その少女はサトシに抱きついた。
この体温……
「……ラティアス」
少女は顔を上げると数回小刻みに頷いたのだ。
昔、オーキド博士がポケモンの体温はタイプによって違うけど殆どは体温が人より低いって言ってたよな。
「ラティアス、久し振りだな!!」
『ピカチュウ!!』
ラティアスは突然の再会に歓喜のあまりピョンピョンと跳寝て喜んだのである。
「そうだ、ラティアス、カノンやボンゴレさんは元気?」
サトシの問いにラティアスは頷きサトシの手を引っ張り走り出した。
「案内してくれるのか?」
そして、ラティアスに引っ張られサトシとピカチュウはアルトマーレの町中を駆け巡りとある場所にたどり着いたのであった。
「……ここは」
そう、そこはラティアスたちが現れる秘密の庭への入り口……行き止まりに見えるもこの壁は通り抜けることができ、その秘密の庭へと繋がってるのだ。
ここにはこころのしずくがあるんだよな……ラティオス……
「懐かしいな、なっ、ピカチュウ」
『ピッカッチュ』
そして、ラティアスはさっそく壁の奥へと消えていったのである。
「俺たちも行こうぜ!!」
『ピッカッチュ!!』
サトシとピカチュウもラティアスを追いかけ壁の奥へと走っていったのだった。
「うわぁぁ、懐かしいぜ!!」
「ピカァァ……」
サトシは久し振りに瞳に広がる秘密の庭の光景に目を輝かせた。
『クゥクゥ!!』
サトシとピカチュウの頭上には本来の姿になったラティアスが楽しそうに飛んでいてラティアスはサトシの帽子を奪ったのだ。
「ラティアス!!この~」
『クゥクゥ!!』
その時
『シャアァァァ!!』
『キュウウ!!』
突然、緑色の何かと黄色の何がサトシとピカチュウの方へと突撃してきたのである。
「うわっ!!」
『ピカッ!!』
『クゥクゥ!!』
突撃してきたその何かはラティオスにラティアスだった。
しかし、
「色違い……」
ラティオスは緑色、ラティアスは黄色だったのだ。
『クゥクゥ!!』
ラティアスは色違いラティオス、ラティアスの誤解を解こうと必死に説明しているも2匹の誤解はとけなかった。
『シャアァァァ!!』
『キュウウ!!』
そして、2匹がサトシとピカチュウにさらに攻撃を加えようとしたのである。
その時
「やめるんじゃ!!」
突然の声に色違いラティオス、ラティアスの動きがピタッと止まった。
「久し振りじゃの、サトシ君」
「ボンゴレさん!!」
『ピカピカ!!』
そう、色違いラティオスたちを制止したのはボンゴレだったのだ。
「ラティオス、ラティアス、この人は大丈夫じゃ……ほら、前に君たちが来たときに話したじゃろ、4年前にアルトマーレを救った英雄じゃよ、このサトシ君は……」
『シャア』
『キュウウ』
そして、色違いラティオス、ラティアスは互いに顔を見合わせ理解しサトシに近づき謝罪の意味として2匹とも深々と頭を下げたのである。
「謝ることなんかないって!!俺はサトシ、こっちは相棒のピカチュウ」
『ピッカッチュ~』
「よろしくな!!」
『シャア』
『キュウ』
「そうだ、ボンゴレさん、カノンはどこに?」
「あ、ああ、カノンは旅の準備をしてる筈じゃ」
「旅?」
『ピカ?』
「カノンが急に旅に出ると言い出してのぉ」
「家にいるんですか?」
「ああ、サトシ君も会ってやってくれ、カノンも喜ぶ筈じゃ」
「もちろんです!!……でもその前に……」
サトシはここのしずくがある場所へと向かった。
「……ラティオス、久し振りだな」
どうにか、お前のこと救ってやりたよ、カノンやラティアスのためにも……
その頃、ボンゴレの家の中でカノンはパスタを茹でようと準備していたのだ。
「今日はお爺さんの大好きなボンゴレパスタにしよっと」
そこへ、
「カノン、ただいま」
「あっ、お爺さんお帰りなさい、今日はお爺さんの好きなボンゴレパスタにするね」
「それは楽しみじゃの」
そこへ、カノンの姿をしたラティアスがピカチュウを抱いて入ってきたのである。
「いらっしゃい、ラティアス……ん?そのピカチュウは……」
そこへ、もう1匹ピカチュウが入ってきた。
「……ラティアス、そのピカチュウ、あの子達の変身よね、もう私のことからかわないでよ」
ラティアスね、あのラティオスたちをピカチュウに変身させて、全く、もう……
そして、2匹のピカチュウは色違いラティオス、ラティアスの姿へと戻ったのだ。
「やっぱり」
そこへ、もう1匹ピカチュウが入ってきたのである。
「もう!!しつこい!!……って、あれ、今ってラティアスもラティオスもこの子達だけよね、じゃあ、このピカチュウは?」
『ピッカッチュ』
「本物……だよね?」
「もちろん、本物だよ」
「えっ……」
そして、サトシが家の中へと入ってきた。
「!?……サ、サトシ君……」
「久し振り、カノン」
『ピカピカ』
サトシ君、どうしてここに!?
「う、うん、久し振りだね……」
「どうしたんだよ?」
「いや、突然だったから驚いちゃった、アハハ……」
その後、サトシはボンゴレとカノンとともにカノンの作ったボンゴレパスタを頬張っていたのだ。
「うん、おいしい!!」
「よかった〜」
「そう言えばカノン、旅に出るんだって?」
「……うん、ラティオスを助けてあげたいの」
「ラティオスを……」
「うん」
「どうやって」
「わからない、わからないけど、何もしないなんてできない」
「……カノン!!」
「えっ」
「俺も協力させてくれ!!」
「サトシ君……」
「俺もどうやったらラティオスを助けられるのかはわからない、でも、1人より2人の方がいいだろ!!」
『ピッカッチュ!!』
「……ありがとう、サトシ君」
「決まりじゃな、カノン、これはカノンにとっていい経験になる筈じゃ、サトシ君とともに行きなさい」
「……はいっ!!」
それからサトシとカノンはアルトマーレの町中を2人で歩いていたのである。
「明日出発になっちゃってるけど大丈夫?」
「ああ、平気だよ」
「そう……あのね、トウキョウ地方に行こうかと思ってるの」
「トウキョウ地方?たしかニッポンの本土の首都のトウキョウシティがある地方だよな?」
「うん、トウキョウ地方にある図書館にこころのしずくに関しての資料があるらしいの、何か手がかりになればと思って」
「こころのしずくの資料?そんなもの見れるのか?」
『ピカ?』
「たぶん、見れないな」
「えっ」
「一般公開されてないもの」
「じゃ……」
「有名人になるしかないんじゃないかな」
「……カノン、それって……」
「だって手がかりそれしかないもの」
「……わかった、カノン、俺、有名人になるよ」
「サトシ君?」
「有名人になれば資料も見れるかもな」
「そうだね」
「で、どうやって有名人になればいいんだ」
「……フフ……」
サトシの言葉にカノンはクスクスと笑った。
「そうだね、そう言えばトウキョウ地方にもポケモンリーグがあるよ、ほら、サトシ君、シロガネリーグに出場してたでしょ、中継されてたものね」
「ポケモンリーグ!!本当か……て、カノン見てたのかよ~」
「うん!!バシャーモにやられちゃってたね」
「くっ、酷いなぁ~」
「ごめんごめん」
「でも、ポケモンリーグ……それで優勝すれば資料も見せてもらえるかも、なっ、ピカチュウ!!」
『ピッカッチュ!!』
「決まりだね、それじゃ、今日はうちに泊まって明日出発しようね」
「ああ!!……カノン」
「ん?」
「俺、誓うよ、ラティオスを助けるために……俺、トウキョウ地方で頑張る!!」
「……ありがとう、サトシ君」
それはアルトマーレの誓いだったのだ。
そして、次の朝、アルトマーレの桟橋にボートが1隻着岸していたのである。
「2人とも気をつけての」
「「はい!!」」
サトシとカノンは同時に返事をし、カノンが先に乗り込み次にサトシがボートに乗り込もうとした。
その時
ボンゴレがサトシを呼び止めたのだ。
「サトシ君、カノンをよろしく頼むよ」
「はい、ボンゴレさん任せてください!!……行くぜ、ピカチュウ!!」
『ピッカ!!』
こうして、サトシとピカチュウ、カノンはボートに乗ってアルトマーレを発つのであった。
そして、ボートでアルトマーレを出て沖の方へと向かった頃、
「カノン、ジョウトについたらコガネシティのリニアモーターカーでカントーに行って飛行機に乗るんだよな?」
「うん、そう、それじゃ、サトシ君とピカチュウも改めてよろしくね」
「ああ、よろしく、カノン!!」
『ピカチュウ!!』
カノンはモンスターボールを取り出したのである。
「それとラティアスも頑張ろうね!!」
カノンの言葉にモンスターボールはカタカタと揺れて返事をした。
そうラティアスはカノンの手持ちとなってこの旅に付いてくるのだった。
カントー地方のとある空港に1人の男がいたのだ。
『トウキョウ空港行き直通便の搭乗券をお持ちの方は第三搭乗口までお進みください』
アナウンスに反応しその男は搭乗券を手に第三搭乗口へと足を進めたのである。
その時
「タケシ兄ちゃん!!」
「ジロウ!!」
「兄ちゃん、トウキョウシティでポケモンドクター養成学校の卒業研修頑張ってね!!」
「ああ、ジロウ、行ってくる!!」
そう、男はかつてサトシと共に旅をしたタケシだったのだ。
そして、ポケモンドクター養成学校の卒業研修のため彼もまたトウキョウ地方へと向かうのであった。
TO BE CONTINUED…
皆さんお久しぶりです、間を開けてしまい申し訳ありませんでした。それと、この小説の設定ではアニメ本編1つのシリーズごとに1年が経過してる設定です、なので、ラティオスとラティアスの映画が無印の最後としそこからシリーズが終了するごとに1シリーズごとに1年経過しこの小説はカロス地方編が終了し映画から4年が経過してるという設定ですご理解頂けましたか?わからない方は感想で聞いてください!!