剣丞の親友に戦闘狂がいたなら   作:まくろ

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婚姻

「ってことがあったんだよ。」

「…お前自重って言葉知ってるか?過保護なのもいいけど、また第一戦功取ってただろ?」

「……本当にそれに関しては取るつもりなかったんだよ。それにひよや剣丞の功績も認められたけど、南雲隊の功績が大きいって言われて南雲隊自体の戦功も貰ったし。つーか、お前もお前で初っ端久遠様に抱きつかれてなかったか?しかもかなりデレデレしてたし。」

「……何のことだ?」

 

俺がそういうと、剣丞も呆れたようにしている。夜間久しぶりに2人きりで話したかったので久遠さまに頼んで久遠さまの屋敷でこっちの世界では既に飲める酒を剣丞が持ってきていたこともあり飲んでいた。

 

「しかし、いくら活躍したからって、うちの隊の褒美が多すぎると思うんだけど。」

「南雲隊で4万石だったか?たった数ヶ月で織田家を代表する家臣の一人になったもんな。」

 

まぁ、個人で4万石ではなく、俺、ひよころ、剣丞を含めた土地だが俺が3万石以上貰っているのだ。土地自体は広くはないが、それでも裕福な土地を貰ったため、

 

「一応、隊の運営は数ヶ月は大丈夫らしいし、俺の取り分も個人の功績の分から少し多めに貰ってる。……まぁ、金はあって困らないしなぁ。」

 

隊の運営はこれからは墨俣付近の領地をもらえた。というのも木曽川付近が領地になるので川並衆もそのままの運用が出来ることが確定したのも大きい。税収のことを考えれば、領地経営がしやすいとひよが喜んでいたくらいだった。

 

「…旭はもう慣れた?」

「ん?まぁな。なんなら俺はこの世界には一週間早く来ているって言ってもいいし、それに、元から争いごとは好きだしな。」

「争いの頻度が違うだろ。……でも、俺は今日の評定でこの世界で生きていく決意みたいなものが生まれたかな。」

「そっか。なら忍び数人そっちにやるよ。」

「……いいのか?」

「いいよ。それに、暫く俺の隊は内政の仕事を片付けないといけないし、忍びの訓練に兵の訓練もある。……流石に片付られる仕事は終わらせないとなぁ。」

 

暫くは書類仕事中心になるだろう。それが終わったら兵の訓練と忍びの訓練になる。一応練兵はころにもやらせるつもりだが、剣丞も動くだろうし。

……ひよには流石に内政に残ってもらわないと困るんだけど。

 

「あれ?でも内政ってひよに任せるんじゃなかったか?ひよも領地経営について調べていたからてっきりひよに全部任せるのだと。」

「隊長で土地持ちだとやらないといけないこと多いんだよ。ひよが案を出しても最終決定するのはおれだし、農業や金銭的なものはなくても、兵を出さないといけないことは俺になるから。特に領地の治安維持や鬼対策、さらにトラブルの解決や害獣駆除とかな。」

「うへぇ。本当に大変そうだな。ってことは、本当に動けそうにないのか?」

「…そういうことです。とは言っても兵を出す時は出すし、なんなら川並衆との連携も高めていかないといけないからな。」

 

本当に大変なんです。ついでにあれから少し久遠のところから譲ってもらったりしていたのでもう百追加になることが確定している。

……防衛のこととかまだ教えきってないんだけどなぁ。

ついでに忍び衆については久遠さまが情報と剣丞の安全を守るために今後は金銭を払ってくれるという始末。そして、将来的には久遠さまの忍びも育てて欲しいとのこと。

……責任重大である。俺に仕事割り振りすぎではないだろうか。

と言いたいとこなんだけど、壬月も麦穂さまも同じくらいにはやっている模様。なんなら俺の立ち位置は家老クラスであり、基本は軍事のことであれば真っ先に招集されることになる。

これが先程の戦功労賞で家臣団に宣言したことであり、実質的に外様でも実力さえあれば重宝すると宣言した形である。

まぁ、恐らく久遠が仕込んだのもあるんだと思うんだけど。

 

「…俺にはできる気がしないなぁ〜。」

「言っとくけど剣丞は家臣探しが先だからな。久遠様も言ってただろ?」

「分かってるよ。お前みたいに誑しじゃないから難しいんだよ!!」

「……俺が言えたことじゃないけど、お前も充分誑してるだろ。」

 

麦穂さんや久遠さんなど。二人は多い方だと思うんだが。

 

「つーか俺達も一応跡取りを求められる立ち位置なんだけどなぁ。剣丞にも側室希望者結構来てるぞ。ひよにも、なんなら新参のころにも婚約希望者は何人かいる。」

「……まじ?」

「それほど大きくなったんだよ。俺達は。まぁ、全部断るけど。」

「…俺もか?」

「久遠さまが正室にいる立場で政略結婚で結婚なんてしたいか?お前。」

「……いや、いいや。」

「そういうことだ。」

 

こっちの世界では元服したら酒が飲めるのもあり、軽くだけ酒を飲んでいたが、その存在も気づいていた。

 

「まぁ、そのことはそこにいる久遠さまに聞こうか。」

「……えっ?」

「気づいていたのか?」

 

驚いていたようにしているが、だからこそ婚姻の話を剣丞に振ったのだ。

 

「安心したか。」

「全くだ。でも、そんなに多いのか?」

「多い。特に墨俣があってから俺は30、ひよは40、剣丞も15、ころでさえ10は来てる。剣丞に限っては愛妾でもっていうのも多いな。」

「ひよが意外にも、多いな。」

「うちの隊の奴らが婚約したいって言ってるからし農民出だから少したわけ下手で見られているのもあるんまけどな。……そこら辺は保留してる。というよりも、俺は政略結婚は確実に入るだろうし。」

「……気づいていたのか?」

「気づくだろ。本命が浅井、伏兵が松平ってところだろ。」

「はぁ。本当にお主は聡いな。……まぁその両方なんだが。」

「……は?」

 

久遠さまの言葉に俺は呆気に取られる。剣丞が驚いてない限り剣丞は知ってたのか。

 

「市と眞琴、翠にも婿入りしてもらう。」

「…三人もすか。」

「不服か?」

「見たこともない三人を嫁にするっていわれても実感分からないだけ。確かお市様って確か」

「あぁ、我が妹だ。」

「……思い切ったことしたな。」

「いや、眞琴が興味があったらしいからな。田楽狭間の戦いを伝聞で聞いたと言っていった。そしたらトントン拍子で話が進んだのが実状だ。」

 

言い方的に眞琴が浅井長政で翠が松平もとい徳川家康であろう。その人達と婚儀を結ぶとなった時、俺はどうするのであろうか。

お頭、ご武運を 

そんな声が思い出される。

いつも呼ぶ声、それはこの世界に来てから一番聞いた声であり、今一番大切にしてきた仲間だ。

……多分あいつ以上に特別になるなんてないような気がする。

 

「…なぁ、少しだけできればいいんだけど、……婚儀の件受けるから、いいか?」

「うむ?なんだ。」

 

俺は酒を一気に飲むと息を吐く。

 

「ひよを嫁にしたいんだけど。」

「「は?」」

「だから、ひよを嫁にしたいんだけど。」

「猿を?お前猿のことが好いとるのか?」

「好きっていうよりも、なんというか、大切って言葉が合うのかもしれない。この世界に入ってひよが一番過ごした時も長いし、久遠さま以外で真っ先に信用してくれたのは間違いなくひよだからな。」

 

ひよっていつも側にいて味方になってくれていたからこれからも側にいてほしいと思ってしまうんだよなぁ。豊臣秀吉だからこそではなく、ひよの明るさは俺の苦しいときにはいてほしい。

 

「まぁ、そのくらいならいいが。ひよの気持ちの方もあるだろう。」

「……あ~多分大丈夫だと思う。ひよって何かと旭のことばかり話しているし、……誰から見ても旭を慕っているのは目に見えてるから。まぁ、旭もひよのことを慕っているなは知ってたけど、口に出すとは思ってなかったが。」

「ん?まぁ、酔ってるからってことにしといてくれ。」

「お前酒に強いって言ってただろ。……それならお前自身が伝えたらいいんじゃないか?」

「許可は必要だろ。告白とかはこっちでやるけど、流石に既に勝手に婚約できる立場じゃないことは分かってるつもりだよ。」

「……全く察しがよいのが良い方にも悪い方にも回るもんだ。いいぞ。だが、その婚約は織田家が介入するがよいな。」

「介入?介入ってひよを養子か義姉妹にするとかか?」

「いや。それじゃあ意味がなかろう。だが、旭とひよの婚姻を世間に公表する。それもひよのことを正室にしたということをな。」

 

久遠さまの言葉に俺も剣丞も首を傾げる。そして、久遠さまの言葉に耳を傾けるのであった。

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