【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
王都ルテティアは、その日も変わらぬ
街角には色とりどりの花が咲き乱れ、風に乗って甘い香りが漂う。陽光が石畳に反射し、宝石のように輝いている。
「
しかし
「信彦。我が友よ、頼んだぞ」
王党派貴族の
この事実が敵対者に知られれば、王家の
エドアルト国王は秘密裏に、プラチナランク傭兵団:ウォーリアーズにサキュバス討伐の命を下した。
「お任せください、
彼らが貴族邸宅に到着したとき、空はすでに紫がかった夕暮れに変わりつつあった。邸宅の影が長く伸びている。街の喧騒は遠く、周囲は
ウォーリアーズの面々は各々の武具を身にまとい、邸宅の門をくぐると、庭を用心深く進んで行く。
「ようこそ、わっちの館へ」
屋敷入口を飾る豪華な玄関
サキュバスだ。
彼女の紅の瞳が、
「見くびられたものね」
魅了の術。
しかし、美香子が仲間にかけていた加護の魔法が、その術を無力化した。サキュバスは驚きを隠せないようだった。その
だがさるもの。サキュバスは自らの失敗を
「な、何が起きているずら?!」
空間が
屋敷の内部はゆっくりとその形を変え、暗く、迷宮のようなダンジョンへと
壁は動き、床は
「逃げるな、
信彦が
だがサキュバスは
「追うぞ! 彼女を逃がすな!」
変貌した屋敷にしばし
サキュバスの後を追うべく、面々はダンジョンの
「気をつけて。サキュバスは魅了の力で私たちを
サンチャゴが静かに警告した。彼の声は屋敷の静寂を穏やかに、だが切り裂く。
ジェイクは拳を握りしめ、
「心配無用するこたぁねぇ。あの程度の女、そこらの娼館に五万といるぜ。駆、後でイクか? 色んな意味でよ」
と
駆は魔導書を開き、臨戦態勢だ。レオンも弓を構え、ミケは鋭い
「やだ、遠慮しとく」
だが一方で、美香子はアルフレッド=ヴァレンタインとの甘美な記憶に心を奪われ、足取りが重くなるのを感じた。
サキュバスの魔力が空気を歪めているのだろう。彼女を試すかのように、心に
壁に
「気を抜くな、二人とも。サキュバスは
その時、一人の武装した男が
彼女の心は、ヴァレンタインへの禁断の想いに捉われ、戦いへの集中力を欠いていた。
「――美香子さん!!」
最初に動いたのはレオンだった。直ちに弓を引き
下僕戦士の
一拍遅れて、駆け付けた信彦は、妻を守るために盾を前に突き出した。下僕戦士が体勢を崩す。地に
駆はローブを翻し、呪文を唱え火球を放った。下僕戦士は火に包まれ、息絶えた。
「ありがとう、皆」
下僕戦士との戦いを終えても、ヴァレンタインの顔が思い浮かんでは消えていく、という状態から美香子は脱することが出来なかった。
さながら心が
「大丈夫、ママ?」
だが美香子は歴戦の冒険者だ。
彼女は押し寄せる複雑な感情に苦しみながらも『わたしの神聖な力がウォーリアーズを支えている』と自身に言い聞かせ、戦いに身を投じていく。
杖の先端に輝く紫の宝石が輝きを増し、美香子は強力な
「(守るわ!)」
夜が深まり、王都を闇が包み込んでいく。ウォーリアーズは屋敷の中を進んでいく。
サキュバスの討伐は、勇気と
美香子は信彦の、駆の、仲間たちの
だが同時に彼女は理解していた。この戦いに勝利にするには、妻として、母として、強くあらねばならないと。
「(家族のために! ウォーリアーズのために!)」
心を新たにした美香子は迷いを捨て、モンスターの魔の手から王都を守るため、仲間達と共に先程より足取り確かに進んで行くのであった。
・あとがき
作者の北条 ゆうです。
本日2025年7月13日より、連載を再開させて頂くことになりました。
毎週日曜、昼12時40分ぐらいに最新話を投稿する予定です!
よろしくお願いします。
高評価、お気に入り、感想など頂けると、嬉しいです(≧▽≦)
それでは、またお会いしましょう。