《悲報》ワイ、マジシャン。魔法の才能ゼロなのに勘違いされて王国魔法学園に入学してトップにならなきゃいけない模様www 作:おれ
指差された一番奥の席に向かうと、周りがざわつく。まぁ、良いや。俺から話しかけようなんて思わないし、関係無い。素知らぬ顔で座っていた。
「いやぁ、注目されてんな。転入生君」
「……」
「おーい、転入生君」
「あいどんとすぴーくいんぐりっしゅ……」
カラフルイケメンじゃん……。喋りかけんな、鳩ヅラにするぞ。
「ははっ、転入生君も可哀想にな」
そんな事を思っていると、何故か鳩ヅライケメンに同情された。鳩ヅラに同情されるこの世界は不思議だ。
「何が?」
「このクラスに入ったら一位にはなれないからさ。例え、どんな優れた魔法を持っていたとしてもそれが確定してる。ほら、一番前。真ん中の席見てみな」
言われた通り、視線を前に向けると。そこには納得しそうになる程の絵面が待っていた。
「絵に描いた様な美少女だ」
金髪のロングで、あ、耳とんがってる。エルフか。ラノベのお約束、一作品に一人は絶対いるよな。
でも、俺が一位になれないのは何でだ?なれなきゃ永遠に留年する事になるんだが。学費そんな払えないぞ。……間違えた、払って貰えないぞ。
「彼女は神に忖度された存在って言われてるんだ、理事長の娘で。魔力、魔法、
気になる所で邪魔が入った。しかし、その邪魔を入れたのは話題の人物だった。
『エトラト・グリージャー先生、授業中断して貰って良いですか?』
『おや、何でかな?もしかして、何か分からない事でもあった?』
まるで小馬鹿にする様な態度で、生徒を見下し嘲笑う。
『ふっ、冗談でしょう?予習済みで、完璧に頭に入っていますが?証拠に今此処で術式を組み立てて、撃ってみましょうか?』
あくまでも提案な筈なのに、彼女は既に術式を組み立てており後はそれを放つだけだった。だが、それに一切引かずそれどころか詰め寄る様にして先生は質問を続けた。
『お喋りが好きなら、廊下で壁相手にすれば良い。もう一度聞くよ。何があったんだい?』
再度の質問にも彼女は答えず、その代わり意味の分からない事を口にした。言葉を選ばず言うのなら、「何言ってんの?お前」だ。もしかしたら俺の口から漏れていたのかもしれない。
『転入生のマジック・シャンシャンとの戦いを希望します。彼にも分からせなきゃいけないので、私がこのクラスで一番だと言う事を』
『ん?君が?まぁ良いか。……分かった!それなら許可しよう』
許可しないで。なぁ?ねぇ!?何で?そっちが好き放題やるなら、こっちだって出る所出るからな!
「ちなみに転入生の魔法はどんな魔法なんだ?」
「……俺は魔法は使えないんだ。その代わり、マジックが出来る。すげーだろ?」
マジックは俺の唯一の取り柄だ。自然な笑顔でそう笑って見せた。ハトヅラの方は笑っていなかったが、気にしない。
「成程な、それは強そうだー。もし勝てたら俺を仲間にしてくれ。情報やっただろ?」
張り付いた笑顔で人形の様にそう言った。本当にそう思ってるのか?とも思ったが、所詮マジック。魔法の紛い物と馬鹿にされている肩身の狭い物である。これもお約束になるが、こう言う逆境から勝つのも、また主人公のお約束で尚且つカッコいいと思う。
まぁ、俺は主人公には向いて無い。あー言うエルフとかが派手な魔法を撃ってる方が絵は持つと思う。俺なんかがマジックするよりもチップ沢山投げてくれるだろうな。
そんな妄想をしている内に、俺の意志とは関係無く話はどんどん進んでいった。もう逃げ場は無い。