剣丞の親友に戦闘狂がいたなら   作:まくろ

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日常へ

とりあえず尾張に帰り、一日休暇をとらせた後あと久しぶりの評定。

 

「…まぁ、改めてだけど知っての通り正式に犬子と詩乃が新しくウチの隊に入ることになった。」

「わん!」

「…旭さ、たまにとんでもないこと起こすよな。」

「開口一番それかよ。」

 

俺が苦笑する。たぶん犬子に関してだけど。

 

「まぁ、美濃での活躍報酬とか自分の恩賞を犠牲にしてるしなぁ。今回の恩賞2人で消えたし。」

「……あの、旭さまは何で前田殿を。」

「普通に、今部隊で足りないところが犬子だったからな。槍使えるのって剣丞くらいだろ?この隊。」

「……剣丞さま使えるんですか?」

「剣丞は基本的に武器は何でも使えるぞ。体術くらいじゃないのか?使えないの。」

「まぁ、姉さんたちに鍛えられたから。」

 

……そういえばこいつ英才教育受けていたんだった。

 

「話はそれるけど、ぶっちゃけ剣よりも槍の方が強いのは事実なんだよなぁ。なんなら小太刀なんて以ての外だし。」

「……あのそれなら何でお頭は小太刀使ってるんですか?」

「親父が始めて作ってくれた武器だから。」

「……へ?」

「…そういうもんだろ。今使っている小太刀二刀は昔からずっと使っている武器だよ。」

 

俺が小太刀を取り出す。再生魔法以外には何もかかっていない漆黒に光る小太刀に犬子はわぁ〜と声をあげる。

 

「とりあえず、槍隊を強化するのに専門的な奴をいれることは最初からの課題だったんだよ。足軽に関してはころと話してやっぱり槍隊っていうのはお互いに教えることができなかったからな。」

「だからといって犬子ちゃんを連れてくるとは思いにもしてなかったんですけど、赤母衣衆筆頭ですよ。」

「らしいな。後は戦力の集中も兼ねているかな。一応2隊が合同になれば2000の兵を操れるようになる。壬月や麦穂さんとまではいかないけど、詩乃さんにとっては使いやすいだろ?」

「…確かにそうですが。」

「それに、一応俺の護衛ってことでもあるんだよ。……正直ウチの隊って織田家でも敵多いし。」

「……そうなんですか?」

 

詩乃は来たばかりだから知らないだろうけど、殆ど特別扱いされて、殆どで成果を出してるからな

 

「最近手柄ほぼ独占してるからな。ウチの隊。なんなら美濃周辺を崩すのはウチの隊でやることになったからひよところには暫く美濃にいってもらわないといけないからな。」

「そうなんですよね。手柄をたてる好機はあるんですけど、なかなか私はお頭と会えないですし。」

「うん。私も任務以外でお頭と会えないことが多いなぁ。」

「……なんなら俺は休みすらないしな。昨日も兵の管理とか書類仕事片付けてたし。」

「…あの、何でこんなことになってるんですか?」

「…お頭仕事できるから色々なところから仕事が来るんですよ。それでいて忍びや情報を仕入れて纏めて久遠さまに使いを出したりしてることもあって……」

「…旭さ。少し休んだほうがいいぞ。」

「…って言ってもなぁ……どうしても2人欲しかったし。ひよやころが仕事しているのに休む気にはならないし。」

「……そういうところが旭らしいな」

 

苦笑いする剣丞。まぁ、その代わり剣丞には領地の見回り頼んだりしてるからなぁ。

 

「つーか2人も結局休みの日も手伝ってくれるよな。」

「だってお頭が仕事してるのに…私たちだけが休むのも……」

「正直なところひよところに会いに来てるって感じはあるしなぁ。」

「旭さまもですか?」

「休みっていっても1人で何かするよりかは誰か過ごす方が楽しいしな。最近は美濃に行っていたから一緒にいられたけど。暫く2人とは会えないしなぁ。」

「…そうなのか?」

 

剣丞は知らなかったのか。というよりも調略に関しては最近は完全に俺の隊ばかりだ。

 

「久遠の命で美濃の調略に行ってもらうんだよ。俺は麦穂さんと合同訓練するから、離れられないしな。」

「あれ?足軽関係ころにしてもらうって言ってなかったか?」

「俺経由じゃなくて、本当に二人が直接命じられたんだよ。だからそっち優先になるかな。2人の出世にも繋がるから。繋ぎお願いしたいんだけど詩乃頼めるか?」

「……」

 

すると一度頷く詩乃。本当にこころ強いよなぁ。

 

「助かる。とりあえずこれくらいかな。後は、暫くは特別な任務はないしな。」

「…そうなんですか?」

「ないよ。内政麦穂さんがやってくれていたこともあって落ち着いたら久遠に紹介しにいくくらいか。」

 

麦穂さんには今度何かごちそうするか、一発屋口に合うだろうか?

 

「……あの、旭さま。そこは2人を誘うところなのでは。」

「……?いいの?」

「何で駄目だと思うんですか?」

「あ~。そういうこと旭は苦手だぞ。」

「「えっ」」

 

ひよところも驚いている。でも友達が剣丞しかいないのに女子を誘うとかできるわけないだろ。

 

「……こんなに人を誑しておいてですか?」

「……ひどくね?」

「旭は誘われたら行くけど、相手のことを深く考えすぎるんだよ。今回は隊長だから誘ったら休みにならないんじゃないかって思っているんじゃないか?」

「何でわかるんだよ。」

「何年も親友してたら分かるだろ。」

 

実際気を使っているのもあるのでなんとも言えない。

 

「…こいつ仕事と私生活今はひよさん達がいるからよくしてるけど、昔から訓練が殆どで、私生活酷いぞ。部屋も片付けしてない本だらけだったし、熱中すると物事見えなくなったりとかしてたよな」

「でもここではそうでもありませんけど……」

「そういうところはしっかりしているんだよ。勉強はしてたし。でも料理以外の家事は苦手だし、交友関係も3若とか久遠とか見知った人しか話さないだろ?」

「……お頭でも苦手なことあるんですね。」

「ひよところはなんだと思ってるんだよ。」

 

なお、洗濯は既に数枚破いてしまったり、縮んで使い物になってしまったこともあり反論なんてできようもない。なお元々元の世界で来ていた服もだめになった。

 

「それじゃあ犬子たちが遊び誘ったら来てくれたってこと?」

「まぁ、休みとか暇な時だったらな。夜とか剣丞と酒飲んでる時も多いし。」

「…本当に誘ってもいいんですか?」

「やることないから仕事してるわけだしな。」

「ねぇ。ひよ。私たちとても勿体ないことをしてたんじゃないかな?」

「うん。お頭仕事してるから忙しいって思ってたから、これからは誘ってもいいですか?」

「いいぞ。基本的に暇だったら仕事してるし誘ってくれるならありがたい。詩乃や犬子もな気軽に誘ってくれると助かる。」

「…やた!」

「わん!」

 

ころと犬子が嬉しそうにしている。詩乃も顔には出さないけど微笑んでいる。

 

「そういう旭もそれ直せよ。久遠じゃないんだから遊びに誘えるだろ?」

「……そうだな。」

 

剣丞には伝えないけど、ちゃんと誘えない外部的理由もあるのだが。

流石に伝えられないよな。織田家内に敵がいるからなんて。

 

「どうする?お昼は何か作ろうか?」

「わふ?旭さま料理できるの?」

「作れるぞ。最近は料理番に任せていたけど。」

「えっ?久しぶりにお頭のご飯食べられるんですか?」

「せっかくだし作るぞ。……それならころ。少し手伝ってくれるか?」

「はい!!」

「わ~い。お頭ところちゃんのごはんだ!!」

 

ひよが喜んでいるのに苦笑してしまう。

久しぶりに訪れる平和に少しばかり安堵するのであった。

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