緋の目をした者 第十一弾
バーに入ると先ほどのアテンタントがカウンターに足を組んで座っていた。
ん? 武偵高の制服? それにあのフリフリは…
「今回もきれいに引っかかってくれやがりましたねえ」
アテンダントはマスクみたいなお面をべりべりとはがし始めた。
「り、理子か!」
驚いて言うと
「Bon soir(こんばんわ)」
フランス語を使いながら、カクテルをくいっと飲みぱちりとウインクしてきた。敵ながら可愛いと思ってしまう
「アタマとカラダで戦う才能ってさ、けっこー遺伝するんだよね。武偵高にもお前達見たいな遺伝形の天才がけっこういる。 でも…お前の一族は特別だよオルメス」
おいおい!!オルメスって確かホームズの事じゃ無かったか!?アリアってホームズの一族だったのか…
「あんた…一体……何者?」
「理子・峰・リュパン4世―それが理子の本当の名前」
リュパンか、道理でフランス語を使っているわけだ、そして顔立ちも外国人っぽい訳だ
「でも家の人間はみんな理子のことを名前で呼んでくれなかった。 お母様がつけてくれたこの可愛い名前を、呼び方がおかしいんだよ」
「おかしい?」
アリアが聞き返す
「4世4世4世様ぁ!!どいつもこいつも使用人どもまで…理子をそうよんでたんだよひどいよねぇ」
「そ、それがどうしたってのよ。 4世の何が悪いのよ?」
なぜかはっきり言ったアリアに理子は目玉をひんむいた。
「悪いに決まってんだろ!! あたしは数字か! あたしはただのDNAかよ! あたしは理子だ! 数字じゃない! どいつもこいつもよ!」
この怒りは俺たちに向けているわけでは無いのだろう
だが、一つだけ分かるのは理子をこのままにして置けないって事かな?
「曾おじい様を越えなければ一生あたしじゃない! リュパンの曾孫として扱われる」
アリアは深刻な面持ちで聞いてた。
「なら、なんで武偵殺しなんでやったんだ?」
と俺が聞く
「武偵殺し? あんなものプロローグをかねたお遊びだ。 本命はオルメス4世アリアお前だ」
その目はいつもの理子の目ではなかった。
既に殺気立った目をしていた…
「100年前曾おじい様同士の対決は引き分けだった。 つまり、オルメス4世を倒せばあたしは曾おじいさまを越えたことを証明できる。 キンジ、鍵おまえらちゃんと役割を果たせよ」
俺たちに向けられる理子の目
「初代オルメスには優秀なパートナーがいたんだ。だから条件を合わせるためにお前らをつけてやったんだよ」
「迷惑な話だな」
とキンジ
「おいおい、初代は1人だったじゃねぇか」
などと軽口が俺
こいつは演じてたんだ。 馬鹿理子をずっと…
「バスジャックもお前が?」
「くふ、キンジぃ武偵はどんな理由があっても時計を預けたりなんかしたら駄目だよ。 狂った時計見たら遅刻しちゃうぞ」
そういえばキンジは理子に時計を壊されたって言ってたな、道理であの時遅れた訳だ
「何もかもお前の計画通りかよ!」
キンジが言う
「んーそうでもないよ。 予想外のこともあったもん。 チャリジャックで出会わせてバスジャックでチームも組ませたのにくっつききらなかったのは計算外だったもの。鍵に関してはくっつける気なんてさらさら無かったのに、パートナーになるし、キンジがお兄さんの話を出すまで動かなかったのは意外だった」
「兄さんを…兄さんをお前が?」
キンジの兄さん?
シージャックで死んだキンジの兄さんが関係していたのか
「くふ、ほらパートナーさんが怒ってるよ。 一緒に戦ってあげなよ。 いいこと教えてあげるあなたのお兄さんは理子の恋人なの」
「いいかげんにしろ!」
「キンジ! 理子はあたしたちを挑発してるわ! 落ち着きなさい!」
「これがおちついていられるかよ!」
「落ち着け!キンジ!」
駄目だこいつ完全に頭に血が上ってやがる。
キンジは反射的に銃を理子に向けたがその瞬間、飛行機が揺れた。
「うわ!」
「おーらら♪」
気付いた時にはキンジのべレッタはばらばらになり地面に落ちていた。
理子の手を見るとワルサ―P99が握られている。
「ノン、ノン。ダメだよキンジ。今のお前では戦闘の役には立たない」
さぁて、どうするかな
「あいつは私をご希望よ!あんた達は隠れてなさい!」
とアリアは言いばんと床を蹴り2丁拳銃を構えてアリアは理子に襲いかかる。
武偵の戦いは防弾制服があるため拳銃は一撃必殺の武器にはならないそのため近接からの打撃武器なのだ。
ワルサー1丁の装弾数とアリアのガバメント2丁の装弾数は互角だが…
「アリア2丁拳銃が自分だけだと思ったら間違いだよ」
そういうと理子はカクテルを投げ捨てると新たなワルサ―をスカートから取り出した。
だが、アリアは止まらない。
「くっ!この!」
「アハハ」
2人は至近距離から互いに銃を撃ち、射撃戦を避け、かわし、相手の腕を自ら弾いて戦う。
次の瞬間、弾切れをおこしたアリアは両脇で理子の両腕を抱えた。
2人は抱き合うような姿勢になり銃声が止む。
そしてすぐにアリアがバリツをかける
ーー格闘ではアリアが上か
「鍵!キンジ!」
俺は言われる前に出しておいたファイブセブンを、キンジはバタフライナイフを理子に向ける
「チェックメイトだ、理子」
それでも理子は笑みを絶やさない
「カドラ―奇偶よねアリア、理子とアリアはいろんなとこが似てる。 家系、キュートな姿、それと2つ名」
「?」
「あたしも2つ名を持ってるのよカドラの理子。 でもねアリア」
な、なんだ?あれは
髪が動いている!?
「アリアのカドラは本物じゃない。 お前はまだしらないこの力のことを」
まるで神話のメデューサのように動いた理子の髪は背後の隠していたナイフでアリアの襲いかかる。
1撃目はなんとかよけたアリアだが反対のナイフがアリアの頭に鮮血を飛び散らせた。
多分側頭動脈をやられたか!!
「キンジ!アリアを連れて部屋へ戻れ!!」
そういうと、理子とアリアの間に入る
キンジがアリアを抱えて出て行くーー時間は稼ぐさ
「ごめん!!」
キンジの声が聞こえてくるが俺は振り返らずに
「バーカ、気にするな」
そして理子を見据える
「キャハハ、鍵は逃げないの? 殺しちゃうよ」
「それは困るがそう簡単に死なないぜ、その前に理子聞きたいことがあるんだが教えてくれないか?」
「いいよ! 理子は今気分がいいからね。 スリーサイズでもなんでも答えてあげる」
「それはとっても気になるが…、アリアを殺すのか?」
「もう、死んじゃったかもしれないねぇ。心配しなくても鍵も後を追わせてあげる。それともイ ウ―に来る?歓迎するよ」
「嬉しいご招待だがまた今度だな、まだあいつのパートナーだからな」
正直今俺はアリアが無事か心配で焦っているから緋の目は使えそうにない…だがあえて俺から戦闘に誘う
「Est-ce que vous ne dansez pas ensemble?(一緒に踊りませんか?)」
理子の殺気が伝わってくる。
「Avec plaisir!(喜んで!!)」
理子はそういうとワルサ―をこちらに向けてくる。
敵対する以上。全力でお相手させてもらうよ!!
左手にナイフを持ち、右でファイブセブンの引きがねを引く