【第四章 完結】異世界かぞく! ~人妻と不倫(こい)するNTR冒険譚~ 作:北条 ゆう(いすわーる)
国王エドアルトによる使節団は、転移の結晶でライヘンバッハ近郊の都市までテレポートの後、早馬によりライヘンバッハに辿り着く。ライヘンバッハの反乱より一週間も経たない素早い対応であった。
使節団を迎えるは一揆勢首脳部。ゼオン教幹部を筆頭に、都市と農村の代表者たちであった。
「我らはホノリア国王エドアルト陛下の名代として参上した。陛下は平穏なる治世の再建を願っておられる」
使節団の長である外交官:ローレンスは、慎重ながらも
「我ら王国軍に市庁舎を明け渡し、
『一揆の目的が達せられた』そう考えた都市と農村の代表者は、顔を見合わせ、ローレンスに言葉を返そうとするが――
「何ゆえに偽りを並べ立てんとするのか」
ゼオン教筆頭幹部:アモス。豊かな
アモスは都市と農村の代表者らに威圧的な視線を投げつけた。
押し黙る代表者たち。
アモスは冷ややかな薄笑いを浮かべながら、突き放すようにローレンスへと言葉を返す。
「我らゼオンの信徒は、魔物排斥の理念の下に結集し、長きにわたり抑圧されし民の苦悩を訴えている。我々の要求をお伝えしよう。モンスターマスター制度の廃止、ベルギガ国の独立承認、王国全土におけるゼオン教布教の自由。以上だ」
部屋の空気は、一瞬にして
「貴殿の要求は、王国の政治体制と統治の
ローレンスは、想定を超える無理筋の要求に舌を巻きながらも、交渉の継続を試みた。
「民と国の平和と繁栄こそが最優先と心得る。どうか、理性ある判断を」
王都へと帰還した使節団の報告を受け、エドアルト王は決断を下した。
「ゼオン教……我が国の法と秩序が脅かされるのならば、断固としてこれを討伐する他ない。武力によって現状を打破し、民の安寧を再び取り戻す……!」
重苦しい様相で。
一揆はゼオン教徒によって主導され、市民や農民たちに発言権はないにも等しかった。
アモスは交渉の場で一切の譲歩を見せず、エドアルトがローレンスに託していた最大限の譲歩『ライヘンバッハにおけるゼオン教信仰の自由』ですら
互いの譲れない理念と正義がぶつかり合う。そして場の緊張は極限に達し――交渉は打ち切られた。
王都のウォーリアーズクランハウスの一室。
王の名代として、王太子アルフレッド=ヴァレンタインが今、美香子に対面する。
「桐島 美香子殿。国王エドアルトの
「承知いたしました、アルフレッド殿下。両名の王宮への参内、早急に手配いたします」
美香子は、アルフレッドの事務的な伝達事項を聞きながら、その内心、心の奥底では秘めた複雑な感情が静かに揺れ動いていた。
「信彦とジェイクに魔動機通信により直ちに伝達いたしますわ。両人とも遠方にてクエストに従事中では御座いますが、中途で切り上げさせ、可能な限り早急に王宮に参内させます」
だが今や、お互いすっかりドライに職務に
美香子がヴァレンタインのプロポーズを断ったあの日の、彼の意気消沈した姿。昨日のことのように思い出せる。
しかしそれも今は昔。目の前の彼の面持ちは冷静沈着そのものであった。
「奥村君、団長と副団長に魔動機で連絡を取ってくれる? 二人とも魔動機は使えないけど、パーティには魔動機を扱えるメンバーを入れてるから」
元彼の元気そうな姿にほっと一安心する一方、かすかな寂しさを感じずにはいられない桐島 美香子夫人なのであった。
・あとがき
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それでは、またお会いしましょう。