二回目イズクとかっちゃん(♀)   作:規律式足

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 どうしても書きたくなった、というか読みたくなったので書いてしまいました。
 女版かっちゃんって最高ですよねっ!!

 他のキャラクターについては未定ですが、かっちゃんメインヒロインで頑張りたいです。
 なお主人公緑谷出久君は、麗日お茶子ちゃんを女子として一番意識してましたが、恋心の自覚はありません。


第1話

 

 人は生まれながらに平等じゃない。

 

「ひどいよ、かっちゃん。泣いてるだろ!!」

 

「どいてよイズク、無個性なのにヒーロー気取り?かっこいい(ポッ)」

  

 これが齢四歳にして知った社会の現実。

 そして一回目の僕の、最初で最後の挫折だ。

 

 

 僕、緑谷出久は二回目の人生を生きている。

 一回目の僕、オールマイトにワンフォーオールを託され継承者として生きた十六歳の緑谷出久は死柄木弔と戦い敗北した。

 ワンフォーオールは死柄木弔に全て奪われ、僕は触れられた胴体から崩壊し塵と化した。

 最後に見た光景は僕を殺す死柄木弔ではなく、その先のどこまでも遠い透き通るように蒼い空だった。

 その後あの世界が、共に戦った皆がどうなったかはわからない。

 わかっていることは、あの時緑谷出久は確かに死んだということと、今こうして再び緑谷出久として生き直しているということだけ。

 いつこの記憶を思い出したかは正確には覚えていない、個性診断の時は前回と同じ反応だったような気がする。

 無個性だったショックで、母に泣きながら謝らせてしまった。

 

(助けたい)

 

 同じ人生を歩んでいると自覚したあの日から、僕はずっとそんな願望と衝動を抱えていた。

 一回目で取りこぼしてしまった沢山のものを、再び失わないために。

 今回の僕がワンフォーオールの継承者になれるとは到底思えない、前回失敗してしまった僕になる資格なんてない。

 それでも助けたいから、一回目ではやらなかったことをやろう。

 同じ無個性だったオールマイトのように、この肉体を鍛えあげよう。

 僕とは違い皆を救える真のワンフォーオール継承者と共に戦うために。

 あの日、僕を止めるために駆けつけてきてくれた大切な仲間達が、麗日さんがずっと笑っていられるように。

 

「強くなるんだ」

 

 この世界の皆が僕の知る皆とは違うのだと理解していても。

 それでも、オールマイトのように誰かを助けられるヒーローになりたい気持ちは変わらないから。

 ヒーローになる為に必要なことは、一回目の記憶でオールマイトに教えて貰った。さらに雄英高校に入学してから最高の先生達による指導で学んだ。

 宝物のような思い出をアルバムのように一枚一枚めくる。そしてそこから知識を吸い出し徐々に徐々にできることから身につけていく。

 これから起こる悲劇に立ち向かう為に。

 もう無力だった事を後悔しない為に。

 強くなると僕は誓ったんだ。

 

 

 

 

 

「来るんじゃねえええ!!」

 

 線路内で暴れる巨大なヴィラン。

 怪物化の個性だと見物している人が言うけど、異形な外見に巨大化の個性かな?

 一回目と同じ通学途中のヴィラン騒動。

 薄れつつある一回目の記憶の中でも、この日のことを忘れたことはない。

 なにせ、

 

「通勤時間帯に能力違法行使及び強盗致傷。まさに邪悪の権化よ」

 

 一回目で共に肩を並べて戦った若手実力派ヒーローを生で初めて見た日なのだから。

 そして、

 

「キャニオンカノン!!」

 

 ヴィラン連合との戦いで最前線に立ち続けたMt.レディのデビューの日なのだから。あ、Mt.レディの必殺技でヴィランが蹴り飛ばされてさらに線路の外壁吹っ飛んでる、下の道路にも被害が。

 前回ならここでヒーローノートにメモをしていたけど今回は書いていない。

 分析も大事だがそれ以上に僕自身の地力が重要だと知っているから。

 あとブツブツ呟くのは周りから引かれるって今回は理解してるからね。

 

(しかし、今日なのか)

 

 一回目の僕の人生が変わった日。

 この騒動がその始まりだったのだ。

 

(まあ前回と同じようになるかはわからないけどね)

 

 二回目の人生を生きている実感はある。

 この世界が一回目とほぼ同じだと確信している。その記憶を元にこの十年で変えられたことも、救えた人もいるのだから。

 目についた街頭テレビを見る。

 そこには『鮮血ヒーロー・スタンダール』がヴィランを捕縛する姿が映されていた。

 それでも僕はこの世界が前回とは違うものだと理解している。

 なにせ決定的と言えるほどに明確に違うことがあるのだから。

 うん、なんでそうなったんだ。

 

 

 

「えー、お前らも三年ということで!!

 本格的に将来を考えていく時期だ!!」

 

 既に一回目の懐かしさを感じない慣れ親しんだ担任の先生の言葉を聞く。

 

「今から進路希望のプリントを配るが、皆!!

 だいたいヒーロー科志望だよね」

 

 プリントを撒き散らした先生に合わせてクラスの皆が個性を発動。そういえばこのクラスは発動系個性が多いよね。前の席の男子はなんと表現したら良いか困る容姿だけど。

 

「うんうん、皆良い個性だ。でも校内で個性発動は原則禁止な!」

 

 どこの学校もヒーロー科進学を推奨しているからか注意はしても特に罰則はないけどね。

 

「先生、「皆」とか一緒くたにすんなよ!」

 

 ここで一回目と同じように声を上げる幼馴染。

 

「俺はこんな没個性達と仲良く底辺なんか行かねー」

 

 プライド高くて口が悪いのは一回目と変わらないな、なんかホッとする。

 

(緑谷から爆豪への視線)

 

(これはラブ臭がするわ)

 

 なんか一部女子に盛り上がりが。

 

「そりゃねーだろカツキ!!」

 

「モブがモブらしくうっせー!!」

 

 ブーブーと批難されるのもどこ吹く風、このメンタルの強さこそが我が幼馴染よ。

 

(けどなんかラブ臭というより)

 

(保護者感あるのよね)

 

 君達はさっきからなんなの?

 

「あー確か爆豪は『雄英』志望だったな」

 

 担任のもたらした情報に場がざわざわとなる。

 

「国立の!?今年偏差値79だぞ!?」

 

「倍率も毎度やべーんだろ!?」

 

 通ったら慣れたけど、雄英高校入学ってとんでもないことだからなあ。

 

「そのざわざわがモブたる所以だ!模試じゃA判定!!俺はイズクと並ぶ雄英圏内!」

 

 なんか前回と違うなー。

 そして勢いよく椅子から立ち上がって彼女は宣言する。

 

「あのオールマイトをも超えて俺はトップヒーローと成り!!」

 

 こちらにチラリと一度視線を向けて頬をポッと赤らめると。

 

「高額納税者ランキングに名を刻み、イズクを一生監禁、いえ主夫として養うのよっ!!」

  

 場の空気が一瞬で死んだ。

 まだ僕が雄英志望だとバラされてないのに。

 そしてかっちゃん(♀)を除いて、周囲から頑張れって感じのデクを見る目が集中する。

 

 そう、一回目の緑谷出久との最大の違い。

 それは、

 爆豪勝己は女の子である。

 

 もう一度言おう。

 我が幼馴染であり個性と才能とセンスに恵まれたが、それを台無しにするくらいプライド高く粗暴で口も悪く、緑谷出久という人間にとっては最初に憧れたヒーローであるが、イジメっ子であり天敵であり後にライバルともいえる存在であった爆豪勝己が。

 

 この世界では女の子なのだ。

 

「あ、これ告白になっちゃうかな?」

 

「いいえ犯罪予告よ」

 

 さらに人の感情を察するのが苦手な僕にもわかるくらい好意を向けてくる乙女になってるし。

 ちなみに外見は母親の爆豪光己さんにそっくりです。

 

「緑谷」

 

 そんな美少女幼馴染に好かれる無個性なんて、前回以上に嫌われていじめられそうなものだけど。

 

「「「「「頑張れ!!」」」」」

 

 なんか応援されているんだよね。

 

 

 二回目の緑谷出久。

 一回目とは大き過ぎる違いのある。

 その物語はここからスタートする。

 

 





 他にあれこれ書いてるし、仕事で残業ばかりなのについ。いやね文章が吐き出さないと苦しいくらい溢れてしまって。
 更新は完全不定期です。

 ただ女版かっちゃんに詳しい方がいたら活動報告で教えてください。


 緑谷出久
 原作最終決戦にて敗北、死亡。
 一回目の記憶を元に鍛えている為、原作より強い。ただ転生者のような能力などはなく、あくまで鍛えられた無個性。一回目でサポートアイテムの有用性を理解したため、雄英高校サポート科に入学できるレベルで勉強し、整備開発できるレベルの技術を身につけた。

 爆豪勝己(♀)
 緑谷出久にガチ恋している乙女。
 その姿は若き日の母親そのもので、父親は緑谷出久の末路を悟っている。
 緑谷出久に嫌われたくないから原作より周囲に攻撃的ではなく、つるんでるのも女子。
 ツルペタにするかナイスバディするか悩む中。でも耳郎ちゃんと二人で胸のサイズに悩むシーンを見たい。

 緑谷引子
 ストレスで太らず、細身美人のまま。
 息子の頑張る理由が、勝己(好きな子)を守るためだと勘違いしている為協力的。

 鮮血ヒーロー・スタンダール
 時間及び年齢的に厳しい緑谷出久による未来改変の成果。詳しくはいずれ。
 


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