宝の持ち腐れなヒーローアカデミア 作:モルフェウス
世界総人口八割が何らかの特異体質。個性を持った超人社会。個性と言う存在が世の中に与えた恩恵は大きい。
しかし、光ある所に闇は生まれる。その個性を己の武器として様々な悪行の限りを尽くす者達も存在した。彼らは、ヴィランと呼ばれ、人々に恐れられていた。
しかし、反対にそんなヴィランの魔の手から人々を救おうと立ち上がる者たちもいた。彼らは、反対にヒーローと呼ばれ、世界から注目を浴びるようになった。
今や、世界何処に至ってヒーローを見かけるヒーロー飽和社会。そんな世界で、ヒーローに憧れる者は多い。
これは、そんなヒーローに憧れる……ある一人の大馬鹿者のお話である!!
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「今日は俺のライブにようこそ!!エヴィバディセイヘイ!!」
……ここは雄英高校。ヒーローになるための資格取得を目的とした、ヒーロー養成学校である。この日は、そんな雄英高校である祭り事な行われていた。
次世代のヒーローを見極めるための戦い……雄英高校ヒーロー科入学の為の入試である。その日は午前に筆記があった後、午後には実技試験ガ待っていた。今は、その実技試験の説明会が行われているのだ。
司会を務めるのはプロヒーロープレゼントマイク。ラジオを受け持っている人気ヒーローだ。
普通に会うならテンションバク上がりものだが、ここに居るのは緊張でがちがちになっているものばかり、普段であれば総スカンで終わるのだが………今日は一味違う。
「イエエエエエエエエエエエエエイ!!!!!!!!!」
一人の男がテンション高くそう声を上げた、声を上げたのは黒髪を短く整えた一人の少年だ。首には十字架のペンダントがぶら下げられている。
その少年の名は――
すると、プレゼントマイクは嬉しそうにテンション高めていく。
「イエエエイ!!そこのリスナーサンキュー!皆も肩の力抜いていこうぜ!さぁ説明だ!」
そうしてプレゼントマイク曰く、十分観間の間試験場に解き放たれたポイント付きの仮想敵を相手して貰う。
倒した仮想敵のポイントがそのまま自分のポイントとなるので、そのままポイントを稼ぐのだ。
持ち込みは自由……他人への妨害などはご法度だ。まぁ、ヒーローを目指すためにここに立っているのだから、ある意味当然だ。
すると、一人のメガネをかけた少年がびしっと手を上げて声を上げる。
「質問よろしいでしょうか!」
そう言ってそのメガネの少年は立ち上がり、堂々と言い放つ。
「プリントには計四種のヴィランが記載されています!誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態!我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです!」
一体どれだけの鋼の心臓をしているのか、この大勢の前で堂々と誤植を指摘できるとは……そして、その指摘の目は誤植だけには収まらなかった。
「それからそこの緑髪の君!先ほどからボソボソと気が散る!物見遊山のつもりなら即刻ここから去りたまえ!」
本当に強い心だ。それだけ規律を重んじているのは、好感が持てる。まぁ、人によっては疎ましく思う人もいるだろうか…………この手の類の人間には過去悪い人間は居ない。指摘された緑髪の少年は静かに「す、すみません」と謝る。
すると、その指摘は次に蓮華へと向いた。
「それから君もだ黒髪の!何なのださっきの掛け声は!ライブ気分なのなら君も――」
メガネがそう叫ぼうとした瞬間、蓮華は目を細めながら答える。
「なぁ……メガネくん。俺馬鹿だから良くわかんねぇけどよぉ……せっかくプレゼントマイクが場を盛り上げて肩の力を抜かせようと気を利かせてくれたんだから、それに乗るのもまた礼儀じゃねぇかなって思うぜ俺はよぉ。」
「はっ……なるほど、礼儀……いや、失礼した!そんな人を思いやる考えで動いていたとは!」
「良いぜぇ、俺も急にデカい声出して悪かったなぁ〜お互い試験頑張ろうぜぇ。」
「あぁ!」
真面目と馬鹿。奇跡の和解である。
「OK!じゃあ先程のお便りの説明もしておこう!」
プレゼントマイク曰く、四種と言うのは誤植ではなく事実………ポイントのない所謂0ポイントの仮想敵が、試験会場を動き回っているのでうまく避けることを勧める……だそうな。
ヒーローを目指すための試験に、逃げるが選択肢に入るのを蓮華は少し疑問に思ったが……深く考えすぎると頭痛が起きるのて早々に蓮華は考えるのを辞めた。
一通りの説明を終えると、プレゼントマイクは言葉をかける。
「俺からは以上だ。最後にリスナーへ我が校の校訓をプレゼントしよう!
――かの英雄ナポレオン・ボナパルトは言った。
――真の英雄とは人生の不幸を乗り越えていく者と
――さらに向こうへ、Pulls Ultra
それでは皆!良い受難を!」
かくして、雄英高校ヒーロー科の入試は始まろうとしていた!!!
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試験会場!まるで市街地をその丸コピしたかのような空間を前にして、受験生たちはこれが遊泳かと胸を躍らせていた。
それぞれが準備運動や心の準備を整える中、蓮華は只管に自身のペンダントを指でなぞっていた。
(……親父。ついにきたよ。)
このペンダントは…………今は亡き父の形である。
蓮華の父もヒーローであり、多くの人々を助けてきたと蓮華は知らされている。その最後も、ヴィランから市民を守って殺された……そう聞かされている。
だから蓮華もヒーローを目指した……とまではいかないが、父の存在が蓮華がヒーローを志すきっかけの一つになったことは確かであろう
蓮華と父が最後にあったのは……もう何年も前の話であるが、少なくとも記憶の中の父は、ヒーローであることを、誰かを助けられる立場であることを誇らしく思っていた。いつも笑っていた。
蓮華も誰かを助けられるような人間でありたいと、そう願った。だからヒーローになった……そしてこの場、蓮華は父と父の形見と共に居る。
蓮華はペンダントをぎゅっと握りしめた瞬間、声が響く。
「はいスタート。」
ほかの受験者たちは、そのあっけらかんとした合図に完全にあっけにとられる中、蓮華はその合図とともに駆け抜けた…………基本が脊髄反射で生きているからか、こういった不意打ち地味は合図は蓮華には通用しない。
それどころか蓮華はある程度走り出した所で、周りの人間が誰もついていないことにきすく。
「んげっ!?あれ!?俺間違えたかな!?」
蓮華がそう言って慌てていると、次の瞬間蓮華の前に仮想敵が現れる。赤い光を顔にともして……その巨腕を振るおうとしてくるのだ。
「間違ってなかったのね!」
蓮華は咄嗟にその仮想敵の攻撃を回避する……すると、ペンダントに手をかけて、首から外す。
「さてと……やりますか!」
蓮華がペンダントをぎゅっと握った瞬間…………その形状は大きく変化していく。
手のひらに収まるサイズだったはずのペンダントは、蓮華の身長ほどもあろうか巨大なメイスへと変化していった。
蓮華はそのメイスを片腕に掴み、勢いよく振るう。振るわれたメイスは仮想敵の頭をしっかりと捉え、上半身をふっとばす。
それだけの質量と重さを持つ物体を、蓮華が軽々と持ち上げて使用しているのだ。フィジカルギフテッドと言う奴だ。
「……俺馬鹿だから良くわかんねぇけどよぉ…………デカくて重い武器作れば強いよな!」
この男、馬鹿である。
砂賀蓮華――個性『モーフィング』、触れた物を質量や材質を無視して蓮華が思い描いた物に変化させる事ができる個性。
やろうと思えば生物も変化させられるぞ!本人はそのことに一切気づいていないからできないがな!
ただし、変化させる物をしっかりと思い浮かばないと変化しない。
尚蓮華は大馬鹿者の為、簡単な武器にしかモーフィングする事が出来ないぞ!
もし蓮華の頭が良くて、銃とかバイクとかの原理や仕組みを理解すれば、それらにも変化させることができたであろう。まぁ、そんな日は永遠に来ないので安心していただきたい。
「さぁて!ポイント稼ぐか!」
能力的にはめちゃくちゃ強いのに本人が馬鹿すぎて使いこなせてなくて結果的にいい感じのバランスに収まるのが好きでふ。