剣丞の親友に戦闘狂がいたなら   作:まくろ

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稲葉山城攻め

「うぅ。お化けっぽい声が聞こえる。怖いよぉ。」

「ひよ。煩い。気配が読めない。」

「で、でもぉ。」

 

ちょっと想定外なんだけど。夜の森に入りひよが怯え、鳥の音や風の音が聞こえる度に脅えがある。

 

「まぁ、まだ稲葉山城まで距離はあるしな。今のうちに脅えとけ。とりあえず打ち合わせしとこうか。ころ。それに気配を感じる必要はないよ。」

「あっ。そういえば旭様の。」

「そういうこと。」

「あ~。お前本当にその体質便利だな。」

 

剣丞もすでに知っているのでこういったことは本当に話しやすい。基本的に本当につながりがある人はないと

 

「奇襲とかはこういう部隊程度であれば完全に予見できる。だからこそ俺はこの忍びという役割とかなり相性がいい。だから護衛を任されてるんだよ」

「…そのことなんだけど旭。お前は稲葉山城潜入後少し暴れてくれるか?」

「……あ~。了解。俺一人でいい?ひよところ任せたいのだけど。」

「それくらいならいいよ。二人ともそれでいいかな?」

「あのお頭が何をするつもりなのでしょうか。」

「少しの戦闘と後は逃げるだけ。まぁあえておとり役ということだな。」

「……あの?お頭?剣丞さま?」

「いや、未来視あるから旭は安全にできるんだよ。奇襲とかも通じないし。」

「……お頭そのお家流強すぎません?」

「お家流ではないんだけどな。」

 

まぁ、これでも俺の中の評価では八重樫流収納術のほうが相当強いと思う時がある。それにもう一つの俺のお家流は使っているけど気づかれてはなさそうだし。

 

「というわけで行ってくるよ。ころ。ひよ。あまり剣丞のこと守らないでいいからな。」

「えっ?」

「剣丞言っとくけどうちの隊で俺の次に実力はあるから。ほっといても生き残るしな。」

「えぇ。あの、お頭。剣丞様は久遠様の旦那様ですよ。」

「別に俺は新田剣丞としての剣丞しか知らないしな。誰の旦那だろうが関係ない。」

「……それもそうだな。」

 

その言葉に剣丞は苦笑する。俺と最初から関係は変わらない。俺と剣丞はたとえ身分が違っても変わらない何も変わらない。

まるでお前の姐さんにいたずらをするときのようにいい笑顔をしている。

 

「それじゃあ。旭。久しぶりに派手にいこうか。」

「当然。ぬかるなよ。」

「そっちこそ。」

 

軽くハイタッチをして俺は城へひとまず向かう。さてせっかくだし

久しぶりに暴れるか。

 

 

 

 

 

「おい。そっちがやられたぞ。」

「こっちの隊もやられたぞ。」

「えぇい。曲者一人殺せないのか!!」

 

 

美濃方の悲鳴を聞きながら部分的に弱いところを殲滅していく。潜入してからは油断している兵を殺していく簡単な仕事だった。

稲葉山城城内に入って四半刻。すでに場内は阿鼻叫喚だった。

まぁさすがに俺も100人以上のところはいかずに少数の隊を小太刀で斬り捨てる。

 

「今度はこっちがやられた!!」

「南雲旭めぇ。」

 

憎しみのこもった声が聞こえる。

相手にしているのは敵総大将の斎藤龍興である。まさか女体化しているとは思っていたけどここまで才がないのには正直呆れてしまう。

俺をとらえるのにすでに兵を300は殺しているはずだけど。まだ追ってくるんだ。まぁ散々バカにして狙いを定めていたこともあるが相当恨みを買っていたらしい。

まぁさすがに普通に戦っても勝てないので逃げているわけだが。今は既に大手門は明らかに手数は少なくなっている。

 

「ひぇ。南雲!南雲旭が出たぞ。」

「に、逃げろ!俺はまだ死にたくない。」

「おい。こら逃げずに戦え!!」

「でも、おかしいですよ。敵の技量はさながら、あの何であの小太刀は鎧ごと斬れるんですが!?」

 

敵は怯えながら俺の二つの小太刀を声に出す。それもそのはず。俺が殺した奴は鎧ごと斬り捨てているのだから。

俺の愛刀である黒剛と白光がある。ついでに親父曰く俺が斬る切れ味は決められるというものである。正直腕もさながらこの両刀が強さの原因の一つとなっている。

そしてその直後だった。一際大きい歓声が聞こえる。

するとそこには作戦成功の狼煙があがる。すると斎藤も追いかけなくなったので任務はこれまでだろう。

決まったな。俺はすぐに移動し剣丞たちの方へ向かう。しばらく走ると丹羽衆の旗も見られる。

 

「お疲れ様。剣丞。」

「無事ですか!!旭様。」

「これくらい余裕。」

「だろうな。お前が殺されるなんて思ってなかったしな。」

「お頭!?」

「旭様!!」

 

ひよところが遅れながら近づいてくる。

 

「二人ともお疲れ。」

「お頭は大丈夫ですよね。」

「大丈夫だよ。ついでに300ほど殺してきたから。」

「旭様?」

「いや。これでも余裕はあるから。」

「……そういうことじゃないのですけど。てか300ですか?あの混乱に紛れて殺したんですか?」

「異質かもしれないけど、これが旭だよ。てか一分当たり10人やったのか。」

「6秒に一人くらいだったら妥当だろ。」

「あの、旭様。壬月様のお家流でも基本は100人が限度ですよ。」

 

まぁ、ちょっくらそこにはからくりはあるのだが。それをこの世界の人に伝えても理解はされそうにないんだよなぁ。俺の生活ってかなり特殊だし。

 

「それで戦況は。」

「一応一番槍は犬子ちゃんと和奏ちゃんが。それでも抵抗は強く膠着状態が。」

「旭様!!」

「よっと。」

 

そしていきなり飛び込んでくる犬子に俺はそれを支える。

 

「犬子ちゃん。」

「わふ。南雲兵普通に強かったから城門抜いてきたわん。」

「ということは。」

「先ほど二の丸占領したわん。永福と赤母衣衆が制圧してくれてるから。」

「こっちにきたと。」

「わふ。えへへ。稲葉山城の占領は和奏と雛、森一家に任せてこっちに来たよ。無傷の南雲兵1000を連れて。」

 

その言葉にその後ろに連れてきた兵を見る。

ほとんどぎらついているので赤母衣で突破したのであろう。

 

「……」

「壬月様から。このまま東側の残党狩りに行くだろうからって。」

「見抜かれてたか。」

「わん。壬月様も出るって言ってたよ。」

 

なるほど。もう稲葉山城をとった後も考えてる。

 

「麦穂様。」

「はい。この場は任せてください。」

「ころ。行けるか?」

「はい。お頭がいるところにはどこにでも付いていきますよ。」

「犬子。」

「わん。任せて!!」

「ひよは二の丸へそのまま抜け赤母衣衆とともに拠点を保持。剣丞は本陣に作戦成功の早馬と柴田衆と共に東美濃の制圧にかかることを通達。」

「おう。」

「は、はい!!」

「もう俺たちは稲葉山城に用はない!!今日中に美濃を統一する。」

「おぉ!!」

「南雲隊でるぞ!!」

 

大きな歓声が聞こえる。

そして南雲隊の稲葉山城の戦いはこれにて終着し、最終的に夜間中に東美濃北部を南雲隊が、東美濃南部を壬月様が制圧。これにて戦は終結。翌日の評定にて稲葉山城は岐阜城と改名され、これにて長年続いた織田と斎藤の戦は終結となった。

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