷっ……ほんとに反応が良いなぁ。今下ろすから」
イタズラもすんだことだし糸を解いて地面に下ろそうとして止める。身動きが取れない女性が目の前にいる。ふむ……。
「…………据え膳食わぬは男の恥……?」
「そういうの良いですからァ!!てか、本気じゃないですよね!?」
「いやー魔が差しちゃって」
「魔が差しただけでこんな事されたらたまらないですよ!?」
「ふっ、日常的に男女関係無く他の対魔忍が捕まる度に色々見せつけられてるから…………」
「あっ(察し)」
多分今の俺の目からはハイライトが消えてると思う。マジで苦行なんだよなぁ。ストレスは溜まる一方です。
「君もこれからお仲間さ」
「そんなお仲間嫌です!」
「拒否権はねぇ!!」
「そんなぁ〜」
対魔忍になった時点で拒否権は存在しねぇ!それでも拒否権を行使した場合は…………ね?
「うう、対魔忍なんてなりたくなかったァ」
「嘆いても変わらないぜ。それよりどうやって身を守るかを考えた方が建設的だぞ。まあ、同じ転生者どうし仲良くしようや」
「うう、はい。同じ転生者どうし仲良く…………?転生者?」
おー、固まってる固まってる。まあ、同じ転生者がいると知ったらそりゃあ驚くよなぁ。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「うるさっ!?」
あー、とりあえずコンタクトは成功か……?
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