3人の転生者が色々な世界を巡るようです   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第二の刃

 テストまで1週間を切り、殺せんせーもクラス全員に1人の分身を付けて苦手科目を中心に勉強を教えていた。

 

 各教科ハチマキを巻いていており、私も苦手教科の英語のハチマキを巻かれている。

 

 少し前まで3人くらいの分身が限界だったのに更に早くなっている気がする。

 

「冬さん! もう少し先も覚えてみませんか! 範囲外ですがこれも面白いので!」

 

 と、私とカルマ君は範囲外も普通に教えてくる。

 

 前世の影響でテストが全てではないが勉強して損は無い事を身にしみて知っているので私は文句も言わず、進んで勉強をした。

 

 放課後も殆どの生徒が帰る中、私達3人は殺せんせーに頼んで補習授業を受けていた。

 

「ヌルフフフ、冬さん、叶さん、春奈さんは真面目ですね」

 

「いやね殺せんせー、私達3人共95位以内に入らないと親から配信活動の停止をさせられちゃうんだよね」

 

「「そうそう」」

 

「なるほど、だから必死なのですね」

 

「それに勉強は裏切らないからね。後々に学んだことが活きてくるんだよね」

 

「随分と達観していますね? 何か原因でも?」

 

「いや、今までの経験からかな……私は配信活動で食べていきたいけど、それも頭が良くないと新しい話題についていけなくなって過去の人になっちゃうから……配信者って常に新しい物へのアンテナを張る必要があるんだよね」

 

「僕も将来どうなるかわからないからなぁ。配信を続けるかもしれないけど、体操選手として活動しているかもしれないし、もしくは全く別のことをしているかもしれないからね」

 

「私は配信活動続けますわよ? でも将来は事務所にしたいですわね。配信者も増やして会社にしてみたいですが、それには色々と学ぶ必要がありますからね」

 

「なるほど、3人はそれぞれ夢があるから勉強を頑張れるのですね」

 

「「「はい!」」」

 

「ヌルフフフ、なら高得点を取らないといけませんね!」

 

 叶と春奈は範囲内の勉強をしっかりと教わり、私はより多く詰め込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 テスト前日、殺せんせーは更に分身を増やし、1人に3体付けるペースで分身を増やし、勉強を教えていた。

 

 少々分身を増やしすぎたのか若干雑になっていたが、それだけ殺せんせーが張り切っているのだろう。

 

 殺せんせーも1時間みっちりやるとバテるのか、4時間目が終わる頃には茹でダコみたいになっていた。

 

「なんでここまで頑張るかね〜」

 

 岡島君の質問に殺せんせーはテストの点数が上がれば生徒達から尊敬の眼差しで見られたり、噂を聞いた近所の巨乳女子大生達にモテモテになれるかもしれないという煩悩による理由を語った。

 

 まあ本心で言っていない建前であると1ヶ月近く共に学校で過ごしてきたのでわかるが……

 

 ただその言葉に生徒達は勉強は程々で良いよ、と言う返答が返ってくる。

 

 勉強よりも暗殺の方が夢があると言う言葉を言う生徒が出てきてしまう。

 

「俺達エンドのE組だぜ殺せんせー」

 

「テスト【なんかより】暗殺の方が身近なチャンスなんだよ」

 

 この言葉に殺せんせーは一瞬真顔になり、次に顔に×マークを浮かべた。

 

「なるほど良く分かりました。今の君達には暗殺者の資格がありませんねぇ」

 

 そう殺せんせーが言うと全員校庭に出るように言われ、全員校庭に集まる。

 

「イリーナ先生、プロの殺し屋として伺います。暗殺の仕事をする時、用意するプランは1つですか?」

 

 答えはNO。

 

 正規プランだけで仕事が成功するほうが稀であり、幾つもの予備プランを綿密に計画し、あらゆる想定をし、少しでも成功率を上げると答える。

 

「烏間先生、生徒に教えているナイフの技術。第一撃だけを重視しますか?」

 

 答えはNO。

 

 第一撃目は勿論重要だが、避けられる可能性が高く、二撃目、三撃目をいかに高精度で繰り出すかが勝敗を決すると答える。

 

「自信を持てる次の手があるから自信に満ちた暗殺者になれる。対して君達はどうでしょう? 俺等には暗殺があるからそれでいいやと思っていませんか? そう考えて勉強の目標を低くしてしまっている」

 

「それはE組と言う劣等感の原因から目を背けているだけだ。【第二の刃を持たざる者は……暗殺者を名乗る資格なし!】」

 

 殺せんせーはグラウンドで竜巻を発生させるとそう叫んだ。

 

 次の瞬間グラウンドはきれいに手入れをされ、凸凹だったり雑草で荒れていたグラウンドはピカピカになっていた。

 

「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平らにするに容易い事です。もし君達が、自信を持てる第二の刃を示せなければ相手に値する暗殺者はこの教室にいないと見なし、校舎ごと平らにして先生は去ります」

 

 渚君が殺せんせーに質問する。

 

「第二の刃はいつまでに?」

 

「決まっています。明日です。明日の中間テストでクラス全員50位以内を取りなさい。君達の第二の刃は先生が既に育てています。本校舎の教師達に劣るほど先生はトロい教えはしていません。自信を持って振るいなさい。ミッションを成功させ、恥じることなく笑顔で胸を張るのです!」

 

「自分達が暗殺者であり、E組であることに!!」

 

 その日はそれで解散となり、補習授業も無くなった。

 

 私と叶と春奈はその日の配信を辞めて、勉強に集中した。

 

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