それから数日間、学校中がミセス・ノリスが襲われた話でもちきりだった。
犯人についての無責任なうわさ話に耳を傾ければ、ハリーとマルフォイが犯人の有力候補のようだ。
私達は、先生たちの言ったホグワーツの伝説について調べていた。
これはハーマイオニーが特に熱心であった。
『ホグワーツの歴史』が全て貸し出されていて、予約も半月先まで埋まっている事を知ると他の本に何か手掛かりがないか調べ始めた…私達も手伝ったが、上手く調べられずにいた。
翌水曜日、魔法史の授業でハーマイオニーは行動を起こした。
この授業、ゴーストのピンズ先生による単調な読み上げを邪魔しなければ…つまり、騒がしくしなければ特に注意もされない為、私とハリーはノートを取りながら関連書籍で自習する時間にしていたのだが授業が始まって30分ほどたった頃、ハーマイオニーが挙手した。
そして、『秘密の部屋』について質問したのだ。何度かのやり取りの後、ピンズ先生は『秘密の部屋』について話す事に同意した。
『秘密の部屋』とはホグワーツ四人の創設者の内の一人、サラザール・スリザリンが入学者についての意見の相違で他の創設者と決別してホグワーツを去った際に残して行った何らかのバケモノを封じたサラザール・スリザリンの継承者のみが開ける秘密の部屋についての伝説の事らしい。
と、いう事はサラザール・スリザリンの伝承について調べれば何か出てくるかもしれない。
魔法史の授業の後、私達は秘密の部屋について話しながら一度寮に戻ろうとしていた。
その途上、三階の例の廊下の端に出た。
その時、ハリーが辺りを調べたいと言い出し、私達はそれに付き合う事になった。
ハリーは廊下の床のあちこちに焼け焦げた跡を発見し、ハーマイオニーは蜘蛛が何かから逃げるように城の外に這い出していく様子を見つけた。
その様子について思案しているとロンが蜘蛛の動き方が苦手だという話を始めた。
ハーマイオニーがそれを笑うのをこらえていたため、ハリーが話題を水たまりについてにかえた。
水たまりはマートルのトイレから漏れ出ていたものだと推定された。
そしてなぜかハーマイオニーはマートルのトイレだからとハリーとロンを女子トイレに招き入れた。
その後、比較的機嫌の良いマートルから聞き取りを行ったが、何も手がかりを得られなかった。
マートルのトイレから出ると、その場面をパーシーに目撃された。
ロンが女子トイレから出てきたことでパーシーは怒り、さらにパーシーは私達が探偵ごっこをしている事を、ジニーの心配を交えて非難した。
それに対してロンがパーシーが本当に心配しているのはジニーの事ではなくてパーシーが主席になれるか否かであるなどと言ったものだから、パーシーが切れた。
パーシーはグリフィンドールから5点減点し、探偵ごっこを続けるならばウィーズリーおばさんに手紙を書くとロンを脅し、去っていった。
その夜、夕食後の談話室で宿題を片付けていると唐突に継承者の正体についての話が始まった。
ロンはマルフォイが犯人であると推定し、ハーマイオニーがポリジュース薬を使おうと言い出した辺りで私は聞き流すのをやめて会話に入った。
「ポリジュース薬の調薬方法は見た事あるけれどアレの材料って…特別に取り寄せ注文するような物が必要だし…何より、いくらマルフォイが自慢話には口が軽いからってそんな事、談話室で話すかしら」
「…ねえ、アイリス…ポリジュース薬の調合法、知っているの?あれの調合法が載っている本だなんてどれも禁書棚にあるような本だと思うけれど」
「母さんの蔵書に書いてあったわ」
「あ…うん…で、肝心の調合法は覚えている?」
ハーマイオニーが若干引き気味に問うた。
「さすがに暗記はしていないわ。二角獣の角の粉末が必要なのは覚えているけど」
「あと、毒ツルヘビの皮もいるよ…他はさほど特別な材料は必要なかったと思う…どちらもペチュニア伯母さんに頼めば買えるとは思うよ。その二つを同時に頼んだらポリジュース薬を作ろうとしているっていうのは多分バレるけれど」
「なら、まずはレシピの入手ね…確実に記載があるのはスネイプが言っていた『最も強力な魔法薬』…図書室の禁書棚にあると思うわ」
「でも、それを持ち出すのには先生のサインが必要だろう?それならアイリスのお母さんに協力を仰いだ方が確実じゃない?材料だって手に入るんだろう?」
「…多分、本かレシピを送ってもらって、材料を買ってもらう事もできるわ。でも、スネイプ先生の警戒度が上がると思う…場合によっては、スネイプ先生に調合を監督して貰えとまで言われるわ。母さん、スネイプ先生の学友だから…」
母のスタンスから言って、調合と服用テストまでは許してくれるにせよ、自身か信用できるだれかの監督下で実施するように言うだろうから。
「それはだめね…少し考えてみましょう」
その日は話がそこで終わった。
色々と相談した結果、ロックハートに、彼の著作に出てくる魔法薬について勉強する為に禁書を読みたいという口実でサインをもらう作戦を実施した…ハーマイオニーが。
で、このガバガバな作戦は見事に成功してしまい、私達は『最も強力な魔法薬』を借りる事に成功した。マートルのトイレを秘密基地にした私達はそこでそれを閲覧する事にした。
改めて確認したポリジュース薬のレシピは複雑ではあるが、私達なら…ハーマイオニーでも材料さえあれば調合できるような内容であった。そう、材料さえあれば。
協議の結果、私達は一般的な材料を生徒用の棚からくすねて、二角獣の角の粉末と毒ツルヘビの皮をそれぞれ別の用途に偽装して母に送ってもらうよう、手配する様に計画を立てる事になった。
クィディッチの試合の日、事件が起こった。
二つあるブラッジャーの片方が狂い、ハリーだけを狙う挙動を見せたのである。
結果、ハリーはスニッチをキャッチこそできたが、その過程で腕を折った。
そこまではたいしたことがない負傷だった。
あろう事か、ロックハートはハリーを治療すると称してハリーの腕の骨を消し去った。
おかげで、ハリーは医務室に泊まり込む羽目になった。
その夜、二つの事が起きた。
1つ目はハリーをドビーが訪ねた事…ホームに入れなかった件は案の定ドビーの仕業だったらしい…で、ブラッジャーの件もドビーがハリーをホグワーツから送り返す為にやった事だった。
前者は母の言葉でホグワーツ特急に乗れなくてもホグワーツに登校する手段はいくらでもあるという事を理解し、妨害を止めたとの事である。
後者はハリーがブラッジャーで負うような非魔法的な負傷は生きている限り、医務室ですぐに治るから無駄だと説得し、もうしない、とドビーは言ったらしい。
で、ドビーはハリーに秘密の部屋が『再び』開かれたというような事を行ったらしい。
そして2つ目は…グリフィンドールの1年生でハリーの追っかけをしていたカメラ小僧、コリンが襲われ、石になって医務室に運ばれた事である。
それを受けてハーマイオニーはポリジュース薬計画を実行に移すと決めた。
私はポリジュース薬調合の初期段階をハーマイオニーとロンに任せ、母を誤魔化す計画を談話室で立てていた。
そこにハリーが医務室から帰って来て、私達はマートルのトイレに向かい、そこでドビーの件を聞いたのである。
翌月曜日にはコリンが襲われた件は学校中に知れ渡っており、疑心暗鬼が広がっていた。特に、一年生は寮ごとに一塊になって行動していたし、上級生も例外を除いて極力一人での行動を避けた。
12月に入ってすぐ、母に自由研究用と称して依頼した魔法薬材料一式が届いた…スネイプ先生の元に。
母からの手紙曰く、休みの日に監督してもらえるように話をつけてあるから、スネイプ先生の監督下で実施せよ、という事であった。
私とハリーはその週末、スネイプ先生の監督の下、魔法薬に関する自由研究を実施し、多めに頼んであった二角獣の角の粉末と毒ツルヘビの皮の千切りの一部をこっそりと持ち出し、ハーマイオニーに渡した。
12月の中頃、昨年と同様にマクゴナガル先生がクリスマス休暇に学校に残る生徒を調べた時、私達4人は学校に残る事にした…ポリジュース薬の調合にハーマイオニーが残るというので、任せきりも悪いと思ったのである。
その判断は良い方向に傾いた…マルフォイとその手下二人も学校に残るらしいからである。
クリスマス休暇にポリジュース作戦を決行する事が決まった。
クリスマス休暇を目前に控えたある日の事、玄関ホールに決闘クラブを始める旨のお知らせが張り出された。
私達、特に私とハリーは戦闘用呪文の練習にぴったりだという事で、参加する事にした。
その判断は…あまり賢明とは言えなかった。主催がロックハートであったからである。
最近の襲撃事件のあおりを受けてか、生徒の大半が集まっているかのような状況で、ロックハートは何時もの調子でふるまい、なぜか助手をしているスネイプ先生をいら立たせていた。
何故、スネイプ先生がロックハートの助手などをしているかはすぐ理解できた。
模範演技でロックハートを武装解除呪文で吹っ飛ばしたからである。
おそらく、この瞬間の為だけにロックハートの助手などを引き受けたのだろう。
その後、二人組を組んで決闘の練習をする事になった…その際、私達はバラバラにされた、スネイプ先生が介入して。
ハリーはドラコ・マルフォイと、ロンはシェーマスと、ハーマイオニーはスリザリンの2年生と、私はレイブンクローの3年生と組まされた。
そして始まった決闘でロックハートの指示を守って武装解除呪文を試みたのは少数派だった。
まあ、練習もせずに高度な呪文をかけ合え、と言う時点で無茶振りだったのだが。
私が相手の上級生に武装解除呪文をかけて勝利した際は、二年生なのにそんな高度な呪文を使えるのね、と褒められたくらいであった。
で、指示を守らず使える呪文をかけ合って出来上がった惨状をスネイプ先生が鎮めた後、生徒同士の模範演技で非友好的な呪文の防ぎ方を教えた方が良いとロックハートが言い出した。
そして、スネイプ先生が介入してそのモデルはハリーとマルフォイが選出された。
ロックハートの模範演技になっていない模範演技を見せられた後、決闘が始まり、マルフォイは黒くて長い蛇を出した。
ハリーはダメ元で形だけ習得している強度不足の盾の呪文を唱えてはいたがその蛇相手には役に立ちそうになかった。
ハリーが別の呪文を蛇にかけようとした時、スネイプ先生が蛇を消そうと進み出てきたが、それをロックハートが邪魔し、蛇を数メートル吹き飛ばした、観衆の方に向かって。
ハリーはとっさにまえに進み出て、蛇に蛇の鳴き声の様な音を発し、何かを話しかけた。
その時、私はハリーが蛇と話せることを思い出した。
蛇はおとなしくとぐろを巻いて攻撃体勢を解いた。
だが、何がいけなかったのか、観衆に恐怖が広がった…
蛇の攻撃目標にされていたハッフルパフ生に至ってはハリーに対して怒り出し、大広間を出て行ってしまった。
スネイプ先生が蛇を消し去ってハリーに探るような目を向けた。
もしかして、幼い頃に母がハリーに言っていた人前で蛇と話してはいけない、怖がられるからね、という言葉は魔法界でも当てはまるのだろうか。
そう思考しているとロンがハリーを大広間から連れ出した。
それにハーマイオニーと私も続いた。
ロンは一言も発さずにハリーを連れて寮の談話室に戻った。
談話室でロンはハリーになぜ蛇語を話せること…パーセルマウスである事を秘密にしていたのかと問い詰めた。
ハリーは事も無げに、そんなに珍しいスキルでもないだろう?歴史的な闇の魔法使いに蛇語使いはちらほらいるし、と答えた。
ロンはそれこそが問題なのだ、と答えた。サラザール・スリザリンとその子孫が蛇語を話せるのは魔法界では有名な話らしく、ハリーがあの場でパーセルマウスである事を披露してしまったせいで、スリザリンの継承者だという疑いがハリーに集まるだろう、という事らしい。
ハリーは自分の母親はマグル生まれだし、父方のポッター家はどちらかと言うとグリフィンドール系統の一族だと主張したが、サラザール・スリザリンの子孫ではないという証明にはならない為、スリザリンの後継者の大本命がマルフォイからハリーに交代移る事は間違いないだろう、という事だった。
「…秘密の部屋に封じられていたのが怪物…魔法生物だとすれば、バジリスクかそれに準ずる何かなのかしら…ほら、『腐ったハーポ』が初めて飼育に成功したって言う魔法生物」
ポッター家の祖先についての話が終わった頃、私はそう口を開いた。
「ハリーだけに聞こえた声が蛇の鳴き声だとすれば、つじつまが合うわ…蛇系の魔法生物は長命だから1000年の歳月にも耐えられる可能性があると思うし、確かサラザール・スリザリンもバジリスクを飼育していたとされている筈よ」
「でも、バジリスクなら石にされるどころかその睨みで即死じゃなかったっけ」
ハリーが応えた。
「だから、それに準ずる何かかも知れないって…老いて力が衰えたバジリスク、って可能性もあるけれど」
「…そうね、確かに蛇系の何かである可能性は高まったと思うわ…図書室で色々と調べてみましょう」
ハーマイオニーがそう言った時、談話室の扉が開き、グリフィンドール生が決闘クラブから帰ってきたため、会話はそこで終わった。
翌日、薬草学が大雪に伴い、マンドレイクの世話が必要になって休講になった為、私達は図書室でバジリスクやそれに準ずる蛇の化け物について調べていた…調査結果は現状に符合した。なぜか被害者が生きているという点を除けば、蜘蛛が逃げ出していると言う点も符合するし、被害者が深夜に襲われているというのもバジリスクが、雄鶏が時を告げる声を苦手としているという事に符合していた。
「秘密の部屋の化け物がバジリスクだとして、どうして被害者は石になるだけで済んだのかしら」
「…もしかしたら、バジリスクと直接目を合わせていないのかも…ミセス・ノリスが襲われた時は水たまりが床に出来ていたし…コリンはカメラが犠牲になった」
ハーマイオニーがそう推理を披露した。
「問題は、この情報をどうするか、だよ…凶器が蛇の化け物だってわかったら、それこそ僕が犯人扱いされてしまう…でも秘密にしておくのもナンセンスだし…」
「…昼食の時に、ダンブルドア先生かマクゴナガル先生にお伝えしましょう…何か対策を立ててくれると思うわ」
そういう事になり、私達は本を片付けて呪文の練習をする事にした。
本を片付けているとハリーが本棚の陰に隠れて誰かの会話を盗み聞きしているのを見つけた。
それはハッフルパフ生の集団だった。
どうやら、ハリーがスリザリンの後継者だと断定するような会話をしていたらしい。
「ハリー、いきましょう」
私はそう言ってハリーをハッフルパフの集団から引きはがそうとした…致命的な事をハッフルパフ生が口にする前にと思って。だがそれは遅かったらしい。
「アイリス…ごめん、我慢できない」
ハリーはそう言って大きく咳払いをしてハッフルパフ生の前に進み出た。
「やあ、楽しそうな話をしているね…僕がスリザリンの後継者だとかどうとか」
ハッフルパフ生の一団が震えあがった。
「もし僕が秘密の部屋の化け物を従えていたとしたら最初にドラコ・マルフォイを襲うとは考えないのかい?」
「だ、だけど彼は純血一家じゃないか」
「ふん、そんな事は関係ない。僕が犯人なら、そして僕を煩わせるものを襲うとしたら、まずはマルフォイとその手下が被害者になるだろう。血筋なんて関係ないさ…僕はマグル育ちだからね」
「だったら、その分、マグルの嫌な面も知っているんじゃないのかい?」
勇敢にも、ハッフルパフ生の一人がそんな事を言ってハリーを怒らせた。
「そうだとしても、僕を育ててくれた祖父母はマグルだし、保護者の伯母はマグル生まれの魔女だ!マグル生まれだからなんて理由で人を襲うもんか!むしろ、人をヒソヒソと犯人呼ばわりする君達を纏めて呪ってやろうか!」
ハリーはそう叫んで図書室を出ていった。私はハリーを、スリザリンの後継者だと思い込んでいる相手を怒らせて震えているハッフルパフ生を放置して、ハリーを追いかけた。
ハリーは怒りを発散させようと私に愚痴ったがその歩みはどこへ向かっているのか定かではなかった…そして廊下の角を曲がった時、ハリーは何かにぶつかった…それはハグリッドだった。
ハグリッドは家禽の鶏が何者かに殺害されたことで校長先生に守りの魔法をかける許可を取りに来たとの事であった。
その言葉に、私達は蒼くなった…ハグリッドが下げていた鶏の死骸は雄鶏のモノだったからである。
「ハグリッド…その、一羽目の被害も雄鶏だった?」
「ん?確かそうじゃったと思うが、それがどうかしたか?」
「…ハグリッド、もしかしたら鶏小屋の守りはダンブルドアが直々に施すかもしれない…それと、夜は出歩かない方が良い…きっと、犯人はスリザリンの継承者だ」
ハリーはそう言って、首をかしげるハグリッドに別れを告げて寮への道を急いだ。
その途上、私達はとんでもないモノを見つけた。それは昨夜、蛇に襲われそうになっていたハッフルパフ生が石の様になっている姿だった。
その近くにはゴーストのほとんど首無しニックが黒く煤けた状態で浮いていた。
彼らをよく観察しようと近づいた時、近くの教室からポルターガイストのピープスが現れた。
ピープスは最初、私達をからかっていたが、被害者を見つけて叫んだ。
「襲われた!襲われた!またまた襲われた!生きてても死んでても、みんな危ないぞ!命からがら逃げろ!おーそーわーれーたー」
パタン、バタンと廊下の両側の教室の扉が開き、人があふれてきた。
大混乱をフリットウィック先生とシニストラ先生が収めようとしている中、私達は壁に張り付いていた。状況は非常にまずい。
マクゴナガル先生が走って来て、杖を使って爆発音を出し、場を沈めて生徒たちに教室に戻るように命じた。
被害者のハッフルパフ生はフリットウィック先生とシニストラ先生が医務室に運んでいき、ニックはマクゴナガル先生が通行の邪魔にならない様に空気で作ったうちわであおいで廊下の端に一時的に寄せた。
そして、ハリーと私とマクゴナガル先生が残った。
「おいでなさい、ポッター、エヴァンズ」
「先生、誓って言います。僕達、やってません。杖に誓ってもいいですし、お望みでしたら真実薬を飲んでも構いません」
ハリーはそうマクゴナガル先生に言った。
「ポッター、私の手に負えない事です…とにかく、二人とも黙ってついてきなさい」
マクゴナガル先生はそう言って私達を連れて大きな怪物像(ガーゴイル)の前にやってきた。
「レモン・キャンディー!」
マクゴナガル先生がそう言うとガーゴイルは生きた本物になり、脇によった。
そして、壁が開いてエスカレーターのように動く螺旋階段が現れた。
先生とハリーと私が階段に入ると壁はドシンと言う音を立てて閉じた。
螺旋階段を上へ上へと運ばれていくとその終点にグリフィンをかたどったノック用の金具がついた、輝くような樫の扉があった。
合言葉のセンスを合わせて考えると、この先はきっと校長室なのだろうと私は思った。