水没廃墟の海鮮娘が魚介の異能で百合色ディストピアを死守する話 作:田地町 待乃
敵地へ急がんと泳ぐシャチ少女の前に現れ、不当な身柄確保を試みてきた八つ目のウナギ……の、少女。
シャチ娘は抵抗するものの、巨大化したヤツメウナギの屈強さには歯向かえず。
元々ハイパワーな種族であるヤツメウナギ。それが人間サイズとなり、しかも手足までもを得ているのだから、もう無難な存在であるはずがない。
ヤツメウナギ娘の腕に胴体をつかまれ、なすすべもなく海上へと連行されゆくシャチ。
大げさな水しぶきとともに、二人の頭が水上から飛び出した瞬間、
「おいこらド変態シャチ娘! 今、
ヤツメ娘がセキを切る勢いで怒鳴った。それは当然、超音波ではなく、口から噴出した叫び。
「なんのこと? 私はここに用事があって」
シャチは、このような状況においてもなお透明な肉声で、必死の弁明を試みるも、ヒートアップしたヤツメウナギは聞く耳持たず。
「あーあーあー、マぁジ最悪。用事って盗撮のことかよ? 〈アレさえ撮れれば〉とか言ってたの、あぁしにハッキリ届いてんだよ!」
「違う! それはそこのマンsっ」
釈明のため、タワーマンションのほうを指差そうとするも、
慌てて話を止めたが、よりによって“マン”で言葉を切ったのは不味かった、とシャチは即座に後悔する。
「あ?
本人が言う通り、このヤツメ娘はとても魅力的だった。
いわゆるギャルであり、細く描かれた眉、けばけばしいまでの『つけま』、下着がギリギリ隠れる程度のミニスカート、それに銀色のツインテール……王道中の王道といえる。
加えて、セーラー服の襟は黒、そのラインは銀色、その上に着たセーターは濃いグレーであるため、ファッションも完全にヤツメウナギの配色となっている。
それだけに、もみあげからツインテールにかけて左右に七個ずつ並んだ髪飾りが、なんの不自然さもなく溶け込んでいた。
黒髪に三つ編みに眼鏡……というシャチ娘とは好一対といえるだろう。
シャチからスマホを強奪し、
「おら、ハッキリ撮れてんじゃんか! あぁしのパンツが!」
画面を見せつけてくる。
そこには、下着というより、なぜか見慣れた標識が映っているようだった。
黄色い三角形の中央に、大きくビックリマークが書かれた、アレだ。
「あれ? 標識が映ってる」
「あーめんどくさー」
少し引いたコマを一時停止すると、それはヤツメウナギの穿いた下着の模様であることが判明。
「へぇ。変わった柄」
マイペースかつ低テンションなシャチ少女は、今の状況も忘れ、無意識のうちに話題を脱線させる。
ヤツメウナギは、その変拍子に呑まれそうに……
「でしょ。結構気に入ってんだ~ってハナシ逸らしてんじゃねぇし」
……なったものの、寸でのところで
「とにかく私、盗撮なんかしてないから。帰ってよ」
「あんたみたいな女の敵を野放しにするわけにいかにゃーだ。ったく、せっかく念願の“女しかいないセカイ”になったってのに、こんな目に遭うんじゃやってらんねぇ」
そこで、シャチの真顔がよりシリアスな暗みを帯びた。
「私、そういう“女の敵”と戦う立場だから。今だってこうやって……」
その先を言いたいけれど、
「意味わかんなーい」
シャチをつかんだまま、ヤツメウナギはそっぽを向く。
「ねえヤツメウナギさん、話だけでも」
面倒な茶番のおかげで、シャチは忘れ切っていた。
……ここが事実上の
パーカーのフードに照りつける、太陽からの熱いアプローチが、ふっと何者かによって遮られる。
刹那、目の前のヤツメウナギが、ふいに顔色を変えた。
「ちょっ……なんでオトコが生き残ってんだよ!?」
ヤツメギャルは困惑した。なぜ、とうに滅んだはずの“人間の男”がここにいるのか。
あれよあれよという間に
「グェヘヘヘヘヘ」
ヒトのものとは思えぬ醜悪な笑いとともに、彼女の体を撫でまわしてきた。
この小説、小説家になろう様よりもノクターンノベルズ様でのほうが受けている現状があります。ハーメルン様においても、露骨な性描写を含んだR18作品化して投稿すべきでしょうか? あえてキッパリとした二択で!
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今すぐにでもR18化すべき
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このままR15で連載してほしい