【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第一一話:しばしの休養、そして次の冒険へ》

 村での事件を収めた後、ウォーリアーズの拠点(きょてん)としている街に帰還(きかん)した一行。

 しばらくはゆっくりと休養することになった。

 

「お疲れさま。駆、初めての任務でお()らししなかったか?」

 

 ウォーリアーズの副団長:ジェイク。筋肉質かつ細身な男で、武術家。信彦よりも少し年下の四三歳。

 目には悪戯(いたずら)好きな光を宿している。

 皮肉屋であり、駆に対してはからかい半分、愛情半分な言葉を投げかけることも多かった。

 本名は(ワン) (ジェン)というが、クランではジェイクという愛称で呼ばれている。

 

「坊ちゃん、素晴らしい活躍であったと団長から聞いております! 駆坊ちゃん……立派になられた……」

 

 サンチャゴは、ウォーリアーズの物資調達と兵站(へいたん)を担う責任者。元行商人であり、信彦よりもいくらか年長の五一歳。

 その経験と人脈は広く、情報にも(さと)い。

 ぽっちゃりした体型だが、それは筋肉と脂肪の両方がついているせいであり、動きは見た目に反して身軽だった。

 昔駆が小さい時に、クエスト攻略中の両親に代わり色々と面倒を見ていてくれたこともあり、今でも駆を可愛がってくれている。

 

「駆、レオン。お前達はいずれ素晴らしい冒険者になるだろう」

 

 信彦は数日の休養を終えると新たなクエストを受注し、サンチャゴやジェイクを含む団員の多くを連れて遠方へと出かけて行った。

 

「パパ、気をつけてね。僕達も頑張るから」

 

 一方で、駆やレオン、美香子の三人は街に留まり、レオンの訓練や簡単なクエストを受注してこなす日々であった。

 薬草取りや迷子のペット探しなどがそれであり、道中に魔物と出くわすこともあったが、威嚇(いかく)するだけで追い払える魔物が多く、大した戦闘にはならなかった。

 

「レオン君(すご)いわ。弓の扱いが上手だし、ミケとの連携(れんけい)も良く取れてる」

 

 レオンはもともと村で弓の練習をこなしていたこと、そして村の事件の際に自給自足の猟師(りょうし)生活を強いられたせいで緊張感も取れ、場慣れしたのか、中々の腕前(うでまえ)であった。家事も出来るようになっていた。狩人見習いだったこともあって、自然に関する知識も豊富だ。

 同じくミケも道中危険を察知すると、別の道を提案してくれるなど、中々の活躍ぶりであった。

 

「駆もレオン君も冒険者として成長してきたし、少し大きなクエストでも受けてみる?」

 

 そんな訳で、夏も終わり秋に差しかかる頃、駆たちはキャラバン隊の護衛クエストを受けることになった。

 サンチャゴも合流し、一緒にクエストをこなすことになった。

 ウォーリアーズは先のグリーンヒルズ村事件解決の一件と信彦達のその後の活躍もあり、プラチナクラスへの昇進に目途がついた。

 サンチャゴはそれ(ゆえ)に、様子見のために数人の団員と共に駆達の元へと帰って来たという。信彦やジェイクは別の大きな任務を受けているとのことであった。

 

「レオン、今回のクエストはちょっと大変だけど、頑張ろうね」

 

「はいずら!」

 

 駆とレオンは、この数か月の間ずっと一緒に暮らしていたこともあり、大分仲良くなっていた。

 

「レオン君、大丈夫? 今まで追い払うだけだったけど、キャラバンの商人さん達を守るために、もしかしたら魔物や人間を倒す必要も出てくるかもしれないわ」

 

 美香子も心配そうだ。無理をしないように言う。

 街から街へと大量の物資を運ぶ商人の一団:キャラバン隊。護衛に傭兵団(ようへいだん)を雇うのは常套(じょうとう)であった。魔物の襲撃(しゅうげき)に備えて。最近は盗賊(とうぞく)による被害も増えているとのことだった。

 

「美香子さん、ありがとうございますずら。でもおらは大丈夫ずら! 美香子さん達を、皆を守るためなら、戦えますずら!!」

 

 レオンは駆の時よりも、少し熱っぽく返した。

 駆はレオンと美香子が共に修行しているのを、何度か見ていた。

 レオンは戦闘よりも仲間の援護に役に立ちたいと思っており、僧侶としての修行を始めていた。

 美香子はレオンに、神官の教本やお古の杖などを貸したりして、時に稽古(けいこ)をつけるなどしていた。

 

「レオン君は()み込みが早いわ」

 

「美香子さんの教え方が上手いからですずら! 有難うございますずら!」

 

 (ほの)かに(ほほ)を染めながらレオン。

 そんな姿を見て、駆は『レオンが美香子に特別な想いを寄せているかもしれない』と思った。確証まではなかったが、レオンと仲良くなったことも手伝ってか、そこはかとなくそんな感じがした。

 

「みゃー」

 

 そして実際彼は美香子に心惹かれており、ウォーリアーズに参加したのにはそのことも影響していたが、周りには秘密にしていた。

 

『レオンは美香子が好きなのであろう? 吾輩(わがはい)は分かっているぞ? 確かに彼女は中年ではあるが、素敵な女性だからな』

 

 ミケはレオンのその気持ちに気づいており、レオンと二人きりになったとき時々そう話しかけたりしていた。

 ミケはレオンの幸せを願っており、彼を応援していた。

 レオンがミケの頭を()でると、甘えるように鳴いた。

 

「レオン君、今日も一緒に修行しましょう」

 

 ある日、いつものように美香子がレオンに声をかけた。

 

「はいずら! 美香子さん!」

 

 レオンは美香子の笑顔に心を奪われながらも、元気よく返事する。

 

「レオン君は母親の愛情を求めておられるのでございましょう」

 

 サンチャゴは、美香子とレオンが修行してる様子を、複雑そうな表情で見ていた駆にふとそんな言葉をかけた。

 

「美香子さんはそれを与えておられるのです」

 

 レオンの母は、彼が幼い時に流行り病で亡くなったと駆は聞いていた。

 サンチャゴは行商人として多くの人や物事を見てきた人物であり、確かな洞察力(どうさつりょく)があった。年齢も駆の倍以上。

 (よこしま)な考えを抱いてしまった。駆は自分を恥じる。

 

「サンチャゴさん……ありがとうございます」

 

 かくして休息と修練の日々を終え、四人は他数人のウォーリアーズ団員と共にキャラバン隊護衛任務へと出発したのであった。




・あとがき

 お楽しみいただけていたら幸いです(^^)

 今後は《毎週木曜夜9時10分頃》の更新を予定しています。
 よろしくお願いします。

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 それでは、またお会いしましょう。
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