剣丞の親友に戦闘狂がいたなら 作:まくろ
夜少し静まりかえった後、月灯りの下で灯りを灯し、俺は相変わらず仕事をしていた
「……そっか。もう二月になるのか。」
この世界に住み始めて既に二月。ゲームやアニメもないのに毎日楽しく過ごせてるのは……間違えなくひよ達のお陰だろう。噂をしたら誰かの足音が聞こえてくる。
「……あれ?旭様?」
「ひよ?」
「お疲れ様です。えっと何してるんですか?」
「仕事だけど?」
「…お頭休むんじゃなかったのですか?」
「…管轄が俺しか出来ないんだよ。それも忍びのことだし。」
「忍びですか」
「稲葉山の剣丞が忍びこむルートを調べてる。元々俺が入り込むルートは使えないだろうしなぁ。」
「剣丞様ですか?」
「そう。詩乃の時の件で剣丞がケガをしたのはある程度こっちの責任もあるし、剣丞が次の戦ではかなり重要な役割だしな。」
「親方は真面目ですねぇ~。」
「……そういうことではないんだけどなぁ。」
「……えっ?」
「……俺って唯一の友達が剣丞なんだよ。俺の悪い癖なんだろうけど身内にはとことん甘い癖があるって言ってるだろ。」
「えっと。つまり剣丞様もってことですか?」
その言葉に苦笑してしまう。というよりもそれが原因でやらかしたわけだし。
ついでにいいか。この機会くらいしか話せないだろうし。俺は言葉を向ける。
「うん。というか元の世界では平和だったって言っていただろ。でも俺が育ってきた境遇は違うんだよ。俺はこういった外史と呼ばれる断りを幾らか経験しているんだ。」
「外史ですか?」
「そう。難しいかもしれないけど、例えば俺がこの世界に転移していないときひよはどうしてた?」
「お頭がいない世ですか?」
「……そう。何なら剣丞じゃなくて俺が久遠の旦那になる可能性もある。」
「そんな可能性があったんですか!?」
「ある。というよりも俺はこの外史に来ることを知っていたから。」
「へ?」
「俺はある程度未来が見える。母さんがもとより持っている能力を遺伝的に引き継いでいるんだよ。」
「で、でもお頭って収納能力がお家流なんじゃ。」
「あれは八重樫のほうかな。というよりも母さんの体質を引き継いでいるんだよ。俺。何なら俺の母さんは純粋な人じゃないし。」
「へ?」
「俺の親父も外史に巻き込まれて、そこで兎人族って呼ばれるウサギが人間化した人の子供だよ。まぁ俺はそこらへんの体質はなくなっているわけなんだけど。」
「えっと?そんな人がいるんですか。」
「それはトータスっていうところなんだよ。だから俺は外史慣れしてるだろ。何度も子供のころから外史に行っていたわけだしな。」
「それってもしかしてお頭がやけに強いのは。」
「まぁ、その世界で色々と修羅場を抜けてきたからな。俺は。だから盗賊を殺したこともあるし、鬼みたいな魔物も何なら俺はそっちが本業でもう数えきれないくらいは殺したことがある。」
剣丞には話しているがそういう家系何だろう。うちの家族は何かと外史関係に巻き込まれやすい。
何なら俺はこの世界に来ることはある程度予測はしていた。いたのだがさすがに遠くの未来は見えずらいこともあり、織田信長や豊臣秀吉が女性化しているとは思いはしてなかった。
「魔物ですか。」
「そう。何なら鬼程度なら10体ってあの時はいったけど真面目にやれば一人で50近くなら瞬殺できるくらいには強いぞ。」
「あれ?でもお頭って10から20程度の群れを作られたのなら……村程度なら壊滅させられるって。」
「それであってるよ。でも正直信用あの時点ではしきれてなかったし、何なら他の忍びもいたわけだしな。」
「……お頭それって。」
「一人で稲葉山城程度なら落とせるよ。純粋な武力行使でな。」
「……」
「てか森一家は気づいていると思うよ。何なら、桐琴さんは明らかに俺側だよ。」
まぁそれでも余裕で勝てるくらいには強い自信がある。
さすがにあの部隊が敵になるくらいにはな。
「怖いか?」
「そんなことはないですけど。何でその話を私に?」
「いや、ひよには話しとこうかなって。てか正直今しか話せないだろ。こんなこと。つーか俺自身化け物って自覚はあるし。」
「何でですか?」
「何でって普通ならそんな人いたら怖くないか?」
「?」
その言葉に首を傾げるひよ。
「私は旭様は、旭様ですよ?」
「……そういうものか?」
「はい!!私は……旭様をお慕いしてますし。」
照れながらもはみかみながら照れるひよ。
……これはダメだ。俺自身で自覚してしまう。
もうこの少女から俺は逃れられないだと。
「…はぁ。」
「どうしました?お頭。って顔真っ赤ですよ!!もしかして風邪ですか!?」
「ひよ。好きだよ。」
「……へ?」
俺はひよをこっちに引き寄せ抱きしめる。
「あ、あ、旭様!?」
「ひよ。今日と明日って何か予定ある?」
「えっ?何もないですが……」
「なら独占してもいいってことだよな。」
「それってどういうことですか?」
「ひよの全部が欲しい。」
ひよがその言葉の意味を考えてるとどういう意味が分かったのだろう。顔を真っ赤に染める。
「あっ。あうっ。」
「ダメか?」
「ダメじゃないですけど。……できればころちゃんと一緒がいいかなぁって。」
「……」
その言葉に俺は少しだけ苦笑してしまう。できれば二人きりがよかったのはあるけど。
「あの。」
「……いいよ。連れてきて。」
「いいんですか?」
「うん。てかころの意思はどうするんだよ。」
「大丈夫です。ころちゃんもお頭のことお慕いしてますし。」
「それは本人から聞くよ。それとひよ。多分お前後からころにこっぴどく られるだろうから覚悟しとけよ。」
「えっ?えっ?」
多分俺も、ころもこの子にはかき乱されるんだろうなぁと思いつつ
俺たちはこの世界で初めて三人で夜が明けるまで眠れない夜を過ごしたのであった。