【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
王都ルテティア。
王国の物流の中心たるこの街は、ホノリアで最大の人口と経済力を
「さあ行こうか、美香子」
朝と昼の間頃、二人は
朝食を終えて、ウォーリアーズメンバーの大半が休養を取る中、二人はそれぞれ別の休日を過ごすふりをして、デートに来ていた。
「えぇ、ヴァレンタイン。エスコートよろしくね」
恋人は腕を組み、大都市へと繰り出していく。
街は賑わいと華やかさに満ちていた。大通りには多くの様々な職種の人々が行きかい、豪華な衣装をまとった富裕層の姿も目に付く。
高貴な馬車が石畳を軽やかに進むルテティアの中心部。美香子とヴァレンタインは手を取り合いながら、歩みを進める。
「王太子殿下、お待ち申し上げておりました。本日は当店にお越し頂き、誠に
王家の
「マダム、こちらの御召し物はいかがでございましょうか?」
壁一面に並ぶ様々なデザインや色のドレス。シルクやサテン、チュールやレースが織りなす豊かな生地の質感は、見る者の目を
店主が美香子やアルフレッドの希望を
ほどなく試着室へと向かう美香子。
「大変よくお似合いです」
「美しいよ、美香子」
ヴァレンタインと店主は、彼女の次々と変わる装いを見守りながら、その度に彼女の美しさを
「ふふっ、ありがとう」
美香子も次第にその気になり、ドレスの
美香子は恥ずかしそうに微笑みながら、次のドレスを着るために試着室へと戻って行く。
「何度もすみません」
「いえいえ、マダムのため最高の御召し物を
ドレスは上流階級の女性たちが求める最高品質のものであり、専門職の女性が着付けを担当していた。彼女の手並みは、まるで宝石を扱うかのように
「美香子、そのドレスは君にとても似合っている。君の美しさが、そのドレスでさらに輝いて見える」
そして、あるドレスを纏って美香子が試着室より現れた時、ヴァレンタインの心は強く動かされた。
「そのドレスは君にぴったりだよ」
彼の目には、そのドレスを纏った恋人の姿が、まるで一つの芸術のように映っていた。
水色のドレスで、
「まさにその通りでございます。マダム、貴方に
ドレスのデザインは、美香子の豊かな曲線を強調し、かつ彼女の優雅さを一層際立たせていた。
「本当? でもヴァレンタイン、あなたが望むのなら……」
端的に言えば、そのドレスは美香子の《豊かな胸》を強調するデザインであった。大きな胸を優雅に包み込み、深く綺麗な谷間を形成する。もとより大きいバストが、より大きく見える。
レースと刺繍のあしらわれたドレスの、その洗練されたデザインは美香子の美貌と母性を同時に引き立てている。
「ありがとう美香子。きっとそのドレスは、宮廷パーティで君の
美香子は恋人の
彼女はヴァレンタインの言葉に励まされ、購入を決めた。そのドレスが自分をより美しく、魅惑的に見せてくれることを内心、理解していたからだ。
「お色はどういたしましょうか? マダムには見本のドレスの他に、このようなお色でもお似合いになると思いますが」
仕立て屋は、美香子の肌に映える色を三色ほど見繕い、その生地のサンプルをテーブルに置いた。
専門的に分類された生地の色の名前がそれぞれにあるが、簡単に分類すれば、それは《白、赤、紫》の三色であった。基調とする色を決めて貰えれば、それに合わせてドレスの細かな色使いを仕立て屋が差配してくれるという。
「紫色はどうかな?」
ヴァレンタインが優しく言った。
彼女は三色の生地を手に取り『見本の水色でいいかな?』『白は無難だけど……』などと言いつつ『赤色は素敵だけど、赤のドレスは既に持っているし……でもやっぱり――』などと思案していたが、その最中にヴァレンタインが提案した。
彼女がまだ手に取っていない、最後の生地サンプルであった。
「紫色? ……えぇ、素敵ね。でも、私に似合うかしら?」
美香子は紫色の生地を手に取り、その深みのある色合いに心を奪われた。
ドレスに限らず、彼女がこれまでにあまり着たことのない色合いであり、それを纏った自分を想像し、未知への冒険に旅立つような気持ちになる。
「間違いないよ。君はどんな色も美しく着こなせる。この紫色は、君の見た目の美しさだけでなく内面の魅力を引き立ててくれること、疑いないさ」
ヴァレンタインは、確信に満ちた声で答えた。
美香子は恋人の言葉に勇気づけられ、紫色のドレスを選ぶことに決めた。仕立て屋もその選択を賞賛し、
「マダムのために最高の一着を仕立てて見せましょう」
と意気込む。
仕立て屋を出るとき、美香子は、
「ヴァレンタイン、あなたのおかげでもっと自分を愛せるようになれそう」
と言った。ヴァレンタインは微笑み、美香子と腕を組む。二人だけの世界へ。
冬の冷たい
彼らの心は、互いに結ばれていた。
「それにしてもヴァレンタイン、どうしてドレスの色を紫にして欲しいと思ったの?」
賑やかな通りを歩きながら、美香子はふとヴァレンタインに問いかけた。
彼女の声は、好奇心に満ちていた。
「美香子、覚えているかい? ミルトンの街で暴漢を成敗した後の、私たちの初めてのデートを」
ヴァレンタインは彼女の問いに微笑みながら、美香子がその日の事を思い出すように、ゆっくりと答えた。
「君がウィンターウッドの街で購入した《杖の宝石が紫色》だったことを。あの日の出来事は、私にとって大切な想い出なんだ」
恋人の言葉に、美香子の心は温かな感情で満たされた。彼女はあの日のことを鮮明に思い出し、今も彼女の杖の先で輝く紫の宝石に想いを向ける。
ヴァレンタインの提案は、ただの色の選択ではなく、二人の関係の始まりを象徴するものだったのだ。
「それは素敵な理由ね♪」
美香子はヴァレンタインの腕をより自分側に引き寄せた。
彼女の母性を象徴するものに、恋人の腕がふにゅりと食い込んだ。
王都の喧騒を背に、二人は互いの存在を確かめ合う。
「ヴァレンタイン、あなたとの想い出は、わたしにとっても宝物よ」
王都での一日は、二人にとって忘れられない
夕暮れ時、冬の寒さが厳しいネヴァースプリングの城塞都市は、家々から
辺境伯居城の食堂では、大きなテーブルに美味しそうな料理で彩られ、ウォーリアーズの団員たちや城の役人に衛兵が集い、賑やかな夕食を楽しんでいた。
美香子は、王都での秘め事を心に抱きながら、家族や団員たちと食卓を共にする。
ヴァレンタインもまた、王都での秘め事を心に抱きながら、役人や衛兵たちと食卓を共にする。
食堂の空気は、美味しい食事の香りや焚き火の温もりと共に、家族の絆と友情で満たされていた。
・あとがき
お楽しみいただけていたら幸いです。
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それでは、またお会いしましょう。