子守先生■ギま!?【凍結】   作:再buster

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今回は娘の明日香についての説明回です。
ちょっと下ネタ表現やらグロい表現がありますのでご注意を。



第3話:『転入・クラス・血』

 

 

 

 

 

「でもさぁチャオリン。

 実際の所、あとどれくらいで向こうに行けそうなのよ?」

 

 私こと旧姓神楽坂明日菜は、研究室で超とお茶を飲んでいた。

 

 研究の息抜きに一緒にお茶でもと誘われたのだ。

 今日は休みをもらっていたし、ちょっと聞きたかった事もあるので丁度よかった。

 

 で、どうなのよ?

 

「ん? 行くだけならすぐに行けるヨ」

「じゃあなんで行かないのよ!?」

 

 え? 行けるの?

 むしろ行けるなら直ぐにでも行きたいんだけど!?

 

「行っても帰れないんじゃ遭難者増やすだけネ」

「あ、そっか……」

 

 そういえば帰る方法が無いから困ってるんだっけ。

 私としたことが。

 

 

 ……でも、懐かしいわね。

 

 ネギが今いるのは私達が中学三年になったくらいの時でしょ?

 一番青春というか大冒険してた時だもんね。

 人生の中で一番燃えていた時。

 何よりも頑張って生き抜いた時期だったわね。

 

 今じゃあの頃程の冒険なんてまったくと言っていいほど無いしなぁ。

 

「それは当然ヨ、最近は育児や家庭の方が忙しいしネ。

 特許だけで食べていける私と違てみんなは仕事もあるから冒険なんて無理な話ヨ」

 

 基本的に時間が無いもんねぇ。

 でもそう考えるとさすがはチャオリンよね。

 こっちに定住するのが決まってすぐに未来技術の一部を持ち込んでさっさと特許取ってきちゃって……

 あとはそこから出る特許料だけで研究やら生活費やらモロモロ出せちゃうんだもん。

 

 ぶっちゃけどんだけ特許取ったのよ?

 

「大小合わせて百は出したと思うネ。

 まぁ、未来技術と言っても出しても問題無いのを選んでるから大丈夫ヨ」

 

 そういえば前にあまり未来の技術を出し過ぎるのも問題だって言ってたっけ。

 

 特許リストを拝借して見てみると、おもに出してるのは医療系みたいね。

 あとは茶々丸さんをベースにしたロボットアーム他工業機械。

 魔法アイテムもいくつかあるわね。

 

 そういえばネギも魔法世界の方で特許とか出してたわね。

 あっちは主に魔法関連でだけど。

 

 

 最初は特許ったって大した事ないでしょとか思ってたんだけど。

 はっきり言って舐めてたわ特許。

 

 二人して軽く私の給料超えてるし……というか何倍よ?

 

 

 ほんと……天才ってスゴイ!

 

「何事も努力の成果ヨ。

 そういう明日菜も能力系の特許くらい向こうで出せる筈だが?」

 

 ……たしかに出そうと思えば出せるけど。

 でも書類とか作るのって大変なんだよねぇ。

 

 何度かネギのを見せてもらったけど、難しいし面倒くさいしでやる気無くしたわよ。

 

「明日菜もそこらへんは昔と変わらないナ。

 でも、明日菜は今の仕事で十分稼げてるから大丈夫だと思うヨ。

 ……子供を増やすつもりなら考えたほうがいいけどネ」

 

 う……

 

 実は欲しいんだよね。

 

 刹那さん見てたらもうひとりくらいさ。

 

 でもとなると美術教師だけじゃ難しいのよねぇ。

 他の教科も取るか、もしくは夜の警備かな。

 

 うちは基本的に自分の子供は自分のお金で育てるが家族間の決め事になってるし。

 

 いやでも別に無理強いしてるわけじゃないんだけどさ。

 ほら、奥さんが多いから垣根を無くしちゃうと色々とダメになるとかで……主にパルと千雨ちゃんが。

 

「まぁそれも旦那さんが帰ってきてからヨ」

「そりゃそうよね。

 で、何か進展あったの?」

 

 一日で何か進展なんてするとは思えないけどさ。

 というかぶっちゃけまだ一日なのよね。

 

「とりあえず向こうでも用意してもらう必要なモノもあるし、届けないと行けないモノがあるからネ。

 ひとまず実験も兼ねて誰かに行ってもらおうと思ってるヨ」

「誰が行くのよ?」

 

 私も仕事が無ければ行くんだけどなぁ。

 

 というか今の状態では誰が行っても困るだけだと思うんだけど……

 

「一番困らない人がいるじゃないカ」

「困らない人?」

 

 メンバーの中でそんな暇な人いたっけ?

 大概の人が子育てとか仕事で忙しかったと思うんだけど。

 

「アソコに入ってるネ」

「既に!?」

 

 チャオリンの指差す先には一辺二mくらいの立方体の小部屋があった。

 いろいろとケーブルとか管が繋がっておりいかにもタイムマシンて感じの代物が。

 

「! っ!! !!!!!!」

 

 

「扉をガンガン叩いてるわね……許可は取ったの?」

 

「取ってないヨ?

 あっちの人たちに相談したらどうぞって差し出してきたネ」

 

「……扱い酷くない?」

 

 

「じゃあ早速スイッチ押すヨ」

 

「問答無用!? というかスルーしないで!」

 

「ちなみに安全性のチェックはしてないネ」

 

「ちょっ、止めて止めて止めて~!!!」

 

「もう手遅れヨ。じゃあ行ってらっしゃ~い、ポチッとな」

 

「ああ……」

 

 

 押しちゃった……

 

 

 

 

 大丈夫かなぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第3話  『 転入・クラス・血 』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 新学期のはじまり。

 私、明日香も過去の世界で今日から新しく学校生活を送ることになる。

 

 はあ……私ってさ、お母さんに似て成績とかあんまり良くないんだよねぇ。

 頭で覚えるっていうよりは身体で覚えるタイプだし。

 どうにも頭で考えるって事が苦手なのよね。考えるより先に手が出るくらいだし。

 ちょっとイヤだなぁ。

 

 でも勉強できないとお父さんに悪いし、しないとお母さんに怒られるし。

 頑張るしかないか!

 

 

 で、私とお父さんは今朝、学園長室へと呼ばれていた。

 この世界の、この時代のネギ・スプリングフィールドとの顔合わせのためね。

 

「うんうん、制服がよく似合うのう」

「ありがとうございます、学園長先生」

 

 制服姿を学園長に褒めてもらった。

 褒められて悪い気はしないわよね。

 ……お父さんに言ってもらった方が百倍嬉しいけどね!

 

 そりゃあお父さんが望むならメイド服でもスク水でも裸エプロンでもリボンでも首輪でもなんでも付けちゃうんだけどなぁ……うえへへへへぇ~

 

 

 

「失礼します」

 

 おっと……色欲全開で妄想してたらネギ先生が来たみたいね。

 涎を吹いてっと、ちょっと緊張。

 

 

 

「学園長先生、何かご用ですか?」

 

 扉を開けて入ってきたのはお父さんと同じ髪型をした、お父さんの顔を柔らかくして幼くしたような、そんな子供だった。

 

 うわぁ……マジちびっこお父さんだぁ。

 写真では見せてもらってたけど、やっぱり生は違うわ。

 柿崎おば様の逆光源氏計画も分かるわうんうん。

 

 でもさすがにこの当時は格好いいというより可愛いって感じね。

 うん、虐めたい。

 

「あの……この人達は……」

 

「今日からこの学園で教師をしてもらうナギくんと、明日香くんじゃ」

 

 学園長がこっちをチラ見してるわね。

 自己紹介しろってことかな?

 

「俺の名前はナギ・シルバーバーグだ。これからよろしくな、先生くん」

「あ、はい」

 

 お父さんは握手しながら挨拶をした。

 

 シルバーバーグというのはお父さんのペンネームみたいなモノね。

 偽名を使うのは言わずもがな。

 

 じゃあ私も合わせて、

 

「私は明日香・シルバーバーグよ、よろしくね」

「はい、よろしくお願いします。

 ええと、同じ苗字ということは……」

「ああ、こいつは俺の娘だ。

 とはいえ、教師と生徒という立場を変えるつもりはないから、あまり気にしなくていいぞ」

「はい、わかりました」

 

 むしろそこは変えてくれた方が私的には嬉しいなぁなぁ。

 こっちだとライバル少ないしぃ、ていうかお母さん達がいないからぶっちゃけ大チャンス。

 隙あらばガンガン攻めます! だって私は出来る子だから!!

 

「うむ、ナギくんには君の補佐として副担任になってもらう。

 彼女達はこれから進路の事もあるからのう、熟練の者が付いて補佐をした方がよい。

 ナギくんは数多くの卒業生を送り出しておる大先輩じゃ。きっと力になるじゃろう。

 では二人とも、よろしく頼むのう」

 

「はい学園長先生」

「任されよう」

 

 あ、向こうは話終わったみたいね。

 

 じゃあ私も教室に行かないと。

 

「それじゃあ付いて来てください。教室に案内しますね」

「それは助かるな。では学園長」

「うむ、頑張ってのう」

 

 ネギ先生に連れられて学園長室から出る。

 

「というわけだ。何かわからない事があったらなんでも言ってくれ、力になる」

「はい、その時はお願いします」

 

 うん、ネギ先生はお父さんに良い印象を持ったみたいね。

 やっぱり相談出来る人がいるってのはいいのかな?

 

 特にこの年齢で教師やってるネギ先生には助言者とか相談相手は必須だもんね。

 

 お父さんは昔どうしてたんだろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日より3-Aの副担任を務める事となった、ナギ・シルバーバーグだ。みんなよろしくな」

「転入してきた明日香・シルバーバーグです、みんなよろしくねぇ」

 

 そして私とお父さんは3-Aにて自己紹介をしてる。

 私達を見たときの反応とか、うるさすぎてすごく耳が痛かったわ。

 

 向こうでも全員そろった時とかすごい賑やかだけど、こっちの方がすごい気がする。

 これが若さって奴なのかな?

 うん、向うで言ったら殺されるわね、確実に。

 誰にとかは別に言わないけど。

 

 

 そして例によっての質問タイム。

 こういうのってどこでもやっぱり定番なのかな?

 で、いきおいよく手が上がる中、ネギ先生は真っ先に朝倉おば様を指名した。

 

 はっきり言って拙いと思うんだけど……

 

「お二人は同じ苗字ですけど?」

「親子だな」

「ほうほう……ってマジ?」

 

 朝倉おば様は……というかクラスの大半の時間が止まる。

 あれ? そんなに意外な事だっけ?

 容姿とかこれでも似てるって言われるんだけどなぁ。

 

「マジ……とはどういう意味でだ?」

 

「だって若すぎません?」

 

 ああ、そういうことか。

 お父さんってニ十代前半でも通じる顔立ちだし。

 

 って、リアルに計算しても若いんだっけ。

 

 だってお父さんが1●歳の時に私生まれたし……うん、普通に考えて犯罪よね。

 カティ姉さんなんて……

 

 

「え、ええと……趣味は?」

 

 あ、話そらした。

 

 本能で聞かない方がいいって悟ったのね。

 さすが報道部。

 自称世界一空気が読める女。

 

「紅茶と研究」

「身体を動かすことかな?」

 

 お父さんの趣味は紅茶だったわね。

 

 未来じゃあスプリングフィールドって名前の紅茶も出してるし……あやかおば様が……

 よく考えるとあやかおば様手広くやってるわね。

 

 自分は総理大臣で、自分の会社持ってて、自社ブランドの紅茶に、ベビー服や玩具のお店、離乳食と本当に手広い。

 おかげで女性からの支持率はダントツなのよね。

 なにせ育児関連の政策をかなり出してるし。

 育児補助とかすごくて産めば産むほど生活が助かるとかそんな感じ。

 養子プロジェクトとか育児放棄や虐待対策の法案も通したって言ってたわね。

 

 ベビーブーム再来です。

 噂ではあやかおば様の任期中に人口が倍になるかもとかなんとか。

 

 

 研究はそのまま魔法研究ね。

 魔法世界で今後役に立つだろう魔法を研究してるって言ってた気がする。

 実際にどんな研究をしてるのかは知らないけど。

 

 そういえばだけど。

 お父さんは昔アンティーク収集を趣味にしてたっていうけど。

 

 数が多くてさすがに置く場所に困るし、なにより子供が触ったら危ないって理由で収集をやめたらしいわ。

 子供が出来てからは子供優先になってるっておば様から聞いたこともある。

 アンティークよりも子供へのプレゼントを買う方が増えたってとこかな。

 

 

 で、私の趣味の話だけど。

 私は鍛錬って意味もあるから身体を動かすことで間違いじゃないんだよね。

 スタミナも付けないといけないしさ。

 早朝ランニングとか日課だったし。

 

 ほかに趣味って聞かれてもグロいのしか無いしなぁ。

 あ、勘違いしないでよね。

 普通に血が好きってだけだから。

 

 え? 普通じゃない? ゴメンネ~。

 

「好きな食べ物を教えてくれる?」

「妻の手料理」

「さっそく惚気!?」

 

「お母さんが作ってくれたパンケーキとか好きかな?

 お父さんの入れてくれる紅茶も好きだし……

 おばさまの作ってくれたお菓子も大好き」

 

「……明日香さんは甘いモノが好きと。

 あと家族大好きっと」

 

 うん大好きだよ。

 他のモノがどうでもいいって思えるくらいに。

 というかガチで思ってるけど。

 

「部屋は?」

「お父さんが家を借りたから家族一緒に住んでます」

「寮じゃないんだ」

 

 ありゃ、ちょっと残念そうね。

 まぁ寮に住んでれば一緒に何かする機会も増えるしね。

 

 でも私の方は妹たちの面倒もあるからあまり離れたくないのよねぇ……

 

 お父さんおと離れるなんて絶対に死んでも殺しても嫌だけどね!!

 

 

 

 で、私の席はエヴァさんの隣となりました~はいパチパチ~。

 

「やっほ~、エヴァさん。お元気~?」

「お前か……」

 

 さすがのエヴァさんも若干呆れてるわねぇ……

 娘(みたいな存在)と同じクラスとかやっぱりイヤなのかなぁ?

 

 うん、私もガチのお母さんと一緒だからちょっとイヤって思う。

 というか実は対応に困っていたりする。

 

 面と向かって話せとか言われても無理だかんね?

 どう話したらいいかまったく分からないから!

 

 別人て思ってもやっぱりどこかで同じ様に思ってしまって……

 ああ絶対なんかやらかしそうだよぉ。

 

「案外気づかれないものだな」

「ん? まぁお父さんの特徴もあるみたいだしね。髪型だけでも雰囲気は変わるっていうしさ」

 

 私の見た目の話ね。

 正確には御婆様の方に見た目は近いのかな?

 軽くつり上がった目と特徴的な眉毛とか。

 格好よくて好きなんだよね~。

 

 髪は、お父さんとお母さんの中間の朱色の髪、毛先は叔母様の髪の金色の特徴を持ってるちょっと特殊な髪色。

 髪型はポニーテール。

 ためしにツインテールにしたら昔のお母さんにそっくり過ぎて笑ったわね。

 

「ん? そのメガネは……」

「あ、気が付いた? そうよ、認識阻害眼鏡。お父さんが作ってくれた特注品よ」

「なるほどな、それでさらに誤魔化しているということか」

「勘のいい人が多すぎなんだよねぇ」

 

 龍宮さんとか超さんとかさあ……

 

 お父さんは後々なんとかするって言ってたけど。

 若干視線が痛いよぉ~。

 

 

 ちなみに認識阻害の効果だけど……

 

 普通は人の顔を見たとき、似た人を知っていたら似てるなぁって頭で思うけど、その部分を阻害するのがまず一つ。

 私の場合は顔を見てお母さんである神楽坂明日菜が頭に思い浮かぶけど、その部分を誤魔化して誰かに似てるような、の部分で止めちゃうって事。

 だから私の顔を見ても誰かに似てるんだけどなぁ……で終わりってわけ。

 

 そして二つ目。

 逆にお母さんである神楽坂明日菜を見ても私に似てるって思わせない効果ね。

 これはさっきのと逆で、誰かに似てるっていう対象から自分を外すってこと。

 

 この二つの効果で気づかれにくくしてるってわけ。

 

 

 実際にネギ先生がお父さんを見ても何も思わないもしくはなんか引っかかってるのはそのせいね。

 何もしてなかったら父親のナギと勘違いしてる筈だし。

 

 でも龍宮さんとかは魔眼があるから気を付けてないと気付かれちゃう可能性があるのよね。

 お父さんも気を付けた方がいいって言ってたし。

 

 

「で、では皆さん身体測定ですのでモグァ!?」

「それではみんな、俺達は外に出ているので後の準備をお願いするよ。

 委員長は……雪広くんだったね、後は任せる」

 

「はいわかりましたわ」

 

 さすがお父さんね。

 ネギ先生の口を塞いで問題発言止めたわ。

 あのままだったらすぐに用意して下さいとか言ってたわね。

 大人の先生が言ってたらセクハラ問題よ。

 

 多分、廊下に出たらネギ先生に注意してるわねお父さん。

 焦るのはいいが言葉の内容には気を付けるようにとか。

 

 

 

 それにしても……入学してしょっぱなから身体測定かぁ……はっきり言って鬱だわ。

 

 これで現在のお母さんよりスタイル悪かったら将来性無さそうなんだけど……

 

 血縁で見ればスタイルはよくなる筈なんだけどなぁ。

 御婆様とか御婆様とか御婆様とか。大事な事だからあえて三回言ったわ。

 なにアレまじで凶器よ。

 アレで人を殺せますってマジで。

 おもに出血多量で。

 

 ちなみにカティ姉はお婆様に近いスタイルなのよね。

 エヴァさんに似なかったのかそれともエヴァさんも成長したらああなるのか……

 よく分からないわね。

 

 

 あ、私の下着は黒色で所々透けてて結構色っぽいから。

 残念だけどTバックとかフルシースルーとかには出来なかったけど。というかさせてもらえなかったけど。

 

 私はいつでも勝負下着です。

 

 いつお父さんに迫られても問題無いようにねぇ……えへへへへぇ~

 

 

 

「ウワサの吸血鬼はお前のような元気でイキのいい女が好きらしい。

 十分気をつけることだ……」

 

 ん? いつの間にかエヴァさんがお母さんに何か言ってる。

 

「もう、子供じゃないんだから脅かさないの」

 

 いじめちゃ可哀想でしょ?

 

 エヴァさんを持ち上げて抱きかかえる。

 うわぁ、軽いぃ~お人形さんみたい~。

 おっ持ち帰り~。

 キャッホー!

 

「お前は十分子供扱いしているように見えるが?」

「そりゃもう!」

「確信犯!?」

 

 現在の刺々しくも可愛らしいエヴァさんが私のお気に入りなんだよねぇ。遊び甲斐がある。そう、私はついに見つけた! エヴァさんの神髄を!!!

 

 な~んて冗談は抜きにして、もちろん未来のデレデレの甘々のエヴァさんも大好きだけどね。

 ただ未来だとエヴァさんちょっと成長してるから今よりも抱きにくいんだよねぇ。

 だから抱き心地はこっちのエヴァさんの方が上。

 

 ああん本当に持って帰りた~い。

 

 

 

 

 

「先生大変やー」

 

 っと、今度は和泉おば様の声。

 

 本当に初日から慌ただしいクラスねぇ。

 はじまってまだ一限目終わってないのよ?

 未来の私のクラスよりイベント多いんじゃいもしかしたら?

 

 ってみんな、慌ててるのは分かるけど今窓と扉を開けたら!

 

「心配するのは分かるが、俺達が外にいるのくらいは理解していて欲しかったな」

 

「「「「「「きゃー!」」」」」」

 

 外にお父さんとネギ先生がいるのに……お父さんはちゃんと窓の外見て視線を外してるけどね。

 さすが自称紳士。

 

 ……それ以上に恥ずかしいモノは未来で十分見てるけど。

 

 下着姿じゃ足りませんよエヴァさん。

 その先の奥まで全部ですよエヴァさん。

 あられもない姿全部ですよエヴァさん。

 

「だからなんでお前は全部私に言うんだこのバカたれ!」

 

 だって真っ赤な顔のエヴァさんが可愛いんだもん!

 

 

「もう少し謹みは持った方がいいぞ、お嬢さんたち。

 さて、和泉くんだったね。

 保健室までの案内をお願いするよ」

 

 そうしてお父さんとネギ先生は和泉おば様に連れられて保健室へ。

 

 まき絵おば様が倒れてたって言ってたけど……

 たしかエヴァさんが原因だったって話よねコレ?

 

「なんだ?」

「ほどほどにしといた方がいいよエヴァさん」

「わかっているさ。

 軽く血を吸って魔法で眠らせただけだ」

 

 吸血鬼だからある程度血を吸うのは仕方がないけどさ。

 輸血パックじゃまずいって言ってたし。

 だからってクラスメートの血を吸う事はないでしょうに。

 

 あ、ネギ先生をおびき寄せるためにやってたんだっけ。

 

 お父さんが軽くだけ教えてくれた。

 

「どっちにしても怪我だけはさせないでね」

「……しょうがないな」

 

 しぶしぶ承諾してくれたように見えるけど、頬がちょっと赤いの分かっちゃった。

 うん、やっぱりエヴァさん大好き。

 

 

 ちなみに私のスリーサイズはお母さんとあまり変わらなかったと明記しておくわ。

 ダイエットしなきゃなんて考えてないし、ええ考えてないからね!!

 

 とりあえず今日のおやつは抜くわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして放課後、お父さんと帰宅。

 

 の筈だったんだけど……

 

 

「ナギ先生はいますか?」

 

 HRの終わりごろにしずな先生がやって来てお父さんを呼びに来た。

 

「ああ、しずな先生。何か用ですか?」

「学園長が呼んでいますので、一緒に来てくださいますか?」

 

 多分エヴァさんとネギ先生の事ね。

 知っていると思うけどいちおう念のために話しておくってとこかな。

 

「了解した。じゃあ明日香は先に帰っていてくれ」

「は~い」

 

 しょうがないか……

 か~な~り~残念だけど一人で帰るわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 綺麗な桜だね。

 

 気が付けば桜並木の道を歩いていた。

 

 ……そっか、ここが桜通りか。

 

 

 そして今日ここで、エヴァさんはのどかおば様を襲うらしい。

 

 まぁ怪我とかしないし……ねぇ……

 

 

 

 歩いていると街頭の下にタカミチさんの影が、

 

「タカミチさん、なにか用?」

 

「……ちょっとね」

 

 ちょっとって雰囲気でも無いんだけどなぁ。

 

「エヴァさんとネギ餓鬼の邪魔してほしくないって事かな」

 

 これ以上先には行かないようにって注意でもしたいのかな?

 ぶっちゃけバレバレよね。

 

「ネギ餓鬼って……まぁ、そういうことかな?」

「まあいいですけどね。

 ただ……こっちのお母さんも好きだからね……傷付けたら許さないよ?」

「ああ、分かってるよ」

 

「……どうだか?」

 

 既にお母さんはネギ餓鬼が魔法使いだって知っちゃってるらしいしね。

 

 

 ……今の間に手を打たないとズルズル行くわよ?

 

 

 ……お母さん、根が優しいから絶対に手を貸しちゃうよ?

 

 

 ……守るんじゃないの?

 

 

 ……平穏に生きて欲しいんじゃないの?

 

 

 ……それとも?

 

 

 

 ……

 

 

 

 

「送ろうか?」

「遠慮します………私は、今の貴方は大っ嫌いですから」

 

 はっきり言っておくとネギ先生……ネギ餓鬼の事はあまり好きになれなかった。

 

 これは単純に相性の問題。

 理由を聞かれても曖昧な答えしか返せないようなそんな問題。

 

 白色が黒色に染まりたくないようなそんな問題。

 

 お父さんはいろいろあって今の性格になってるし、考え方も変わってるからほぼ別人。

 ぶっちゃけ一緒になんてしてほしくないのが本音。

 

 

 だけどそれ以上に今のタカミチさんは好きになれない。

 

 お父さんの事を……英雄の息子、御爺ちゃんの息子としか見ない人なんて死ねばいい。

 

 むしろ死ね!

 

 

 じゃあ今のエヴァさんはどうかって聞かれるとそれはそれで困るんだけどね。

 

 

 

 

 

 ……ホント……ムカつくよね。

 

 英雄の子供、だとか……

 

 ウェスペルタティアの忘れ形見、だとか……

 

 黄昏の後継、だとか……

 

 

 ウザったいったらありゃしない。

 

 

 

 チヤホヤされても、誰も私を私として見てない……

 

 気持ちの悪い目。

 

 人形をみているような。

 

 私ではない何かを見るような。

 

 

 そんな気持ちの悪いモノなんて、

 

 

 

 みんな死ねばいい……

 

 

 

 

 

 

「ほう、お嬢さん……運が悪いですね」

 

 

 

 不機嫌な状態で歩いていたせいか……

 いつの間にか人気の無い場所まで歩いてきてしまっていたらしい。

 

 中途半端な魔力無効化のせいで結界に反応しにくいのは問題かな……

 

 

 しかも目の前にはあからさまに学園への侵入者。

 背後に鬼を十体程従えた陰陽術師がそこにいた。

 

 

 

 まったく――

 

 

「ホント……運が悪いわねぇ」

 

「ええ、本当に可哀想なお嬢さ「私の事じゃないわよ?」……ん?」

 

 

「あんた達が運悪いって言ってんのよ」

 

 

 機嫌が悪い時の私と敵対するなんてね……最悪以外の何物でもないわね。

 

 

 

 

「じゃあ……サッサト……死ネ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……私には、長時間戦闘をすることが出来ない理由がある。

 

 持久力もそうだけどなにより――

 

 

 魔力も気も、持続しないのだ。

 

 

 

 お母さんが持っているという魔力完全無効化能力。

 自身に向けられた魔力のすべてを無効化し、そして魔法を問答無用で消滅させる能力。

 

 そんな能力を、微弱だけど私も持ってる。

 

 持ってしまっている。

 

 

 でも不完全なんだ。

 

 

 それは自分自身にも効果がある。

 

 魔力を使った強化も、気を使った強化も、長時間の持続ができない。出力が維持できない。

 殴ろうとしても腕に意識を持っていけばより早く雲散してしまう。

 

 殴る瞬間にはほとんど強化が切れて、ただ殴ってるだけになる。

 

 だから殴れない。

 

 だから一瞬ですむ無音拳の方が使い勝手がいい。

 

 

 咸卦法を使っても、使った瞬間から魔力無効化のせいで少しづつ劣化する。

 時間にそのまま比例して強化は弱くなっていき、最後には強制的に解除させられる。

 

 

 それになにより、無自覚に発動してるから私自身にも解除することができない。

 

 能力を無駄に使ってるから総合的に持久力は落ちる。

 

 だからどうしても短期決戦をするしかない。

 

 

 

 私としては……もっともっとモットモットMOTTO楽しみたいんだけどねぇ~。

 

 

 

 

 

 

「んん~、いい気分転換にはなったかな」

 

 暴れている最中にほどけてしまったより赤く染まった髪を整える。

 顔に付いた血を舐めるが、やっぱり鬼の血は不味いわね。

 今日着たばかりの学生服も血で赤黒くなっている。

 このままじゃ明日着れないなぁ。

 

 

 グチャッ

 

 

 どういう原理か私じゃ分からないけど、私が倒した鬼は還れない。

 

 微弱な魔力無効化の効果か、それとも私も知らない力があるのかは知らないけど……

 

 私が殺した鬼はそのまま死ぬ。

 

 

 だから今この場には術者を含めた鬼たちの無残な肉塊が散らばっていた。

 鬼の腕も、足も、首も、腸も、骨も、血も、もはやなんだったか分からない残骸も、なにもかもが。

 

 ああ、なんて綺麗な赤い色。

 

 これが人のモノだったなら、さぞや美しく綺麗に映るのだろう。

 

 

 ヒャッハッハッ……ああ、むせ返るほどに血の香り。

 

 グチャグチャと血肉を踏みつぶす感触は本当に気持ちがいい。

 

 

 ああ、こうしていると本当に――

 

 

 

 ワタシハコワレテイル

 

 

 

 そう実感できる。

 

 

 

 

 

 

 

 でも……これ以上はダメか。

 

 時間を掛けると学校側にばれちゃうし……

 

 お父さんの迷惑になるのだけは絶対にイヤ!

 

 

 ポケットから一枚の札を取り出す。

 これは超おば様にお願いして作ってもらったモノ。

 

 死体だけを回収する特殊な札。

 これを使えばこの現場も、あたかも何も無かったかのように出来る。

 あとはこの札を燃やしてしまえば証拠隠滅。

 

 もちろん私の魔力無効化にも対処が施されてるから、間違って解除なんて事も無い。

 

 

「回収」

 

 

 もうちょっと血の匂いとか楽しみたかったけど、残念ながらこれで終わり。

 

 遊戯はまたの機会に、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて……

 

 

 

 帰ろっか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「月が、鮮血に染まって……キレイね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。

作者の電波受信により明日香はかなりおかしな性格となりました。
防衛本能が強く働いてあのモードになってるだけで、実際はちゃんと良い子です。

さて、今回もキャラクター設定。

名前:超鈴音
年齢:35
仕事:科学者
子供:息子一人と娘が二人
備考:言わずも知れたマッドサイエンティスト。
   大概の発明品でみんなを危険にさらす要注意人物。
   だがやはりその科学力はすさまじいモノがあり、大抵は自力でなんとかする。
   今回の事件の主犯でもある。

   世界が分岐する前の未来の世界からやってきた。
   そのためハーレムなんて知りもしませんでした。
   なんだかんだで帰る気がなくなりこの世界に永住することに。

   ネギに迫ったのは木乃香と同じ最後組。
   「今更ワタシが入っても何も変わらないネ。だから諦めて一緒に幸せになるネ」
   とは本人談。


次回の内容ですが、以前書いた内容だと生徒との交流とか関係性が無さ過ぎたので新規で書く事になります。
もしかすると遅れるかもしれませんが、出来るだけ手早く投稿できるようにしますのでどうかご容赦を。

多分番外が先に投稿されるかもしれません。あとこちらも一つ新規で書きます。楽しみにしていただければ幸いです。
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