【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
美香子とアルフレッドがバルコニーから戻りほどなくして、食事が会場に運び込まれた。
挨拶回りも終えて、主役たちのペアも解消され、参加者たちに混じってそれぞれが立食形式で食事を取っている。国王:エドアルトと信彦のペアのみは二階吹き抜けより降りて来て、挨拶回りをしている。
駆とレオンは二人で食事を取りながら、会話を楽しんでいた。
「レオン、これおいしいね。なんていう料理なんだろう?」
「ずら~♪ おら、こんなに豪華な料理食べるのは初めてずら」
二人は美食に
「美香子さん、ドレスのデザイン、本当に素敵ですね」
一方、美香子は若い青年たちに代わる代わる話しかけられていた。
「ありがとうございます。特別な夜ですから、少しおしゃれをしてみました」
美香子は微笑みながら答える。
彼女の美しさと気品は、若い男たちの憧れの的となっていた。
青年たちは彼女に目を奪われ、美香子は食事を取る
「ママ、大人気だね」
美香子は優雅に微笑みながら、青年たちとの会話を楽しんでいる。
「ママがこんなに上品に振る舞えるなんて、知らなかった……」
美香子はまるで貴婦人かのように上流階級の青年たちに対応していた。
彼女の優雅な立ち振る舞いと洗練されたマナーは、普段の冒険者として母の姿とは全く異なっていたし、現実世界での専業主婦であった母からも連想出来ない。
「そう……ずらね……」
一方レオンの反応は連れない。そんな調子で食事を取りながら、レオンと雑談をしていると、
「レオン、子供たちがあなたとミケに興味津々なの」
マリアが駆とレオンの元にやってきた。彼女は一〇代前半ぐらいまでの子供たちと談笑しながら食事をしていたが、子供たちがレオンとミケに関心を持っているので、是非お話を聞かせて欲しいとのことだった。
「ぜひお話を聞かせてあげて」
レオンは少し戸惑いを覚えているようだ。
「でも駆さんと……それにみ――」
レオンが自分を気遣うような仕草を見せたので、駆が途中で割り込んだ。
「僕のことは大丈夫。ちょうどお手洗いに行こうと思ってたし」
その言葉でもレオンの顔は曇り空であった……が、頷いた。
レオンはマリアと子供たちの元へ向かっていった。彼の背中を見送りながら、駆はパーティ会場を一時退席した。
「美香子さんに是非、我が領地にお越し頂きたい!」
「……(何だ? あいつ)」
駆がパーティ会場に戻ってくると、一人の青年貴族が前のめりに美香子に話しかけていた。
「具体的な日取りも決めましょう! 美香子さん、来月などはどうです?」
距離があるので、何を言っているのか駆には分からなかったが、母は困惑しているように思えた。
「(僕が行くべきかな……? 騒動になっちゃったら、あれだし)」
現実世界の美香子はともかく、この異世界の美香子はどこか『気が強い』側面があった。
冒険者然とし、聖職者然としている母:美香子。『たぶんいくら上流階級の若者とはいえ、強行に言い寄られるのを喜んではいないだろう』『もしプツンときてしまっては一大事。前に晩御飯を食べてたパブでも――相手は酔っ払いの中年オヤジであったが――似たようなことがあって
駆はそんな風に思い、覚悟を決めて足を踏み出した。
「お待ちになって」
しかし道中、彼の肩に手が置かれた。
「あそこをよく見て」
振り向くと、駆のその目に映ったのは美香子と同年代に見える上流階級の貴婦人。縦ロールしたゆるやかな金髪が特徴的な。
貴婦人は優雅に微笑みながら、駆の視線を誘導した。
視線の先には、エレアノールの姿があった。
「美香子さん、こちらにいらっしゃいましたの」
エレアノールが美香子と青年の間に上品な所作で割って入る。
「少しお話ししたいことがあるのですが、よろしいかしら?」
優雅に微笑みながら、美香子に声をかけた。
「もちろんです、エレアノール王妃」
その言葉に、美香子は感謝の気持ちを込めて微笑み返し、青年に丁寧にお辞儀をしてからエレアノールの招きに応じて行った。
青年は少し残念そうな表情を浮かべていたが、エレアノールの存在に圧倒され、何も言えなかった。美香子はエレアノールの導きに従い、別の場所へと去っていく。
「有難うございます。早まったことをするところでした」
駆はその光景を見ながら
「駆さんのお力になれて、わたくしも嬉しいです」
貴婦人は微笑みながら、駆に優しく誘いの言葉をかける。
「もしよろしければ、わたくしのお話相手になってくださらない?」
エレアノールとの挨拶回りで、駆に興味を、いや《好意を》抱いていた、あのマダムであった。
・あとがき
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それでは、またお会いしましょう。