【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
駆はエレアノールに案内されて、パーティに参加する中年女性のマダム達の元へと向かっていた。パーティ会場の一角には、豪華なドレスを纏ったマダムたちが集まり、優雅に談笑していた。
「駆さん、どうぞこちらへ」
エレアノールは微笑みながら駆を案内し、彼をマダムたちの元へと連れて行った。シャンデリアの光をジュエリーが反射している。
見目
「皆さん、こちらは駆さんです。エルダリオン魔法学院を卒業されて、今はウォーリアーズで魔法使いとして活躍されていらっしゃいます」
エレアノールの紹介に、駆は少し緊張しながらも一礼した。
「初めまして、桐島 駆と申します。どうぞよろしくお願い致します」
マダムたちは駆の
「駆さん、お会いできて嬉しいわ」
「……え……は、はい。恐縮です……」
彼の意識と視線の大半が、エレアノールに向けられていることに気づいていた。
駆はエレアノールに夢中で、マダムたちの磨き上げられた美貌や教養溢れる雑談には、ほとんど関心を寄せてはいないようであった。
エレアノールと駆との対面を終えたマダムたちの一グループは、パーティ会場の一角で話し合っていた。今駆達は別のマダムグループと談笑している。
豪華なドレスを纏った彼女たちは、シャンデリアの光に照らされながら、優雅にワインを傾けていた。
「駆さん、王妃様に夢中ね」
一人の女性が微笑みながら言った。その言葉に、他の女性たちも頷いた。
「ええ、彼の視線はずっとエレアノール様に向けられていたわ」
その声色はどこか
「でも……叶わぬ恋だわ。エレアノール様は王妃、駆さんはただの傭兵よ」
少し
「そうね……でも、あたくしは応援してあげたいわ。駆さんの純粋な心が伝わってくるもの」
「わたくしも同感。彼の初々しい
一方で、駆に好感を抱くマダムも確かに存在した。
対面の間、駆の初々しい対応に微笑みを浮かべていた彼女たち。
「素敵な若者よね。わたくしも彼に興味があるわ」
だが外面的には同じ反応でも、内面は異なっていたよう。
そのマダムは、駆の初々しさに共感していたマダムとは少し、いや大分違った意見を持っていた。
「あなた、駆さんを自分のものにしたいの?」
「ええ、彼の純粋さと情熱に惹かれるの。エレアノール王妃に夢中なのは分かるけれど、わたくしも彼にアプローチしてみたいわ」
その言葉に、グループの他の中年女性たちは揃って驚きの表情を浮かべた。
「それに彼、中々に可愛い顔をしているじゃない? わたくしの好みだわ」
複雑な表情の女性たち。
「……まあ、駆さんがどんな選択をするのかは、彼次第よね」
「そうね。でも……そうね、若い彼の幸せを願っているわ」
中年女性たちはそれぞれの思いを胸に抱きながら、それからも駆とエレアノールについて話し合いを続けた。
いずれにせよ彼女たちの共通した認識は、『純粋な想いを秘めた青年』と『優雅で気品あふれる美しき王妃様』であった。
レオンとマリアは中年男性たちと対面していた。マリアは母親譲りの銀髪と碧眼を持ち、清楚なドレスを纏っていた。美しさと気品はさるもの。御年一八歳。来月が誕生日である。
レオンもまた、上質なジュストコールを纏い、慣れない場に落ち着かない様子ではあるが、彼女の隣に立っていた。
「レオン君、そのケットシーの魔物:ミケ君について教えていただけますか?」
中年男性の一人が興味深そうに
「ミケは非常に
ミケはレオンの足元いる。
「本当にお利口さん。レオン様、ミケはどのようにしてあなたのお仲間になったのですか?」
その大きな瞳を優しそうに細めながら、マリアはミケの頭を優しく撫でる。
「それは……簡単に言うと、相棒ですずら。狩人になるため修行するうちに助けてくれるようになって、自然と仲間になりましたずら」
中年男性たちはその話に興味津々で、さらに質問を続けた。
「ほぅ、狩りがミケ君の本分なのだね。どのような能力を持っているんだい?」
「非常に
吹き抜け二階のギャラリーでは、信彦とエドアルトが豪華で心地よさそうななソファに座り、話し合っていた。
「信彦、今後の王国はどうあるべきだと考える?
「はい、陛下。私は――」
彼らは真剣に語り合っている。
その姿は共に、まさに王国の未来を担う者たちの決意を感じさせるものであった。
「アルフレッド様と美香子さんが見当たらないわ」
「どこに行ったんだ?」
アルフレッド=ヴァレンタインと美香子がバルコニーに行ってしまい、パーティ会場から姿が消えてしばらく経った。参加者たちとの対面をあらかた終えた主役たちは、二人がいなくなったと参加者たちから知らされる。
場が少しざわつき始めた。
「ミケと一緒に探してみますずら!」
ミケは敏捷な動きでパーティ会場中を探る。美香子とヴァレンタインの
そしてバルコニーに到着すると、二人の姿が見えた。
「月が綺麗だね、美香子」
「ありがとう、ヴァレンタイン。あなたの言葉がわたしにとって一番の宝物です」
ヴァレンタインと美香子は、月明かりに照らされながら、いいムードに包まれていた。
『レオン、どうする? 吾輩はお前の判断を尊重するぞ』
レオンはその光景を目にし、動けなくなってしまった。彼の心は複雑な思いで揺れ動いていた。嫉妬と戸惑いの感情。
「アルフレッド殿下、美香子さん! 皆がパーティ会場からいなくなってしまったお二人を探していますずら!!」
しかし、ほどなくして二人がキスをしようとした瞬間、レオンは勇気を振り絞ってバルコニーに突入した。
見つめ合い、ヴァレンタインが美香子の
美香子も受け入れるように、瞳を閉じようとしたその瞬間。ギリギリのタイミングでであった。
「それはすまないことをしてしまった」
レオンの叫び声にも似た声に、二人はハッと我に返った。
「美香子さんが体調を崩されてしまってね。今、その確認をしていたんだ。美香子さん、体の具合はどうですか?」
ヴァレンタインはすぐに
「え、えぇ。だいぶ楽になりました。看病してくださり、有難うございます、殿下」
美香子も話を合わせるように応えた。
レオンは
「それは良かったですずら! では、パーティ会場に戻りましょう!!」
ヴァレンタインと美香子はパーティ会場へと足早に戻って行く。
互いの手を取り合って。
「……」
二人の背中には、レオンの
・あとがき
お楽しみいただけていたら幸いです。
ところで、来週日曜日(8月24日)は中々忙しくなりそうで、今週木曜日(8月21日)に次話を投稿したいと考えております。よろしくお願いします。
高評価、お気に入り、感想など頂けると、嬉しいです(≧▽≦)
それでは、またお会いしましょう。