【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
執政暦一三一三年一二月初旬。
ベルギガ辺境伯領、ライヘンバッハ市。
冷たく重い空気の中、王国北東部に位置するライヘンバッハは、高く
周囲の
「皆の者! 聴け!!」
しかし今日という日。
かつて何世紀にもわたり刻み込まれた歴史の
「モンスターマスター!
市街地の石畳は、
だが、そんな
封建制度と特権階級。生み出された格差への不満は、民衆の胸にじわりと
「今こそ《ゼオン教》の旗のもと、この地に新しき正義をもたらさん! 邪悪なる魔物とその飼い主どもを
乱雑な声援の中、群衆の先頭に立つのは一人の少女。
『不治の病すら
彼女の声は、広場の石壁に反響し、冷たい空気とともに民衆の心に激しい憎悪の火種を
「あのネヴァースプリングの代官が、エドアルトの犬が、我らの商売を
老人が若者に囁く。
広場の
統治者たちの
「屈するな! 立ち上がろう、我らゼオンと共に!!」
若者は拳を握りしめ、決意を固めた。
「剣を取れ! 市政庁を制圧せよ!!」
激情に突き動かされた群衆が旧市街の市長
警備兵達が急ぎ駆け付けるが、到底太刀打ちできるものではなかった。
数と士気に圧倒する群衆たちは、治安維持の使命を帯びるも、理性を失ったようにさえ見える市民に気圧された警備兵達を
血なまぐさい光景。
公邸内へと
獣のような叫び声とともに、マスケット銃の発砲音や
「我らは自由と正義を取り戻すのだ!」
上空は曇り空。
薄暗い闇が漂い、寒さと共に
大臣たちの集う王宮の会議室で、エドアルト国王は衝撃的な報に耳を傾けていた。
ライヘンバッハ。王国北東部の
反乱を主導しているのが、ゼオン教の信者たちであるという事実が、国王の心に一層深い影を落とす。
「よりにもよって、魔物
魔物は時に、
「恐れながら申し上げます陛下……」
一方で、聖魔達は治安維持の役目も担って来た。
警察機関として、民衆を抑圧することも時にあったことは否定できない事実だ。
「やはり関所の廃止は悪手だったのでは?」
『今回の反乱も、そのような聖魔の負の側面をゼオン教徒に利用され、民衆の不満を
「ゲオルギオス兄上の一件……大魔王と相対する辺境伯に強大な権限を持たせていたことが、先頃のクーデターの一因であった。故に余はベルギガを王領地に組み込むべく、関所を廃止する命令を下した。だが――」
辺境伯領は王国の中にありながら一種の独立国のような扱いであった。王国とは別の流通
ライヘンバッハ市はボスポラス大河対岸のアルカディア帝国との交易によって発展した都市ではあるが、アルカディア帝国はベルギガに限らず、王国の東国境全体が面する隣国でもある。
『王領地に統合されれば、国王に流通を牛耳られ、王領地の都市群の風下に立つことになり、交易の中心地としてのライヘンバッハは衰退していく』
『関所がなくなれば農産物や工業製品にかけられた関税が廃止され、既存のライヘンバッハ産業が大打撃を受ける』
経済的不安にかられたライヘンバッハ市民、そして周辺地域の農民たちを巻き込み、ゼオンが思想面で、人々の潜在的な不満――実力主義的な側面を伴いつつも、実際には一部の権力者に特権を集中させている不平等なモンスターマスター制度を始め――を表面化させ
エドアルトは、自身の政策を
「使節団を派遣し、交渉を試みる……!」
・あとがき
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それでは、またお会いしましょう。