「任務やだァ」
「観念するんだな」
「観念したくなぃ〜」
現在俺はしのぶと共に五車学園近くのカフェに来ていた。あの後とりあえず取り乱したしのぶと会話をしていたのだがしのぶと共に呼び出しをくらいしのぶの初任務について行く事になった。
「まあ、俺と組めただけ幸運だな」
「なんで?」
「なんでって、『頭対魔忍』」
「あー、なるほど。うん、それは雑賀さんと組めて幸運だ」
転生して1ヶ月も経ってないしのぶは幾ら対魔粒子を持っていて身体能力も対魔忍らしく高いがそれでもずぶの素人。本来なら色々と教えてからなのだが人手不足が常の対魔忍にはそんな常識は存在しない。
しかも基本的に脳筋思考なので1人やられると芋ずる式に持ってかれる。そんなんだから捕まったり負けたりするんだぞ。
「とりあえず、装備整えてブリーフィングね」
「はーい」
テーブルに突っ伏したまましのぶはだるそうに返事をする。
「とりあえず武器は何かリクエストある?」
「んー、リクエストと言われましても今までまともに武器なんて握った事ないですし」
「だよなぁ」
ゲームでは何故か前世の事故現場にあった道路標識を武器として使ってたからなぁ。まあ、ゲームだからと言われてしまえばそれまでなんだけど。
しっかし、しのぶはど素人もど素人、正直何を渡しても上手く扱えない気がする。
「うーん、雑賀さんは何使ってるんですか?」
「俺か?普段はそうだなぁ。武器なら日本刀と銃火器かなぁ。忍法があるからそれ専用のとかもあるな」
「日本刀に銃火器かぁ、日本刀はともかく銃火器はなぁ……。忍法はそもそも無いですし」
「言うて日本刀も難しいぞ。上手いやつが使えばその斬れ味を遺憾無く発揮するが素人が使うとそこら辺いかせないしな。うーんやっぱり単純なのがいいよな。メイスとかのそこそこ短くて振り回すだけで凶器になる感じのが良いかな?」
ある程度取り回しが良く技術もそこまでいらないとなるとやっぱりメイスか?日本刀はやろうと思えば斬鉄とかも出来るけど素人には無理だし他の武器でも流石にぶっつけ本番で使えというのは無理だしなぁ。
「とりあえず生き残れる装備が欲しいです」
「となるとやっぱり近接武器はメイスが良いか。あと他には目眩し用に閃光手榴弾とスモークグレネードだな。今回はこれで行くか、それで今後足りないと思った奴を適宜追加もしくはいらないやつは減らしてく感じで。とりあえず専門知識のいる武器は今後の習熟度によってだな」
「うう、めんどくさい」
まあ、戦闘を生業にする職業だからねえ。ここら辺は切っても切り離せない。
「次に対魔忍スーツか」
「…………あれを着るんですか?」
しのぶの脳裏に浮かんでいるのはおそらくは全身のラインがくっきりとでる体にピッチリ吸い付くあれだろう。うん、あれはあれで利点があるのだが見た目がなぁ……。ほんとに見た目がなぁ……。
「うーん俺が着てるやつ使うか?」
「どんなのですか?」
カバンに入れていたタブレット端末を取り出してその中に保存してある俺専用の戦闘服のデータを見せる。
見た目的にはテラフォーマーズの火星で使われていた戦闘服を目立たない用に黒色にしたものだ。防刃防火防弾などの様々な耐性はもちろん動きやすい伸縮性のある素材を使い動きを阻害しないようにできている。
それにプラスして顔全体にガスマスクを装着している。対魔忍は恨まれる事も多いため素顔を見られないようにするのとよくある媚薬ガスのトラップなどの対策としてつけている。
てか対魔忍スーツきてたら対魔忍だと一発でばれる。だがこの装備だと傭兵や米連の手の者だと勘違いしてくれるのでありがたい。少しでも俺が安全に過ごせるようになるなら努力は惜しまない。
「対魔忍スーツより断然ありです。ちょっと地味かなぁとは思いますけど」
「おう、敵に見つかりやすいカラーと装飾品爆盛りにしてやろうか?」
「っすーーー、せめてもう少し明るい色でお願いします」
女子としてそこは譲れないのかもう少し明るい色を頼まれた。しっかし明るい色と言われてもなぁ。
「灰色とか紺色あとは迷彩柄とか、どうしても暗めの色にはなるな」
「そこは妥協しなきゃダメですか……?」
「命に関わるからな。ついでに貞操」
「ですよねぇ……」
ほんとに命の危険はともかくマジで貞操が脅かされるのは嫌だ。正直対魔忍世界で何も無く楽に死ねる方が幸運だと思う。陵辱とかされたくねぇ。
「明日採寸してから作るから放課後に整備室な」
「はーい」
とりあえず注文していたメロンソーダを飲んで一息つく。
今できる確認事項はこれぐらいかな。任務についてのブリーフィングは俺としのぶ以外にも行く人員がいるのでそいつらも含めた状態でやりたい。
「そう言えば雑賀さんってほんとに男なんですか?」
「男だが?」
突然しのぶが俺に尋ねてくる。その視線は俺の顔に集中している。
理由は簡単で俺の姿がもろにリゼロのカペラ・エメラダ・ルグニカの姿だからだ。
しかし、幾ら金髪ロリの姿でも俺は男だ!なんなら俺の息子は前世よりビックマグナムになったしな。
「…………掘られそう」
「言うな。意識したくないんだ」
対魔忍RPGには女性キャラだけでなく男性というか男の娘キャラのあーんなことやこーんなことのシーンが存在する。もしこの世界線がゲームになっていたらゲームの方で容赦なくR-18にされてる。
もっともそんな事には絶対にならんがな!最悪の場合は色欲の権能でノミにでもなって逃げる。もっと小さい細菌とかにもなれるけど流石にそこまで行くと呼吸で吸い込まれたりする可能性があるからなぁ。
「それよりも自分の事心配したらどうだ」
「うぅぅ……わかってますよ。何で私が対魔忍に……しかもいきなり任務とか。頭沸いてるよ、頭対魔忍め」
「それな」
マジで今の状態にした井河の老害どもがよォ。とりあえず地獄に行って焼かれてこい。
粛清してやりてぇけどなぁ、それすると対魔忍が最悪滅ぶんだよなぁ。絶対フュルストとかこれ幸いと色々やってきそう。
どうにか平和に暮らせないものかねぇ。
未だに愚痴を零しているしのぶに相槌をうちながらそう思った。
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