【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~   作:北条 ゆう(いすわーる)

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《第一五話:アジトへの潜入》

 盗賊団のアジトに連れてこられた美香子は盗賊団のボスの前に引きずり出された。

 ボスの身長はそれほど高くはなかったが、筋肉質な男であった。金髪の五分()り。顔は日焼けし、目つき悪く、人相いかにもチンピラのそれ。ただ容姿を見る限り、年齢は還暦(かんれき)近いように思える。常に胸を張っていて、偉そうだ。

 

「俺の子供を産んでくれへんか?」

 

 部屋に連れていかれた後、ボスは美香子を()め回すように見つめ、そう言い放った。

 

「ふざけんじゃないわよ!」

 

 当然拒否する美香子。

 彼女は元の白いドレスを脱がされ、金色の卑猥(ひわい)なドレスを着せられていた。

 

「俺の子供を産め」

 

 バカの一つ覚えのように繰り返す盗賊のボス。ニヤツキながら美香子を見回す。

 美香子が着ているのは(おど)り子の衣装だった。元愛人が愛用していた……いや、盗賊のボスが元愛人に良く着させていたドレスであった。

 

「いやよ!」

 

 ドレスは太陽の光を纏ったかのような輝きを放っている。布面積は少なく、装飾(そうしょく)繊細(せんさい)

 花や葉の装飾が特に繊細に織り交ぜられていたが、それは纏うものの大事な部分を最低限覆うために作られている。着るものの卑猥さを際立たせるために。

 

「俺の子供を産めや!!」

 

「ッ……!!」

 

 ボスが突然声を荒げた。思わず怯む美香子。

 せせら笑いながら、ボスは続ける。

 

「拒否してもらっても構わへんけどな、せやったらアイツらの相手してもらうことになるで? ここまでアンタを連れて来た、俺の舎弟連中にな」

 

 ボスは何一つ身にまとわず、裸だった。美香子は視線を外していたが、彼が自分に欲情していることは分かっていた。

 

「父親の分からへん子、産むか? なぁ?! どぉするぅ?」

 

 美香子を連れて来た幹部達は彼女に踊り子の衣装を渡すと、小部屋に通し、そこで着替えるよう言った。本来なら脱がせて着替えさせそうなものだが、そうはしなかった。

 

『女、お前はボスがご執心(しゅうしん)だった元愛人に似てるんだ。大人しくしてりゃ、悪いようには扱われねぇ。これまでの人生は忘れて、これからはボスの女として暮らしな』

 

「分かったわよ……」

 

 美香子は観念した様子でそう返した。

 ボスはニンマリ笑みを浮かべると、

 

「そうかぁ。ほならまずは口で――」

 

「ムード作りくらいさせてよ」

 

 興奮した声で自分の欲望を吐き出そうとしたが、美香子が(さえぎ)る形で割り込んだ。

 

「んあぁっ?!」

 

「これ踊り子の服でしょ? こんな服着させたってことは、そういうことして欲しいから着せたんじゃないの?」

 

 美香子は一回りしながら、言った。

 

「ええやん、ええやん。やってみぃや!」

 

 ボスは気の強い女が好きだった。元愛人もそうだった。

 この金色の踊り子の衣装もボスが、元愛人の卑猥な踊りを観賞するために買い与えたものだった。

 

「(やるなぁ! どんなん()ろてきた来たんか思てたけど、最高やないか! あいつ等はこれからも若頭にしといたるわ!)」

 

 容姿も、スタイルも、年の頃も性格も、ボスの好みにドンピシャであった。元愛人にそっくりだった。

 ご満悦(まんえつ)のボスは、成金好みな金色の、贅沢(ぜいたく)だがいやらしい豪奢(ごうしゃ)な椅子に腰かけると、グラスにワインを注いだ。

 

「……」

 

 美香子は目をつむり、(うなず)くと、意を決して踊り始めた。

 

 

 

 駆レオンミケは、洞窟の奥へと進んで行く。暗く、足元はぬかるんでいる。

 ただ洞窟の入り口は狭かったが、内部はそこそこの広さで、高さ二メートル、幅五メートルぐらい。

 駆は魔法で明かりを灯し、レオンは周囲を警戒し、夜目の()くミケは先行していた。

 この穴は本当に盗賊団のアジトに繋がっているのだろうか? 美香子は無事なのだろうか?

 

「美香子さん、無事であって欲しいずら……」

 

 レオンは心配そうにつぶやいた。美香子は駆の母親であったが、レオンにとっても大切な存在だった。美香子はレオンを可愛がっていたし、レオンも美香子を色々な意味で(した)っていた。

 

「僕も心配だよ。でも、ママなら大丈夫だと思う……きっと大丈夫」

 

 何の根拠もなかったが、駆はレオン、そして自分に言い聞かせた。

 

「ニャー」

 

「!! 駆さん、ミケがこの先の曲がり角の先に部屋があると言っているずら。人の気配もするそうずら」

 

 二人と一匹は、慎重な足取りでその曲がり角へと向かう。

 駆は魔導書を構え、レオンは弓を構える。ミケは今までとは逆に二人の陰に隠れる。

 

「じゃあ、行くよ……!」

 

「ずら……!」

 

 二人は曲がり角へと飛び出した。奥からは灯りが漏れ出している。(とびら)などはなく、先はそのまま部屋に繋がっている。

 ただ、ついたてがあり部屋の様子はここからでは(うかが)い知れない。ミケは人の気配がすると看破していたが、物音などもしない。

 二人と一匹はついたてまで慎重に進んで行くと、目だけヒョイと少し出して、部屋の様子を伺った。

 

「「!?」」

 

 一同は目を疑った。部屋の中央には、金色の踊り子の衣装を着た美香子が立っていた。

 そしてその足元には……

 

「ママ?」

 

「美香子さん?」

 

「駆、レオン?! あなたたち、どうしてここに?」

 

 頭から血を流し、地面で気絶している盗賊団のボスの姿があったのである。




・あとがき

 という訳で『分かる人には分かる』のではないか、というお話でした。
 『現実でも天罰が下って欲しいな』とは思う所。日本の芸能界は腐ってますよね。

 さて!
 高評価、お気に入り、感想など頂けると、嬉しいです(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)
 それでは、またお会いしましょう。
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