【完結】TS脳筋没落ジオンお嬢様戦記   作:むにゃ枕

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12 総帥閣下は無能な軍部にお怒りのようです

 小惑星ソロモンは地球へと落下した。だが、ジャブローは無傷だった。地球連邦軍の爆破によりソロモンはジャブローへの突入コースから逸れた。落下地点はユーラシア大陸の東、シベリアだった。

 

 ソロモンを巡る一連の戦闘で、両軍の宇宙艦隊はより一層疲弊することとなった。戦争開始から既に四ヶ月が過ぎようとしている。これほど大規模な海戦を二度も行うことは、ジオン、連邦どちらも予想していなかった。

 両軍は戦力の回復に努めた。時間は連邦軍に有利である。連邦軍は小規模なハラスメントを行うのみで、積極的に打って出ようとはしなかった。

 

 二度の大規模艦隊決戦を経たことで、ジオン軍の艦隊戦力は不足気味だった。戦時増産と民間船の転用が進められているが、船に乗せる人員がいなくなっていた。ジオンには、予備役制度が有り、船乗りもその対象だった。民間の船乗りを予備役軍人として使っても、人員枯渇は深刻だった。

 

 ジオンは決断を迫られていた。本国は再度の質量攻撃を提案した。コロニーでも小惑星でも良いのでジャブローを潰せば勝てると踏んだのである。

 それに対し、軍部は反発。隕石落としは、無駄に将兵を死なせた上で、ジャブローを潰せず、連邦軍を結束させ、敵の士気を高めただけの失敗だったと非難した。

 

「ギレン兄、軍は限界だ。効率化しか勝利への道は残されていない。俺からは、宇宙攻撃軍、突撃機動軍、親衛隊の解体と、統合軍への移管を提案する」

「ほう……ドズル、言うようになったな」

 

 この三軍は、非常に仲が悪い。相互連携の不足は、ハッテ海戦、地球軌道海戦においての反省点の一つとなった。

 

「それと輸送総司令部の新設と、護衛船団方式の徹底を提案する。我が軍には余裕がない。一隻一隻が惜しい。連邦のハラスメント攻撃で、輸送艦が沈んでいる」

「私からも、提案がある。マ中将の推進する統合整備計画。三軍の範囲を越えてこれを実施する必要がある」

 

 ギレンは、溜め息を吐いた。ギレンにとって最大の敵は肥大した軍部である。軍部のクーデターを避けるために、自身の親衛隊を作り、官僚機構を支配下に収めたのだった。軍制を複雑にしたのもクーデターを予防するためである。それを明快にするというのは、明確なギレンへの敵対行為であった。

 軍部への統制のために妹と弟を送り込んだ。彼らが、自分に反発するなど、ギレンは予想していなかった。

 

「却下だ。敢えて言おう。この半年、貴様らは何をやっていた? 私の作戦計画すら守れず、闇雲に時間と将兵を浪費した。怠慢だ。ドズル、キシリア。お前たちは無能だ。

 この戦いは、連邦軍の戦意を削ぎ、敵の継戦意志を折るものだ。それが何だ! お前たちは、失敗ばかり……」

 

 ギレンは机を叩き、激しく声を上げる。

 

「ドズル、キシリア、お前たちには責任を取ってもらう」

 

 ギレンが下した辞令は、キシリア、ドズルの周囲にいたスタッフを根こそぎ左遷するものだった。そして、後釜にはギレンシンパの将校が送り込まれるという。

 キシリアとドズルは、これに反発したがギレンは聞かなかった。キシリア、ドズルをお飾りとするような人事異動。それを二人はキッパリと拒絶した。中央と軍部の間には亀裂が広がり始めた。

 

「ギレン兄は何を考えている。この戦時において、将校の入れ替えだと? 全くもって意味が分からない」

「兄上は、私たちを信じられないのだろう。戦争計画が破綻してしまったからな。サイド2、アイランド・イフィッシュへの毒ガス注入の失敗。そこから兄上の計画は崩れてしまった」

 

 開戦から一年が経過した。だが、戦況は膠着したままだった。小競り合いはあるものの連邦軍は巨大組織としての鈍重さから。ジオン軍は戦力不足から、動くことが出来なかった。

 そんな折、デギン・ザビが秘密裡に連邦軍との交渉の席を持った。それは、ギレンの逆鱗に触れる。

 

 ギレンにとってこの戦争は聖戦であり、自身のイデオロギーが現実よりも優先されるもので、国土が焦土になってでも行わなければならないものだった。

 自身の父親とはいえ、停戦交渉を行おうとするものは裏切り者以外の何物でもなかった。

 

「何の光ぃ゙ぃ゙!?」

「ギレン、謀ったなぁぁぁ!!」

 

 ギレンは、ルウム付近の宙域で密会していたデギン・ザビとレビル。彼らを乗艦ごとコロニーレーザーの長距離射撃で消し去った。

 それに対し、連邦軍の反応は激烈だった。ジャブローより、新型MSジムを満載したペガサス級50隻をはじめとする反撃用戦力が宇宙へ送られた。ルナツー艦隊と反攻主力艦隊が合流し、サイド5(ルウム)へと向かった。

 

 ギレンは、艦隊戦での撃滅を指示。しかし、グラナダの突撃機動軍は動かなかった。また、ア・バオア・クーの宇宙攻撃軍も動かなかった。

 連邦軍艦隊は妨害を受けずにサイド5(ルウム)に入渠する。

 

「本当なのか? キシリア姉? ギレン兄が父上を殺したというのは?」

「確かだろう。連邦内のシンパからの情報だ」

「俺は、ジオン軍人だ。個人的な恨みはどうであれ、ジオン軍人だ。だから、俺はア・バオア・クーを守る。姉上の行動には一切関知しない」

「それだけで十分だ」

 

 ア・バオア・クーが猛攻に晒される中。キシリアによるクーデターが実行された。その先鋒となったのは、拘禁されていたはずの海兵隊だった。




ギレン(勝った! 独立戦争! 完!)
セシリア「連邦軍がソロモンを爆破しました。ソロモンはジャブローに落ちずシベリアに落ちたようです」
ギレン「畜生め! 大ッ嫌いだ! おっぱいぷるんぷるん!」
セシリア「総帥……」
ギレン「もう一回落とせ!」
セシリア「ドズル様が、艦隊がボロボロで、もう作戦行動は出来ないと……」
ギレン「教育教育教育教育!! 死刑死刑死刑死刑死刑!!」
セシリア「お飾りにして、総帥のイエスマンを前線部隊に配置します!」
セシリア「断られました。反乱です! お父様がレビルと密会してます!」
ギレン「殺せ! アースノイドは皆殺しだ! 融和派も皆殺しだ!」

ジャブロー「シベリアに小惑星落とすのこわいな〜とずまりすとふぉ〜」
ジャブロー「MSも作るけど戦艦も作る。数の暴力で潰す。ジオンの5倍いれば勝てるだろ」
ジャブロー「レビルが和平しようとしてんの。へー。殺された? 怒らせちゃったねー。舐められたら潰す! 倍プッシュだ!」
(艦隊ドバー)
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