3人の転生者が色々な世界を巡るようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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バーチャル配信者

 渚君が寺坂君達にそそのかされて自爆テロみたいな暗殺を敢行したり、新学期から編入してきた茅野さんが先生に殺せない先生ということで殺せんせーと命名したりしで4月も中旬に差し掛かった頃、遂に私達がVチューバーになるための皮の2Dモデルが完成した。

 

「どう動いている?」

 

「目の動きと口の動きが連動しているけどやっぱりまだ動きが硬いな……殺せんせーに相談してみない?」

 

「パソコンとか詳しそうにはみえませんが?」

 

「超生物だし、授業もしっかりできているからできるんじゃない? 一応プレゼンの資料でも作成しますか」

 

 ということで私達は殺せんせーに動画配信の事を相談することにした。

 

「なるほど動画配信者という職業を皆さんしていたのですね。それがアルバイトに当てはまりE組に落とされたと」

 

「学業も真面目にやるんだけど、今のところネットアイドル……バーチャルユーチューバーが将来の夢だからさ! 殺せんせー手伝ってくれませんか?」

 

「ヌルフフフ、生徒の頼みを断る先生はいませんよ」

 

 一応作ってきた資料を見せる。

 

 Vチューバーという概念がまだ無い時期なのでカメラに映った顔を識別して出力するというのが難しく、私もそのプログラミングに手間取っていた。

 

 殺せんせーは親が出かけている時間に部屋に来てパソコンや周辺機器の整備をしてもらい、データを殺せんせーの持つパソコンに移して2Dモデルの修正し、手直しした物を起動するとヌルヌル動くようになった。

 

「ヌルフフフ、しかし、これでは性能がまだ足りていませんねぇ」

 

「殺せんせーパソコンの性能を上げることはできない? 予算は出すから!」

 

「仕方がありませんねぇ。どれくらい出せますか?」

 

「私と叶と春奈の3人分で1人20万円くらい」

 

「なるほど……数日お待ち下さい。世界のジャンク品から高性能なスパコンを組み立ててみせますよ!」

 

 殺せんせーはそう断言して数日後にスパコンを3台用意してくれた。

 

 私達のスマホを接続すると更に性能が上がり、私らが死んだ2024年のバカ高いゲーミングPCよりも処理能力も内蔵容量も多くなっていた。

 

「ヌルフフフ、どうですか? アバターもヌルヌル動くでしょう」

 

「殺せんせー助かったわ。ありがとうね!」

 

「いやいや、先生も良い経験になりました」

 

「お礼は何が良い?」

 

「でしたら……給料日前の金欠の時にお弁当を作ってもらえたら助かります」

 

「わかった。叶や春奈とも相談して作るよ」

 

 殺せんせーのお陰でVチューバーとしての基盤が出来たので、早速テスト配信をする。

 

「あーあー、おお目がぱちくり動く!」

 

『こっちも感度良好だよ!』

 

『めちゃくちゃヌルヌル動きますわね……』

 

 殺せんせーと関わるのはこれが初めてだったが想像の数倍生徒に親身になって対応してくれることがわかった。

 

「ただ先生に甘えてばかりじゃ駄目だからね。……なんか殺せんせーマークの知らないアプリも入っているし」

 

『勉強アプリらしい。これを使って勉強しろってことかな』

 

『分からない所は殺せんせーに質問をしよう』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「冬さん、叶さん、春奈さんは配信者でしたか……登録者数も20万人、学生やサイトの規模を考えると十分に凄い配信者ですね。ほぼ毎日動画を上げているのですが……ジャンルも幅広いですね。ゲーム実況から歌ってみたり勉強だったり体操の技をやってみたり、お料理配信だったり……」

 

「おやおや? 早速バーチャル配信の予定を発表していますね。バーチャルな配信者ですか……これならば顔がバレる心配も減りますし、年齢や容姿によって心配する必要も減りますかね。新しい配信体系になるでしょうねぇ」

 

 殺せんせーは新しい配信が始まるという事を発表した3人の生配信を眺めていた。

 

「ヌルフフフ、視聴者の方も興味を引く配信で面白いですね。彼女達はE組に居ながら最初から将来の夢が明確に決まっていますからね。先生はそれを支えて上げなければ……」

 

 

 

 数日後、準備を終えた私達はバーチャル配信を開始する。

 

 それぞれの家でアバターを被った私達が配信されると待機していた視聴者達からも大きな反響が起こった。

 

 可愛いとかアニメみたいというコメントが溢れる。

 

 しかもそれが生配信で動いているというのが凄い新鮮である。

 

「皆ーフユだよ! 今日は私達の姿のお披露目配信に来てくれてありがとうね!」

 

『知っている人が殆どだと思うけど僕はカナエ! チームリカネの黄色担当だよ!』

 

『チームリカネの赤担当ハルナですわ!』

 

「チームリカネの緑担当フユだよー!」

 

 同接2000人……配信場所はニマニマ動画だが規模を考えれば上々である。

 

「私達バーチャル配信者になりました! パチパチ!」

 

 コメントも目新しさに興味を惹かれて同接人数も徐々に増えていっている。

 

「バーチャルなアバターを被った配信者! 略してバーチャル配信者です! バーチャルのVに配信者でV配とでも呼ぼうか」

 

『さあ新たな門出となったので僕達リカネについて改めて紹介しようと思います! フユフリップをお願い!』

 

「はいはーい! でけでん!」

 

 画面にはリカネとはというパワーポイントで作ったフリップが出てくる。

 

『まずはリーダーのフユから!』

 

「緑だけどリーダーのフユです! このチームの配信機材や動画や配信のきっかけを作ったのは私になります! 知っている人は知ってそうだね! アバターの絵を描いたのは私になります。特技は料理と絵を描くこと。あとパソコンに少し詳しいかな」

 

『次ハルナ!』

 

『はい、赤担当のハルナですわ! 歌ってみたとかではお馴染みだったかしら? ピアノも弾けるので楽しくやらせてもらっていますわ!』

 

『最後に黄色担当の僕カナエだよ! 僕は基本運動担当だね! 2人にパルクールを教えたのも僕になるよ! 踊ったりするのも任せてよ!』

 

「はい、こんな感じのメンバーで活動していきます! 今日は紹介動画ということで他にもコメントで来た質問をこたえていきます!」

 

『えー、皆何歳ってコメント来てるね。年齢は言えないけど中学生って設定だよ』

 

『コメントで設定って言い出したぞとか言ってるけどこれがバーチャル配信者だ! 設定あってなんぼだよ! あれだ風俗のパネルと事前情報と同じだ』

 

「ハルナ本当に中学生か? 初っ端から風俗ネタを出すなよ……」

 

『てへ!』

 

 それぞれ15分ずつ自己紹介の時間を取り、最後の15分でそれぞれの印象を言い合うのだった。

 

 

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