プリキュアと他作品のクロスオーバー小説   作:仮面大佐

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たんプリと電王

 仮面ライダー電王。

 時の列車、デンライナーに乗り、イマジンと呼ばれる存在から時間を守った戦士の事だ。

 これは、仮面ライダー電王に関する新たな物語。

 時の砂漠と呼ばれる空間で、一両の列車が走っていた。

 あれこそが、時の列車の内の一台、デンライナーだ。

 そのデンライナーの食堂車では。

 

「あ?パスが盗まれた⁉︎」

「それ、本当なの?」

「ええ。駅長からの報告によると、謎のイマジンがターミナルに侵入して、パスを盗んだ様です」

 

 赤い鬼の様な存在がそう言う。

 彼はモモタロス。

 野上良太郎と共に、仮面ライダー電王として戦ったイマジンの内の一体だ。

 亀の様な見た目のイマジン…………ウラタロスがそう聞くと、男性はそう答える。

 その男性は、デンライナーのオーナーである。

 オーナーが言うには、時の列車が集まるターミナルにおいて、パスと呼ばれるアイテムの窃盗が起こったのだ。

 

「それって…………大変な事になりそうですね」

「マジかよ…………良太郎もハナクソ女もいねぇのによ…………」

 

 それを聞いて、デンライナーのアルバイト乗務員であるナオミはそう言う。

 それを聞いて、モモタロスはそんな風に呟いた。

 現在、野上良太郎とハナはデンライナーの中に居なかった。

 諸事情により。

 すると。

 

「zzzzzzzzz」

「てめぇ!熊谷郎!真面目な話をしてるんだから、起きやがれ!」

 

 そんないびきが聞こえてくる。

 いびきがする方を向くと、キンタロスと呼ばれる熊の様な見た目のイマジンが爆睡していた。

 それを見て、モモタロスは苛立ち気味にキンタロスを叩いた。

 すると、竜の見た目のイマジンが口を開く。

 

「それって、放っておいたら大変な事になるって事?」

「ええ。そのイマジンは、己の時間を確立させようとするでしょうねぇ。一体、何をしようとしているのか」

「おい!そのイマジンがどこに行ったのか分かんねぇのか⁉︎」

 

 竜の見た目のイマジン…………リュウタロスがそう聞くと、オーナーはそう答える。

 イマジンとは、未来から2007年にやってきた存在であり、己の時間が確立していない為、不安定なのだ。

 現在、イマジンは己の時間を確立させる為に、人間に契約を迫り、その人間の時間を奪う事が起こる。

 それを聞いて、モモタロスがそう言うと。

 

「ご心配なく。そのイマジンがどこに向かったのかは、おおよその見当はついています。ただ、少し厄介な事になっていましてねぇ…………」

「厄介な事やと?」

「いつの間に起きたんだよ⁉︎」

 

 オーナーはそう答える。

 そのイマジンの逃走先は、大凡の見当はついているのだと。

 だが、少し厄介な事になっているのだと。

 それを聞いて、キンタロスが反応すると、モモタロスは驚いた。

 

「厄介な事って?」

「何それ?」

「それは……………とある地点に、時空の歪みの様な物が見つかりましてねぇ。そのイマジンはその中に逃げ込んだ様で」

「時空の歪みだと?」

「ええ。行き先は…………行ってみなければ分かりませんが」

 

 ウラタロスとリュウタロスがそう聞くと、オーナーはそう答える。

 イマジンは時空の歪みに逃げ込んで、別の時代へと向かったのだと。

 モモタロスがそう聞くと、オーナーはそう答える。

 それを聞いて、モモタロス達は顔を見合わせる。

 


 

 その後、モモタロス達は、その時空の歪みがある座標へと向かった。

 

「おい。本当にここで合ってるのか?」

「オーナーの話によると、ここで合ってるみたいだけど…………」

 

 モモタロスがそう聞くと、ウラタロスはそう答える。

 すると。

 

「ん?時空の歪みって、あれやないか?」

「どれどれ?」

 

 キンタロスはある物に気づいて、そう指さす。

 その先には、ピンク色の穴の様なものがあった。

 

「見つけた!」

「ちょっと、リュウタ。危ないって」

 

 それを見て、リュウタロスがそんな風に叫ぶと、ウラタロスはそう宥める。

 すると。

 

「えっ⁉︎うわぁぁぁ⁉︎」

「リュウタ⁉︎」

「おい!行くしかねぇんじゃねぇのか⁉︎」

「ちょっと先輩⁉︎」

「無茶やないか⁉︎」

「ごちゃごちゃうるせぇ!とにかく行くぞ!」

 

 リュウタロスはその歪みに引き摺り込まれてしまった。

 それを見て、ウラタロスが驚く中、モモタロスはそう叫ぶ。

 ウラタロスとキンタロスはそう言うが、モモタロスはそう言って飛び込み、ウラタロスとキンタロスも続いた。

 果たして、その行き先とは……………。

 


 

 一方、2027年のマコトミライタウン。

 そのタワーマンションの一つにある部屋では。

 

「ふわぁ…………よく寝た」

 

 一人の男の子が目を覚ましていた。

 彼は、野上(のがみ)誠太郎(せいたろう)

 マコトミライタウンに住む中学生の男の子だ。

 誠太郎は私服に着替えると、仏壇の方へと向かう。

 そこには、男女の写真が置いてあった。

 誠太郎が手を合わせていると。

 

「誠ちゃん、おはよう」

「おはよう。姉さん。父さんと母さんに挨拶してたんだ」

「そっか。ご飯出来てるよ」

「うん。すぐ行くよ」

 

 そんな風に、誠太郎に声をかける人物がいた。

 彼女は、野上(のがみ)愛菜(あいな)

 誠太郎の実の姉である。

 両親は亡くなっており、今は二人で暮らしている。

 誠太郎は愛菜と共に朝食を取る。

 

「そういえば、今日はあんなちゃんの誕生日よね?」

「うん。これからプレゼントを買いに行くんだ」

「そうね。私も、料理を色々と作ってから向かうから、先に行ってて」

「うん」

 

 二人はそんな風に話す。

 幼馴染の女の子の誕生日であり、誠太郎はプレゼントを買いに行くのだと。

 二人はそう話すと、誠太郎は出かけていく。

 


 

「……………さて、プレゼントはこれでいいのかな……………」

 

 誠太郎はそう呟きながら、右手を見つめる。

 そこには、プレゼントの箱があった。

 すると。

 

「あれ?誠太郎君だ!」

「あっ、あんなちゃん!」

 

 お母さんと一緒にいる女の子が、誠太郎に気づくと、そんな風に声をかける。

 それに気づいた誠太郎はそう答える。

 彼女は、明智あんな。

 誠太郎とは幼馴染であるのだ。

 すると、あんなのお母さんが話しかける。

 

「あら、誠太郎君、こんにちは」

「こんにちは」

「誠太郎君、来てくれたんだ!」

「うん。あんなちゃんへの誕生日プレゼントも買ってあるから」

「ありがとう!」

 

 あんなのお母さんが挨拶をすると、誠太郎はそう答える。

 今日は、あんなの誕生日なのだ。

 その為、誕生日プレゼントも用意していた。

 あんながそう言うと。

 

「そうだ。せっかくなら、誠太郎君も一緒に来ない?」

「え?いいんですか?」

「うん!誠太郎君のプレゼントも、パーティーの時に受け取りたいから!」

「…………そっか。なら、お言葉に甘えますね」

 

 あんなのお母さんは、誠太郎にそんな風に提案をする。

 それを聞いた誠太郎がそう聞くと、あんなはそう答えて、誠太郎も了承する。

 こうして、誠太郎もあんなの家に向かう事になった。

 だが、この時の誠太郎は知らなかった。

 あんなと共に、過去に向かう大冒険をする事になるのだと。

 


 

 2027年1月24日。

 マコトミライタウンのとある道。

 

「私、持つ!」

「えっ?」

「誕生日パーティー、間に合わないよ!」

「そんなに急ぐと、崩れるって!あんな!」

「分かってるって!誠太郎君も早く!」

「うん」

 

 あんなはお母さんから箱を取ると、駆け出そうとする。

 あんなのお母さんは、そんな風に話しかけると、あんなはそう答えて、誠太郎にも話しかける。

 誠太郎がそう答える中。

 

「うっうっ………うぇーん…………!」

「「っ!」」

 

 そんな泣き声が聞こえてくると、あんなと誠太郎はお互いに頷き、その声がする方へと向かう。

 そこには、1人の女の子が泣いていた。

 

「ねぇ、どうしたの?」

「ウッ、ウッ…………!」

「迷子かな…………」

 

 あんながそう話しかけるが、その女の子は泣いているだけだった。

 あんなのお母さんが困惑しながらそう言う中、麦翔とあんなは。

 

「…………もしかしたら。あんなちゃん、この子の事は僕に任せて」

「うん!すぐに見つけてあげる!」

「…………えっ?」

「私、嘘つかないから!それ、お願い!」

 

 誠太郎とあんなは、お互いに何かに気づいたのか、誠太郎はそう言う。

 あんなの言葉を聞いて、女の子が振り返ると、あんなはサムズアップしながらそう言う。

 あんなは箱をお母さんに渡し、茂みの中を探す。

 すると。

 

「あったよー!」

「わぁ…………!」

 

 茂みから出てきたあんなは、リボンを片手に持っていた。

 リボンを女の子に渡したあんなは、自宅へと戻る。 

 その際、誠太郎も同行していた。

 

「あの子のリボンが風で飛ばされたってよく分かったね」

「リボンが片方だけだったから、ピンときたんだ!」

「あの髪型で、片方しかリボンをつけていないのには、違和感を感じたので」

 

 あんなのお母さんがそう聞くと、あんなと誠太郎はそう答える。

 リボンを片方しか付けていないのを見て、リボンが飛ばされてしまったのだと察したのだ。

 すると、あんなは箱を開ける。

 箱の中身は、誕生日のお祝いのホールケーキだった。

 

「わぁ~………!はなまる美味しそう〜………!さぁ、わたしも準備するぞ!」

「はりきってるね」

「確かにね」

「当たり前でしょ。今日は特別な日にするんだから!コートおいてくる!」

 

 あんなは、ケーキを見てそんな風に言う。

 それを見ていたあんなのお母さんと誠太郎がそう言うと、あんなはそう言って、自室に向かう。

 ちなみに、パーティーは1時から行う予定だ。

 すると、インターホンが鳴る。

 

「ごめん下さ〜い!」

「あら、料理が来たみたいね。誠太郎君、悪いんだけど、対応してくれない?」

「分かりました」

 

 そんな声が聞こえてきて、あんなのお母さんは誠太郎に対応するように頼み込む。

 誠太郎がそう言って、ドアを開けると。

 

「は〜い……………姉さん」

「お待たせ!誠ちゃん、運ぶの手伝ってくれない?」

「うん」

 

 そこに居たのは、愛菜だった。

 愛菜がそう言うと、誠太郎は料理を一緒に運ぶ。

 

「ありがとうね。料理はテーブルに置いておいてくれない?」

「ええ。失礼しま〜す」

 

 あんなのお母さんがそう言うと、愛菜は中に入り、テーブルに料理を置く。

 そんな中、あんなはコートを脱いでいると、ある物が目に入る。

 それは、懐中時計だった。

 それを見たあんなは口を開いた。

 

「お母さん!ありがと~!」

「えっ?何が?」

「誕生日のプレゼントだよ!」

「何言ってんだか。プレゼントはスマホを買ってあげるって話でしょ」

「誠太郎く〜ん!見て見て〜!」

「うん。今行くよ」

 

 あんなは、その懐中時計が誕生日プレゼントなのではと思い、あんなのお母さんに向かってそう叫ぶ。

 それに対して、あんなのお母さんはそう呟く。

 あんなが誠太郎を呼ぶと、誠太郎はあんなの自室へと向かう。

 それを見ていた2人の母親は。

 

「あの2人、本当に仲良しね」

「ええ。本当に」

 

 あんなのお母さんがそう言うと、愛菜はそう呟く。

 感慨深く見ていた。

 

「どう?これ!」

「うん。似合ってるよ」

「ありがとう〜!さすが14歳!大人の雰囲気~!」

 

 あんなが懐中時計を首から下げた姿を誠太郎に見せると、誠太郎はそう答える。

 あんながご満悦の表情を浮かべていると。

 

「ポチ〜………」

「ん?誠太郎君、何か言った?」

「いや、僕は何も…………」

 

 そんな声が聞こえてきて、あんながそう聞くと、誠太郎はそう答える。

 すると、クローゼットが開くと。

 

「ポッチ~!」

 

 クローゼットから何かが出てきて、あんなの胸へと飛びつく。

 それに気づいたあんなは。

 

「あぐっ!え?えぇー⁉︎何?犬⁉︎ねこー⁉︎」

「ポチタンだポチ!」

「ポチタン…………?」

 

 あんなは、その生き物を見て、そんな風に困惑していた。

 すると、その生き物はポチタンと名乗った。

 それを聞いて、誠太郎がそう呟くと。

 

「し………しゃべ………⁉︎」

「静かにするポチ!」

「むぐぅ⁉︎」

 

 あんなは、ポチタンが喋ったのを見て、そんな風に大声を出そうとすると、ポチタンはあんなの口へと張り付く。

 あんなは、ポチタンを何とか引き剥がす。

 

「なっ…………⁉︎というより、誠太郎君は何で驚いてないの⁉︎」

「何でかな…………?」

 

 あんなは、ポチタンに困惑しつつも、驚いていない誠太郎に対してそう言うと、誠太郎は苦笑しながらそう呟く。

 誠太郎は肝が据わっている方であるのだ。

 それも、今のところは何も無いが、なかなかの不幸体質であり、ことあるごとに何かが起こり、動じなくなっていたのだ。

 すると。

 

「一緒に来てほしいポチ!このペンダントで!」

「うわっ⁉︎うわぁーっ⁉︎」

「あんなちゃん⁉︎」

 

 ポチタンはそんな風に叫ぶと、あんなを押す。

 ポチタンに押されたあんなは倒れかけて、誠太郎はあんなを支えようとする。

 すると、あんなが首から下げていた懐中時計のカバーが開くと、光が出てくる。

 長針が12時の方向を指すと、長針と短針が回転していく。

 まるで、時間を遡るかの様に。

 

「まだ説明が終わってないポチー!」

「一体何が…………⁉︎」

 

 ポチタンがそう叫ぶ中、誠太郎は困惑した様にそう呟くと、光が強くなっていき、あんなと麦翔とポチタンを包んでいく。

 そんな中、廊下では。

 

「あんな~。何さわいで…………あれ?いない…………?」

「誠ちゃ〜ん。何を騒いで…………え?居ない………?」

 

 あんなの母親と愛菜がそう言って、あんなの自室に入ると、そこにあんなと誠太郎の姿は無かった………。

 


 

 そんな中、1999年のまことみらい市と呼ばれる街。

 とある建物の前に、1人の少女がいた。

 

「キュアット探偵事務所…………!ついにこの日が来た!絶対、テストに受かる!」

 

 その少女は探偵の様な服装をしており、そんな風に意気込んだ。

 少女は、キュアット探偵事務所の扉をノックしようとする。

 

「すみませ…………!うぃー⁉︎」

 

 少女がドアをノックしようとすると、空が光り、少女は光の方へと視線を向ける。

 

「うん…………?」

「「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」」

「うえぇー⁉︎ああぁぁーー⁉︎」

 

 その少女が目を細めながらその光を見ていると、光から誠太郎とあんなの2人が現れる。

 少女が慌てていると。

 

「ポ~チ!」

「うはー⁉︎うっ⁉︎」

 

 ポチタンはそんな風に言うと、大きく膨らんで、クッションの様になった。

 その際、下にいた少女を巻き込んでいた。

 

「…………っと、な………何なの…………?」

「どうして外に…………?」

「ポッチ〜!」

 

 あんなと誠太郎はそう呟くと、ポチタンから降りる。

 その際、開いていた懐中時計のカバーは閉じていた。

 ポチタンがそう言いながら、元の姿に戻ると。

 

「これのせい?もう何がどうなってんの?訳がわからないんだけど〜⁉︎」

「ちょっと…………落ち着いて…………」

 

 あんなは、首にかけていた懐中時計を外すと、ポチタンを揺さぶる。

 誠太郎が落ち着かせようとしていると。

 

「ほえ〜…………。はっ!妖精だ!」

「ポチ?」

「え?」

 

 目を回していた女の子が、ポチタンに気づいてそう叫ぶと、あんなと麦翔はその女の子を見る。

 その女の子が2人に近寄ると。

 

「妖精と一緒ということはキュアット探偵事務所の名探偵ですね!」

「へ?」

「キュアット探偵事務所…………?」

 

 その女の子がそう言うと、2人は困惑していた。

 すると、その女の子は自己紹介を行う。

 

「わたし、小林(こばやし)みくるです!」

「みくるか…………。僕は野上(のがみ)誠太郎(せいたろう)って言うんだ。それで、こっちが…………」

「あっ、わたし、明智(あけち)あんな!………って!そうじゃない!」

 

 その少女は、小林みくると名乗った。

 それを聞いた誠太郎とあんなも名乗ると、あんなはそう叫ぶ。

 

「妖精って何⁉︎部屋にいたのに、どうしてここに⁉︎」

「落ち着いて……………」

「…………もしかして、探偵テストはもう始まってる?」

 

 あんなは困惑した様にそう叫んだ。

 誠太郎があんなを落ち着かせようとする中、みくるはそう呟いていた。

 すると。

 

「もう〜!」

「お答えしましょう!かの有名な探偵シャーロック・ホームズは、靴のよごれや傷を見て、どこから来たのか言い当てます! あなた達は、ずばり!」

 

 あんながそう叫ぶ中、みくるはそう言う。

 みくるはそう叫ぶと、虫眼鏡を持って、2人の足を見る。

 だが、2人は靴を履いていなかった。

 

「靴…………はいてな~い⁉︎」

「まあ…………さっきまで部屋に居たからね…………」

 

 それを見て、みくるがそう叫ぶ中、誠太郎は苦笑しながらそう言う。

 そんな中、キュアット探偵事務所と呼ばれる建物の近くには。

 

「おい、ここどこだよ⁉︎」

「さぁね。しかも、この状態になるなんて………」

「もしかしたら、あの歪みを通った影響か?」

 

 そこには、モモタロス達の姿があった。

 ただし、砂の様な状態になっていて、上半身と下半身が反転している。

 これは、イマジンの契約前の状態なのだ。

 歪みを通ったことで、実体を保てなくなっていたのだ。

 

「こうなったらしゃあないで。しばらくはこのままでいるしかないな」

「もしくは、新しい契約者を見つけるか」

「どうする?」

「それしかねぇな」

 

 モモタロス達はそんなふうに話をする。

 


 

 その後、何とか落ち着いた3人は、あんなと誠太郎の為に、靴屋に向かう事に。

 靴屋に向かう中、誠太郎は周囲を見渡していた。

 

『…………それにしても、何で部屋から外に移動したんだ?それに…………1月にしては、少し暖かいし……………』

 

 誠太郎はそんな風に考えていた。

 部屋からいつの間にか外に移動していた事、1月にしては暖かい事を気にしていた。

 すると。

 

「…………ん?えっ?」

 

 誠太郎は、ある物が目に入る。

 それは、カレンダーだったのだが、そこの年と月の表記が、『1999年4月』となっていたのだ。

 

「1999年4月…………⁉︎」

「どうしたの?誠太郎君?」

「あ…………ごめん!すぐ向かうよ!」

 

 誠太郎がカレンダーを見て唖然となる中、誠太郎が立ち止まっている事に気づいたのか、あんながそう話しかける。

 誠太郎はそう答えると。

 

『どうなってるの…………?何で1999年に…………?』

 

 誠太郎はそう考えていた。

 そこから考え込んでいると。

 

「あれ?そういえば…………」

 

 誠太郎はそう呟くと、財布を取り出した。

 すると。

 

「…………あれ、通貨が当時の物になってる?」

 

 誠太郎はそう呟いた。

 お金が2027年準拠の物から、1999年準拠の物に変わっていたのだ。

 

「…………よく分かんないけど、今は助かるよ」

 

 誠太郎はそう呟くと、あんな達の元へと向かう。

 靴屋に到着すると、とあるCMが流れていた。

 

「新機能満載、つながるその先へ!」

『………やっぱり、本当に1999年に来たんだな…………』

 

 それは、携帯のCMだった。

 だが、今のスマホではなく、当時のガラケーの様な物だった。

 それを見て、改めて、過去に来たのだと誠太郎は実感していた。

 誠太郎は一足先に靴を選び終えて、会計は済ませていた。

 あんなとみくるはというと。

 

「ぴったりだ…………!」

「…………」

「どっちのがいい?」

「こっち!…………じゃない!」

 

 あんなはピンク色の靴を履いていた。

 みくるが黙っていると、あんなはピンク色と茶色の靴をみくるに見せる。

 みくるがピンク色の靴を選ぶと、そう叫ぶと、口を開く。

 

「部屋から落ちてきたなんてありえませんよ!」

「ほんとだって」

「信じられないかもだけどね…………」

「ポチポチ!」

 

 みくるはそんな風に言う。

 先ほど、部屋からいつの間にか外にいた事を聞いたみくるは、信じられないと思っていた。

 あんなと誠太郎がそう言う中、いつの間にかおしゃぶりを咥えたポチタンがそう言う。

 

「ポチポチじゃ分からないよ」

「あれ?その子、おしゃぶりなんて付けてたかな?」

「そうですね…………この子、おしゃぶりをしているし、赤ちゃんですね。だからしゃべれないのかと」

「えっ?でもさっき………」

「普通に喋ってたんだけどな…………」

 

 ポチタンの言葉に、あんながそう言う中、誠太郎はそう呟く。

 みくるもポチタンを見つめながらそう言うと、あんなと誠太郎はそう呟く。

 部屋に居た時、普通に喋っていたのだから。

 すると。

 

「何らかの理由で赤ちゃんになり、しゃべれなくなった。今の推理でどうでしょう!探偵テスト合格ですか?」

「探偵テスト?」

「何?その探偵テストって…………?」

 

 みくるはそんな風に推理をする。

 何らかの理由で赤ちゃんの状態になってしまい、ポチタンは喋れないのだと。

 みくるがそう聞く中、2人が困惑してそう聞くと。

 

「その質問なら、簡単です!名探偵は、色々な事件を調べて解決し、人々を助ける!みんなのあこがれ!希望!わたしは、そんな名探偵になるために探偵テストを受けに来たんです!」

「そうなのか…………」

「名探偵ってすごいんだね!」

「よし!」

 

 みくるはそんな風に叫ぶ。

 みくるが名探偵を志す理由は、人々を助ける名探偵に憧れたからだ。

 誠太郎とあんながそう言うと、みくるは好印象を稼げたと思ったのか、『100点』というプラカードを持って、ガッツポーズを取る。

 すると。

 

「ポチ!ポ~チ~!」

「え⁉︎」

「おしゃぶりが紐に…………⁉︎」

 

 ポチタンがそう言うと、おしゃぶりが消えて、紐が生成され、あんなにくくりつく。

 すると、次の瞬間。

 

「ポチ〜!」

「うわぁ〜⁉︎」

「ちょっと!」

「靴の代金…………!」

 

 ポチタンはそう叫ぶと、あんなを引っ張って連れて行く。

 それを見て、みくると誠太郎はそう言う。

 一方、ポチタンに連れられたあんなはというと。

 

「ポッチ〜!」

「はぁ………はぁ………ハッ⁉︎…………お金はらってない!」

 

 ポチタンに無理矢理引っ張られ、あんなは息を切らしていた。

 あんなは、靴の代金を払っていない事に気づいて、そう言う。

 すると、みくると誠太郎が追いついた。

 

「靴の代金、立てかえときました」

「ありがとう」

「それにしても、急にどうしたんだろう………」

「ポチポチ!」

 

 みくるがそう言う。

 あんなが履いていた靴の代金は、みくるが立て替えたのだ。

 あんながお礼を言う中、誠太郎がそう呟くと、ポチタンはある場所を指差す。

 

「ここって…………」

「結婚式場?」

「何でこんなところに…………?」

 

 ポチタンが指さしたのは、結婚式場だった。

 それを見て、3人がそう呟き、結婚式場の中に入ると。

 

「ない!どこに行ったの⁉︎」

 

 1人の女性が、ロビーにある植え込みの中を探していた。

 すると。

 

「幸野さん。ありがとうございます」

「「花嫁さんだ〜!」」

「まあ、結婚式場なら居るよね」

 

 そこに、幸野という女性に話しかける花嫁がいた。

 あんなとみくるが目を輝かせて、誠太郎がそう呟く中、花嫁は口を開く。

 

「もう…………あきらめます」

「「「えっ?」」」

「でも……」

「…………式に間に合いませんから」

 

 花嫁は浮かない顔でそう言う。

 あんな達がそんな風に呟く中、幸野さんがそう言うが、花嫁は時計を見つめながらそう言う。

 すると。

 

「たちゅ………けて」

 

 ポチタンはそんな風に呟いた。

 それを聞いたあんなと誠太郎は。

 

「…………誠太郎君」

「うん」

 

 あんなと誠太郎はそんな風に言うと、お互いに頷き合い、前に出る。

 

「あの!困っていることがあるなら、お手伝いします!」

「話を聞かせて下さい」

「えっ⁉︎」

 

 あんなと誠太郎はそんな風に話しかける中、みくるは驚いていた。

 


 

 一方、結婚式場の外では。

 

「おい。本当にどこなんだよ、ここは!」

「分かんないなぁ…………」

「僕にも分かんない」

 

 モモタロス達はそんな風に話していた。

 すると。

 

「先輩達!分かったよ!この時代がどこなのか!」

「この時代やと?」

「この時代は1999年の4月だよ」

「1999年の4月⁉︎」

「何でそんなところに飛ばされたんや⁉︎」

 

 そこに、ウラタロスがやってくる。

 そして、この時代が1999年の4月である事を伝えた。

 それを聞いて、リュウタロスとキンタロスが驚いていると。

 

「分かんねえが…………とにかく、この時代にイマジンがいるのなら、探すぞ!」

「やれやれ…………」

「まあ、それもそうやな」

「OK!」

 

 モモタロスはそんな風に言う。

 今はとにかく、イマジンを探すのだと。

 それを聞いて、ウラタロス達も動く。

 


 

 その頃、あんな達は話を聞く事にしていた。

 

「あらためまして。わたしは、式場のスタッフの幸野です」

「想田まりです。実は式で着けるティアラがなくなったんです」

 

 ウェディングプランナーである幸野さちよと花嫁である想田まりはそう名乗った。

 それを聞いた3人は。

 

「「ええっ⁉︎」」

「失礼ですが…………そちらのティアラは?」

「1時からの式に間に合うように式場が用意してくれたんです」

「まりさんのと、形と大きさも、似た物をなんとか用意しました。これが、まりさんのティアラです」

 

 あんなとみくるがそう反応する中、誠太郎は近くに金色のティアラが置いてあるのを見て、そんな風に聞く。

 麦翔の質問に対して、まりとさちよはそう答えて、さちよはある写真を見せる。

 その写真には、銀色と青を基調としたティアラを頭につけているまりが映っていた。

 

「お母さんも、結婚式でこのティアラを着けたんです。私も着けて、式をあげたかったんですが、この部屋から消えてて…………」

「突然消えるなんて…………」

「なるほど…………」

「はっ!まさか、これが本当の探偵テスト!」

 

 まりがそう説明すると、あんなと麦翔はそう呟く。

 そんな中、みくるはこの状況が探偵テストの一環であると思い込んでいた。

 すると。

 

「絶対に…………わたしが見つけてみせます!」

「みくるちゃん?」

 

 みくるがそんな風に意気込む中、誠太郎はそう呟く。

 その後、部屋に男性1人と女性1人を呼んだ。

 

「どうしたの?よび出したりして」

 

 女性の1人が訝しむ様にそう言うと、みくるが口を開く。

 

「まりさんが最後にティアラを見てから、この部屋に出入りしたのはあなた方3人。この中に、ティアラをとった犯人がいます!」

「「「えっ?」」」

 

 みくるはそんな風に言うと、3人を指差す。

 それを聞いて、3人が困惑する中。

 

「まさか!ありえないですよ!」

「とりあえず…………犯人がこの中に居るのかどうかは置いておいて、それぞれの名前と、何をしていたのかを聞かせてもらえませんか?」

「で、ですよね〜…………」

 

 まりがそんな風に言うと、誠太郎は助け舟を出しているのか、そんな風に言い、みくるは気まずい表情を浮かべる。

 この中に居るのは、まりとさちよ以外には、カメラマンの宇都見将太、まりの友人である藤井ともかの2人だった。

 宇都見とともかの2人は口を開く。

 

「ボクは花嫁さんを撮りに来たんだ」

「私は、まりにお願いがあって来たの」

「お願いって?」

「ブーケを、ともかのほうに投げてほしいって」

「あっ!ブーケトス!」

「そっ!花嫁さんが投げたブーケをキャッチすると、幸せをおすそ分けしてもらえるの!ずっとあこがれだったんだ~!」

 

 宇都見がそう言う中、ともかはそんな風に言う。

 ともかは、ブーケトスの際に、自分の方に投げて欲しいと頼み込んでいたのだ。

 あんながそう言うと、ともかはそう言う。

 それを聞いていた宇都見と誠太郎は。

 

「お願いって、アリなんだ…………」

「それはそれでどうなんですか?」

「まり、OKって言ってくれたよね?」

「ともかが珍しく遅刻しないで来てくれたから、つい…………」

『うん?珍しく?』

「なるほど…………」

 

 宇都見と誠太郎は、ブーケトスに関する癒着を見て、そんな風に呟く中、ともかがそう聞くと、まりはそう答える。

 それを聞いて、誠太郎が違和感を感じて、みくるがそう呟きながらメモをとっていると。

 

「私は式の準備で部屋に出入りしていました」

「みんな、ここに来た時も今と同じ服装でしたか?」

「ええ、ティアラを隠せるようなものは、何も……………」

「そうですか…………」

 

 さちよは、準備の為に出入りしていた事を証言する。

 あんながそう聞くと、さちよはそう答える。

 そんな中、誠太郎は。

 

『…………まりさんの話によると、ともかさんは遅刻の常習犯。友人の結婚を祝う為に、頑張って遅刻しない様にしたのなら筋は通ってる。でも、何だろう?この違和感……………』

 

 誠太郎は、先ほどから感じた違和感を考えていた。

 そんな中、みくるが口を開く。

 

「帽子………帽子の中に入れたとか?」

「はぁ?」

「たしか、このティアラ…………まりさんのとほとんど同じ大きさ。帽子…………いいですか?」

「あ、ああ」

 

 みくるがそう言うと、宇都見は困惑の表情を浮かべる。

 あんなは予備のティアラを持って、宇都見に近寄ると、そう聞く。

 宇都見は被っていた帽子をあんなに渡す。

 帽子の中に入れば、ティアラを持ち出せる可能性があるからだ。

 だが、結果は………。

 

「う~ん…………。入らない。これじゃ運べないよ」

「帽子よりも、ティアラの方が大きいね」

 

 あんながそう言うと、誠太郎もそう言う。

 帽子よりもティアラの方が大きく、これだとバレる可能性が高い。

 

「ともかさんのバッグは?」

 

 みくるがそう聞くと、ともかはバッグを出して、見せる。

 ティアラと重ねて見るが……………。
 
「これも入らないよ」

「幸野さんのポーチも、サイズ的にティアラを入れるのは無理そうだね」

 

 あんなと誠太郎はそう言う。

 実際、2人のポーチとバッグでは、ティアラを隠すのは不可能だからだ。

 すると。

 

「ありがとう……………。もう本当にいいんです。やっぱり…………ティアラはあきらめます」

 

 まりは、悲しげな顔でそう言う。

 それを聞いて、あんなとみくるは悲しそうな表情を浮かべる。

 そんな中、誠太郎は。

 

『…………現状から、何かにティアラを入れて持ち運ぶのは不可能。だとすると、どこかに紛れた可能性もある。もしくは、盗むまでに隠すつもりなのか……………』

 

 誠太郎はそう考えていた。

 あんなとみくるが部屋を出ようとする中。

 

「ごめん、もう少し聞きたい事があるから、先に行ってて」

「うん」

 

 落ち込むみくるをあんなが慰める中、誠太郎はそう言う。

 あんなとみくるが部屋から出る中、誠太郎はまりに話しかける。

 

「失礼ですが……………ともかさんが遅刻をしなかった日というのは、ありますか?」

「いえ…………本当に遅刻をしなかった事があまり無くて、珍しいなって……………」

「そうですか…………。あと、それと。ブーケトスの件は、どのタイミングでされたんですか?」

「えっと…………ともかが来てすぐにです」

「……………分かりました。ありがとうございます」

 

 誠太郎はそう聞くと、まりはそう答える。

 ともかは遅刻の常習犯であり、今日の結婚式に遅刻をしなかったのが珍しいと感じていたのだ。

 そして、ブーケトスの件を話した。

 それを聞いた誠太郎はそう言うと、外に出る。

 

『……………間違いない。犯人はあの人だ。だけど…………問題は肝心のティアラだ。持ち出すのが不可能なら、一旦隠したと考えるべきだろうけど…………』

 

 誠太郎はこれまでの証言から、犯人が分かったのだ。

 だが、肝心のティアラの場所が分からなかったのだ。

 考える中。

 

『そういえば、みくるちゃん、かなり落ち込んでたな。心配だから、様子を見に行くか』

 

 誠太郎は、みくるがやけに落ち込んでいたのを見て、心配になって、様子を見に行く事にした。

 そんな中、みくるは噴水に座って、帽子やケープを脱いで、メモを見ていた。

 

「ティアラを持ち出した方法が分かれば、犯人が分かるはずなのに…………。その方法が分からない……………。私って………いつも………」

 

 みくるはそんな風に呟いていた。

 ティアラを持ち出した方法が分からず、壁にぶつかっていた。

 みくるが自分を責めている中。

 

「みくるちゃん………みくるちゃん!」

「あっ…………」

「大丈夫か?」

 

 あんなと誠太郎がそんな風に話しかける。

 思い詰めた表情をしていたのもあって、2人は心配していた。

 

「分からないんです…………。これじゃ、まりさんを笑顔にできない。名探偵にだって………」

 

 みくるはそんな風に呟いていた。

 すると、あんなと誠太郎が口を開く。

 

「どうして、名探偵になりたいの?」

「何か理由があるのかい?」

「私も助けられたから…………」

「助けられた?」

「うん。今度は、私が名探偵になって、皆を助けたい!」

 

 あんなと誠太郎がそう聞くと、みくるはそう答える。

 かつて、みくるも名探偵に助けられ、そこから名探偵を志す様になったのだと。

 それを聞いたあんなは。

 

「…………やっぱり、すごいんだね」

「えっ?」

「名探偵なら、ティアラを見つけてまりさんを笑顔にできるんでしょ?」

「ええ………きっと」

「だったらなろうよ、名探偵に!」

「でも…………」

 

 あんなはそう呟いた。

 みくるがそう反応する中、あんなはそう話しかける。

 名探偵になろうというあんなの言葉に、みくるが戸惑う中。

 

「…………きっとなれるさ」

「えっ?」

「それだけ悩んでいるのは、本気でまりさんを助けたいって思っているからなんだろ?」

「っ!」

 

 誠太郎はそう呟く。

 みくるが反応する中、誠太郎はそう言う。

 みくるが壁にぶつかっているのも、本気でまりさんを助けたいという気持ちがあるのだと、誠太郎は感じていたのだ。

 すると、あんなが口を開く。

 

「悩んでるだけじゃ、始まらないよ!一歩踏み出せば、答えはついてくる!『一歩の勇気が、答えになる』………だよ!」

「ポチ〜!」

 

 あんなはそう言うと、みくるの手を取る。

 ポチタンがそう答える中、あんなは口を開く。

 

「みくるちゃん、行こう!もう一度全部調べよう!」

「…………っ!はい!」

「…………大丈夫そうだね」

 

 あんなはみくるにそう話しかける。

 みくるは、憑き物が取れた様な笑顔を浮かべて、誠太郎はそう呟く。

 すると、風が吹いて、みくるの髪を結んでいた片方のリボンが宙を舞う。

 そして、花壇の方に流されて、落ちる。

 それを見たあんなは。

 

「今日、二回目だ」

「二回目?」

「うん。さっきもね、みくるちゃんに会う前に、植え込みの中に落ちた女の子のリボンを探すの、手伝ってたんだ」

「そうだったね。植え込みの中に落ちると、なかなか見つからないからね」

 

 あんなはそう呟きながら、みくるのリボンを回収する。

 誠太郎も先程の出来事を思い出して、そんな風に呟く。

 すると。

 

「……植え込みの……中……」

「……花……?」

「なかなか見つからない…………」

 

 3人はそんな風に呟いて、考えていた。

 すると、3人の中で、点と点がつながった。

 

「「あっ………!見えた!これが……答えだ‼︎」」

「犯人は………!」

「あの人だ!」

「これなら…………ティアラを隠す事が出来る!」

 

 3人はそう叫ぶ。

 犯人と、ティアラを隠した場所が分かったのだ。

 3人は頷くと、すぐに控え室の方に向かう。

 果たして、ティアラを盗んだ犯人とは…………。

 


 

 ティアラを捜索していた誠太郎達は、ティアラのある場所と犯人が分かった。

 その後、あんな達は先程話を聞いた3人を控え室に集めたのだった。

 

「犯人が分かりました!」

「「「えっ⁉︎」」」

「一体、誰なんだ⁉︎」

 

 みくるがそう言うと、3人は驚愕の表情を浮かべる。

 そして、宇都見が犯人が誰かを聞く。

 それを聞いたあんなとみくると麦翔は。

 

「「犯人は……あなたです!」」

「今回のティアラの紛失…………犯人はあなたですね。想田まりさんの友人である藤井ともかさん」

 

 3人はそう言うと、ともかに指を向ける。

 犯人は、藤井ともかだと。

 それを聞いたともかは。

 

「やだな~。ティアラってポーチに入らなかったでしょ?外に持ち出せるはずがないよ」

 

 ともかは苦笑を浮かべながら、そんな風に言う。

 それに対して、あんな達は。

 

「ええ。ティアラはまだこの部屋にあるんです」

「「「えっ………⁉︎」」」

「確かに、あなたの言う通り、ティアラは持ち出せない。だとすると、どこかに隠すのが定石だ」

「あなたは、自分にブーケを投げてほしいってまりさんに頼んで、ティアラをブーケの中に入れた」

 

 みくるがそう言うと、誠太郎もそう言う。

 2人がそう言う中、あんながブーケに近づくと。

 

「そして………まりさんからブーケを受け取った後に、ティアラを抜き取るつもりだったんだ!」

 

 あんながそう言うと、ブーケからティアラを取り出す。

 宇都見とさちよがともかに視線を向ける中、誠太郎は口を開く。

 

「それに、あなたはミスを犯した。まりさんの話によると、あなたは遅刻の常習犯。遅刻癖というのは、睡眠不足や精神的な物も色々と合わさって、そう簡単には治りません。そして…………友人の結婚なら、まずは祝福の言葉をかけるのが普通です。なのに、あなたはブーケトスのお願いを優先した。ティアラを盗む為に。違いますか?」

 

 誠太郎はそう言う。

 遅刻癖がそう簡単には治らない物である事、友人の結婚というめでたいイベントの中で、ブーケトスのお願いを優先した。

 それが、違和感となっていたのだ。

 

パチ……パチ……パチ……

 

 すると、ずっと黙り込んでいたともかが拍手をしながら立ち上がる。

 

「ふふふ…………やるじゃない。でも、一つだけ、大きな間違い…………いや、そこの(誠太郎)と同じ言い方をすれば、大きなミスを犯しているよ」

「「えっ?」」

「どういう意味だ?」

「ボクは…………ともかではないんだ!」

 

 ともかは顔を上げると、悪人の様な顔になっていた。

 ともかがそう言う中、あんなとみくるがそう呟き、誠太郎がそう聞くと、ともかはそう言って服に手をかける。

 服を脱ぎ捨てる様に腕を動かすと、そこに居たのはともかでは無かった。

 誠太郎達の目の前にいたのは、男であり、薄緑の長い髪にシルクハットを被っていて、タキシードを着用しており、ドミノマスクを付けていた。

 その青年は、左手に薔薇を持ちながら口を開く。

 

「僕はニジー!怪盗団ファントムの………怪盗さ♪」

「怪盗団………ファントム…………⁉︎」

「怪盗団だと…………⁉︎」

 

 その青年は、ニジーと名乗り、そんな風に言う。

 みくると誠太郎がそう呟くと。

 

「惚れ惚れする…………変装だったろう!…………いただくよ」

 

 ニジーはそう言うと、あんなとみくるの間に向かって接近する。

 そう呟くと、ニジーは2人の間を通った。

 

「あっ…………!ティアラが!」

「しまった………!」

「窓から逃げたのか!追いかけよう!」

 

 あんなは、自分が持っていたはずのティアラが消えていた事に気付いた。

 すると、窓が開く音がした。

 それに気付いたみくるがそう言う中、誠太郎はそう言うと、あんなとみくると共にニジーを追いかける事に。

 


 

 そんな中、結婚式場の近くでは。

 

「ねぇ、先輩。どこ行くの?」

「うるせぇ!匂うんだよ!妙な匂いがするんだ!」

「桃の字の鼻は当てになるからな」

「本当に大丈夫なの?」

「うるせぇって言ってんだろ!」

 

 モモタロス達は結婚式場の周囲を歩いていた。

 モモタロスが妙な匂いを嗅ぎつけたとの事で、捜索していたのだ。

 すると、結婚式場からニジーが飛び出したのが見えた。

 

「何あいつ⁉︎怪盗?」

「人間業ではなさそうやな…………」

「じゃあ、イマジンって事?」

「よく分かんねぇが…………行くぞ!」

 

 ニジーの姿を見て、モモタロス達はそう話す。

 普通の人間の様な動きでは無いニジーを見て。

 モモタロス達は、ニジーを追いかける。

 


 

 一方、誠太郎はニジーを追いかけていた。

 だが、ニジーはかなり早く、距離が縮まらなかった。

 

「くっ…………!あいつ…………かなり早い!」

 

 誠太郎はそんな風に呟いていた。

 誠太郎はそこそこ出来るスペックだったが、ニジーのスペックの高さに驚いていた。

 すると。

 

「「うわぁぁぁぁぁ⁉︎」」

「えっ?あんなちゃん⁉︎みくるちゃん⁉︎」

 

 そんな悲鳴が聞こえてくると、誠太郎は声のした方を向く。

 すると、誠太郎の上空を何かが横切る。

 それは、ポチタンに引っ張られたあんなとみくるだった。

 ポチタンに引っ張られたあんなとみくるは、ニジーの進行方向の先にある空き地へと着地する。

 ニジーは、誠太郎とあんなとみくるに挟まれる形になった。

 誠太郎は2人の元に向かう。

 

「2人とも、いつの間に…………⁉︎」

「ティアラを取り返したかったから!」

「…………そうか」

 

 誠太郎がそう呟くと、あんなはそう答える。

 あんなの答えを聞いた誠太郎がそう呟く中、ニジーは逃げもせずに、やれやれと言わんがばかりに肩をすくめていた。

 

「…………困ったベイビーだねぇ」

 

 ニジーは揶揄う様な口調でそんな風に言う。

 それに対して、あんなと誠太郎は口を開く。

 

「ティアラを返して!」

「一体何が目的なの?」

「できない相談だよ。このティアラには………『マコトジュエル』が宿っているんだもの」

「マコトジュエル…………⁉︎」

「何それ…………⁉︎」

 

 あんなと誠太郎がそう叫ぶと、ニジーは2人の言葉を一蹴する様にそう言う。

 マコトジュエルという聞き慣れない単語に、2人が首を傾げる中。

 

「花嫁がティアラを大切にする想いが…………マコトジュエルを引き寄せたのさ」

 

 ニジーはそう言うと、ティアラに手を翳す。

 すると、ニジーの左指に、ティアラとは別の宝石があった。

 アクセサリーの形をしており、中心部には宝石が嵌め込まれていた。

 

「このジュエルを頂くのが、ボクたちの目的」

「なるほど…………ティアラはそのマコトジュエルとやらが宿ってたから狙われたのか………!それを盗んで、何をするつもりなんだ?」

 

 ニジーがそう言うと、誠太郎はティアラが狙われた理由を察した。

 そして、マコトジュエルを盗んで、何を企んでいるのかと問うが、ニジーはその質問には答えなかった。

 

「それは秘密だよ。…………そうだ!ティアラの代わりに…………素敵なショーをお見せするよ!」

「……ショー?」

 

 ニジーはそう言う。

 ショーという単語に、誠太郎が首を傾げていると。

 

「ウソよ覆え!出でよ、ハンニンダー‼︎」

 

 ニジーはそんな風に叫ぶと、手に持っていた薔薇をティアラに投げ刺す。

 すると、次の瞬間、マコトジュエルが黒く染められていく。

 そして。

 

「ハンニンダー!」

 

 そんな声と共に、怪物が現れた。

 その怪物は、ティアラの形をしており、ティアラから腕と足が生えて、ニジーと同じくドミノマスクとシルクハットを被っていて、マントを付けていた。

 その姿は、アルセーヌ・ルパンの要素が入っていた。

 

「「…………っ⁉︎」」

「何だあの怪物は…………⁉︎」

 

 それを見て、あんなとみくるの表情が恐怖で歪む中、誠太郎はそう呟く。

 そんな中。

 

「やっと追いついた……………!何だありゃ⁉︎」

 

 モモタロス達もやっと追いついた。

 すると、ニジーとニジーの近くにいた怪物に気づいて、モモタロスはそう言う。

 

「あの怪物は何だろうね…………?」

「イマジンじゃなさそうだが…………」

「何あれ⁉︎」

「知るか!…………ん?あいつら…………」

 

 モモタロス達はそう話す。

 イマジンとも違う怪物を使役するニジーを見て。

 モモタロスは、誠太郎達に気づいていた。

 そんな中、ニジーが口を開く。

 

「ファントムが新たに開発した『ハンニンダー』さ!」

「ハンニンダー…………?あの怪物の名前か………?」

「さあ、ショータイムだよ、ベイベー!」

「ハン……ニンダー‼︎」

 

 ニジーはそんなふうに言う。

 怪物の名前が、ハンニンダーという存在である事を。

 誠太郎がそう呟く中、ニジーは両手を広げ、舞台役者のように宣言する。

 すると、ハンニンダーは斬撃波を飛ばす。

 斬撃波が当たった木は、あっさりと真っ二つに折れた。

 

「当たったらひとたまりもない…………!」

「あぁ…………⁉︎」

「何とかしないと…………!」

「うん…………!放っておけない!」

「何とかって…………⁉︎」

 

 誠太郎がそう呟く中、みくるは恐怖で体が震えていた。

 命の危険が目の前に迫っているのもあって。

 あんなと誠太郎がそう言う中、みくるがそう呟く中、ニジーが口を開く。

 

「さあ…………探偵ごっこはおしまいだよ。怯える目が全てを物語っている。君は探偵じゃない。探偵気取りの真っ赤な偽物だ」

「……っ……くっ……!」

 

 ニジーはみくるの心を折ろうとばかりに、そんな風に言う。

 みくるは反論しようとするも、声が出なかった。

 唇が震え、必死に泣くまいと堪えているのか、目には涙が溜まっていた。

 すると。

 

「……………それは違うと思う」

「何?」

「彼女はまりさんを助けたいと願い、彼女なりに必死に頑張っている。決して投げ出そうとせずに。人を助けたいという思いが、彼女を動かしている。そんな事が分からないのなら、君に彼女が探偵じゃないと断ずる資格はないよ」

「本物だよ!みくるちゃんは名探偵になるんだ!」

 

 誠太郎はそう口を開く。

 そして、誠太郎に続く様に、あんなもそう叫ぶ。

 それに対して、ニジーは。

 

「名探偵?…………流石にありえないよ」

「なれる!…………助けたいって気持ちがあるから!」

「みくるちゃんなら、きっとなれるよ。名探偵にね」

 

 ニジーはバカにする様に、声のトーンを下げてそう言う。

 それに対して、あんなと誠太郎はそう言う。

 2人の脳裏には、みくるのある言葉があった。

 

『うん。今度は、私が名探偵になって、皆を助けたい!』

 

 それは、みくるの思いだった。

 それに対して、ニジーは口を開く。

 

「そこの彼はともかく、強がってるけど、君も本当は怖いんだろ?」

 

 ニジーはそんな風に言う。

 実際、あんなも恐怖の感情があったのか、手が震えていた。

 誠太郎はあまり手が震えていなかった。

 

「…………そうだよ、怖い…………怖いけど…………ティアラを取り返したい!困っているまりさんを…………私も助けたい!みくるちゃん達と一緒に!」

「…………恐怖の感情を持たない人間なんていない。でも、こんな所で逃げるわけにはいかない。まりさんを助けたい気持ちは同じだから」

 

 あんなと誠太郎はそう言う。

 誠太郎もまた、まりさんを助けたいと思っていた。

 それを見ていたモモタロス達は。

 

「……………」

「どうする?先輩」

「あいつ…………良太郎みたいやな」

「モモタロス。放っておく訳なんてないよね?」

「決まってんだろ」

 

 モモタロス達は、誠太郎に野上良太郎の面影を感じていたのか、そんな風に話していた。

 リュウタロスの問いに、モモタロスはそう答える。

 それを聞いたみくるは手を差し出す。

 

「みくるちゃん…………!」

「一歩の勇気が…………!」

「答えになる…………!」

「うん」

 

 みくるとあんなはそんな風に話す。

 それを聞いて、誠太郎が笑みを浮かべる中。

 

「見せてもらおうかな。その答えとやらを!」

「ハンニンダー!」

 

 ニジーがそう言うと、ハンニンダーはあんな達の元に向かう。

 あんなとみくるが手を握り合うと。

 

「「私達で…………取り返す!」」

 

 あんなとみくるはそう宣言する。

 すると、あんなのスカートのポケットから、懐中時計が飛び出してくる。

 それと同時に、みくるの胸元からも同じ懐中時計が出てくる。

 

「あっ…………!私のと…………」

「同じ…………?」

「同じ懐中時計…………⁉︎」

 

 それを見て、あんな、みくる、麦翔がそう反応する。

 あんなとみくるがその懐中時計を手に取ると、懐中時計は光り出す。

 

「ううっ…………⁉︎」

「何が…………⁉︎」

「プリキュアー‼︎」

 

 懐中時計から発せられる光が強くなり、ニジーと誠太郎は腕で顔を覆う中、ポチタンはそう叫ぶ。

 すると、いつの間にか髪を下ろしたあんなとみくるは光のドレス姿になっていた。

 

「「オープン!ジュエルキュアウォッチ!」」

 

 2人がそう叫んで、懐中時計を投げると、懐中時計はペンダントのサイズから大きくなり、変身アイテムの様な状態になる。

 そのアイテムは、ジュエルキュアウォッチだ。

 2人は、いつの間にか現れたマコトジュエルをジュエルキュアウォッチに装填する。

 

「「プリキュア、ウェイクアップタイム!3!」」

「見つける!」

 

 2人はそう叫ぶと、ジュエルキュアウォッチの長針を3の部分に持っていく。

 すると、あんなの髪はオレンジ寄りの明るい茶髪がお団子型になりつつ、色がピンクのグラデーションがかかった紫色に変化する。

 みくるの髪も、小豆色のロングヘアーから紫のグラデーションが入ったピンク色に変化して、三つ編みとなった。

 目の色も、あんなは澄んだ青緑、みくるは神秘的な紫へと変化した。

 

「「6!」」

「向き合う!」

 

 2人がそう言って、ジュエルキュアウォッチの長針を6の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、2人の服装が変わっていく。

 みくるはノースリーブワンピースが包み、スカートが生成され、腰の部分に水色のリボンが付く。

 あんなは、チューブトップタイプのワンピースに身を包むと、みくると同様に、スカートが生成され、腰に黄色のリボンが付く。

 

「「9!奇跡の2人!」」

 

 2人はそう言うと、ジュエルキュアウォッチの長針を9の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、ブーツとニーハイソックスが生成され、オープンフィンガーグローブがつき、あんなは紫の、みくるはピンクのネイルが入った。

 

「くるっと回して………!」

「キュートに決めるよ!」

 

 2人はそう言うと、ジュエルキュアウォッチの長針を11の部分に持っていく。

 長針が頂点に戻ると、髪飾りとピアスが生成され、胸元に蝶ネクタイとネクタイが合わさった様な装飾が生成されると、ケープも生成される。

 ジュエルキュアウォッチが腰のキャリーに収まると。

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵、キュアアンサー!」

「重ねた推理で笑顔でジャンプ!名探偵、キュアミスティック!」

「「名探偵プリキュア!」」

「私の答え、見せてあげる!」

 

 2人はそう名乗る。

 あんなとみくるは、プリキュアに変身したのだった。

 

「2人が…………プリキュアに…………⁉︎」

 

 それを見ていた誠太郎はそう呟く。

 すると。

 

「おい、お前!」

「うん?ええっ⁉︎」

 

 そんな風に声をかけられて、誠太郎は声のした方を向く。

 そこには、モモタロスの姿があった。

 

「えぇぇぇっ⁉︎赤鬼⁉︎」

「違う!俺はモモタロスだ!説明は後だ!お前の身体を俺に貸せ!」

「僕に……………⁉︎」

 

 モモタロスの姿を見て、誠太郎が驚く中、モモタロスはそう言う。

 それを聞いて、誠太郎が困惑する中。

 

「ハンニンダー!」

「「はああああああああっ‼︎」」

 

 ハンニンダーが迫っており、あんなとみくるの2人は同時にジャンプをして、蹴りを入れる。

 ハンニンダーが吹き飛ばされる中、2人は着地すると。

 

「私……プリキュアって⁉︎」

「名探偵!私がなりたかった…………名探偵プリキュア!」

「ええっ、これが⁉︎」

「凄い…………!」

 

 あんなが戸惑う中、みくるは嬉しそうにそう言う。

 そんな中、モモタロスは誠太郎に話しかける。

 

「どうする?そのまりって奴を助けたいんだろ?どうするのかはお前が決めろ」

「……………いいよ」

「へっ!そうこなくっちゃな!お前、名前は?」

「野上誠太郎」

 

 モモタロスはそんな風に問いかける。

 それに対して、誠太郎は了承した。

 モモタロスが名前を問いかけると、誠太郎はそう答える。

 

「野上…………⁉︎マジか…………!」

「どうしたの?」

「いや、こっちの話だ。行くぜ!」

 

 モモタロスは誠太郎の名前を聞いて、驚いていた。

 何故なら、苗字が良太郎と同じだったのだ。

 誠太郎がそう聞くと、モモタロスはそう言って、誠太郎の中に入る。

 すると。

 

「あいつを狙え!ハンニンダー!」

「ハンニンダー!」

「誠太郎君!」

 

 ニジーは、ガラ空きの誠太郎に攻撃する様にハンニンダーに指示する。

 あんながそう叫ぶ中。

 

「ハン⁉︎」

「何っ⁉︎」

「「えぇぇぇぇっ⁉︎」」

 

 ある光景を見て、その場の全員が驚いた。

 何故なら、誠太郎がハンニンダーの攻撃を受け止めていたのだ。

 誠太郎が俯かせていた顔をあげると、髪が逆立っていて逆M字型になっており所々に赤髪のメッシュが入っていた。

 

「オリャアーッ!」

「ハンニンダー⁉︎」

「お前は…………⁉︎」

「…………俺、参上!」

 

 誠太郎がそう叫ぶと、ハンニンダーは吹き飛ばされる。

 ニジーがそう聞くと、誠太郎はそう言う。

 現在、誠太郎にモモタロスが憑依しているのだ。

 

「誠太郎君…………?」

「どうしたんですか…………?」

「お前ら、やるじゃねぇか。俺も行くぜ!」

 

 あんなとみくるが困惑する中、M誠太郎はそんな風に言うと、ある物を取り出す。

 それは、デンオウベルトとライダーパスだった。

 M誠太郎がデンオウベルトを腰に巻いて、赤いボタンを押すと、待機音声が流れる。

 

「変身!」

 

 M誠太郎がそう言うと、ライダーパスをデンオウベルトにスキャンする。

 

SWORD(ソード) FORM(フォーム)

 

 その音声が鳴ると、M誠太郎の周りにオーラが現れると、それがM誠太郎を包み、姿が変わる。

 更に、アーマーが現れて装着されると、頭部に桃の形をした仮面が現れて、二つに割れる。

 

「えぇぇぇぇぇ⁉︎」

「何ですかそれは⁉︎」

「俺、参上!」

「いや、答えになって無いですよ⁉︎」

「あ⁉︎うるせぇな…………!俺は電王だ!」

 

 変身した誠太郎を見て、あんなとみくるが驚く中、M誠太郎はそう言う。

 誠太郎は、仮面ライダー電王に変身したのだ。

 それを見ていたニジーは。

 

「プリキュアだって……⁉︎……ヤツとは違う……新手か?それに…………電王だと?あいつが言っていた存在か…………⁉︎」

 

 ニジーは小声でそんな風に呟いていた。

 ニジーの口調から、別の名探偵プリキュアがいる事、電王の存在を把握している事が分かった。

 だが、この時の誠太郎達には聞こえていなかった。 

 何故なら。

 

「ハンニンダー!」

「来るよ!」

「ダァァァァァ!」

 

 ハンニンダーが迫ってきており、誠太郎はそう叫んだ。

 ハンニンダーが回転しながら突っ込んでくると、3人はハンニンダーの攻撃を受け止める。

 

「「「うぅぅぅぅ…………!」」」

 

 3人はそんな唸り声を出す中、どんどん下がっていく。

 だが、ある程度下がると止まる。

 そして。

 

「「「ハァァァァァ!」」」

 

 3人はそう叫ぶと、ハンニンダーに蹴りを入れる。

 それを受けたハンニンダーは、大きく吹き飛ばされる。

 ハンニンダーが着地すると。

 

「その程度では倒せないよ!」

「ハンニンダー!」

 

 ニジーがそう言うと、ハンニンダーが再び迫ってくる。

 すると。

 

「へっ!ハンニンダーとか知らねえが、俺は最初からクライマックスなんだよ!行くぜ!行くぜ!行くぜ!」

「うん!」

「はい!」

 

 誠太郎はそう言うと、ハンニンダーに向かっていき、あんなとみくるはそう頷く。

 誠太郎が向かう中、腰についていたパーツをくっつけて、剣の形にする。

 これが、電王の専用武器、デンガッシャーだ。

 

「おらっ!ハァァァァァ!でやっ!」

 

 電王はデンガッシャー・ソードモードでハンニンダーに攻撃していく。

 ハンニンダーが怯む中。

 

「オマケだ!」

 

 電王はヤクザキックを入れて、ハンニンダーを転倒させる。

 一方、誠太郎がハンニンダーを抑えている中、あんなとみくるは。

 

「一歩の勇気が!」

「答えになる!」

 

 2人はそう言うと、顔を見合わせて、力強く頷いた。

 すると。

 

「お前ら、決めるぞ!」

「うん!」

「はい!」

 

 電王がそう言うと、あんなとみくるはそう答える。

 そして、ジュエルキュアウォッチを取り出すと、長針を11に合わせる。

 長針が元に戻る中、電王はライダーパスをデンオウベルトにもう一度スキャンする。

 

FULL(フル) CHARGE(チャージ)

 

「「これが私たちの…………アンサーだあああああああ‼︎」」

「俺の必殺技、パート2!」

 

 2人はそう叫ぶと、光を纏い、ハンニンダーへと向かっていく。

 

「オラっ!ふっ!でやぁぁぁぁ!」

 

 電王は、必殺技であるエクストリームスラッシュを発動して、ハンニンダーにダメージを与える。

 そして、光を纏った拳が、ハンニンダーの胴体を一瞬で貫いた。

 纏っていた光が消えて、ハンニンダーの反対側に着地したあんなとみくるは。

 

「「キュアット解決!」」

 

 そう叫びながら、決めポーズを取る。

 すると、ハンニンダーは光に包まれる。

 

「ハン……ニン……ダ………」

 

 力を失った声とともに、ハンニンダーは光に包まれ、霧のように消えていった。

 すると、光があんなの手元に向かうと、あんなの手にあったのは、マコトジュエルだった。

 

「やんじゃねぇか!」

「くっ………!今日は幕を下ろしておこう!」

 

 電王は、あんなとみくるの2人をそう言う。

 それに対して、ニジーはそう叫ぶと、ボールを地面に叩きつけ、煙幕を出す。

 すると、ニジーは姿を消していた。

 

「いなくなった…………」

「逃げられたか…………」

 

 みくるがそう呟く中、誠太郎はそんな風に呟いた。

 すると、電王はデンオウベルトを外す。

 電王は変身解除して、誠太郎の姿に戻る。

 

「戻った…………」

「お前もよくやったな!」

「うん」

「赤鬼⁉︎」

「えぇぇぇぇ⁉︎」

「今更かよ⁉︎」

 

 誠太郎がそう呟く中、実体化したモモタロスはそう話しかける。

 モモタロスの姿を見て、あんなとみくるがそう叫ぶ中、モモタロスはそう突っ込む。

 そんな中、それを見ていた存在がいた。

 

「電王だと…………⁉︎ここまで追ってきやがったのか…………!」

 

 その謎の怪人は、そんな風に呟いて、その場から離れる。

 果たして、何者なのか。

 


 

 その後、結婚式場ではウェディングベルが鳴り響いていた。

 まりの頭には、あのティアラがあった。

 結婚式が行われる中、変身したままのあんな、みくるは変身解除した誠太郎と共に、少し離れた屋根の上から見ていた。

 

「良かった…………式に間に合って」

「お二人とも、ありがとうございました!」

「私たちのおかげというか…………あっ!怪盗!」

「いや、本物のともかさんだよ」

 

 あんなが安堵の声を出す中、みくるはそう言う。

 あんなが照れ臭そうにそう言う中、視界にともかが現れる。

 また怪盗が現れたのではとあんなは思ったが、誠太郎はそう指摘する。

 現れたともかは、本物だった。

 そして、まりさんはブーケを投げて、ともかがそれをキャッチした。

 それを見ていたあんなは、口を開く。

 

「あっ!私、帰らないと!誕生日パーティーが…………!」

「その事なんだけど…………」

「あの…………プリキュアになれたってことはテスト合格ですよね!1999年4月〜!とうとう私もキュアット探偵事務所の名探偵になったんだぁ!」

 

 あんなは、誕生日パーティーがある事を思い出し、そう言う。

 誠太郎が何かを言おうとすると、みくるはそんな風に叫んだ。

 

「……1999年? またわけ分からない事を………」

「ポチ?」

「いやいや!今日は1999年4月2日、春です!ほら!」

 

 それを聞いたあんなは、訝しげな表情を浮かべると、そんな風に言う。

 そんなあんなに対して、みくるはそう叫びながらある場所を指差す。

 そこには、満開の桜があった。

 

「…………えっ?桜…………?私たちが居たのは……………2027年1月冬…………」

「…………言いづらいんだけど…………本当だよ。僕たちは今、1999年に居るんだ…………」

「えっ?…………もしかして私達…………昔にタイムスリップしちゃったのおおおおおおおおおおおおーっ⁉︎」

 

 あんながそう呟く中、誠太郎はそう言う。

 これが現実であると。

 それを聞いて、あんなはそんな風に叫んだのだった。




今回はここまでです。
今回は、たんプリと電王のクロスオーバーを書いてみました。
たんプリと電王は、時間を越える繋がりだったり、あんながいた2027年というのは、電王20周年の年でもあり、プリティ電王での主人公がアンナ繋がりがあるので。
かなり大雑把に書いたので、もし連載する場合は、修正するかもしれません。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
今日のたんプリも、るるかが活躍していましたね。
あんなとみくるは、ポチタンの能力をよく知らないという。
そして、次回はウソノワールが動き出すという。
あんなの目が赤く光っていたが、その意味とは。
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