例えばこんな従姉殿   作:紅シズク

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ハロウィーンとハリーの初試合

そうこうしている間にホグワーツに入学して2カ月が経過し…ハロウィーンの日、それはやってきた。

妖精の呪文の授業で、ハーマイオニーとロンがペアを組まされた。ハーマイオニーが上手く魔法を使い、ロンはそうではなかった。

そしてロンが癇癪交じりに授業後放ったハーマイオニーに向けた悪態をハーマイオニーは聞いてしまった。

友人…と呼ぶべきか、ライバル候補と呼ぶべきかは怪しいが、一応私も泣いて駆け出して行った知人を追いかけて慰める程度の社会性は有しているので、そのようにした。

他にも数人のグリフィンドール生の女子がハーマイオニーを追いかけた。

私達は泣いているハーマイオニーをトイレで見つけた。

少しの間、ハーマイオニーを慰めたが、一人にしてほしいと言われ、私は説得をあきらめ、そのようにした。

おせっかいと取られるような形で発露しているだけで、ハーマイオニーなりの気遣い、優しさの類であるアドバイスを悪夢のようだ、と表現するロン・ウィーズリーを私は理解できなかった。

そして、同じ位、呆れるような的外れの中傷に傷つくハーマイオニーも私には理解できない存在だった。

ハーマイオニーは結局、その後もトイレに籠ったままだった。

ハリーと離れた隙に少しロン・ウィーズリーの様子をハリーに聞く。

ハリーが割と強くたしなめた…私達が去った後に言ったハーマイオニーに友達がいない発言は特にハリーも聞き流せなかったらしい…という事は知ったが、それは何の解決にもならなかった。

そうこうしている内に夕食の時間になった。

ハーマイオニーに何か持っていこうかとパイ類とカボチャジュースを確保しているとクィレル先生が大広間に駆け込んできた。

そしてダンブルドア先生の席までたどり着き、地下室にトロールがいる、と告げた。

大広間は大混乱となった…いや、別にトロール位、上級生と教授陣の一部を主力に大広間に籠城している間に教師陣が駆除すれば大した脅威ではないのでは?と考えていたが皆の判断はそうではないらしかった。

ダンブルドア先生が紫色の爆発で場を落ち着かせてから監督生に寮に戻るように、と指示したのだ。

私はパーシーが一年生を呼び集めるのを無視して教員席に向かって人波を逆行して進んだ。

「マクゴナガル先生」

「ミス・エヴァンズ、早く監督生に従って寮に戻りなさい」

「はい、先生。でもその前にお伝えしなくてはならない事があります…ハーマイオニー・グレンジャーがパーティーに参加していません。私が大広間に来る前にトイレに籠ってその…泣いているのを見たので恐らく彼女はトロールが現れた事について何も知りません」

「何ですって!?」

そうマクゴナガル先生は叫んだ。そしてマクゴナガル先生はダンブルドア先生の元に駆けていき、何事かを告げ、戻ってきた。

「ミス・エヴァンズ、そのトイレはどこのトイレですか?」

私は先生にハーマイオニーが籠っていたトイレの場所を告げる。

「わかりました。貴女は寮に戻りなさい」

「はい、先生」

そう答えて、私は寮に戻るグリフィンドール生の一団…パーシー率いる一年生の集団は既に出発していたため、別の集団…に加わった。

 

「で、結局どうなったの?」

寮の談話室でハロウィーンパーティーの続き…と言うか夕食を取っているとハリー達三人が帰って来たのを見つけ、そう問うた。

おそらく、ハーマイオニーの事を途中で思い出してハリーとロンはハーマイオニーを探しに行ったのだろうと思いながら。

その日から、私達4人組が復活した。

 

 

 

そして間もなく、クィデッチ・シーズンとやらが到来した。私はあまり興味が無かったが、選手であるハリーはもとより、クィディッチ大好き人間であるロンと、クィディッチに興味津々のハーマイオニーに影響されてクィディッチのルールくらいは把握していた。

そして物は試しという事で、私もクィディッチの試合を観戦するという事で話がまとまってしまった。

ハリーのデビュー戦の前夜、談話室でロンに呪文の宿題を教えるハリーとハーマイオニーの隣で読書をしているとハリーがスネイプ教授に会ってくる、と言い出した。

どういう事かと思えば、さっき私以外の三人で中庭に出た時に図書館の本…『クィディッチ今昔』を没収されたので取り戻してくる、との事だった。

ついて行こうかと問うたが、まあ大丈夫だろう、と答えてハリーは一人で職員室に向かって行った。

そして、戻ってきたハリーはスネイプ教授が足を怪我しており、それが三頭犬に傷つけられたことをほのめかす発言をしていた、と言った。

そして、私を気遣うような目線を向けて…ハリーは私の父がS・Sのイニシャルを持つホグワーツ教員だという事は知っているので…続けた。

「スネイプ教授は禁じられた廊下に入った…多分三頭犬が守る扉の向こうに行く為に。もしかしたら、ハロウィーンの日のトロールの件も、スネイプ教授の犯行かも」

ハリーの発言の後、ハーマイオニーは疑惑の否定派、ロンが疑惑の肯定派に立って議論が始まった。

それを尻目に私は思考する…あの人がそんなことするだろうか、するとして不正侵入、窃盗などを企てているとして鍵もかかっていない共同のオフィス(職員室)でそんなうかつなことをするだろうか…と。

まあ、当然議論に答えは出ず、就寝時間になった。

 

翌朝、ハリーは大広間の朝食に出ては来ていたがドリンクの他はスープ類を少し摂取するだけだった。

皆がしっかり食事をとっておけ、と言っても緊張で固形物は喉を通らない様子であった。

そして競技場へ移動…私達は最上段に陣取り、いつの間にか皆が作成した『ポッターを大統領に』と書かれた大きな旗と共に着席していた。

試合が始まる…目まぐるしく移動するボール、クアッフルと選手を目で追う…酔いそうだと思っていると歓声が上がる。我らがグリフィンドールが先制点を獲得したらしい。

「ちょいと詰めてくれや」

そんな声がして、そちらを見ればハグリッドがいた。どうやら、ハグリッドもクィディッチのファンらしい。

そうこうしていると、きらりと金色に光るものが見えた。あれがスニッチと言うボールらしい。

ハリーとスリザリンのシーカ―?が急降下してきてスニッチに向かう…が、スリザリンの選手から妨害が入り、グリフィンドールの席からはブーイングの嵐が巻き起こった。

ペナルティーとしてフリー・シュートの後、試合が再開した。

暫く観戦を続けていると、ハグリッドが何かしらを呟いた。どうやらハリーが変な動きをしているらしい。

ハグリッドの視線の先を見ると、確かにハリーは箒のコントロールを失ったかのような動きをしている…様な気がした。裸眼では詳しく視認できない。

競技場内が騒がしくなる…他の皆もハリーの様子に気付いたようである。

箒に何かあったのかと心配する会話が聞こえたが、よほど強力な呪文でなければ外部から影響を与えられることは難しいはずである。

ハグリッドもそう言ったことを言った。直後、ハーマイオニーはハグリッドの双眼鏡をひったくり観客席の何かを探し始めた。

「何をしてるんだよ」

「思ったとおりだわ」

「スネイプよ……見てごらんなさい」

ハグリッドの双眼鏡はロンに渡り、そして私に回ってきた。

確かに、スネイプ教授はハリーに向けて何かしらの呪文を行使している様に見える。

「何かしている―箒に呪いをかけてる」

「僕たち、どうすりゃいいんだ?」

「私に任せて」

ハーマイオニーはそう言って飛び出して行った。

「待って!あれが反対呪文の行使だったら取り返しがつかないわ!」

私の叫びはハーマイオニーに届かなかった。

結局、スネイプ教授のマントが燃え、ハリーが箒のコントロールを取り戻した直後に試合は終わった。ハリーがスニッチを取った事によって。

 

 

 

試合終了後、私達はハグリッドの小屋にいた。

そして、ロンとハーマイオニーがスネイプ教授が犯人だったとハリーに説明した。

それをハグリッドが否定する。

そこにハリーがスネイプ教授にかかっている嫌疑について説明した。

そして、ハグリッドはいくつかの重大情報を漏らした。

三頭犬はフラッフィーと言うハグリッドの飼い犬である事、ダンブルドアに何かを守るために貸し出している事を。

押し問答の途中、ハーマイオニーが確かにスネイプ教授がハリーに呪いをかけていた、と主張した。

「あーハーマイオニー、一応言っておくと反対呪文も大体そんなかけ方するからね?」

そう、ハリーが言う。

「ハリー!君は誰の味方なんだい!?自分が殺されておいて…」

「いや、まあ死ぬほど怖かったけど、今考えたらフレッドとジョージが失敗しても教師陣の誰かが助けてくれたと思うから死ぬ可能性は低かったんじゃないかな…それに、スネイプ教授が仁王立ちしていたのも変だよ、いくらスリザリンの席だからって僕に呪いをかけるのにそんな目立つ事するかな?」

「そうだとも、スネイプは生徒を殺そうとしたりはせん」

ハリーの上げた疑問点…ハリーの性格上、特に本当に疑問に思っただけでスネイプ教授を庇う意図は一切ない…に対してハグリッドが言った。

「四人ともよく聞け。おまえさんたちは関係のないことに首を突っ込んどる。

危険だ。あの犬のことも、犬が守っている物のことも忘れるんだ。

あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの…」

「ダンブルドア先生とニコラス・フラメルの?」

黙って聞いていた私が口を開いた時には、ハグリッドは口を滑らせた自分自身に強烈に腹を立てているようだった。

「ダンブルドアとニコラス・フラメル?」

ロンが疑問符をつけてその名を呼んだ。

「ダンブルドア先生とフラメル師が関係する何かなら多分錬金術に関係する何かだよね?

あの二人の共同研究は幅が広いから絞りにくいけど」

「錬金術?

アイリスとハリーでも入門書を読み解くのに苦労しているくらい難解な学問で…

…賢者の石と呼ばれる伝説の物質を作り出す事を目的とした学問だったかしら?」

ハーマイオニーがそう言った時、ハグリッドの顔は真っ青になっていた。

「んーその理解は不正確かな、ハーマイオニー。

賢者の石の創造は錬金術の目的の一つに過ぎないよ。

僕は錬金術の本質は森羅万象の操作にあると考えている。

賢者の石は存在の昇位について操作する為の触媒の事だね。

大体は鉛や鉄なんかの卑金属を貴金属…金なんかに変える事に使われる。

後は…命の水と呼ばれる延命剤の製造にも不可欠だとされているね」

「命の水?延命剤?」

「定期的に飲み続ける限り、老いと死を打ち払う薬品よ、ロン。

フラメル師とその夫人は賢者の石を使用して作り出すとされる命の水を服用する事で650年以上生きておられる高名な錬金術師よ」

そう、私は告げた。

「それだ、あの扉の向こうにあるのはその賢者の石に違いない!」

ロンのその言葉に私とハリーは顔を見合わせた。

「だとすれば、スネイプ先生が犯人だって説は可能性が下がるかな」

「どうして?黄金に永遠の命!誰だって、スネイプだって欲しいがるよ!」

「だって…スネイプ先生は魔法薬学の達人で…一応、プロの錬金術師でもあるわ。

余程の額がすぐに必要とかでもなければダンブルドア先生と敵対して賢者の石を盗むよりは自力で稼ぐ事を選ぶと思うよ」

「でも永遠の命は…」

「命の水よりも効果の低いけれど、延命剤なら他にも幾つか存在するわ。

それにスネイプ教授は闇の魔術にも精通しているから…その…単に延命したいだけならば、他に方法はある筈よ、多分法に触れるけれど。

後、自分で賢者の石の創造を目指すというのも可能ね。ダンブルドア先生の守りに挑戦するという危険を冒して、かつ成否にかかわらず追われる身になる事を考えたらまだ賢い選択じゃないかしら…スネイプ教授、まだ若いし」

その後、私達は押し問答を始めたが、すぐにハグリッドに寮に帰るように言われ、小屋から追い出された。

 

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