【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
王都ルテティアの中でも、
かつては華やかな社交界の中心であったその屋敷は、今や不穏な黒い霧に包まれ、異様な静けさをたたえていた。
「みんな、油断するな」
その屋敷内にいるウォーリアーズの団員たちは、緊張感を漂わせている。
信彦が厳しい眼差しで屋敷に漂う霧を見つめながら、言葉を漏らす。
「まさか、ここがサキュバスに乗っ取られてしまうなんて……」
美香子は淡い空色のマントを
「完全にダンジョンだね」
駆が魔導書を片手で抱きしめながら、呟く。
通路を冷たい風が吹き抜け、木材が
屋敷内部は完全に
「ここにいる使用人たちはサキュバスに
サンチャゴが冷静な声で警告する。ウォーリアーズの行く手に現れた数名の使用人たちを見て。
使用人たちの表情は無機質で、動きはどこかぎこちなかった。彼らが持つ掃除道具や皿が不気味に光り、まるで武器のように振りかざされる。
「……彼らをなるべく傷つけないように。でも、いざという時は……」
美香子が決意を込めて杖を掲げると、紫色の宝石が輝き、柔らかな光が辺りを包みこんだ。
使用人たちを操る闇を少しずつ追い払っていく。彼らの目に理性の色がかすかに灯る。
ジェイクが瞬時に使用人たちへと距離を
「後ろからも来るぞ!」
ルドマンが両手剣を振り上げ、ウォーリアーズ背後より密かに
「(別の形で、出会いたかったずら……)」
心の内に葛藤を抱えつつ、レオンは素早く弓を引き絞る。
「さあ、いよいよご対面ってか!」
そしてついに、彼らはダンジョンの最奥へと
闘志
冷たく薄暗い廊下の先の、その
「ようこそ、わっちの館へ」
豪華な部屋だった。
壁には
部屋の中央には、
サキュバスだ。
その姿は絶世の美女そのもので、
「お楽しみは、これからでありんすえ」
彼女の周囲には、魅了された男たち。この屋敷の主の貴族やその子息、そして使用人たちが取り囲んでいる。その虚ろな目には、狂気が宿る。
背後には、彼女の
サキュバスの声は心を惑わせるような力を持っていた。部屋の空気そのものに甘く
「
信彦の力強い声が官能的な空気を
受けて、サキュバスの鋭い視線が一団を射抜く。彼女が指先を一振り。
魅了されしものたちが動き出す。
襲いかかってきた。
巨大な影が迫る。
威圧的な巨漢のゴーレムが、屋敷の壁の一部からまるで溶け出すように現れた。
その姿を確認したジェイク。すばやく体を投げ出し、迎え撃った。
「デカブツが!」
ジェイクの細身かつ筋肉質な体が、驚異的な速度でゴーレムを
鋼のように硬き拳。
止めどない連続攻撃の前に、ゴーレムは切り裂かれるかのように、その体を打ち
「気を付けてください。サキュバスには何か策があるのかもしれません」
ウォーリアーズの奮闘により、サキュバスのシモベ達は次々と
しかしなおも、サキュバスは微笑みながら
「ここで終わらせる! ジェイク!」
「おうよ! アニキ!」
信彦が動いた。ジェイクが続く。
サキュバス目掛けて、一挙に距離を詰める。
剣と拳が同時にサキュバスに襲い掛かって
「なん――」
「――だと……?!」
いったが、信彦の振り下ろした剣はサキュバスを斬り付ける
「一体、どうなっているんだ?!」
信彦が
何度となく力を入れ直し、幾度も剣を振るうも、どうしても彼女を斬り付けることができない。
「この
ジェイクの動きも鈍い。俊歩で勢い体ごと突撃しても、どうしても直前で足は止まり、握りしめた拳は独りでに解かれてしまう。
サキュバスは余裕を持て余した優雅な動きで、
「主さんらの意志の強さ、大したものでありんすな~。ホントはわっちの
サキュバスはウィンクしながら、残念そうにつぶやく。魅了の術。
魔娼の力は歴戦の勇士たちの精神さえ
「ともあれ、わっちの美貌の前では、主さんらは赤子も同然」
距離を取ったサキュバスは新たなシモベを召喚する。
部屋の
「人間の男に、わっちを倒せはせんがな」
そして魅了され、傀儡と化した屈強な男たち。
シモベ達は迷いなく、ウォーリアーズへと襲い掛かるのである。
・あとがき
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それでは、またお会いしましょう。