剣丞の親友に戦闘狂がいたなら 作:まくろ
「ふぅ。」
「……強くなったね。君は。」
「あの?俺、母さん譲りの未来視あるのに対等な方がおかしいんですが?それに叔母さん達に鍛えてもらいましたし。」
「……よく君ユエさん達にそんなことを言えるね。」
「いや、俺からみたら叔母だからなあ。」
叔母さんと呼ぶと怒られるが事実である。まぁ時々魔法ぶっ飛ばされているし。
「そういえば?雫さんは?」
「雫?今日は香織ちゃんと買い物行ってるよ。」
「相変わらずですね。」
俺が母さん以外で唯一叔母さんよみではなく、さんとつけているのは雫さんだけだ。礼儀正しく、他の人にも優しいときも厳しいときもあり、何よりもかっこいい俺が子どものときから尊敬している人である。なお、子どもとときからべったりであり、この道場に通い始めたのも実は雫さんに憧れていたからだ。
まぁ、仕方ないか。俺は、軽く息を吐く。
「そういや、本題なんですけど、友人から譲り受けた業物ってどんなのですか?」
「あぁ。これなんだけど。」
俺がその業物を手にした時、言葉がなくなってしまいそうになる。手にしただけで明らかに禍々しさが残っている。
「妖刀ですか?」
「分からない。でもそういった類の剣だろうね。」
「でしょうね。まぁ、鑑定はしてみますけど親父に聞いたほうがよくないですか?」
「ハジメくんは今トータスだろ?それに、ハジメくんと一刀くんがこれを渡してほしいって言ってたからね。」
「……なるほど、外史関連ですか?」
一刀おじさんは俺も聞き覚えがある。というよりも、俺の数少ない男子の友達の剣丞の俺が始めて外史というものを知ったのがその案件だ。
「うん。それに君は外史には興味あるだろうし、調べてみたらどうかと思ってね。」
「調べるってまぁいいですけど。」
「いいのかい?」
「まぁ、帰っても義妹から逃げることになるので。」
「……また誑したの?」
「誑す気は全くないんですけど。雫さんからは光輝兄よりもタチ悪いって言われてますし。」
「まぁ、君は最後まで面倒みるからねぇ。それに君は雫やシアさんによく似たからね。……ハジメくんのトラブルに巻き込まれるのも遺伝してるとは思うけど。」
本当に遺伝しないでいいところは遺伝してるんだよなぁ。美人の母さんとは全く違い見た目は普通だしなぁ。中学時代の父さんみたいだし。
「まぁ、ブラコンを拗らせてる子も多いしね。男子が旭くんだけだからなぁ。」
「……魔力なしも俺だけですけどね。」
「魔力なしの君が一番強くなったのは君の努力の結果だろうね。魔力なしでも未来視使えるのだろう?恐らくお家流と呼べるものだろうしね。」
お家流か。現在にはあまり知られてないがそういった類のそういう俺はここの道場のお家流も教えて頂いたので2つ持っていることになる。
「まぁ、どうせ巻き込まれるであろう剣丞くんの護衛をしてほしいってこともあるんだけど。」
「……剣丞の?」
「あぁ、君とも馴染み深いだろうしね。まぁ、どうやら一刀くん曰く外史へと繋がるだろうって。」
「…はぁ、あいつが転移するのは確定なんですね。」
せっかくの男友達を見捨てるってことはまぁ、できないし同じような境遇でもあるからなぁ。
「といっても俺も転移できるんですか?」
「できるさ。それに、君の旅立ちはどの運命でも皆よりも早いことは分かっていたからね。だからこそハジメくんも君にはかなり厳しくしていただろ?」
「母さんですか?」
「うん。」
「……そっか。」
もしかして今生の別れってことになるのかもしれないのか。それでも、行くことには違いないけど。
そして、刀を鞘から抜くとそこには歯が潰れていないにも関わらずどこか怖くないイメージを受ける。
軽く刃先を指に当てようとした時だった。
急に刃先から光が周囲に巻き込まれる光景を目にした。しかし現在はまだ起こっていない。
……なるほど。そうきたか。もう回避もできなさそうだし、行こうか。
「どうしたん」
「んじゃ行ってきます。」
「……えっ?」
すると白い光が周囲に広がり俺はその光に吸い込まれていく。そして、気付いた時には
空に自由落下していた俺と剣丞だった。
「……」
あっこれ死んだと思いつつ俺はそのまま落下していくのであった。